有価証券報告書-第20期(2023/04/01-2024/03/31)
1 経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は1,241,893百万円、負債合計は992,450百万円、純資産合計は249,443百万円となりました。
資産は、前連結会計年度末比1.9%減の1,241,893百万円となりました。流動資産は短期借入金の返済に伴う、現預金の減少等により、前連結会計年度末比14.0%減の358,532百万円、固定資産は「更なる機能強化」事業の推進に伴う、固定資産の取得等により、前連結会計年度末比4.1%増の883,361百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比3.7%減の992,450百万円となりました。流動負債は、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末比23.0%減の116,100百万円となりました。固定負債は、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末比0.4%減の876,349百万円となりました。なお、長期借入金残高(1年内返済を含む)は437,850百万円となり、社債残高(1年内償還を含む)460,600百万円と合わせた長期債務残高は前連結会計年度末比2.4%増の898,450百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末比4.4%増の237,623百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が10,061百万円計上されたことによるものです。当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の18.0%から1.4ポイント増加し19.4%となりました。
非支配株主持分は、前連結会計年度末比1.0%増の8,323百万円となり、その他の包括利益累計額を含めた純資産は前連結会計年度末比5.9%増の249,443百万円となりました。
②経営成績の状況
新型コロナウイルスの感染症法上の分類変更に伴い、国内での行動規制が撤廃され、また、国際線の水際対策が終了したことにより、航空旅客需要は順調に回復しております。国際航空貨物需要は、海上輸送の正常化及び中国経済等の景気減速により荷動きが低調になっており、昨年度を下回る水準で推移しております。
当連結会計年度における経営成績は、水際対策の撤廃や円安に伴いインバウンドが好調なことを受けて、国際線発着回数及び国際線旅客数が増加したことから、空港使用料収入、旅客施設使用料収入ともに増収となりました。加えて、円安の影響等もあったことから、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入、一般テナントからの構内営業料収入についても増収となり、全体として、営業収益は前期比65.2%増の216,928百万円となりました。営業利益は12,967百万円(前期は営業損失31,788百万円)、経常利益は10,687百万円(前期は経常損失48,297百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,061百万円(前期は当期純損失50,218百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(空港運営事業)
空港運営事業では、コロナ禍後の正常化に向かう動きに伴い、国際線旅客便発着回数及び国際線旅客数が前年度を大幅に上回ったことから、空港使用料収入は前期比24.3%増の31,169百万円、給油施設使用料収入は18.1%増の11,727百万円、旅客施設使用料収入は111.5%増の34,266百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比50.0%増の90,347百万円、営業損失は25,935百万円(前期は50,017百万円)となりました。
(リテール事業)
リテール事業では、コロナ禍後の正常化に向かう動きに伴い、国際線旅客数が前年度を大幅に上回ったことに加え、円安などの影響も相まって、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入は前期比162.5%増の73,872百万円、一般テナントからの構内営業料収入は前期比141.9%増の9,724百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比152.5%増の95,251百万円、営業利益は前期比509.9%増の27,289百万円となりました。
(施設貸付事業)
施設貸付事業では、航空旅客数が増加したことに伴い、駐車場使用料収入が前期比23.2%増の3,084百万円となりました。一方、国際線の水際対策が終了したことに伴う検疫所への貸付面積減少等により、建物貸付料収入は前期比12.2%減の18,154百万円、供給施設使用料収入は前期比11.9%減の4,178百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比6.8%減の28,341百万円、営業利益は前期比15.5%減の11,023百万円となりました。
