有価証券報告書-第150期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
A. 当連結会計年度の経営成績の状況
当連結会計年度の我が国の経済は、二度の緊急事態宣言の発令にもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大に収束の目処は立たず、また変異ウイルスの拡大もみられる中、娯楽業、旅行業、飲食サービスといった対個人サービス産業の経営環境に与える影響は大きく、当社グループの主要な事業である映画興行事業におきましても休業や営業時間等の時短要請を受けるなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、映画事業部門は、2020年4月および5月の臨時休業をはじめ、営業再開後も新型コロナウイルス感染症の各種拡大防止策を講じながら営業活動を行ってまいりましたが、業績は改善するに至らず、営業損失を計上することとなりました。不動産事業部門は、新型コロナウイルス感染症拡大による入居テナントの経営状態の悪化によるマイナス影響が懸念されましたが、ほぼ前年度並みの営業成績を確保することが出来ました。自動車教習事業部門は、自動車運転免許取得需要に大きな落ち込みは見られず、また大型自動車等や特殊自動車の運転免許取得需要もあり、営業成績は堅調に推移いたしました。また、特別利益として「新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等」3千4百万円、特別損失として「臨時休業による損失」5千4百万円、さらには映画興行事業資産グループに係る「減損損失」2億4千7百万円を計上し、その結果、全体として売上高は12億3千2百万円(前期比18.5%減)、営業利益は7千1百万円(前期比1,113.6%増)、経常利益は8千6百万円(前期比117.4%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円(前期は5千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当連結会計年度のセグメント情報ごとの業績の状況は以下の通りであります。
B. セグメントの状況
(映画事業部門)
「武蔵野館」では、『佐々木、イン、マイマイン』『あのこは貴族』等、また「シネマカリテ」では、『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』『異邦人』等の話題作を上映いたしました。当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、両劇場を一定期間臨時休業し、その後も業界団体のガイドラインや政府・自治体の方針を遵守し営業を行ってまいりましたが、同感染症の拡大が経営環境に与える影響は大きく、営業成績は厳しいものとなりました。映画配給関連事業につきましては、当社連結子会社による自社買付配給作品の香港映画『淪落の人』の配給に注力いたしました。その結果、部門全体の売上高は2億8千9百万円(前期比46.7%減)、セグメント損失は8千2百万円(前期は6千2百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業部門)
賃貸部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が入居テナントの経営に影響を与えることで、主要テナントビルの収益基盤の維持が懸念されましたが、当連結会計年度においては、概ね前年度並みの営業成績を確保することが出来ました。販売部門におきましては、業界のネットワークを通じて市況の把握に努めておりますが、具体的な営業活動の成果を得るに至りませんでした。その結果、部門全体の売上高は5億7千2百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は3億4千6百万円(前期比0.6%減)となりました。
(自動車教習事業部門)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一定期間臨時休業するなど、経営環境への影響は長期間に及ぶものと懸念されましたが、大学生等の普通自動車運転免許取得需要や、大型自動車、特殊自動車免許等、普通自動車免許以外の運転免許取得需要も増加の兆しを見せ、営業成績は概ね堅調に推移いたしました。その結果、部門全体の売上高は3億2千4百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は販売費及び一般管理費の減少等により9千7百万円(前期比73.8%増)となりました。
(商事事業部門)
東京都目黒区において経営委託している飲食店は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一定期間の臨時休業や時短営業を行い、お客様に安心してご来店いただけるよう各種感染防止対策を行いながら営業してまいりましたが、同感染症の再拡大による消費マインドの落ち込みは回復するに至らず、営業成績は前年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は4千1百万円(前期比43.7%減)、セグメント利益は6百万円(前期比11.9%減)となりました。
(その他)
主としてマクミラン・アリスの版権手数料や自販機手数料でありますが、部門全体の売上高は4百万円(前期比40.4%減)、セグメント利益は3百万円(前期比31.8%増)となりました。
