四半期報告書-第97期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、設備投資が減少するなど厳しい状況にある。九州経済も、厳しい状況にあるが、輸出・生産を中心に持ち直しつつある。
当第3四半期連結累計期間の業績については、新型コロナウイルス感染症の影響や、特定重大事故等対処施設の設置工事に伴う川内原子力発電所の運転停止等の影響はあったが、減価償却方法の変更による減価償却費の減少に加え、修繕費や諸経費が減少したことや、九州外での小売販売電力量等が増加したことなどにより、前年同四半期に比べ増益となった。
ア 収支
当第3四半期連結累計期間の小売販売電力量については、新型コロナウイルス感染症による減少影響はあるものの、グループ会社である九電みらいエナジー株式会社の九州外での販売電力量が増加したことや8月の気温が前年に比べ高めに推移したことなどにより、前年同四半期に比べ2.2%増の551億kWhとなった。また、卸売販売電力量は40.4%増の74億kWhとなった。この結果、総販売電力量は5.6%増の625億kWhとなった。
供給面については、原子力をはじめ、火力・揚水等発電設備の総合的な運用及び国のルールに基づく再エネ出力制御の実施により、安定して電力を供給することができた。
当第3四半期連結累計期間の連結収支については、収入面では、国内電気事業において、新型コロナウイルス感染症による減少影響はあるものの、九州外の販売増などにより小売販売電力量は増加したが、燃料価格下落に伴う燃料費調整の影響などにより小売販売収入は減少した。一方で、卸売販売収入や再エネ特措法交付金が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ439億円増(+2.9%)の1兆5,468億円、経常収益は425億円増(+2.8%)の1兆5,586億円となった。
支出面では、国内電気事業において、再生可能エネルギー等からの他社購入電力料の増加はあったが、減価償却費の減少に加え、修繕費や諸経費等の費用全般が減少したことなどから、経常費用は187億円減(△1.2%)の1兆4,847億円となった。
以上により、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益ともに前年同四半期と比べ増益となり、経常利益は612億円増の738億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は539億円増の553億円となった。
報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
(注) 1 上記の記載金額には消費税等を含んでいない。
2 第1四半期連結会計期間より報告セグメント及びセグメント利益を変更している。
3 「発電・販売事業」及び「送配電事業」については、前年同四半期のセグメント業績(数値)を作成することが困難であるため、当第3四半期連結累計期間の業績のみ記載している。
[参考]国内電気事業再掲
(注) 「発電・販売事業」と「送配電事業」との内部取引消去後の数値を記載している。
① 発電・販売事業
発電・販売事業は、国内における発電・小売電気事業等を展開している。
売上高は、小売販売収入や再エネ特措法交付金の計上などにより、1兆3,803億円、経常利益は、購入電力料や託送料、燃料費、再エネ特措法納付金の計上などにより、383億円となった。
② 送配電事業
送配電事業は、九州域内における一般送配電事業等を展開している。
売上高は、託送収益の計上などにより、4,036億円、経常利益は、購入電力料や修繕費、減価償却費、委託費の計上などにより、160億円となった。
③ その他エネルギーサービス事業
その他エネルギーサービス事業は、電気設備の建設・保守など電力の安定供給に資する事業、お客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えするため、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー事業等を展開している。また、九電グループが培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外事業の強化などにも取り組んでいる。
売上高は、電気計測機器の取替工事の減少や発電所補修工事の減少などにより、前年同四半期に比べ74億円減(△5.6%)の1,244億円、経常利益は、2億円増(+2.1%)の121億円となった。
④ ICTサービス事業
ICTサービス事業は、保有する光ファイバ網やデータセンターなどの情報通信事業基盤や事業ノウハウを活用し、データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター事業等を展開している。
売上高は、情報システム開発受託の増加や光ブロードバンド及びスマートフォンサービスの販売拡大などにより、前年同四半期に比べ34億円増(+4.5%)の793億円、経常利益は、音声端末を活用したIoTサービスの終了に伴う費用の減少などもあり、24億円増(+128.7%)の43億円となった。
⑤ その他の事業
その他の事業は、不動産、有料老人ホーム事業等を展開している。
売上高は、事務業務受託の増加などにより、前年同四半期に比べ3億円増(+1.9%)の211億円、経常利益は、前年同四半期並みの36億円となった。
当社グループの主たる事業である国内電気事業(発電・販売事業及び送配電事業)においては、通常の営業形態として、売上高は、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、第2・4四半期連結会計期間において大きくなる傾向にあることや、営業費用は、発電所の修繕工事の実施時期などによる影響を受けることから、四半期毎の業績に変動がある。
