有価証券報告書-第15期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 14:46
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128項目
1 経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は818,854百万円、負債合計は454,462百万円、純資産合計は364,391百万円となりました。
資産は、前連結会計年度末比1.0%増の818,854百万円となりました。流動資産は、商品、未収消費税等の増加等により前連結会計年度末比2.7%増の66,847百万円となりました。固定資産は、減価償却が進んだものの、土地の増加により前連結会計年度末比0.9%増の752,006百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比3.2%減の454,462百万円となりました。流動負債は、1年内償還予定の社債の減少等により、前連結会計年度末比15.3%減の95,387百万円となりました。固定負債は、割引率変更による退職給付に係る負債の増加等により前連結会計年度末比0.7%増の359,075百万円となりました。なお、長期借入金残高(1年内返済を含む)は43,000百万円となり、社債残高(1年内償還を含む)339,000百万円と合わせた長期債務残高は前連結会計年度末比6.6%減の382,000百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末比7.5%増の358,019百万円となりました。これは配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が35,756百万円計上されたことによるものであります。当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の41.1%から2.4ポイント増加し43.5%となりました。
非支配株主持分は、前連結会計年度末比1.2%増の8,006百万円となり、その他の包括利益累計額を含めた純資産合計は前連結会計年度末比6.8%増の364,391百万円となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善等により、緩やかな回復基調が続きました。また、成田国際空港を取り巻く環境としましては、観光先進国の実現に向けた官民一体での訪日プロモーションの継続的実施等を背景に、訪日需要が引き続き好調に推移しております。日本政府観光局の統計によりますと、2018年度の訪日外国人旅行者数は過去最高の3,163万人となり、2017年度の2,977万人を6.2%上回りました。
当連結会計年度における経営成績は、空港使用料収入が、韓国線、台湾線を中心としたアジア方面等における新規就航や増便により、航空機発着回数が増加し増収。また、旅客施設使用料収入も、引き続き旺盛な訪日需要を背景に国際線外国人旅客数が大きく伸びたことに加え、国際線日本人旅客数も好調に推移したことにより増収。物販・飲食収入、構内営業料収入は、国際線旅客数の増加や前年度下期以降に順次開業した新店効果や販売促進施策の効果等により増収となり、全体として、営業収益は前期比8.0%増の249,706百万円、営業利益は前期比19.7%増の55,817百万円、経常利益は前期比24.0%増の53,622百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.4%減の35,756百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(空港運営事業)
空港運営事業では、韓国線、台湾線を中心としたアジア方面等における新規就航や増便により航空機発着回数が増加したことにより、空港使用料収入は前期比1.8%増の40,721百万円となりました。また、航空機材の低燃費化等により給油量が減少し、給油施設使用料収入は前期比0.8%減の15,466百万円となりました。一方、旺盛な訪日需要を背景とした国際線外国人旅客数の増加等に伴い旅客施設使用料収入は前期比7.1%増の41,653百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比3.7%増の110,870百万円、営業利益は耐用年数の到来に伴い減価償却費が減少したこと等により前期比58.1%増の10,714百万円となりました。
(リテール事業)
リテール事業では、国際線旅客数の増加や第1旅客ターミナルビル出国審査後エリアの新規店舗の新店効果、到着時免税店の通年化、中国系のお客様を中心とした訪日外国人向け販売促進施策の効果等により、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入は前期比17.1%増の82,496百万円、一般テナントからの構内営業料収入は前期比10.0%増の12,504百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前期比15.0%増の104,853百万円、営業利益は前期比17.4%増の29,969百万円となりまし
た。
(施設貸付事業)
施設貸付事業では、営業収益は前期比2.4%増の30,996百万円、営業利益は前期比4.7%増の14,607百万円となりました。
(鉄道事業)
鉄道事業では、営業収益は前期比0.1%増の2,986百万円、営業利益は前期比7.8%増の669百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比337百万円増の35,806百万円となりまし
た。フリー・キャッシュ・フローは、前期比6,816百万円減の38,188百万円のキャッシュ・インとなりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に計上した厚生年金基金の代行返上益を除いた税金等調整前当期純利益の増加等により、前期比12,190百万円増の78,394百万円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加等により、前期比19,007百万円増の
40,206百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出の減少等により、前期比3,580百万円減の
37,846百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
2 生産、受注及び販売の実績
(1) 当社グループにおいては、空港運営事業、リテール事業、施設貸付事業及び鉄道事業を行っておりますが、生産及び受注については該当事項はありません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
空港運営事業 (百万円)110,870(44.4%)103.7
リテール事業 (百万円)104,853(42.0%)115.0
施設貸付事業 (百万円)30,996(12.4%)102.4
鉄道事業 (百万円)2,986( 1.2%)100.1
合計 (百万円)249,706(100.0%)108.0