※ スポーツ・レジャー事業部門は営業中止中であります。
C. 当連結会計年度の財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産につきましては、現金及び預金の増加1億5千7百万円があった一方で、映画事業に係る固定資産の減損損失の計上や減価償却費の計上による有形固定資産の減少3億3千2百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ1億8千4百万円の減少となりました。
負債につきましては、テナントビルの設備更新に係る未払債務の減少等による流動負債の減少2億1千4百万円があったものの、新型コロナウイルス対策資金等の長期借入金の増加などによる固定負債の増加2億4千4百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ3千万円の増加となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純損失の計上2億1千6百万円等により利益剰余金が減少し、前連結会計年度末に比べ2億1千5百万円の減少となりました。
以上のことから、当連結会計年度末残高は総資産60億6千2百万円、負債25億7千6百万円、純資産34億8千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、過年度のテナントビル設備更新工事等の未払金の支払等に加え、有利子負債の約定返済を進めた一方、営業活動によって得られた資金や長期借入れによる収入があったことなどから、8億3千5百万円(前期比23.3%増)となりました。
内訳といたしましては、営業活動において5千8百万円の資金を得て、投資活動において1億7千2百万円の資金を使用し、財務活動において2億7千2百万円の資金を得た結果、資金残高は前連結会計年度末より1億5千7百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果得られた資金は5千8百万円(前期比39.1%減)となりました。
主な内訳は減価償却費9千8百万円、減損損失2億4千7百万円等があった一方、税金等調整前当期純損失1億8千1百万円、仕入債務の減少1千3百万円、未払債務等によるその他の減少4千8百万円、法人税等の支払額3千2百万円等があったことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果使用した資金は1億7千2百万円(前期に使用した資金は1億2千2百万円)となりました。
これは主にテナントビル設備更新工事等の有形固定資産の取得による支出1億6千9百万円等があったことによるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果得られた資金は2億7千2百万円(前期に使用した資金は3千5百万円)となりました。
これは、長期借入れによる収入3億7千万円があった一方、長期借入金の返済による支出8千1百万円、リース債務の返済による支出1千5百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はサービス業及び不動産賃貸・販売業を中心に業態を形成しており、受注・生産形式の営業活動は行っておりません。また、販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況」におけるセグメント業績の売上高の記載に示した通りであります。
なお、セグメント別に販売の内訳について示すと、下記の通りであります。
※1. 当連結会計年度において、映画事業における販売の状況に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る映画館の一定期間の休業や時短営業、販売座席数の制限等により、売上高が減少したことによるものです。「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況 (映画事業部門)」を併せてご参照ください。
※2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額を継続的かつ適正に評価するために、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき、また予測し有る偶発事象の影響値等も加味しながら、いくつかの重要な見積りおよび仮定を用いております。しかしながら、見積りや仮定に特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りおよび仮定と異なる場合があります。
ここでは当社グループの重要な会計方針のうち、見積りおよび仮定による評価が重要と認識される項目について説明をいたします。なお、これらは連結財務諸表の作成にあたって用いた見積りおよび仮定のすべてを包括的に記載するものではなく、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載した事項を補足するものであります。
A.繰延税金資産