イ 販売及び生産の状況
当社グループの事業内容は、国内電気事業(発電・販売事業及び送配電事業)が大部分を占め、国内電気事業以外の事業の販売、生産及び受注の状況は、グループ全体からみて重要性が小さい。また、国内電気事業以外の事業については、受注生産形態をとらない業種が多いため、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしていない。このため、以下では、販売及び生産の状況を、国内電気事業における実績によって示している。
なお、国内電気事業においては、通常の営業形態として、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、四半期毎の販売及び生産には季節的変動がある。
① 販売実績
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 当社及び連結子会社(九州電力送配電株式会社、九電みらいエナジー株式会社)の合計値(内部取引消去後)を記載している。
3 小売販売電力量における新型コロナウイルス影響は△15億kWhである。
② 発受電実績
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 当社及び連結子会社(九州電力送配電株式会社、九電みらいエナジー株式会社)の合計値(内部取引消去後)を記載している。
3 発電電力量は、送電端の数値を記載している。
4 「新エネルギー等」は、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物及び地熱の総称である。
5 当第3四半期連結累計期間の融通・他社受電電力量は、期末時点で把握している受電電力量を記載している。なお、第2四半期連結会計期間より発受電電力量合計値を、従来の小売販売電力量から総販売電力量に対応するよう見直したことから、送電電力量は控除していない。
6 揚水発電所の揚水用電力量等は、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であ
る。
7 出水率は、当社の自流式水力発電電力量の1989年度から2018年度までの第3四半期累計期間における30か年平均に対する比である。
(2) 資産、負債及び純資産の状況
資産は、設備投資による固定資産の増加に加え、売掛金や現金及び預金などの流動資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ1,685億円増(+3.4%)の5兆1,166億円となった。
負債は、有利子負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,280億円増(+3.0%)の4兆4,381億円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ1,089億円増(+3.2%)の3兆5,152億円となった。
純資産は、配当金の支払による減少はあったが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ405億円増(+6.4%)の6,784億円となり、自己資本比率は12.7%となった。
(3) 経営方針・経営戦略等並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九電グループの思い」のもと、「低廉で良質なエネルギーをお客さまにお届けすることを通じて、お客さまや地域社会の生活や経済活動を支える」ことを使命に、事業活動を進めている。
当社グループの経営環境は、昨年4月にスタートした一般送配電事業等の分社化をはじめ、人口減少の進展などによる電力需要の成長鈍化や、小売全面自由化による販売競争の激化、太陽光をはじめとした分散型電源の導入拡大、ベースロード市場や容量市場等の新たな市場の創設など、大きな転換期にある。一方、海外では、新興国や開発途上国での人口増加や経済発展などに伴い、エネルギーの需要の増大に対応した供給体制の整備が強く求められている。
また、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、持続可能な経済成長やまちづくり、気候変動リスクへの対策など、経済・社会・環境の3つの側面から国際社会が達成すべき目標が示されており、その実現に向けて、企業の役割や貢献に対する期待・要請が高まってきている。
このような経営環境の中、九州、そして、アジア・世界の持続的発展に向けて、当社グループがどのような貢献ができるかを示し、地域・社会とともに発展・成長していくという私たちの姿勢を発信するため、2019年6月、「九電グループ経営ビジョン2030」を策定した。
この経営ビジョンのもと、全力を挙げて以下の取組みを推進し、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業グループを目指していく。
「九電グループ経営ビジョン2030」
○ 2030年のありたい姿

○ ありたい姿実現に向けた戦略

○ 経営目標

(参考)⦅九州電力グループ中期経営方針で定めた財務目標(2017年6月公表)⦆
(連結ベース)
① エネルギーサービス事業の進化
低炭素で持続可能な社会の実現に挑戦し、より豊かで、より快適な生活をお届けする
○ 環境に優しく、低廉なエネルギーを安定的にお届けし続けるとともに、S(安全)+3E(エネルギーの安定供給、環境保全、経済性)の観点から、最適なエネルギーミックスを追求する。
菅内閣総理大臣の所信表明における「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けては、エネルギーの需要側における「電化の推進」と供給側における「電源の低・脱炭素化」が必要であり、当社としても、こうした需給両面での取り組みを積極的に推進していく。
