有価証券報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 9:39
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【項目】
126項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度のわが国経済は、生産・設備投資の増加や輸出などの持ち直しにより、緩やかな回復基調が続いた。九州経済は、生産・輸出が高水準で推移しているほか、設備投資・個人消費の増加もあり、緩やかに拡大した。
当社においては、電力システム改革等により、電力・ガス小売全面自由化や、送配電部門の法的分離などへの対応が必要であることなどから、安全確保・法令遵守・安定供給を前提に、グループ一体となって徹底した費用削減に努めるとともに、ガス小売事業に参入するなど収益獲得に積極的に取り組んできた。
当連結会計年度の業績については、川内原子力発電所の発電電力量増加による燃料費の抑制などはあったが、競争の進展に伴う販売電力量の減少や、電力システム改革等に伴う諸経費の増加などから、前連結会計年度に比べ経常利益は21.8%の減益となった。一方、玄海原子力発電所3号機の稼働状況等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産を追加計上し、法人税等が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は9.3%の増益となった。
当連結会計年度の連結収支については、収入面では、電気事業において、販売電力量の減少はあったが、燃料費調整の影響による料金単価の上昇などにより電灯電力料が増加したことや、再エネ特措法交付金が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べ1,328億円増(+7.3%)の1兆9,603億円、経常収益は1,305億円増(+7.1%)の1兆9,762億円となった。
一方、支出面では、グループ一体となって費用削減に取り組んでいるが、電気事業において、再生可能エネルギー電源からの他社購入電力料が増加したことや、燃料価格の上昇などにより燃料費が増加したことに加え、諸経費が増加したことなどから、経常費用は1,511億円増(+8.6%)の1兆9,025億円となった。
以上により、経常利益は前連結会計年度に比べ205億円減(△21.8%)の736億円となった。
また、平成28年度の熊本地震に伴う特別損失の反動減や、繰延税金資産の追加計上による法人税等の減少などから、親会社株主に帰属する当期純利益は73億円増(+9.3%)の866億円となった。
報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
当連結会計年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年度比
(%)
金額(百万円)
電気事業売 上 高1,808,311107.3
営業利益81,42282.8
エネルギー関連事業売 上 高191,470103.4
営業利益11,732116.3
情報通信事業売 上 高106,687105.2
営業利益7,32186.1
その他の事業売 上 高25,581102.7
営業利益4,824106.5

(注) 1 「電気事業」は、当社事業から附帯事業を除いたものである。
2 上記の記載金額には消費税等を含んでいない。
② 資産、負債及び純資産の状況
資産は、現金及び預金などの流動資産は減少したが、原子力安全性向上対策工事等に伴う固定資産仮勘定の増加や核燃料の増加に加え、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産を追加計上したことなどにより固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ1,226億円増(+2.7%)の4兆7,101億円となった。
負債は、有利子負債の減少などはあったが、未払税金や支払手形及び買掛金、その他の流動負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ432億円増(+1.1%)の4兆561億円となった。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ701億円減(△2.1%)の3兆2,438億円となった。
純資産は、配当金の支払による減少はあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ793億円増(+13.8%)の6,539億円となり、自己資本比率は13.4%となった。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、消費税等や法人税等の支払額の減少や、前連結会計年度において「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律」の施行に伴い支出した未払使用済燃料再処理等拠出金が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,679億円収入増(+89.3%)の3,559億円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投融資の回収による収入の増加はあったが、設備投資の増加などにより、前連結会計年度に比べ467億円支出増(+17.0%)の3,217億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は転換社債型新株予約権付社債を発行したことなどから有利子負債が増加したが、当連結会計年度は社債の償還額が発行額を上回ったことなどから有利子負債が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,687億円減少し903億円の支出となった。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ539億円減少し3,658億円となった。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の事業内容は、電気事業が大部分を占め、電気事業以外の事業の生産、受注及び販売の状況は、グループ全体からみて重要性が小さい。また、電気事業以外の事業については、受注生産形態をとらない業種が多いため、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしていない。このため、以下では、電気事業の生産及び販売の状況を当社個別の実績によって示している。
① 需給実績
種 別当事業年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年度比
(%)