将来減算一時差異の回収可能性を検討し、回収可能性が低いと判断されるものについては評価性引当額を計上して、適正と想定される計上額を見積っております。当連結会計年度におきましては、連結子会社の㈱寄居武蔵野自動車教習所、自由ヶ丘土地興業㈱において、当連結会計年度末における各社の将来の課税所得見込額に応じた繰延税金資産を計上した一方で、提出会社につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が映画事業をはじめとした各事業セグメントに影響を与えることを鑑み、将来の課税所得の見積りに不確実性を与えることとなったため、2020年3月期にその全額を取り崩し、当連結会計年度におきましても新たな計上は行っておりません。なお、繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得の見積りに依存するため、当該見積りの前提となる仮定が将来の経営環境の変化等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。現時点におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、正常化に向けて複数年を要するものとし、2025年3月期にかけて緩やかに正常化していくとの仮定を置き、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦繰延税金資産の回収可能性に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」も併せてご参照ください。
B.貸倒引当金
過年度(3ヶ年)の貸倒実績に基づき、一般債権の貸倒引当率を連結上、0.068%としております。また、一部の債権については個別評価によっており、相手先の財政状態等、回収可能性を充分に検討したうえで、引当額の見積りを行っております。なお、取引先の財政状態が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等、経営環境の変化により当該見積りの範囲を超えて著しく悪化した場合、追加引当の検討を要する場合があります。
C.土地
(再評価に係る繰延税金負債及び土地再評価差額金)
当社が保有する土地は、全般的に取得時より相当の年月が経過しているものが多く、時価との乖離が重要な金額であったことから、時価と照らし合わせて適正な価格で評価をし直すことが望ましいものと考え、2000年3月期に土地の再評価をいたしました。再評価の方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) ※3 土地の再評価の適用」をご参照ください。
D.減損損失
各資産のグルーピングに基づいた減損の兆候を確認し、兆候有りと判断したものについては、将来キャッシュ・フローの見積もり等の方法や遊休資産においては不動産鑑定評価額等により、減損損失の認識(判定)、減損損失の測定を行っております。
当連結会計年度におきましては、東京都新宿区の映画館に係る資産グループにつきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、継続して営業利益がマイナスとなったことから、収益性が低下した映画館の固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額2億4千7百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。
固定資産の回収可能価額について、新型コロナウイルス感染症の拡大が将来キャッシュ・フローの見積りに影響を与える場合等、経営環境の変化により、当初見込んでいた見積りや仮定に変化が生じた場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性がありますが、現時点におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、正常化に向けて複数年を要するものとし、2025年3月期にかけて緩やかに正常化していくとの仮定を置き、固定資産の減損会計における将来キャッシュ・フローや繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。しかしながら、それらの仮定には不確実性が伴うため、将来において固定資産の減損会計に係る見積りに変更が生じる可能性があります。「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦固定資産の減損会計に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※3 減損損失」も併せてご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.連結貸借対照表関係
(流動資産の部)
「現金及び預金」が1億5千7百万円増加しております。これは主に、営業活動によって得られたキャッシュ・フロー5千8百万円に加え、主要テナントビルの設備更新工事に係る未払金の支払い等による投資活動によるキャッシュ・フローの減少1億7千2百万円、長期借入れによる収入等による財務活動によって得られたキャッシュ・フロー2億7千2百万円があったためであります。流動資産全体としては、1億3千7百万円増加(前期比17.8%増)しております。
(固定資産の部)
有形固定資産につきましては、全体で3億3千2百万円減少(前期比7.0%減)しております。主な減少の理由は、映画興行事業グループに係る有形固定資産の減損損失2億4千7百万円と減価償却による減少であります。無形固定資産につきましては、大きな増減はありません。投資その他の資産につきましては、関連会社の持分法投資利益の増加による投資有価証券の増加等により、8百万円増加(前期比1.4%増)しております。以上のことから固定資産全体としては、3億2千2百万円減少(前期比5.9%減)しております。