再生可能エネルギーについては、地熱や水力に加え、洋上風力やバイオマス発電などを、安定供給や環境への影響を考慮しながら、国内外で積極的に開発していく。
原子力発電については、エネルギーセキュリティ面や地球温暖化対策面などで総合的に優れた電源であることから、安全の確保を大前提として、最大限活用していく。また、当面の最重要課題である特定重大事故等対処施設について、川内原子力発電所に引き続き、玄海原子力発電所での早期完成に向けて、工事の安全を確保しつつ、引き続き全力で取り組むとともに、玄海原子力発電所1、2号機の廃止措置等についても、安全を最優先に進めていく。さらに、地域の皆さまの安心と信頼を高めていくため、分かりやすい情報発信やフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション活動を継続していく。
火力発電については、最新鋭の石炭火力である松浦発電所2号機や高効率のLNG火力である新大分発電所3号系列など、環境面と競争力、供給安定性のバランスのとれた電源を活用していく。一方、非効率な石炭火力のフェードアウトについては、国のエネルギー政策を注視しながら、電力の供給力確保やエネルギー供給コストの観点、立地地域の事情なども勘案し、適切に対応していく。
なお、前期、再生可能エネルギーの導入拡大や電力需要減少などにより発電用LNGに余剰が生じたが、引き続き引取時期の後ろ倒しなどの対策に取り組み、余剰量の最小化等に努めていく。
さらに、容量市場、非化石価値取引市場、需給調整市場などの新たな取引市場については、投資回収の可能性向上等につながるものであることから、制度趣旨に則り、これを最大限活用していく。
○ エネルギー情勢やお客さまニーズの多様化など、環境変化を先取りし、エネルギーサービスを進化させる。
競争環境が厳しさを増す中でも引き続きお客さまにお選びいただけるよう、低廉で魅力ある料金プラン・サービスの提案など、エネルギーサービスの充実を図っていく。また、九州各地の営業所を拠点に、お客さまとの接点を重視した「顔の見える営業」を展開するとともに、昨年7月に「支社」と「営業センター」を新たに「支店」に統合し、電力小売りやグループ会社商品の販売等をこれまで以上に一体的に行い、総合力を発揮できる体制とするなど、営業力の一層の強化に取り組んでいく。さらに、オール電化の更なる推進や電気自動車の普及促進等あらゆる分野における電化の推進により需要創出を図るとともに、低・脱炭素社会の実現にも貢献していく。
九州域外における電気事業については、九電みらいエナジー株式会社による電力販売が順調に拡大しており、引き続き他社との連携等による営業強化に努めるとともに、域外での安定・安価な電源確保のため、千葉県でのLNG火力発電所の開発について、東京ガス株式会社と共同での検討を進めていく。
○ 海外電気事業については、一層の収益拡大を目指して、リスク管理機能を強化しつつ、国内外で蓄積した事業ノウハウやネットワークを活かして、更なる進出エリアや事業領域の拡大を図る。
前期は、タイの発電事業や米国4件目のガス火力発電事業、UAEのガス火力発電造水事業等に参画しており、これまでのアジア・米州に加え、今後は、欧州・中東・アフリカ地域に事業を拡大していく。また、マイクログリッド事業など新たな分野での事業展開にも取り組んでいく。
○ 昨年4月に一般送配電事業等を承継した九州電力送配電株式会社では、一層の公平性・透明性・中立性を確保しつつ、安定供給とコスト低減の両立を実現する。
また、再生可能エネルギーの普及や効率的な設備運用を目指し、ネットワーク技術の高度化を推進するとともに、引き続き太陽光など再生可能エネルギーの出力制御量の最小化に努めていく。さらに、お客さまとの接点を活かした電化の推進や自治体と連携した企業誘致等により、同社においても主体的に九州エリアの電力需要創出に取り組むとともに、これまで一般送配電事業等で培った技術や資産を活用し、新規事業・海外事業展開に取り組んでいく。
② 持続可能なコミュニティの共創
九州各県の地場企業として、新たな事業・サービスによる市場の創出を通じて、地域・社会とともに発展していく
○ 地域・社会の課題解決に向けて、当社グループの強みを活かせる都市開発や、社会インフラ事業、ICTサービス等の事業分野を中心に取り組む。
福岡市青果市場跡地の再開発など、都市部を中心に計画されている大型開発プロジェクトに積極的に取り組むとともに、福岡市中心部での新たなオフィスビル開発や賃貸マンション建設など不動産事業の強化にも注力する。さらには、前期に参画したホテル事業に続き、昨年11月には物流施設事業に参画しており、新たな事業分野を開拓し、収益力の強化を図っていく。
また、民間委託が進む空港運営事業では、現在参画している福岡空港・熊本空港に続き、本年7月に広島空港の運営事業に参画することとしており、当社グループの強みを活かした社会インフラ運営等の事業に取り組んでいく。
なお、昨年7月に都市開発・不動産・社会インフラ各事業を一体的に担う「都市開発事業本部」を設置し、事業間の連携を強化するとともに、社会動向に迅速かつ的確に対応しながら戦略的に経営資源を投資することで、事業の飛躍的な成長を目指していく。
さらに、ドローンによる空撮・測量やデータセンターなどのICTサービス事業、経理・人事労務業務の受託などビジネスサポート事業、高齢者の介護・見守りなど生活支援事業に取り組むとともに、観光や一次産業分野などの新たな領域にも挑戦していく。
これらの取組みに加え、九電グループ挙げてのイノベーションの取組みである「KYUDEN i-PROJECT」を引き続き推進し、新たな事業やサービスの創出に力を入れていく。
③ 経営基盤の強化
経営を支える基盤の強化を図り、グループ一体となって挑戦し、成長し続ける
○ 安全・健康・ダイバーシティを重視した組織風土をつくる。