水力発電電力量(百万kWh)4,65397.2
火力発電電力量(百万kWh)43,26094.8
原子力発電電力量(百万kWh)14,339115.1
新エネルギー等発電電力量(百万kWh)1,09296.3
融通・他社受電電力量(百万kWh)18,54092.7
(新エネルギー等再掲)(9,994)(116.4)
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh)△1,627124.7
合 計(百万kWh)80,25797.1
損失電力量等(百万kWh)3,48285.8
販売電力量(百万kWh)76,77597.7
出水率(%)101.2-

(注) 1 自社の発電電力量は送電端の数値を記載している。
2 「新エネルギー等」は、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物及び地熱の総称である。
3 融通・他社受電電力量は、受電電力量から送電電力量を控除した電力量を記載している。
4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
5 販売電力量の中には、自社事業用電力量(130百万kWh、前年度比103.3%)を含んでいる。
6 出水率は、昭和61年度から平成27年度までの30か年平均に対する比である。

② 販売実績
販売電力量及び料金収入
種 別当事業年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年度比
(%)
販売電力量
(百万kWh)
電灯28,603100.2
電力48,17396.2
合計76,77597.7
料金収入
(百万円)
電灯628,651105.7
電力763,337102.1
合計1,391,989103.7

(注) 1 販売電力量の百万kWh未満は四捨五入のため、合計の数値が一致しない場合がある。
2 上記の記載金額には、消費税等を含んでいない。
当事業年度
(平成29年4月1日から
平成30年3月31日まで)
前年度比
(%)
融通・他社電力量(百万kWh)5,964159.2
同上販売電力料(百万円)61,172179.5

(注) 上記の記載金額には、消費税等を含んでいない。
③ 資材の状況
石炭、重油、原油、LNGの受払状況
区分当事業年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)
期首残高前年度比
(%)
受入前年度比
(%)
消費期末残高前年度比
(%)
発電用前年度比
(%)
その他前年度比
(%)
石炭(t)513,922140.15,877,96591.65,982,94395.51,09821.8407,84679.4
重油(kl)118,62179.1617,729130.5603,768119.7△8-132,590111.8
原油(kl)71,413135.9107,17765.7149,737103.861-28,79240.3
LNG(t)86,35859.63,715,06792.63,731,75692.1--69,66980.7