空港運営事業
区分当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
空港使用料収入 (百万円)40,721(36.6%)101.8
旅客施設使用料収入 (百万円)41,653(37.6%)107.1
給油施設使用料収入 (百万円)15,466(14.0%)99.2
その他収入 (百万円)13,029(11.8%)105.5
合計 (百万円)110,870(100.0%)103.7

リテール事業
区分当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
物販・飲食収入 (百万円)82,496(78.6%)117.1
構内営業料収入 (百万円)12,504(12.0%)110.0
その他収入 (百万円)9,853( 9.4%)105.6
合計 (百万円)104,853(100.0%)115.0

施設貸付事業
区分当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
土地建物等貸付料収入 (百万円)22,312(72.0%)104.4
その他収入 (百万円)8,684(28.0%)97.6
合計 (百万円)30,996(100.0%)102.4

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.( )には構成比を記載しております。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
成田国際空港運用状況
区分当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
航空機発着回数(回)256,821101.7
国際線204,366102.7
国内線52,45598.0
航空旅客数(千人)43,176105.5
国際線35,871107.1
(うち日本人)(14,383)(105.0)
(うち外国人)(17,729)(111.2)
(うち通過客)( 3,759)( 98.0)
国内線7,30597.9
国際航空貨物量(千t)2,13093.3
積 込1,05695.0
取 卸1,07491.8
給油量(千kl)4,43299.2
国際線4,27299.3
国内線16095.9