安全については、「九電グループ安全行動憲章」に基づき、継続的な教育・訓練を実施するとともに、昨年7月に組織横断的な立場で九電グループの安全のレベルアップを牽引する「グループ安全統括室」を設置するなど、永続的な安全への取組みを進めていく。
また、「九州電力健康宣言」のもと、従業員の健康保持・増進を図るとともに、女性活躍をはじめとしたダイバーシティの更なる推進や、変革や新たな事業展開を担う多様な人材の確保・育成、テレワークの利用拡大や育児支援の充実など柔軟な労働環境の整備等に取り組んでいく。
○ 働きがいのある職場を永続的に追求する。
働き方改革の趣旨に則り、やりがいを持って活き活きと働くことができる職場を追求するため、風通しの良い組織・風土づくりや日常業務の改善・改革、IoTやAIを活用したデジタルトランスフォーメーションなどにより、創造的で付加価値の高い業務やライフスタイルにあった働き方の実現等に取り組んでいく。
○ ステークホルダーからの信頼向上に継続的に取り組む。
昨年1月に発生した託送料金計算システム等の障害により、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまに多大なご迷惑をおかけいたしましたことに対し、深くお詫び申しあげるとともに、今回の根本原因を踏まえ、今後、類似の事象を二度と発生させないよう、再発防止策の徹底を図っていく。
また、電力他社において役職員による金品受領等が明らかとなり、電気事業や原子力発電に対する信頼を大きく失墜させる事態に至った。当社では、かねてよりコンプライアンス経営の徹底に努めており、同様の事例がないことを確認しているが、今回の事案を真摯に受け止め、引き続き、更なるコンプライアンス意識の浸透を図り、公益事業者としての自覚と高い倫理観に基づいた事業運営を行っていく。
新型コロナウイルス感染症については、今後の電力需要の動向や業績への影響等を注視していくとともに、電力の安定供給をはじめとした事業運営に支障を来すことのないよう、危機感をもって感染予防・拡大防止対策に万全を期していく。
これらの取組みに加え、当社グループの持続的成長と企業価値の向上に向け、コーポレート・ガバナンスの強化や、CSR経営の推進、迅速で分かりやすい情報発信の徹底を図るとともに、SDGsをはじめ、社会から解決を求められている課題に対して、当社グループの経営資源を活用し、積極的に取り組んでいく。
また、経営ビジョンで掲げる成長に向けた投資資金の確保と財務基盤の強化の両立を図るため、昨年10月に、電力業界初となる公募ハイブリッド社債を発行した。今後も、財務体質を改善し、株主還元の更なる充実に取り組むことで、株主価値向上を目指していく。
当社グループとしては、これらの取組みを通じて、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。
(文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したもの)
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は3,932百万円である。
(5) 従業員の状況
ア 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はない。
イ 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、当社の従業員数は前事業年度末から5,289名減少し、5,394名となっている
(2020年12月31日現在)。これは、2020年4月1日に、当社が営む一般送配電事業及び離島における発電事業等
を会社分割の方法により「九州電力送配電株式会社」に承継させたことなどにより減少したものである。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを従来の「国内電気事業」「その他エネルギーサービス
事業」「ICTサービス事業」「その他の事業」から「発電・販売事業」「送配電事業」「その他エネルギー
サービス事業」「ICTサービス事業」「その他の事業」に変更しており、当社及び九電みらいエナジー株式会
社を「発電・販売事業」に、九州電力送配電株式会社を「送配電事業」に分類している。
これに伴い、九州電力送配電株式会社に就業する従業員は、「送配電事業」に分類することになる。
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、設備投資が減少するなど厳しい状況にある。九州経済も、厳しい状況にあるが、輸出・生産を中心に持ち直しつつある。
当第3四半期連結累計期間の業績については、新型コロナウイルス感染症の影響や、特定重大事故等対処施設の設置工事に伴う川内原子力発電所の運転停止等の影響はあったが、減価償却方法の変更による減価償却費の減少に加え、修繕費や諸経費が減少したことや、九州外での小売販売電力量等が増加したことなどにより、前年同四半期に比べ増益となった。
ア 収支
当第3四半期連結累計期間の小売販売電力量については、新型コロナウイルス感染症による減少影響はあるものの、グループ会社である九電みらいエナジー株式会社の九州外での販売電力量が増加したことや8月の気温が前年に比べ高めに推移したことなどにより、前年同四半期に比べ2.2%増の551億kWhとなった。また、卸売販売電力量は40.4%増の74億kWhとなった。この結果、総販売電力量は5.6%増の625億kWhとなった。
供給面については、原子力をはじめ、火力・揚水等発電設備の総合的な運用及び国のルールに基づく再エネ出力制御の実施により、安定して電力を供給することができた。
