有価証券報告書-第14期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 16:32
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【項目】
105項目
1 経営成績等の状況の概要
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は810,503百万円、負債合計は469,319百万円、純資産合計は341,184百万円となりました。
資産は、前連結会計年度末比2.2%減の810,503百万円となりました。流動資産は、現金及び預金、売掛金の増加等により前連結会計年度末比13.1%増の66,969百万円となりました。固定資産は、設備投資による増加以上に減価償却が進んだことから前連結会計年度末比3.4%減の743,534百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末比9.0%減の469,319百万円となりました。流動負債は、1年内償還予定の社債の増加等により、前連結会計年度末比12.5%増の112,670百万円となりました。固定負債は、流動負債への振替による社債の減少、長期借入金の減少、厚生年金基金の代行返上による退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末比14.2%減の356,648百万円となりました。なお、長期借入金残高(1年内返済を含む)は、36,617百万円の返済を行ったことにより59,827百万円となり、社債残高(1年内償還を含む)348,997百万円と合わせた長期債務残高は前連結会計年度末比7.6%減の408,824百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末比9.3%増の333,045百万円となりました。これは配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が35,918百万円計上されたことによるものであります。当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の36.8%から41.1%へ増加しました。
非支配株主持分は、前連結会計年度末比0.6%増の7,911百万円となり、その他の包括利益累計額を含めた純資産合計は前連結会計年度末比9.0%増の341,184百万円となっております。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境は回復基調で推移し、個人消費も持ち直しました。また、海外の景気も穏やかな回復基調となったものの、地政学リスクの高まり等の懸念材料もあり、依然として先行きが不透明な状況が続きました。
成田国際空港を取り巻く環境としましては、政府において訪日外国人旅行者数を平成32年(2020年)に4,000万人、平成42年(2030年)には6,000万人とする観光先進国の実現に向けた目標を掲げる中、官民一体となった訪日プロモーションの継続的な実施等を背景に、観光を目的とした訪日需要が引き続き好調に推移しております。日本政府観光局の統計によりますと、平成29年度の訪日外国人旅行者数は過去最高の2,977万人となり、平成28年度の2,482万人を19.9%上回りました。成田国際空港をご利用頂いているお客様も着実に増加しており、昭和53年5月20日の開港以来の累計航空旅客数は、平成29年7月28日に10億人を達成しました。
当連結会計年度における業績は、営業収益は、航空機発着回数が堅調に推移したことにより、航空機材の小型化に伴う機材重量の減少はあるものの、空港使用料収入が前期並み、また旺盛な訪日需要等を背景に国際線旅客数が増加したことにより旅客施設使用料収入は増収、物販・飲食収入、構内営業料収入は、国際線旅客数の増加や前年度下期以降に順次開業した新店効果等により増収となり、全体として前年同期比6.4%増の231,288百万円となりました。営業利益は前年同期比12.5%増の46,620百万円、経常利益は前年同期比16.0%増の43,247百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比41.7%増の35,918百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(空港運営事業)
空港運営事業では、韓国線、香港線を中心としたアジア方面における新規就航や増便等により航空機発着回数が増加したことにより、航空機材の小型化に伴う機材重量の減少等はあるものの、空港使用料収入は前年同期比0.0%増の40,008百万円となりました。また、航空機発着回数は増加したものの、近距離・小型機材路線が増加し、長距離・大型機材路線が減少したこと等により給油量が減少し、給油施設使用料収入は前年同期比1.8%減の15,592百万円となりました。一方、国際線外国人旅客数や国内線旅客数が増加したこと等に伴い旅客施設使用料収入は前年同期比4.0%増の38,908百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前年同期比1.5%増の106,865百万円、営業利益は年金資産の運用収益改善に伴い退職給付費用が減少したこと等により前年同期比56.0%増の6,776百万円となりました。
(リテール事業)
リテール事業では、国際線外国人旅客数の増加や、前年下期に開業した第2旅客ターミナルビルの免税店・ブランドモール「ナリタ5番街」及び第1旅客ターミナルビルにおいて日本食の専門店を6店舗集めた「NARITA Dining
Terrace」の通年化、国内空港初となる到着時免税店の国際線到着エリアでの開業及び第1旅客ターミナルビル出国
手続き後エリアの新規店舗の開業、中国系のお客様を中心とした訪日外国人向け販売促進施策の効果等により、子会社が運営する直営店舗の物販・飲食収入は前年同期比18.0%増の70,470百万円、一般テナントからの構内営業料収入は前年同期比9.7%増の11,368百万円となりました。
以上の結果、営業収益は前年同期比15.6%増の91,172百万円、営業利益は前年同期比14.1%増の25,526百万円となりました。
(施設貸付事業)
施設貸付事業では、営業収益は前年同期比0.2%減の30,267百万円、営業利益は前年同期比1.6%減の13,958百万円となりました。
(鉄道事業)
鉄道事業では、営業収益は前年同期比0.0%増の2,983百万円、営業利益は前年同期比1.8%減の621百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比3,601百万円増の35,469百万円となりました。フリー・キャッシュ・フローは、前年同期比3,071百万円増の45,004百万円のキャッシュ・インとなりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が増加したものの、新企業年金制度への移行に伴う特別掛金の拠出があったこと等により、前年同期比1,609百万円減の66,203百万円のキャッシュ・インとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の減少等により、前年同期比4,681百万円減の21,198百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の減少等により、前年同期比164百万円増の41,427百万円のキャッシュ・アウトとなりました。