(鉄道事業)
鉄道事業では、営業収益は前期比0.3%増の2,987百万円、営業利益は前期比14.3%増の708百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比89,684百万円減の87,368百万円となりました。フリー・キャッシュ・フローは、前期に比べ17,433百万円改善の50,171百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が改善したこと等により、前期は1,705百万円のキャッシュ・アウトであったのに対し、62,171百万円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加等により、キャッシュ・アウトは前期に比べ46,443百万円増の112,342百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済があったこと等により、前期は69,508百万円のキャッシュ・インであったのに対し、39,542百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
2 生産、受注及び販売の実績
(1) 当社グループにおいては、空港運営事業、リテール事業、施設貸付事業及び鉄道事業を行っておりますが、生産 及び受注については該当事項はありません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
空港運営事業
リテール事業
施設貸付事業
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.( )には構成比を記載しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※当連結会計年度の全日本空輸(株)に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(参考情報)
成田国際空港運用状況
3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2022~2024年度の3ヶ年中期経営計画「Restart NRT(リスタート・ナリタ)」に掲げる諸施策に取り組んでおります。
コロナ禍からの需要回復に向けては、人手不足への対応やテナントの充実など、サービス供給体制の復旧を行っております。
人手不足の解消に向けては、安全で安定した空港運用やお客様へのサービスの根幹である空港人材を支えるための諸施策に全社を挙げて取り組むため、2024年3月に、社長を本部長とする「空港人材対策本部」を設置しました。空港見学会付き合同企業説明会の開催や、成田国際空港で働き周辺地域で暮らすライフスタイルについて情報発信する統合ウェブサイトの開設、空港内の食事環境や休憩環境等の職場環境改善、イノベーション推進による空港業務の自動化・省力化等を通じ、空港管理者として関係機関との連携を深めながら、主体的かつ迅速な取り組みを行っております。
また、テナントエリアでは、2023年7月に、成田国際空港内のブランドブティックとして最大規模となる「ルイ・ヴィトン」を第1ターミナル南ウイング3階の出国手続き後エリアにオープンし、2023年9月には、日本を味わえる飲食店10店舗を集積した飲食店フロア「JAPAN FOOD HALL」を第2ターミナル本館2階の出国手続き後エリアにオープンする等、コロナ禍からの復旧に留まることなく、ご利用頂くお客様に更なる体験価値をご提供するための取り組みを行っております。
無駄なく柔軟なコスト構造の確立、また、創造的な業務や変革的な業務に積極的に取り組んでいくための業務改革の推進については、経営陣がプロジェクトオーナーとなり、重点的に推進しております。また、業務推進体制の強化を目的に、2023年6月の役員改選期以降は、役付取締役に担当部門を持たせず、より全社的な観点からマネジメントを行う経営体制としております。
お客様に選ばれる空港づくりについて、成田国際空港は2023年12月に、中期経営計画の経営目標として掲げた、SKYTRAX社が実施する空港格付評価「WORLD AIRPORT RATING」の5スター評価を獲得しました。
先進的な保安機器の導入や保安検査場の拡張、世界トップレベルを目指したユニバーサルデザインターミナルへの取組み、「JAPAN FOOD HALL」のオープン、空港スタッフのプロフェッショナルな対応等が高く評価されたものと受け止めております。
今後も引き続き空港事業者・スタッフと連携し、お客様への最適な顧客体験の提供を目指して参ります。
国際航空貨物需要の更なる取り込みに向けては、貨物施設の分散や狭隘化の対策として、新たな貨物上屋「第8貨物ビル」の施工を進めております。同施設と、隣接する第7貨物ビルに全日本空輸株式会社の航空貨物取扱機能を集約し、2024年10月に供用を開始する予定です。
成田国際空港の能力向上については、2018年3月、国、千葉県、空港周辺9市町、当社による「成田空港に関する四者協議会」において、3,500mのC滑走路の新設、B滑走路の3,500mへの延伸、夜間飛行制限の緩和等を内容とする「更なる機能強化」事業の実施について合意され、2020年1月に国から航空法に基づく空港設置変更が許可されました。
