有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 16:20
【資料】
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【項目】
130項目
以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものである。
(1) 業績の状況
<当社を取り巻く経営環境>平成29年度は、電力及びガスの小売全面自由化により、全国大で地域や業種を越えた競争や業務提携に大きな進展がみられた。
東北6県及び新潟県においても、電気事業における競争は激化している状況にある。また、平成32年4月には、送配電部門の法的分離(別会社化)が予定されており、そのための組織整備を確実に進める必要がある。
東北地域においては、東日本大震災からの復旧・復興関連工事が高水準で推移していることなどから、緩やかな景気回復が続いた。一方で、被災地の街づくりやなりわいの再生には一部で進展がみられるものの、これからのところも多く、復興は未だ道半ばと言わざるを得ないと認識している。
このようななかで、当社は、コーポレートスローガン「より、そう、ちから。」のもと、お客さまに“より沿う”サービスの充実とともに、被災地をはじめ東北6県及び新潟県の成長・発展に“寄り添う”取り組みに努め、かつてない経営環境の変化にも適切に対応してきた。
<販売施策の強化徹底>競争の激化により、全国的に、従来の電力会社から他の事業者へ契約を切り替えるお客さまが増加している状況にある。こうしたなか、当社は、引き続きお客さまに当社をお選びいただくことを目指し、お客さまのご要望により沿う様々な新サービスを提供してきた。
家庭用分野では、平成29年4月以降、家族人数の多いファミリーなどにおすすめの新料金プラン「よりそうプラスファミリーバリュー」や、LPガス、セキュリティサービス、インターネットサービスと電気を組み合わせたセットプランの提供を順次開始した。さらに、「よりそうeポイント」の交換先拡充など、サービスの充実に向けた取り組みを進めてきた。
法人分野では、お客さまのニーズにより沿う料金メニューのご提案に加え、電化による省エネやガス供給などを組み合わせたトータルエネルギーソリューションを展開してきた。
また、これまでの供給エリアを越えた事業展開として、家庭用分野では、平成30年1月より、さらにお得な料金へ見直した首都圏向け料金プラン「よりそう、でんき」の加入拡大をはかるとともに、法人分野では、東京ガス株式会社と共同で設立した株式会社シナジアパワーを通じた電力販売などを進めてきた。
さらに、電力自由化の進展による市場取引の拡大などを見据え、平成29年6月に、電力と燃料のトレーディング等を行う「東北電力エナジートレーディング株式会社」を設立し、平成30年4月より事業を開始している。
<最適な設備形成と再生可能エネルギー導入拡大に向けた取り組み>火力発電については、原子力発電所が停止しているなか、供給力の中心として安定供給に努めるとともに、高い経済性と環境負荷低減を両立した電源構成の実現に向けた取り組みを進めてきた。具体的には、能代火力発電所第3号機(60万キロワット)の建設工事や上越火力発電所第1号機(57.2万キロワット)の建設計画を着実に推進してきた。
水力発電については、経年化が進行した発電所の大規模改修工事を進め、水資源の有効活用をはかりつつ、発電効率の向上に努めてきた。
送配電については、日々の設備巡視・点検や保修工事などの的確なメンテナンスによりこれまでにも増して安定供給に努めるとともに、新技術の採用等により、一層の効率化を推進してきた。
また、太陽光発電や風力発電など、急増する再生可能エネルギーの当社送電線への接続申し込みについては、受け入れに容量面の制約があることから、広域的な需給調整や送電網の整備計画の策定等を行う電力広域的運営推進機関と連携のうえ、送電網の整備・拡充や工事費の低減等に向けた取り組みを行ってきた。さらに、研究開発センターでの水素製造技術を活用した出力変動対策の研究や、福島県浪江町での大規模水素エネルギーシステムを活用した電力需給バランス調整の実証事業に着手するなど、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に向けた取り組みを進めてきた。
<原子力発電所の安全性向上に向けた取り組み>原子力発電については、新規制基準への適合性審査へ的確に対応してきた。女川原子力発電所第2号機については、基準地震動、基準津波に対し「おおむね妥当な検討がなされている」との評価を受け、発電所設備に関する審査も本格化してきている。東通原子力発電所第1号機については、補機冷却海水系取水設備の直下にある敷地内断層等の活動性評価に時間を要していたが、平成30年2月に、設備を別の位置に設置することを決定しており、引き続き基準地震動、基準津波の審査へ的確に対応していく。
なお、安全対策工事については、女川原子力発電所第2号機は平成30年度後半、東通原子力発電所第1号機は平成31年度の完了を目指して取り組んできたが、審査の過程で得られた知見・評価を適宜反映しながら設計や工事を進めていく必要があることなどを踏まえ、全体の工事工程をあらためて評価した結果、女川原子力発電所第2号機は平成32年度、東通原子力発電所第1号機は平成33年度の完了を目指して工事を進めていくこととした。
<競争に立ち向かう組織への変革>当社は、競争の激化や送配電部門の法的分離など、激変する経営環境を踏まえた事業運営体制を構築するため、平成30年4月よりカンパニー制を導入し、発電・送配電・販売事業を担う従来の3本部を「発電・販売カンパニー」及び「送配電カンパニー」に再編した。これにより、カンパニーごとの意思決定や経営管理による自律的かつ機動的な事業運営を目指すとともに、法的分離を見据えた体制で先行的に業務を実施することで、分社時の円滑な組織の移行を目指していく。
発電・販売カンパニーは発電部門と販売部門の総合力による競争力強化と収益拡大により、送配電カンパニーは引き続き電力の安定供給を果たすとともに中立性・公平性の一層の確保に努めていくことにより、企業価値のさらなる向上を実現していく。