(流動負債の部)
主として、主要テナントビルの設備更新工事に係る未払金の減少等による「その他」の減少2億2百万円等があったことにより、流動負債全体としては、2億1千4百万円減少(前期比36.4%減)しております。
(固定負債の部)
設備投資および新型コロナウイルス感染症対策資金としての「長期借入金」の増加2億7千6百万円等により、固定負債全体としては、2億4千4百万円増加(前期比12.5%増)しております。
(純資産の部)
親会社株主に帰属する当期純損失2億1千6百万円の計上により利益剰余金が減少し、純資産全体としては、2億1千5百万円減少(前期比5.8%減)しております。
B.連結損益計算書関係
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度におきましては、映画事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に係る緊急事態宣言等を受け、休業や座席数の縮小、時短営業等の影響により、前連結会計年度からさらに減益となり、セグメント損失の計上となりました。一方、不動産事業部門においては、主要テナントビルにおいて新型コロナウイルス感染症拡大による入居テナントへの影響が懸念されたものの、テナントの退出等はなく、営業成績は堅調に推移いたしました。自動車教習事業部門は少子化や若年層の運転免許離れ等の厳しい経営環境の中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による入所者の減少が懸念されましたが、大学生を中心に自動車普通免許の一定の取得需要があり、また大型自動車や特殊自動車等の取得需要も増加の兆しを見せ、また販売費及び一般管理費の減少もあり、セグメント利益は前連結会計年度を上回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は12億3千2百万円(前期比18.5%減)、営業利益は7千1百万円(前期比1,113.6%増)となりました。
当社は、中期事業計画の練り直しに時間を要していることもあり、中長期的な経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は設定しておりませんが、セグメント損失を計上した映画事業部門の現状や不動産事業部門、自動車教習事業部門の将来の経営環境をしっかりと捉え、また、新型コロナウイルス感染症の影響下における当社事業のあり方についても検討を重ね、会社の経営課題である復配に向けて、営業利益による利益剰余金の積み上げをはかるため、下記のセグメント別の状況に対応した営業施策の実施と検討、見直しを行いながら、安定的な内部留保の充実を目指してまいります。「第4 提出会社の状況 3 配当政策」も併せてご参照ください。
セグメント別の状況については次のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における各項目や、「第2 事業の状況2 事業等のリスク ①経営環境の変化、特定の取引先等への依存等 ⑤新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク ⑥固定資産の減損会計に関するリスク」等も併せてご参照ください。
・映画事業
映画興行界全体といたしましては、2020年度は、「鬼滅の刃」が年間興行収入の20%を占めるなど話題もありましたが、全体として興行収入、入場人員ともに対前年比55%弱となり、新型コロナウイルス感染症の影響により、映画館に足を運んでいただくことで成り立つ映画興行の事業としての脆弱性が垣間見えた年度となりました。特に当社のようなミニシアターの経営環境は大変厳しいものとなり、休業や販売座席数の制限、時短営業等多くの営業上の制約がかかる中、人件費をはじめとした経費の節減に努め、経営を行ってまいりましたが、収益性の低下により当該事業の将来キャッシュ・フローの見積りが映画興行事業資産グループの有形固定資産の簿価を下回ったため、多額の減損損失を計上することとなりました。ミニシアターは平常時でも、上映作品の公開規模や広告宣伝、そして劇場のキャパシティにおいても限られた側面があり、加えてコロナ禍の中、風評や営業上の制約、番組編成への影響、また映画館自らの情報発信力の不足もあり、それらが営業成績に影響したものと認識・分析しております。連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給におきましては、当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き、香港映画『淪落の人』を地方を中心に公開し好評を博したものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、営業損失を計上いたしました。その結果、部門全体の売上高は、2億8千9百万円(前期比46.7%減)、セグメント損失は8千2百万円(前期は6千2百万円のセグメント損失)となりました。