2 生産、受注及び販売の実績
(1) 当社グループにおいては、空港運営事業、リテール事業、施設貸付事業及び鉄道事業を行っておりますが、生産及び受注については該当事項はありません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
空港運営事業 (百万円)106,865(46.2%)101.5
リテール事業 (百万円)91,172(39.4%)115.6
施設貸付事業 (百万円)30,267(13.1%)99.8
鉄道事業 (百万円)2,983(1.3%)100.0
合計 (百万円)231,288(100.0%)106.4

空港運営事業
区分当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
空港使用料収入 (百万円)40,008(37.4%)100.0
旅客施設使用料収入 (百万円)38,908(36.4%)104.0
給油施設使用料収入 (百万円)15,592(14.6%)98.2
その他収入 (百万円)12,355(11.6%)103.0
合計 (百万円)106,865(100.0%)101.5

リテール事業
区分当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
物販・飲食収入 (百万円)70,470(77.3%)118.0
構内営業料収入 (百万円)11,368(12.5%)109.7
その他収入 (百万円)9,334(10.2%)106.5
合計 (百万円)91,172(100.0%)115.6

施設貸付事業
区分当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
土地建物等貸付料収入 (百万円)21,365(70.6%)99.4
その他収入 (百万円)8,902(29.4%)100.8
合計 (百万円)30,267(100.0%)99.8

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.( )には構成比を記載しております。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報)
成田国際空港運用状況
区分当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
航空機発着回数(回)252,447102.7
国際線198,914102.8
国内線53,533102.4
航空旅客数(千人)40,940103.3
国際線33,479103.3
(うち日本人)(13,700)(101.6)
(うち外国人)(15,941)(111.5)
(うち通過客)(3,837)(83.0)
国内線7,461103.5
国際航空貨物量(千t)2,282106.6
積 込1,112109.3
取 卸1,170104.2
給油量(千kl)4,46898.2
国際線4.30198.1
国内線167102.5