当第3四半期連結累計期間の連結収支については、収入面では、国内電気事業において、新型コロナウイルス感染症による減少影響はあるものの、九州外の販売増などにより小売販売電力量は増加したが、燃料価格下落に伴う燃料費調整の影響などにより小売販売収入は減少した。一方で、卸売販売収入や再エネ特措法交付金が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前年同四半期に比べ439億円増(+2.9%)の1兆5,468億円、経常収益は425億円増(+2.8%)の1兆5,586億円となった。
支出面では、国内電気事業において、再生可能エネルギー等からの他社購入電力料の増加はあったが、減価償却費の減少に加え、修繕費や諸経費等の費用全般が減少したことなどから、経常費用は187億円減(△1.2%)の1兆4,847億円となった。
以上により、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益ともに前年同四半期と比べ増益となり、経常利益は612億円増の738億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は539億円増の553億円となった。
報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
| 当第3四半期連結累計期間 (2020年4月1日から 2020年12月31日まで) | 対前年同四半期増減率 (%) | ||
| 金額(百万円) | |||
| 発電・販売事業 | 売 上 高 | 1,380,361 | - |
| 経常利益 | 38,323 | - | |
| 送配電事業 | 売 上 高 | 403,649 | - |
| 経常利益 | 16,024 | - | |
| その他エネルギーサービス事業 | 売 上 高 | 124,494 | △5.6 |
| 経常利益 | 12,134 | 2.1 | |
| ICTサービス事業 | 売 上 高 | 79,308 | 4.5 |
| 経常利益 | 4,350 | 128.7 | |
| その他の事業 | 売 上 高 | 21,101 | 1.9 |
| 経常利益 | 3,655 | 0.3 | |
(注) 1 上記の記載金額には消費税等を含んでいない。
2 第1四半期連結会計期間より報告セグメント及びセグメント利益を変更している。
3 「発電・販売事業」及び「送配電事業」については、前年同四半期のセグメント業績(数値)を作成することが困難であるため、当第3四半期連結累計期間の業績のみ記載している。
[参考]国内電気事業再掲
| 当第3四半期連結累計期間 (2020年4月1日から 2020年12月31日まで) | 対前年同四半期増減率 (%) | ||
| 金額(百万円) | |||
| 国内電気事業 | 売 上 高 | 1,433,431 | 3.5 |
| 経常利益 | 54,341 | - | |
(注) 「発電・販売事業」と「送配電事業」との内部取引消去後の数値を記載している。
① 発電・販売事業
発電・販売事業は、国内における発電・小売電気事業等を展開している。
売上高は、小売販売収入や再エネ特措法交付金の計上などにより、1兆3,803億円、経常利益は、購入電力料や託送料、燃料費、再エネ特措法納付金の計上などにより、383億円となった。
② 送配電事業
送配電事業は、九州域内における一般送配電事業等を展開している。
売上高は、託送収益の計上などにより、4,036億円、経常利益は、購入電力料や修繕費、減価償却費、委託費の計上などにより、160億円となった。
③ その他エネルギーサービス事業
その他エネルギーサービス事業は、電気設備の建設・保守など電力の安定供給に資する事業、お客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えするため、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー事業等を展開している。また、九電グループが培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外事業の強化などにも取り組んでいる。
売上高は、電気計測機器の取替工事の減少や発電所補修工事の減少などにより、前年同四半期に比べ74億円減(△5.6%)の1,244億円、経常利益は、2億円増(+2.1%)の121億円となった。
④ ICTサービス事業
ICTサービス事業は、保有する光ファイバ網やデータセンターなどの情報通信事業基盤や事業ノウハウを活用し、データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター事業等を展開している。
売上高は、情報システム開発受託の増加や光ブロードバンド及びスマートフォンサービスの販売拡大などにより、前年同四半期に比べ34億円増(+4.5%)の793億円、経常利益は、音声端末を活用したIoTサービスの終了に伴う費用の減少などもあり、24億円増(+128.7%)の43億円となった。
⑤ その他の事業
その他の事業は、不動産、有料老人ホーム事業等を展開している。
売上高は、事務業務受託の増加などにより、前年同四半期に比べ3億円増(+1.9%)の211億円、経常利益は、前年同四半期並みの36億円となった。
当社グループの主たる事業である国内電気事業(発電・販売事業及び送配電事業)においては、通常の営業形態として、売上高は、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、第2・4四半期連結会計期間において大きくなる傾向にあることや、営業費用は、発電所の修繕工事の実施時期などによる影響を受けることから、四半期毎の業績に変動がある。
イ 販売及び生産の状況
当社グループの事業内容は、国内電気事業(発電・販売事業及び送配電事業)が大部分を占め、国内電気事業以外の事業の販売、生産及び受注の状況は、グループ全体からみて重要性が小さい。また、国内電気事業以外の事業については、受注生産形態をとらない業種が多いため、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしていない。このため、以下では、販売及び生産の状況を、国内電気事業における実績によって示している。