なお、原子力発電は、発電所の再稼働を巡る環境を踏まえ、経営直結の「原子力本部」として運営していく。
あわせて、監査等委員会設置会社への移行を見据えて、業務執行を担う「役付執行役員」を新設し、組織面での対応にとどまらず、経営面からも迅速かつ機動的な業務執行をはかるなど、競争環境の大きな変化などに柔軟に対応し、競争に打ち勝っていくための取り組みを進めている。
<地域活性化への貢献>当社は、地域に寄り添う取り組みとして、平成29年2月に地域づくり支援制度「東北・新潟の活性化応援プログラム」を創設し、地域の課題解決に向けて自主的な活動を行っている7団体に対し支援を行った。
さらに、公営水力発電所を運営する岩手・秋田・山形県の3県と連携して新たな電力供給ブランドを設立するなど、これまで以上に地域活性化への貢献にも努めてきた。
<決算概要>当連結会計年度の企業グループの収支については、収益面では、当社において、販売電力量は減少したものの、燃料費調整額の影響などにより電灯・電力料が増加したことや、地帯間・他社販売電力料が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べ1,217億円(6.2%)増の2兆713億円、経常収益は前連結会計年度に比べ1,218億円(6.2%)増の2兆777億円となった。
一方、費用面では、減価償却費や修繕費などは減少したものの、太陽光の受電量の増加に伴い購入電力料が増加したことや、燃料価格の上昇により燃料費が増加したことなどから、経常費用は前連結会計年度に比べ1,381億円(7.5%)増の1兆9,893億円となった。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ162億円(15.5%)減の884億円となった。
また、当社において、緊急設置電源の廃止などに伴う減損損失を特別損失に計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ227億円(32.5%)減の472億円となった。
当連結会計年度におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりである。
[電気事業]
当社の販売電力量は、前連結会計年度に比べ冬場の気温が低かったことによる暖房需要の増加があるものの、契約電力の減少や夏場後半の気温が低かったことによる冷房需要の減少などから、前連結会計年度に比べ3.0%減の720億キロワット時となった。
このうち、電灯需要については、0.5%減の239億キロワット時、電力需要については、4.3%減の481億キロワット時となった。
これに対応する供給については、原子力発電所の運転停止などに伴う供給力の減少が引き続きあるものの、火力発電所の補修時期の調整などにより安定した供給力を確保した。
収支の状況については、売上高は、当社において、販売電力量は減少したものの、燃料費調整額の影響などにより電灯・電力料が増加したことや、地帯間・他社販売電力料が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,273億円(7.4%)増の1兆8,576億円となった。一方、営業費用は、減価償却費や修繕費などは減少したものの、太陽光の受電量の増加に伴い購入電力料が増加したことや、燃料価格の上昇により燃料費が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,445億円(8.9%)増の1兆7,735億円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ171億円(17.0%)減の840億円となった。
[建設業]
売上高は、一般民間向けの工事が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ84億円(2.8%)減の2,884億円となった。一方、営業費用は、売上高減少に伴い工事原価が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ69億円(2.5%)減の2,732億円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ15億円(9.0%)減の151億円となった。
[その他]
売上高は、ガス事業において増加したことなどから、前連結会計年度に比べ34億円(1.6%)増の2,185億円となった。一方、営業費用は、ガス事業における増加などから、前連結会計年度に比べ71億円(3.5%)増の2,077億円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ37億円(25.7%)減の107億円となった。
(2) 財政状態の分析
資産は、固定資産において建設仮勘定が増加したことや、流動資産において売掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ762億円(1.8%)増の4兆2,221億円となった。
負債は、借入金などの有利子負債は減少したものの、諸前受金や買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ331億円(1.0%)増の3兆4,234億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ430億円(5.7%)増の7,987億円となった。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.5ポイント上昇し、17.3%となった。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が減少したものの、燃料費や他社購入電力料の増加に伴い買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ458億円(16.5%)増の3,240億円の収入となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