当連結会計年度においては、2028年度末のC滑走路新設、B滑走路延伸に向け、当該区域の埋蔵文化財調査、地質調査等を実施するとともに、本格造成工事前の各種準備工事を進めており、B滑走路延伸部は2022年10月に東関道切り回し道路工事に着手し、C滑走路新設部は2023年12月に高谷川等排水整備工事に着手するなど、順調に進捗しております。
また、空港能力向上には、滑走路のみならず、旅客ターミナルをはじめ、空港全体の機能向上を図らねばなりません。そのためには、空港内施設の老朽化への対応、激甚化した災害やパンデミック等の危機に備えた機動的かつ柔軟に運用できる施設の整備、長年の懸念事項であるアクセスの改善等といった課題への対処が必要となります。このような背景から、成田国際空港の「更なる機能強化」事業の推進とあわせて、旅客ターミナルの再構築、航空物流機能の高度化、空港アクセスの改善、地域との一体的な発展等に関する成田国際空港の将来像を検討するため、2022年10月に、学識経験者、国、県、地元市町で構成する、「『新しい成田空港』構想検討会」が設置され、2023年3月に今後の取り組みの主要な方向性について中間とりまとめが公表されました。その後、中間とりまとめの内容を受け、検討深度化が進んだことから、2024年2月に同検討会が再開され、旅客施設や貨物施設の規模・形状やアクセス、地域共生・まちづくり等に関して、引き続き議論が進められております。
地域との持続的発展に向けては、多くの訪日外国人が来訪する成田国際空港やその周辺地域の経済活性化を図るため、成田国際空港周辺地域の魅力を活用した物販・卸事業、飲食事業、観光事業を行う「プラスナリタラボ株式会社」を設立し、地域と空港がともに発展していくための新たな空港地域ビジネスの確立に向け、2024年4月より事業を開始しました。
サステナビリティ経営の実現に向けては、CO₂排出量削減に関する中長期目標「サステナブルNRT2050」に掲げる諸施策を推進しました。
成田国際空港におけるエネルギー(電気・熱)供給と空港の脱炭素化事業に取り組むため、当社と東京瓦斯株式会社との合弁により設立した株式会社Green Energy Frontierは、2023 年4月1日より事業を開始し、既存エネルギー供給施設のリニューアルを進めるとともに、2045 年度末までの太陽光発電設備180MW導入の第一弾として、新設される第8貨物ビルへの太陽光発電設備の整備に着手し施工を進めております。
空港全体の脱炭素化に向けては、2022年12月に施行された改正航空法及び空港法に基づき、施設と車両の脱炭素化を目指す「空港脱炭素化推進計画」を策定し、2023年12月に国土交通大臣から認定を受けました。
車両の脱炭素化への取り組みとして、2023年12月にP1駐車場へ超急速EV充電器を、また、2024年2月に貨物地区へEV普通充電器を、それぞれ整備するとともに、2024年3月に次世代型バイオ燃料であるリニューアブルディーゼルを導入し、実証実験の取り組みを進めております
なお、各種グリーンプロジェクトに必要な資金を調達するため、2023年9月に国内空港初のグリーンボンドを発行しました。発行にあたっては、グリーンボンド・フレームワークを策定し、第三者評価を受けております。
顧客志向・脱自前主義でのイノベーションの推進に向けては、株式会社eiiconが運営するオープンイノベーションプラットフォーム 「AUBA」上にて、共創により成田国際空港発の価値を最大化するプログラム 「Narita Airport OPEN INNOVATION PROGRAM 2023」を2023年6月より開始し、非常に多くのご提案を頂きました。採択したご提案については、新たな価値創造に向けて共創パートナー企業との面談・協議を行い、各種実証実験を実施しております。
こうした状況下、当連結会計年度における航空機発着回数は、前期比23.6%増の219,727回、航空旅客数は前期比71.9%増の35,259千人となりました。国際航空貨物量は前期比16.0%減の1,846千t、給油量は前期比11.7%増の3,178千klとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、営業収益は前期比65.2%増の216,928百万円、営業利益は12,967百万円(前期は営業損失31,788百万円)、経常利益は10,687百万円(前期は経常損失48,297百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,061百万円(前期は当期純損失50,218百万円)となりました。
(3) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「3 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループの今後の資金需要において、主なものは空港運営事業等に係る設備投資であり、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、営業活動により生み出される営業キャッシュ・フローと、設備投資による投資キャッシュ・フローのバランスに配慮のうえ、中長期的な視点から必要な成長投資は着実に推進し、財務健全性と成長の両立を図ることとしております。