3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、当社グループが行っている会計上の見積りのうち、特に重要なものとしては、退職給付に係る負債や繰延税金資産等があります。
また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおいては、増大する首都圏航空需要に適切に対応し、我が国の表玄関としての役割を果たしていくため、2016年度から当連結会計年度までのNAAグループ中期経営計画「イノベイティブNarita 2018~世界最高水準の空港を目指して~」を策定し、『お客さまに世界最高水準と評される「高品質」な空港』『アジアでトップクラスの国際拠点空港としての地位の維持・強化』を目指し、具体的な目標を掲げてその達成に向け取り組みを進めてまいりました。その結果、航空機発着回数は羽田国際線二次増枠に伴う想定以上の減便により、目標の2018年度270,000回に対し256,821回となりましたが、旺盛な訪日需要と積極的な路線誘致の取り組みにより、航空旅客数は、目標の2018年度43,000千人に対し43,176千人となりました。また、空港内免税店・物販店・飲食店売上高については、いわゆる爆買いの沈静化もあり、目標の2018年度1,500億円に対し1,432億円となったものの、キャッシュフロー経営を重視し徹底して経営効率を追求した結果、連結営業利益、連結ROA、連結長期債務残高及び連結長期債務残高/連結営業CF倍率については全て目標を達成しました。
上記の中期経営計画最終年度でもある当連結会計年度においては、今後空港間競争がますます厳しくなる中、真に「選ばれる空港」になるために、当社グループはこれまで以上に安全確保・安定運用を徹底し、高品質なサービスを追求してまいりました。
成田国際空港の更なる機能強化については、国、千葉県、空港周辺9市町、当社による「成田空港に関する四者協議会」(以下、「四者協議会」という。)において、2018年3月13日に事業を実施していくことが確認されたところですが、2019年2月4日に開催された四者協議会においては、A滑走路の夜間飛行制限の変更を2019年冬ダイヤから実施することが確認されました。現在は、滑走路設置等の事業着手に必要な航空法に基づく空港等変更許可の申請に向けた準備等必要な取り組みを進めております。
次に、航空ネットワークの強化に向けましては、アジア主要空港との路線獲得競争を念頭に各種インセンティブ制度を導入し、新規路線就航と既存路線強化によるネットワークの拡充と旅客数・貨物量の維持・拡大を図ってきた結果、2019年3月31日から始まった夏ダイヤ期初において、就航都市数は137都市(海外115都市、国内22都市)となり、開港以来の最高値を更新しました。今後の航空ネットワークの更なる拡充に向け、2019年4月から「成田ハブ化促進インセンティブ」における新規就航に対するインセンティブを拡充するとともに、朝の時間帯の出発便を増やしお客様の利便性を高めるため、新たに朝発ボーナスを導入することとしました。
また、リテール事業の強化の取り組みとしましては、旅客の嗜好や売れ筋をとらえ、魅力ある商環境を創出するべく、2017年11月から2018年8月までの間に第1旅客ターミナルビル3階出国審査後エリアにおいて飲食店・物販店・免税店を新たに17店舗順次開業させ、より満足度の高い商業空間を創出しました。
お客様の一層の利便性・快適性向上に向けた取り組みとしましては、長時間でもご搭乗まで快適にお過ごし頂けるよう、第1旅客ターミナルビル出国審査後エリアにおいて当空港初の家具メーカーとのコラボレーションによる新たなシーティングスペースを、2018年3月から8月までの間に順次供用しました。また、2018年7月には第1旅客ターミナルビル前に新たな立体駐車場を供用し、収容台数が約600台増加したことで、繁忙期の混雑が緩和されました。第2旅客ターミナルビル前においても、2019年夏頃の供用に向けて新たな立体駐車場を整備中です。このほか、2018年9月には、旅客ターミナルビル内での経路案内機能を備えた高精度屋内ナビゲーションアプリ「NariNAVI」(ナリナビ)を国内空港として初めてリリースしました。さらに、2019年3月には、第3旅客ターミナルビル前に新しい路線バス降車場を供用し、第3旅客ターミナルビルへの高速バスでのアクセス時間が約10分短縮されました。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に万全を期するとともに、多様なお客様を安全・円滑にお迎えするための取り組みとして、2018年4月に「成田空港ユニバーサルデザイン基本計画」を策定し、世界トップレベルのユニバーサルデザインを実現するための2020年までの取り組みを具体化しました。また、旅客ターミナルビル内全てのトイレに音声案内・フラッシュライト・L型手すりなどのユニバーサルデザインを導入するなど、トイレの全面リニューアルに取り組んでおります。そのほか、2019年3月には、第1・第2旅客ターミナルビルの到着コンコースにおいて、プロジェクター、液晶ディスプレイを活用した空間演出を開始し、日本の観光の魅力と体験がふんだんに盛り込まれた映像でお客様をお迎えしております。
これらの取り組みの結果、2018年度における航空機発着回数は、前期比1.7%増の256,821回となりました。航空旅
客数は、北米線等の減便により通過旅客が前年度を下回ったものの、引き続き旺盛な訪日需要を背景に国際線外国人旅客が大きな伸びを示したことに加え、国際線日本人旅客も好調に推移したことから、前期比5.5%増の43,176千人となりました。国際航空貨物量は、輸出・輸入は堅調に推移したものの、仮陸揚貨物は貨物便の大規模な減便により大幅に減少したことから、前期比6.7%減の2,130千tとなりました。給油量は、国際線旅客便の発着回数の増加の一方で、貨物便の発着回数の減少や低燃費機材の導入等の影響により、前期比0.8%減の4,432千klとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、営業収益は前期比8.0%増の249,706百万円となりました。営業利益は前期比19.7%増の55,817百万円、経常利益は前期比24.0%増の53,622百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.4%減の35,756百万円となりました。
(3) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によって得られた資金を設備投資及び長期債務の返済に充当しております。
なお、当社グループの今後の資金需要において、主なものは空港運営事業等に係る設備投資であり、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループの事業においては、大規模な設備投資が定期的に発生することから、営業利益を確保するとともに、設備投資を営業キャッシュ・フロー内に抑制し、債務残高を圧縮するキャッシュ・フロー重視の経営を行っております。また、当社グループは資産規模が大きいことから、資産効率の向上が経営上重要なポイントであると認識しております。 こうしたことから中期経営計画(2019~2021年度)においては、連結営業利益、連結ROA、連結長期債務残高、連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率を重要な指標として位置付けております。
2021年度末時点の各指標の目標値と当連結会計年度の状況は以下の通りであり、引き続きこれらの指標の改善に邁進して行く所存です。
指標2021年度(目標)2018年度(実績)
連結営業利益440億円以上558億円
連結ROA(総資産営業利益率)4.5%以上6.9%
連結長期債務残高5,000億円台前半3,820億円
連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率7.2倍以下4.9倍

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