なお、国内電気事業においては、通常の営業形態として、夏季及び冬季に電力需要が高まることから、四半期毎の販売及び生産には季節的変動がある。
① 販売実績
| 種 別 | 当第3四半期連結累計期間 (2020年4月1日から 2020年12月31日まで) | 対前年同四半期増減率 (%) | |
| 電力量(百万kWh) | |||
| 小売販売電力量 | 55,064 | 2.2 | |
| 電灯 | 17,491 | △0.4 | |
| 電力 | 37,573 | 3.4 | |
| 卸売販売電力量 | 7,427 | 40.4 | |
| 総販売電力量 | 62,491 | 5.6 | |
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 当社及び連結子会社(九州電力送配電株式会社、九電みらいエナジー株式会社)の合計値(内部取引消去後)を記載している。
3 小売販売電力量における新型コロナウイルス影響は△15億kWhである。
② 発受電実績
| 種 別 | 当第3四半期連結累計期間 (2020年4月1日から 2020年12月31日まで) | 対前年同四半期増減率 (%) | |||
| 電力量(百万kWh) | |||||
| 発 受 電 電 力 量 | 発 電 電 力 量 | 水力発電電力量 | 3,848 | △1.1 | |
| 火力発電電力量 | 24,833 | 29.0 | |||
| 原子力発電電力量 | 14,932 | △25.2 | |||
| 新エネルギー等発電電力量 | 854 | △2.5 | |||
| 融通・他社受電電力量 | 24,218 | 15.8 | |||
| (水力再掲) | (1,174) | (1.5) | |||
| (新エネルギー等再掲) | (11,668) | (19.7) | |||
| 揚水発電所の揚水用電力量等 | △1,692 | △3.9 | |||
| 合 計 | 66,994 | 6.1 | |||
| 損失電力量等 | 4,503 | 14.5 | |||
| 総販売電力量 | 62,491 | 5.6 | |||
| 出水率 | 101.5% | - | |||
(注) 1 百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 当社及び連結子会社(九州電力送配電株式会社、九電みらいエナジー株式会社)の合計値(内部取引消去後)を記載している。
3 発電電力量は、送電端の数値を記載している。
4 「新エネルギー等」は、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物及び地熱の総称である。
5 当第3四半期連結累計期間の融通・他社受電電力量は、期末時点で把握している受電電力量を記載している。なお、第2四半期連結会計期間より発受電電力量合計値を、従来の小売販売電力量から総販売電力量に対応するよう見直したことから、送電電力量は控除していない。
6 揚水発電所の揚水用電力量等は、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であ
る。
7 出水率は、当社の自流式水力発電電力量の1989年度から2018年度までの第3四半期累計期間における30か年平均に対する比である。
(2) 資産、負債及び純資産の状況
資産は、設備投資による固定資産の増加に加え、売掛金や現金及び預金などの流動資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ1,685億円増(+3.4%)の5兆1,166億円となった。
負債は、有利子負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,280億円増(+3.0%)の4兆4,381億円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ1,089億円増(+3.2%)の3兆5,152億円となった。
純資産は、配当金の支払による減少はあったが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ405億円増(+6.4%)の6,784億円となり、自己資本比率は12.7%となった。
(3) 経営方針・経営戦略等並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九電グループの思い」のもと、「低廉で良質なエネルギーをお客さまにお届けすることを通じて、お客さまや地域社会の生活や経済活動を支える」ことを使命に、事業活動を進めている。
当社グループの経営環境は、昨年4月にスタートした一般送配電事業等の分社化をはじめ、人口減少の進展などによる電力需要の成長鈍化や、小売全面自由化による販売競争の激化、太陽光をはじめとした分散型電源の導入拡大、ベースロード市場や容量市場等の新たな市場の創設など、大きな転換期にある。一方、海外では、新興国や開発途上国での人口増加や経済発展などに伴い、エネルギーの需要の増大に対応した供給体制の整備が強く求められている。
また、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、持続可能な経済成長やまちづくり、気候変動リスクへの対策など、経済・社会・環境の3つの側面から国際社会が達成すべき目標が示されており、その実現に向けて、企業の役割や貢献に対する期待・要請が高まってきている。