また、当社グループは資産規模が大きいことから、資産効率の向上が経営上重要なポイントであると認識しております。
こうしたことから中期経営計画(2022~2024年度)においては、連結営業利益、連結ROA、連結長期債務残高、連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率を重要な指標として位置付けており、2024年度末時点の各指標の目標値と当連結会計年度の状況は以下のとおりです。
コロナ禍により毀損した空港運用を早期に正常化し、併せて抜本的なコスト構造改革・業務改革を断行することで、経営基盤の早期回復・強化を図ってまいります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は1,241,893百万円、負債合計は992,450百万円、純資産合計は249,443百万円となりました。
資産は、前連結会計年度末比1.9%減の1,241,893百万円となりました。流動資産は短期借入金の返済に伴う、現預金の減少等により、前連結会計年度末比14.0%減の358,532百万円、固定資産は「更なる機能強化」事業の推進に伴う、固定資産の取得等により、前連結会計年度末比4.1%増の883,361百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比3.7%減の992,450百万円となりました。流動負債は、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末比23.0%減の116,100百万円となりました。固定負債は、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末比0.4%減の876,349百万円となりました。なお、長期借入金残高(1年内返済を含む)は437,850百万円となり、社債残高(1年内償還を含む)460,600百万円と合わせた長期債務残高は前連結会計年度末比2.4%増の898,450百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末比4.4%増の237,623百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益が10,061百万円計上されたことによるものです。当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の18.0%から1.4ポイント増加し19.4%となりました。
非支配株主持分は、前連結会計年度末比1.0%増の8,323百万円となり、その他の包括利益累計額を含めた純資産は前連結会計年度末比5.9%増の249,443百万円となりました。
②経営成績の状況
新型コロナウイルスの感染症法上の分類変更に伴い、国内での行動規制が撤廃され、また、国際線の水際対策が終了したことにより、航空旅客需要は順調に回復しております。国際航空貨物需要は、海上輸送の正常化及び中国経済等の景気減速により荷動きが低調になっており、昨年度を下回る水準で推移しております。
当連結会計年度における経営成績は、水際対策の撤廃や円安に伴いインバウンドが好調なことを受けて、国際線発着回数及び国際線旅客数が増加したことから、空港使用料収入、旅客施設使用料収入ともに増収となりました。加えて、円安の影響等もあったことから、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入、一般テナントからの構内営業料収入についても増収となり、全体として、営業収益は前期比65.2%増の216,928百万円となりました。営業利益は12,967百万円(前期は営業損失31,788百万円)、経常利益は10,687百万円(前期は経常損失48,297百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,061百万円(前期は当期純損失50,218百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(空港運営事業)
空港運営事業では、コロナ禍後の正常化に向かう動きに伴い、国際線旅客便発着回数及び国際線旅客数が前年度を大幅に上回ったことから、空港使用料収入は前期比24.3%増の31,169百万円、給油施設使用料収入は18.1%増の11,727百万円、旅客施設使用料収入は111.5%増の34,266百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比50.0%増の90,347百万円、営業損失は25,935百万円(前期は50,017百万円)となりました。
(リテール事業)
リテール事業では、コロナ禍後の正常化に向かう動きに伴い、国際線旅客数が前年度を大幅に上回ったことに加え、円安などの影響も相まって、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入は前期比162.5%増の73,872百万円、一般テナントからの構内営業料収入は前期比141.9%増の9,724百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比152.5%増の95,251百万円、営業利益は前期比509.9%増の27,289百万円となりました。