(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り、判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア 売上高及び営業利益
売上高(営業収益)は、前連結会計年度に比べ1,328億円増(+7.3%)の1兆9,603億円となった。一方、営業費用は1,523億円増(+8.9%)の1兆8,572億円となった。以上により、営業利益は195億円減(△15.9%)の1,031億円となった。
報告セグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりである。
[電気事業]
販売電力量については、契約電力の減少などから768億kWhとなり、前連結会計年度に比べ2.3%の減少となった。
一方、供給面については、川内原子力発電所1、2号機の安定稼働に加え、新エネルギー等の増加に対して火力、揚水等の発電設備の総合的な運用を行うことにより、安定した電力を供給することができた。
業績については、売上高は、販売電力量の減少はあったが、燃料費調整の影響による料金単価の上昇などにより電灯電力料が増加したことや、再エネ特措法交付金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ 1,232億円増(+7.3%)の1兆8,083億円となった。一方、営業費用は、グループ一体となって費用削減に取り組んでいるが、再生可能エネルギー電源からの他社購入電力料が増加したことや、燃料価格の上昇などにより燃料費が増加したことに加え、諸経費が増加したことなどから、1,401億円増(+8.8%)の1兆7,268億円となった。以上により、営業利益は、169億円減(△17.2%)の814億円となった。
[エネルギー関連事業]
エネルギー関連事業は、電気設備の建設・保守など電力の安定供給に資する事業、お客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えするため、ガス・LNG販売、再生可能エネルギー、エネルギーサービス事業等を展開している。また、九電グループが培ってきた技術・ノウハウを活かし、海外エネルギー事業の強化や九州域外におけるエネルギー事業の展開などにも取り組んでいる。
売上高は、スマートメーター販売の減少などはあったが、ガス・LNG販売の増加や海外LNGプロジェクトにおける生産開始などにより、前連結会計年度に比べ62億円増(+3.4%)の1,914億円、営業利益は、ガス小売事業参入に伴うシステム構築に係る委託費の増加などはあったが、海外LNGプロジェクトにおける生産開始や海外発電事業における利益の増加などにより、16億円増(+16.3%)の117億円となった。
[情報通信事業]
情報通信事業は、保有する光ファイバ網やデータセンターなどの情報通信事業基盤や事業ノウハウを活用し、データ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター事業等を展開している。
売上高は、情報システム開発受託や電気通信機器販売の増加などにより、前連結会計年度に比べ52億円増(+5.2%)の1,066億円、営業利益は、スマートフォンサービスに係る販売費の増加などにより、11億円減(△13.9%)の73億円となった。
[その他の事業]
その他の事業は、不動産、住宅関連サービス、有料老人ホーム事業等を主たる事業とする生活サービス事業と、環境・リサイクル事業を展開している。
売上高は、人材派遣事業や有料老人ホーム事業に係る収入の増加などにより、前連結会計年度に比べ6億円増(+2.7%)の255億円、営業利益は、賃貸建物の減価償却費の減少などにより、2億円増(+6.5%)の48億円となった。
イ 営業外収益・費用
営業外収益は、受取利息の減少などにより、前連結会計年度に比べ22億円減(△12.5%)の158億円となった。また、営業外費用は、支払利息の減少などにより、12億円減(△2.7%)の452億円となった。
ウ 経常利益
経常収益が前連結会計年度に比べ1,305億円増(+7.1%)の1兆9,762億円となり、経常費用が1,511億円増(+8.6%)の1兆9,025億円となったことから、経常利益は205億円減(△21.8%)の736億円となった。
エ 渇水準備金引当又は取崩し
当連結会計年度は、出水率が101.2%と平水(100%)を上回ったことから、将来の渇水による費用増加に備えるため、渇水準備引当金を1億円引き当てた。
オ 特別損失
当連結会計年度は、特別損失の計上はないが、前連結会計年度は、平成28年熊本地震に伴う災害特別損失など104億円を特別損失に計上した。
カ 法人税等
法人税等は、玄海原子力発電所3号機の稼働状況等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産を追加計上し、法人税等調整額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ167億円減の△144億円となった。
キ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ73億円増(+9.3%)の866億円となった。1株当たり当期純利益は15.59円増の175.56円となった。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「九州電力グループ中期経営方針」で示した2030年のありたい姿の実現に向けた中期的に達成すべき目標との位置付けで「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「自己資本比率(2021年度)20%程度」「経常利益(2017~2021年度平均)1,100億円以上」などの財務目標を設定している。
当連結会計年度においては、自己資本比率13.4%、経常利益736億円となった。
当連結会計年度の経常利益は1,100億円を下回ったものの、財務目標は2021年度までの5か年を対象としたものであり、今後、海外電気事業をはじめとする成長事業への投資などによる収益の拡大や徹底した効率化による競争力強化に取り組むことで、財務目標の達成を図っていく。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、燃料代などの支払いや、設備投資及び投融資、並びに借入金の返済及び社債の償還などに資金を充当している。
これらの資金需要に対して、自己資金に加え、社債や借入金により資金調達を行うとともに、一時的な資金需要の変動に対しては、コマーシャル・ペーパーなどにより機動的な対応を行っている。
また、流動性リスクについては、月次での資金繰により、資金需要を的確に把握するよう努めるとともに、コミットメントラインや当座貸越、及びキャッシュ・マネジメント・サービスなどを活用することとしている。

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