このような経営環境の中、九州、そして、アジア・世界の持続的発展に向けて、当社グループがどのような貢献ができるかを示し、地域・社会とともに発展・成長していくという私たちの姿勢を発信するため、2019年6月、「九電グループ経営ビジョン2030」を策定した。
この経営ビジョンのもと、全力を挙げて以下の取組みを推進し、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業グループを目指していく。
「九電グループ経営ビジョン2030」
○ 2030年のありたい姿

○ ありたい姿実現に向けた戦略

○ 経営目標

(参考)⦅九州電力グループ中期経営方針で定めた財務目標(2017年6月公表)⦆
(連結ベース)
| 項 目 | 目 標 |
| 自己資本比率(2021年度) | 20%程度 |
| 経常利益(2017~2021年度平均) | 1,100億円以上 |
| 成長投資(2017~2021年度累計) | 4,200億円 |
① エネルギーサービス事業の進化
低炭素で持続可能な社会の実現に挑戦し、より豊かで、より快適な生活をお届けする
○ 環境に優しく、低廉なエネルギーを安定的にお届けし続けるとともに、S(安全)+3E(エネルギーの安定供給、環境保全、経済性)の観点から、最適なエネルギーミックスを追求する。
菅内閣総理大臣の所信表明における「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けては、エネルギーの需要側における「電化の推進」と供給側における「電源の低・脱炭素化」が必要であり、当社としても、こうした需給両面での取り組みを積極的に推進していく。
再生可能エネルギーについては、地熱や水力に加え、洋上風力やバイオマス発電などを、安定供給や環境への影響を考慮しながら、国内外で積極的に開発していく。
原子力発電については、エネルギーセキュリティ面や地球温暖化対策面などで総合的に優れた電源であることから、安全の確保を大前提として、最大限活用していく。また、当面の最重要課題である特定重大事故等対処施設について、川内原子力発電所に引き続き、玄海原子力発電所での早期完成に向けて、工事の安全を確保しつつ、引き続き全力で取り組むとともに、玄海原子力発電所1、2号機の廃止措置等についても、安全を最優先に進めていく。さらに、地域の皆さまの安心と信頼を高めていくため、分かりやすい情報発信やフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション活動を継続していく。
火力発電については、最新鋭の石炭火力である松浦発電所2号機や高効率のLNG火力である新大分発電所3号系列など、環境面と競争力、供給安定性のバランスのとれた電源を活用していく。一方、非効率な石炭火力のフェードアウトについては、国のエネルギー政策を注視しながら、電力の供給力確保やエネルギー供給コストの観点、立地地域の事情なども勘案し、適切に対応していく。
なお、前期、再生可能エネルギーの導入拡大や電力需要減少などにより発電用LNGに余剰が生じたが、引き続き引取時期の後ろ倒しなどの対策に取り組み、余剰量の最小化等に努めていく。
さらに、容量市場、非化石価値取引市場、需給調整市場などの新たな取引市場については、投資回収の可能性向上等につながるものであることから、制度趣旨に則り、これを最大限活用していく。
○ エネルギー情勢やお客さまニーズの多様化など、環境変化を先取りし、エネルギーサービスを進化させる。
競争環境が厳しさを増す中でも引き続きお客さまにお選びいただけるよう、低廉で魅力ある料金プラン・サービスの提案など、エネルギーサービスの充実を図っていく。また、九州各地の営業所を拠点に、お客さまとの接点を重視した「顔の見える営業」を展開するとともに、昨年7月に「支社」と「営業センター」を新たに「支店」に統合し、電力小売りやグループ会社商品の販売等をこれまで以上に一体的に行い、総合力を発揮できる体制とするなど、営業力の一層の強化に取り組んでいく。さらに、オール電化の更なる推進や電気自動車の普及促進等あらゆる分野における電化の推進により需要創出を図るとともに、低・脱炭素社会の実現にも貢献していく。
九州域外における電気事業については、九電みらいエナジー株式会社による電力販売が順調に拡大しており、引き続き他社との連携等による営業強化に努めるとともに、域外での安定・安価な電源確保のため、千葉県でのLNG火力発電所の開発について、東京ガス株式会社と共同での検討を進めていく。
○ 海外電気事業については、一層の収益拡大を目指して、リスク管理機能を強化しつつ、国内外で蓄積した事業ノウハウやネットワークを活かして、更なる進出エリアや事業領域の拡大を図る。
前期は、タイの発電事業や米国4件目のガス火力発電事業、UAEのガス火力発電造水事業等に参画しており、これまでのアジア・米州に加え、今後は、欧州・中東・アフリカ地域に事業を拡大していく。また、マイクログリッド事業など新たな分野での事業展開にも取り組んでいく。
○ 昨年4月に一般送配電事業等を承継した九州電力送配電株式会社では、一層の公平性・透明性・中立性を確保しつつ、安定供給とコスト低減の両立を実現する。
また、再生可能エネルギーの普及や効率的な設備運用を目指し、ネットワーク技術の高度化を推進するとともに、引き続き太陽光など再生可能エネルギーの出力制御量の最小化に努めていく。さらに、お客さまとの接点を活かした電化の推進や自治体と連携した企業誘致等により、同社においても主体的に九州エリアの電力需要創出に取り組むとともに、これまで一般送配電事業等で培った技術や資産を活用し、新規事業・海外事業展開に取り組んでいく。
② 持続可能なコミュニティの共創
九州各県の地場企業として、新たな事業・サービスによる市場の創出を通じて、地域・社会とともに発展していく
○ 地域・社会の課題解決に向けて、当社グループの強みを活かせる都市開発や、社会インフラ事業、ICTサービス等の事業分野を中心に取り組む。