(施設貸付事業)
施設貸付事業では、航空旅客数が増加したことに伴い、駐車場使用料収入が前期比23.2%増の3,084百万円となりました。一方、国際線の水際対策が終了したことに伴う検疫所への貸付面積減少等により、建物貸付料収入は前期比12.2%減の18,154百万円、供給施設使用料収入は前期比11.9%減の4,178百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比6.8%減の28,341百万円、営業利益は前期比15.5%減の11,023百万円となりました。
(鉄道事業)
鉄道事業では、営業収益は前期比0.3%増の2,987百万円、営業利益は前期比14.3%増の708百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比89,684百万円減の87,368百万円となりました。フリー・キャッシュ・フローは、前期に比べ17,433百万円改善の50,171百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が改善したこと等により、前期は1,705百万円のキャッシュ・アウトであったのに対し、62,171百万円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加等により、キャッシュ・アウトは前期に比べ46,443百万円増の112,342百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済があったこと等により、前期は69,508百万円のキャッシュ・インであったのに対し、39,542百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
2 生産、受注及び販売の実績
(1) 当社グループにおいては、空港運営事業、リテール事業、施設貸付事業及び鉄道事業を行っておりますが、生産 及び受注については該当事項はありません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 空港運営事業 (百万円) | 90,347 | ( 41.6%) | 150.0 |
| リテール事業 (百万円) | 95,251 | ( 43.9%) | 252.5 |
| 施設貸付事業 (百万円) | 28,341 | ( 13.1%) | 93.2 |
| 鉄道事業 (百万円) | 2,987 | ( 1.4%) | 100.3 |
| 合計 (百万円) | 216,928 | (100.0%) | 165.2 |
空港運営事業
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 空港使用料収入 (百万円) | 31,169 | ( 34.5%) | 124.3 |
| 旅客施設使用料収入 (百万円) | 34,266 | ( 37.9%) | 211.5 |
| 給油施設使用料収入 (百万円) | 11,727 | ( 13.0%) | 118.1 |
| その他収入 (百万円) | 13,184 | ( 14.6%) | 146.4 |
| 合計 (百万円) | 90,347 | (100.0%) | 150.0 |
リテール事業
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 物販・飲食収入 (百万円) | 73,872 | ( 77.6%) | 262.5 |
| 構内営業料収入 (百万円) | 9,724 | ( 10.2%) | 241.9 |
| その他収入 (百万円) | 11,654 | ( 12.2%) | 209.4 |
| 合計 (百万円) | 95,251 | (100.0%) | 252.5 |
施設貸付事業
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 土地建物等貸付料収入 (百万円) | 21,464 | ( 75.7%) | 91.6 |
| その他収入 (百万円) | 6,877 | ( 24.3%) | 98.9 |
| 合計 (百万円) | 28,341 | (100.0%) | 93.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.( )には構成比を記載しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 全日本空輸(株) | 13,211 | 10.1 | - | - |
※当連結会計年度の全日本空輸(株)に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(参考情報)
成田国際空港運用状況
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 航空機発着回数(回) | 219,727 | 123.6 | |
| 国際線 | 168,632 | 134.4 | |