工事負担金等受入による収入が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ175億円(6.9%)増の2,739億円の支出となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
コマーシャル・ペーパーの償還による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ196億円(35.1%)減の362億円の支出となった。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ139億円(6.1%)増の 2,421億円となった。
また、キャッシュ・フロー指標の変動は次のとおりである。
前連結会計年度
(平成28年4月1日から
平成29年3月31日まで)
当連結会計年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.87.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)11.214.6

(注)1 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
2 インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
①資本の財源
当社は、電気事業における安定供給に必要な発電設備や送配電設備の形成を目的とした設備投資及び社債などの償還資金に充当するため、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入を組み合わせて安定的に資金を調達している。また、短期的な資金需要に対しては、コマーシャル・ペーパーなどを活用し機動的に資金を調達している。
②資金の流動性に係る情報
月次での資金計画などにより資金管理に努めており、また、当座貸越契約やコミットメントライン契約により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで充分な流動性を確保している。
(4) 生産、受注及び販売の状況
当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であり、建設業においては請負形態をとっているため「販売実績」という定義は実態にそぐわない。
よって、生産、受注及び販売の状況については、記載可能な情報を「(1)業績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載している。
なお、当社個別の事業の状況は次のとおりである。
① 需給実績
種別当連結会計年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年同期比(%)
発受電電力量
自社
水力発電電力量(百万kWh)8,412121.7
火力発電電力量(百万kWh)56,522100.3
原子力発電電力量(百万kWh)
新エネルギー等発電電力量(百万kWh)84293.5
他社受電電力量(百万kWh)20,40889.0
融通電力量(百万kWh)6,057
△13,761
103.6
116.3
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh)△88189.5
合計(百万kWh)78,39296.7
損失電力量等(百万kWh)6,38994.1
販売電力量(百万kWh)72,00397.0
出水率(%)108.3

(注) 1 他社受電電力量の中には、連結子会社からの受電電力量(酒田共同火力発電㈱ 4,719百万kWh、東北自然
エネルギー㈱ 574百万kWh他)を含んでいる。
2 融通電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。
3 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力である。
4 販売電力量の中には、自社事業用電力量(80百万kWh)を含んでいる。
5 出水率は、昭和61年度から平成27年度までの30ヶ年平均に対する比である。
② 販売実績
種別当連結会計年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年同期比(%)
販売電力量(百万kWh)電灯23,88999.5
電力48,11495.7
電灯電力 計72,00397.0
他社販売14,026158.6
融通6,078104.9
料金収入(百万円)電灯587,361105.2
電力838,879101.2
電灯電力 計1,426,241102.8
他社販売149,335139.4
融通60,143112.2

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まない。
2 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合がある。
③ 資材の状況
石炭及び燃料油等の受払状況
区分単位平成29年
3月末
在庫量
当連結会計年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
平成30年
3月末
在庫量
受入前年同期比
(%)
払出前年同期比
(%)
石炭t579,5888,135,978113.68,148,155112.1567,411
重油kl84,438411,46190.9400,41073.995,489
原油kl78,253211,18881.7223,97575.965,466
LNGt162,7714,415,77099.04,360,09796.0218,444

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