福岡市青果市場跡地の再開発など、都市部を中心に計画されている大型開発プロジェクトに積極的に取り組むとともに、福岡市中心部での新たなオフィスビル開発や賃貸マンション建設など不動産事業の強化にも注力する。さらには、前期に参画したホテル事業に続き、昨年11月には物流施設事業に参画しており、新たな事業分野を開拓し、収益力の強化を図っていく。
また、民間委託が進む空港運営事業では、現在参画している福岡空港・熊本空港に続き、本年7月に広島空港の運営事業に参画することとしており、当社グループの強みを活かした社会インフラ運営等の事業に取り組んでいく。
なお、昨年7月に都市開発・不動産・社会インフラ各事業を一体的に担う「都市開発事業本部」を設置し、事業間の連携を強化するとともに、社会動向に迅速かつ的確に対応しながら戦略的に経営資源を投資することで、事業の飛躍的な成長を目指していく。
さらに、ドローンによる空撮・測量やデータセンターなどのICTサービス事業、経理・人事労務業務の受託などビジネスサポート事業、高齢者の介護・見守りなど生活支援事業に取り組むとともに、観光や一次産業分野などの新たな領域にも挑戦していく。
これらの取組みに加え、九電グループ挙げてのイノベーションの取組みである「KYUDEN i-PROJECT」を引き続き推進し、新たな事業やサービスの創出に力を入れていく。
③ 経営基盤の強化
経営を支える基盤の強化を図り、グループ一体となって挑戦し、成長し続ける
○ 安全・健康・ダイバーシティを重視した組織風土をつくる。
安全については、「九電グループ安全行動憲章」に基づき、継続的な教育・訓練を実施するとともに、昨年7月に組織横断的な立場で九電グループの安全のレベルアップを牽引する「グループ安全統括室」を設置するなど、永続的な安全への取組みを進めていく。
また、「九州電力健康宣言」のもと、従業員の健康保持・増進を図るとともに、女性活躍をはじめとしたダイバーシティの更なる推進や、変革や新たな事業展開を担う多様な人材の確保・育成、テレワークの利用拡大や育児支援の充実など柔軟な労働環境の整備等に取り組んでいく。
○ 働きがいのある職場を永続的に追求する。
働き方改革の趣旨に則り、やりがいを持って活き活きと働くことができる職場を追求するため、風通しの良い組織・風土づくりや日常業務の改善・改革、IoTやAIを活用したデジタルトランスフォーメーションなどにより、創造的で付加価値の高い業務やライフスタイルにあった働き方の実現等に取り組んでいく。
○ ステークホルダーからの信頼向上に継続的に取り組む。
昨年1月に発生した託送料金計算システム等の障害により、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまに多大なご迷惑をおかけいたしましたことに対し、深くお詫び申しあげるとともに、今回の根本原因を踏まえ、今後、類似の事象を二度と発生させないよう、再発防止策の徹底を図っていく。
また、電力他社において役職員による金品受領等が明らかとなり、電気事業や原子力発電に対する信頼を大きく失墜させる事態に至った。当社では、かねてよりコンプライアンス経営の徹底に努めており、同様の事例がないことを確認しているが、今回の事案を真摯に受け止め、引き続き、更なるコンプライアンス意識の浸透を図り、公益事業者としての自覚と高い倫理観に基づいた事業運営を行っていく。
新型コロナウイルス感染症については、今後の電力需要の動向や業績への影響等を注視していくとともに、電力の安定供給をはじめとした事業運営に支障を来すことのないよう、危機感をもって感染予防・拡大防止対策に万全を期していく。
これらの取組みに加え、当社グループの持続的成長と企業価値の向上に向け、コーポレート・ガバナンスの強化や、CSR経営の推進、迅速で分かりやすい情報発信の徹底を図るとともに、SDGsをはじめ、社会から解決を求められている課題に対して、当社グループの経営資源を活用し、積極的に取り組んでいく。
また、経営ビジョンで掲げる成長に向けた投資資金の確保と財務基盤の強化の両立を図るため、昨年10月に、電力業界初となる公募ハイブリッド社債を発行した。今後も、財務体質を改善し、株主還元の更なる充実に取り組むことで、株主価値向上を目指していく。
当社グループとしては、これらの取組みを通じて、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。
(文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したもの)
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループの研究開発費は3,932百万円である。
(5) 従業員の状況
ア 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はない。
イ 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、当社の従業員数は前事業年度末から5,289名減少し、5,394名となっている
(2020年12月31日現在)。これは、2020年4月1日に、当社が営む一般送配電事業及び離島における発電事業等
を会社分割の方法により「九州電力送配電株式会社」に承継させたことなどにより減少したものである。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを従来の「国内電気事業」「その他エネルギーサービス
事業」「ICTサービス事業」「その他の事業」から「発電・販売事業」「送配電事業」「その他エネルギー
サービス事業」「ICTサービス事業」「その他の事業」に変更しており、当社及び九電みらいエナジー株式会
社を「発電・販売事業」に、九州電力送配電株式会社を「送配電事業」に分類している。
これに伴い、九州電力送配電株式会社に就業する従業員は、「送配電事業」に分類することになる。