| 国内線 | 51,095 | 97.6 | |
| 航空旅客数(千人) | 35,259 | 171.9 | |
| 国際線 | 27,448 | 202.4 | |
| (うち日本人) | ( 6,785) | (198.5) | |
| (うち外国人) | (17,891) | (274.6) | |
| (うち通過客) | ( 2,770) | ( 76.4) | |
| 国内線 | 7,811 | 112.3 | |
| 国際航空貨物量(千t) | 1,846 | 84.0 | |
| 積 込 | 838 | 81.8 | |
| 取 卸 | 1,008 | 85.9 | |
| 給油量(千kl) | 3,178 | 111.7 | |
3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2022~2024年度の3ヶ年中期経営計画「Restart NRT(リスタート・ナリタ)」に掲げる諸施策に取り組んでおります。
コロナ禍からの需要回復に向けては、人手不足への対応やテナントの充実など、サービス供給体制の復旧を行っております。
人手不足の解消に向けては、安全で安定した空港運用やお客様へのサービスの根幹である空港人材を支えるための諸施策に全社を挙げて取り組むため、2024年3月に、社長を本部長とする「空港人材対策本部」を設置しました。空港見学会付き合同企業説明会の開催や、成田国際空港で働き周辺地域で暮らすライフスタイルについて情報発信する統合ウェブサイトの開設、空港内の食事環境や休憩環境等の職場環境改善、イノベーション推進による空港業務の自動化・省力化等を通じ、空港管理者として関係機関との連携を深めながら、主体的かつ迅速な取り組みを行っております。
また、テナントエリアでは、2023年7月に、成田国際空港内のブランドブティックとして最大規模となる「ルイ・ヴィトン」を第1ターミナル南ウイング3階の出国手続き後エリアにオープンし、2023年9月には、日本を味わえる飲食店10店舗を集積した飲食店フロア「JAPAN FOOD HALL」を第2ターミナル本館2階の出国手続き後エリアにオープンする等、コロナ禍からの復旧に留まることなく、ご利用頂くお客様に更なる体験価値をご提供するための取り組みを行っております。
無駄なく柔軟なコスト構造の確立、また、創造的な業務や変革的な業務に積極的に取り組んでいくための業務改革の推進については、経営陣がプロジェクトオーナーとなり、重点的に推進しております。また、業務推進体制の強化を目的に、2023年6月の役員改選期以降は、役付取締役に担当部門を持たせず、より全社的な観点からマネジメントを行う経営体制としております。
お客様に選ばれる空港づくりについて、成田国際空港は2023年12月に、中期経営計画の経営目標として掲げた、SKYTRAX社が実施する空港格付評価「WORLD AIRPORT RATING」の5スター評価を獲得しました。
先進的な保安機器の導入や保安検査場の拡張、世界トップレベルを目指したユニバーサルデザインターミナルへの取組み、「JAPAN FOOD HALL」のオープン、空港スタッフのプロフェッショナルな対応等が高く評価されたものと受け止めております。
今後も引き続き空港事業者・スタッフと連携し、お客様への最適な顧客体験の提供を目指して参ります。
国際航空貨物需要の更なる取り込みに向けては、貨物施設の分散や狭隘化の対策として、新たな貨物上屋「第8貨物ビル」の施工を進めております。同施設と、隣接する第7貨物ビルに全日本空輸株式会社の航空貨物取扱機能を集約し、2024年10月に供用を開始する予定です。
成田国際空港の能力向上については、2018年3月、国、千葉県、空港周辺9市町、当社による「成田空港に関する四者協議会」において、3,500mのC滑走路の新設、B滑走路の3,500mへの延伸、夜間飛行制限の緩和等を内容とする「更なる機能強化」事業の実施について合意され、2020年1月に国から航空法に基づく空港設置変更が許可されました。
当連結会計年度においては、2028年度末のC滑走路新設、B滑走路延伸に向け、当該区域の埋蔵文化財調査、地質調査等を実施するとともに、本格造成工事前の各種準備工事を進めており、B滑走路延伸部は2022年10月に東関道切り回し道路工事に着手し、C滑走路新設部は2023年12月に高谷川等排水整備工事に着手するなど、順調に進捗しております。
また、空港能力向上には、滑走路のみならず、旅客ターミナルをはじめ、空港全体の機能向上を図らねばなりません。そのためには、空港内施設の老朽化への対応、激甚化した災害やパンデミック等の危機に備えた機動的かつ柔軟に運用できる施設の整備、長年の懸念事項であるアクセスの改善等といった課題への対処が必要となります。このような背景から、成田国際空港の「更なる機能強化」事業の推進とあわせて、旅客ターミナルの再構築、航空物流機能の高度化、空港アクセスの改善、地域との一体的な発展等に関する成田国際空港の将来像を検討するため、2022年10月に、学識経験者、国、県、地元市町で構成する、「『新しい成田空港』構想検討会」が設置され、2023年3月に今後の取り組みの主要な方向性について中間とりまとめが公表されました。その後、中間とりまとめの内容を受け、検討深度化が進んだことから、2024年2月に同検討会が再開され、旅客施設や貨物施設の規模・形状やアクセス、地域共生・まちづくり等に関して、引き続き議論が進められております。
