有価証券報告書-第35期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/25 9:43
【資料】
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【項目】
124項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調が続く一方で、消費税率引き上げによる消費マインドへの影響も懸念され、また通商問題や海外経済の不確実性による日本国内への景気下押しリスクも抱えております。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済社会活動が大きく制限される状況となり、企業収益、個人消費とも急速に低下し、現状においても先行きの不透明な状況にあります。
当社グループにおきましては、2月度の段階までは計画対比で順調な売上・利益の推移が続いておりましたが、新型コロナウイルスの世界での感染拡大の影響から海外旅行の催行が困難な環境下となり、3月度に売上・利益が大幅に減少し、当連結会計年度の営業収益は2,347百万円(前期比41.0%)、経常損失は61百万円(前期は経常利益167百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失が70百万円(前期は129百万円の利益)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は2,216百万円(前期比35.0%減)、負債合計は242百万円(前期比81.8%減)、純資産合計は1,974百万円(前期比5.3%減)となっております。自己資本比率は89.1%であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失が61百万円となり、営業未収入金が250百万円減少し、旅行前払金が157百万円減少、営業未払金が128百万円減少、旅行前受金が874百万円減少並びに配当金の支払による支出40百万円等の要因により、当連結会計年度末1,552百万円(前期比34.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、791百万円(前年同期比-%)となりました。
これは、税金等調整前当期純損失並びに営業未収入金の減少、旅行前払金の減少、営業未払金の減少及び旅行前受金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、7百万円(前年同期比-%)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出、保険積立金の解約による収入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、40百万円(前年同期比50.2%)となりました。
これは配当金の支払等によるものです。
④仕入及び販売の実績
当社グループは、旅行業を主たる事業としているため、生産及び受注の実績の記載は該当がありません。従って、仕入実績及び販売実績等についての区分記載を行っております。
(ⅰ)仕入実績
区分金額(千円)前年同期比(%)
航空運賃852,51140.5
地上費934,52740.2
その他131,16353.8
合計1,918,20241.1

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年3月25日以降、海外旅行の催行が事実上不可能となったことによるものです。
(ⅱ)販売実績
a.商品販売売上高は、次のとおりであります。
区分金額(千円)前年同期比(%)
旅行業2,338,78141.0
その他売上8,80639.0
合計2,347,58741.0

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.その他売上は保険料手数料の収入であります。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年3月25日以降、海外旅行の催行が事実上不可能となったことによるものです。
b.添乗員付主催旅行の渡航先別旅行者数による販売実績は次のとおりであります。
行先人数(人)前年同期比(%)
ヨーロッパA(南欧)82054.8
ヨーロッパB(西欧)21022.5
ヨーロッパC(東欧・ロシア)26123.1
イスラム諸国78860.4
アフリカ37546.3
中南米42043.4
北米1716.7
インド16444.6
アジア21946.8
中国7023.4
シルクロード15121.2
オセアニア7724.2
その他77954.3
合計4,35142.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態については、事業の特徴として、営業収益については旅行代金について前受金の形で入金されます。資金については、事前の入金を前提としていることから、無借金経営を継続しており、借入金残高はありません。同時に顧客よりの預り金の性質を有していることに鑑み、前受金相当の資金につきましては、価値変動リスクにさらすことなく、現金及び現金同等物として保有することを基本方針としております。また、米国同時多発テロ事件に見られますように、世界情勢の影響によるリスク等の存在する点から、自己資本の充実及び内部留保の確保による経営の安定性についても留意を払っております。
経営成績については、当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済社会活動が大きく制限される状況となり、企業収益、個人消費とも急速に低下し、現状においても先行きの不透明な状況にあります。 当社グループにおきましては、3月25日付で外務省より、全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航はやめて下さい。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。
第3四半期以降は、営業の休業を行い、また第4四半期以降は、従来主力事業の位置づけになかった国内旅行部門での収益確保のために社内資源の一部を投下いたしました。当面は国内旅行に経営資源を投下し、引き続き営業収益の確保に努める方針です。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
資本の財源につきましては、外部からの借入金はなく、100%自己資金で賄っております。
資金の流動性につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について正確な予測が立てられない状況ではありますが、「2事業等のリスク (4)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、現時点では十分な手許資金を確保しており、当面の資金繰りについては問題ないと判断しております。引き続き安定的な資金確保に努めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。
連結財務諸表の作成にあたり、その作成時点で入手している情報及び合理的と判断する一定の見積もりが必要な項目があります。特に次の項目については、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が、実績と乖離する場合等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産または資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フロー総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定における回収可能価額の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提条件と実際の結果が異なった場合又はその前提条件に変化が生じた場合には、新たに減損処理が生じる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件と実際の結果が異なった場合又はその前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。