3 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、当社グループが行っている会計上の見積りのうち、特に重要なものとしては、退職給付に係る負債や繰延税金資産等があります。
また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおいては、今後も増大する首都圏航空需要に適切に対応し、我が国の表玄関としての役割を果たしていくことが成田国際空港の使命であるとの認識のもと、NAAグループ中期経営計画「イノベイティブNarita2018~世界最高水準の空港を目指して~」に掲げた目指す空港像『お客さまに世界最高水準と評される「高品質」な空港』と、『アジアでトップクラスの国際拠点空港としての地位の維持・強化』を推進すべく、各種施策に取り組んでおります。
まず、「既存滑走路の延長」や「滑走路の増設」、「夜間飛行制限の緩和」といった成田空港の更なる機能強化について、四者協議会において平成27年9月より具体化に向けた検討・協議を実施してまいりましたが、平成30年3月13日に開催された四者協議会において最終的な結論が得られ、事業を実施していくことが確認されました。
次に、航空ネットワークの強化に向けた取り組みとしましては、空港処理能力を段階的に拡大してきたことや、着実に空港機能強化に取り組んできたことに加え、積極的な路線誘致活動を行ってきたことにより、平成30年3月25日から始まる夏ダイヤにおいて、就航都市数は133都市となり、開港以来の最高値を更新しました。当社グループとしては、アジア主要空港との路線獲得競争の観点から、新規路線就航を促進するため、平成27年4月から着陸料を最大で1年間無料とする「成田ハブ化促進インセンティブ」を導入していることに加え、平成29年4月から導入した「成田空港マーケティングインセンティブ」は、航空会社が実施する競争力強化のための利便性向上策やマーケティング・プロモーションを空港としてもサポートするもので、これらによって航空会社との連携を強化して、利便性・効率性の向上及びネットワークの拡充、旅客数・貨物量の維持・拡大を図ってまいりました。
特に、お客様の一層の利便性・快適性向上に向けた取り組みとしましては、お客様の待ち時間の短縮やターミナル施設の効率的な運用を目的とするファストトラベルを推進しております。具体的には、航空会社と協力して自動チェックイン機の再配置及びターミナル運用の標準手順の確立並びに案内表示の改善を図るとともに、国際線として日本初となる自動手荷物預け機の導入に向けた実証実験を実施、待ち時間短縮に大きな効果があったことから、今後は本格導入に向けた調整を進めます。このほか、平成29年10月20日には、訪日外国人のお客様の利便性向上を図るため、第1旅客ターミナルビル到着階に、日本での滞在を安心かつ快適に過ごして頂くための情報やサービスをワンストップで提供する「Visitor Service Center(ビジター・サービスセンター)」を全面オープンしました。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、また今後更に多くのお客様をお迎えしていくため、第1・第2・第3旅客ターミナルビル内全てのトイレに、音声案内、フラッシュライト、L型手すりなどのユニバーサルデザインを導入するとともに、第1・第2旅客ターミナルビル内トイレの全面リニューアルを実施しております。こうした取り組みや、当社が従来より行っている旅客ターミナルビル内における日本文化を365日気軽に体験できるコーナーや“日本ならでは”のイベント、日本文化を感じて頂ける館内装飾等の取り組みが、日本文化の魅力を発信するとともに共生社会・国際化に繋がる取り組みとして、政府の「beyond2020プログラム」に、空港として初めて認証されました。
リテール事業の強化の取り組みとしましては、平成29年9月1日から12月15日にかけて第1・第2・第3旅客ターミナルビル国際線到着エリアに国内空港初となる到着時免税店を5店舗オープンしました。また、第1旅客ターミナルビルの出国手続き後の5つのエリアで店舗面積を約2,400㎡増床する整備工事を進めており、平成30年7月までに順次17店舗オープンするなど、商環境の充実を図っております。
こうした状況の中、航空機発着回数は、韓国線、香港線を中心としたアジア方面における新規就航や増便等により、前年同期比2.7%増の252,447回となりました。航空旅客数は、通過旅客が前年を下回ったものの、引き続き旺盛な訪日需要を背景に国際線外国人旅客が大きな伸びを示したことに加え、国際線日本人旅客及び国内線旅客も堅調に推移したことから、前年同期比3.3%増の40,940千人となりました。国際航空貨物量は、輸出は半導体関連や自動車関連が好調なこと、輸入・仮陸揚貨物も好調に推移したことから、前年同期比6.6%増の2,282千tとなりました。給油量は、近距離・小型機材の路線が増加した一方、長距離・大型機材路線の減少や機材の低燃費化に伴い、前年同期比1.8%減の4,468千klとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、営業収益は前年同期比6.4%増の231,288百万円となりました。営業利益は前年同期比12.5%増の46,620百万円、経常利益は前年同期比16.0%増の43,247百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比41.7%増の35,918百万円となりました。
(3) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況」の「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「1 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によって得られた資金を設備投資及び長期債務の返済に充当しております。
なお、当社グループの今後の資金需要において、主なものは空港運営事業等に係る設備投資であり、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループの事業においては、大規模な設備投資が定期的に発生することから、営業利益を確保するとともに、設備投資を営業キャッシュ・フロー内に抑制し、債務残高を圧縮するキャッシュ・フロー重視の経営を行なっております。また、当社グループは資産規模が大きいことから、資産効率の向上が経営上重要なポイントであると認識しております。
こうしたことから中期経営計画(2016~2018年度)においては、連結営業利益、連結ROA、連結長期債務残高、連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率を重要な指標として位置付けております。
2018年度末時点の各指標の目標値と当連結会計年度の状況は以下の通りであり、引き続きこれらの指標の改善に邁進して行く所存です。
指標2018年度(目標)2017年度(実績)
連結営業利益490億円以上466億円
連結ROA(総資産営業利益率)5.5%以上5.7%
連結長期債務残高4,500億円台前半4,088億円
連結長期債務残高/連結営業キャッシュ・フロー倍率6.2倍以下6.2倍

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