地域との持続的発展に向けては、多くの訪日外国人が来訪する成田国際空港やその周辺地域の経済活性化を図るため、成田国際空港周辺地域の魅力を活用した物販・卸事業、飲食事業、観光事業を行う「プラスナリタラボ株式会社」を設立し、地域と空港がともに発展していくための新たな空港地域ビジネスの確立に向け、2024年4月より事業を開始しました。
サステナビリティ経営の実現に向けては、CO₂排出量削減に関する中長期目標「サステナブルNRT2050」に掲げる諸施策を推進しました。
成田国際空港におけるエネルギー(電気・熱)供給と空港の脱炭素化事業に取り組むため、当社と東京瓦斯株式会社との合弁により設立した株式会社Green Energy Frontierは、2023 年4月1日より事業を開始し、既存エネルギー供給施設のリニューアルを進めるとともに、2045 年度末までの太陽光発電設備180MW導入の第一弾として、新設される第8貨物ビルへの太陽光発電設備の整備に着手し施工を進めております。
空港全体の脱炭素化に向けては、2022年12月に施行された改正航空法及び空港法に基づき、施設と車両の脱炭素化を目指す「空港脱炭素化推進計画」を策定し、2023年12月に国土交通大臣から認定を受けました。
車両の脱炭素化への取り組みとして、2023年12月にP1駐車場へ超急速EV充電器を、また、2024年2月に貨物地区へEV普通充電器を、それぞれ整備するとともに、2024年3月に次世代型バイオ燃料であるリニューアブルディーゼルを導入し、実証実験の取り組みを進めております
なお、各種グリーンプロジェクトに必要な資金を調達するため、2023年9月に国内空港初のグリーンボンドを発行しました。発行にあたっては、グリーンボンド・フレームワークを策定し、第三者評価を受けております。
顧客志向・脱自前主義でのイノベーションの推進に向けては、株式会社eiiconが運営するオープンイノベーションプラットフォーム 「AUBA」上にて、共創により成田国際空港発の価値を最大化するプログラム 「Narita Airport OPEN INNOVATION PROGRAM 2023」を2023年6月より開始し、非常に多くのご提案を頂きました。採択したご提案については、新たな価値創造に向けて共創パートナー企業との面談・協議を行い、各種実証実験を実施しております。
こうした状況下、当連結会計年度における航空機発着回数は、前期比23.6%増の219,727回、航空旅客数は前期比71.9%増の35,259千人となりました。国際航空貨物量は前期比16.0%減の1,846千t、給油量は前期比11.7%増の3,178千klとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、営業収益は前期比65.2%増の216,928百万円、営業利益は12,967百万円(前期は営業損失31,788百万円)、経常利益は10,687百万円(前期は経常損失48,297百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,061百万円(前期は当期純損失50,218百万円)となりました。
(3) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「3 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループの今後の資金需要において、主なものは空港運営事業等に係る設備投資であり、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、営業活動により生み出される営業キャッシュ・フローと、設備投資による投資キャッシュ・フローのバランスに配慮のうえ、中長期的な視点から必要な成長投資は着実に推進し、財務健全性と成長の両立を図ることとしております。
また、当社グループは資産規模が大きいことから、資産効率の向上が経営上重要なポイントであると認識しております。
こうしたことから中期経営計画(2022~2024年度)においては、連結営業利益、連結ROA、連結長期債務残高、連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率を重要な指標として位置付けており、2024年度末時点の各指標の目標値と当連結会計年度の状況は以下のとおりです。
コロナ禍により毀損した空港運用を早期に正常化し、併せて抜本的なコスト構造改革・業務改革を断行することで、経営基盤の早期回復・強化を図ってまいります。
| 指標 | 2024年度(目標) | 2023年度(実績) | コロナ禍前水準 2019年度(実績) |
| 連結営業利益 | 200億円以上 | 129億円 | 407億円 |
| 連結ROA(総資産営業利益率) | 1.1%以上 | 1.0% | 4.9% |
| 連結長期債務残高 | 9,000億円台 | 8,984億円 | 3,610億円 |
| 連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率 | 18倍以内 | 14.5倍 | 5.9倍 |