以上のことから、当連結会計年度は部門全体としてセグメント損失の計上となりましたが、映画興行事業におきましては、東京都新宿地区において「武蔵野館」「シネマカリテ」2館5スクリーンの連携を高め、集客力の高い作品の上映回数を増やすなど、より柔軟性・機動性に富んだ魅力的な番組編成を行い、小さなシネコンのように相乗効果を高めていくことで、安定的な来場者の確保・増加を目指し、今後につなげてまいります。また、過去の営業成績の検証も行い、お客様のニーズを把握するために業界の情報・動向を把握・分析し、部門の収益力強化に取り組んでまいります。新型コロナウイルス感染症予防対策につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境への影響は、2020年4月と5月の一定期間、映画館を休業し、営業再開後も時短営業や販売座席数を隔席にするなど収益面での減少要因があり、2021年3月期の連結業績に影響を与えております。2022年3月期以降は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込を想定しているものの、その影響は一定期間に及ぶものと考え、今後は経営環境の変化の把握に努め、新たな映画館の経営のあり方を模索しながら、従業員の検温や消毒、換気等の対策を確実に行い、より安全な環境で映画をご覧いただけるよう充分に配慮いたします。なお、2020年6月には「武蔵野館」が開館100周年を迎え、当社映画館創業の地である東京都新宿の街のさらなる発展を願い、2021年5月および6月に「新宿東口映画祭」を開催いたしました。今後も心が豊かになるような良質な映画を自ら選んで上映を行うなど、当社独自の情報発信を行ってまいります。映画の自社買付配給等につきましては、当社は映画興行と映画配給は車の両輪のようなものであるとの考えから、自ら映画を選び配給する力をつけることで、将来、当社の映画事業の主軸である映画興行事業にも必ずや好影響をもたらすものと考えており、映画の規模や品質、収益性等のバランスを熟考し、より多くのお客様に満足いただける作品を買い付け配給してまいります。
・不動産事業
不動産事業につきましては、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在し、またそのプロパティ・マネジメントも適切に行い、安定した顧客の確保を維持出来ているものの、今後は新型コロナウイルス感染症の影響により、入居テナントの経営状態等に細心の注意が必要と認識しております。当連結会計年度におきましては、コロナ禍の中、主要な商業テナントビルは空室もなく安定的に稼働し、収益の確保に貢献いたしました。また、当連結会計年度は、所有テナントビルの老朽化に係る設備更新工事による修繕費等の発生・支払があり、今後も所有賃貸等不動産の老朽化による大規模修繕や減価償却費等の費用の増加が懸念されることから、今まで以上に関連業者や顧客との連携・連絡に気を配り、新型コロナウイルス感染症の影響に注意をはらいながら、しっかりとしたプロパティ・マネジメントを行っていくことで、引き続き収益の確保をはかってまいります。不動産販売につきましては、当連結会計年度も具体的な営業活動の成果はなく業界の動向を窺うに止まりましたが、今後も関連業者との連絡を密にし、取引の機会を検討してまいります。その結果、部門全体の売上高は5億7千2百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は3億4千6百万円(前期比0.6%減)となりました。
以上のことから、当連結会計年度における不動産事業は堅調な営業成績を確保することが出来ましたが、引き続き、現状の収益水準を維持していくために、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による経営環境に与える影響は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、入居テナントの経営状態に及ぼす影響にも常に注意を払い、所有賃貸等不動産の管理状況をしっかりと把握し、関連業者やテナントとの連携・連絡を緊密に行うことで、今後もプロパティ・マネジメントの強化をはかってまいります。なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する当該事業セグメントの収益減少等の影響はありません。
・自動車教習事業
自動車教習事業は、少子化や若年層人口の運転免許離れといった要因に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による厳しい経営環境のなか、自動車教習所の入所者数に落ち込みは見られず、売上高は概ね前連結会計年度並みとなり、販売費及び一般管理費の減少により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ増加いたしました。その結果、部門全体の売上高は3億2千4百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は9千7百万円(前期比73.8%増)となりました。
自動車教習事業では、若年層人口の減少等の厳しい経営環境や現状を踏まえ、さらには新型コロナウイルス感染症拡大の影響が2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、経営環境の変化に対応すべく、今後も大型自動車・大型自動二輪や大型特殊自動車・けん引自動車、さらには高齢者講習など、普通自動車運転免許以外にも多様な運転免許を取得できる自動車教習所として地域での認知度をより高め、幅広い教習生の獲得に努めるとともに、効率のよい教習指導員の配置にも工夫を凝らし、また、よりきめ細かな送迎バスのルートの開拓により教習生の皆様が教習所に通い易い環境を整備すること等が業績の安定化につながるものと分析し、新型コロナウイルス感染症の予防対策もしっかりと行ったうえ、経営環境の変化に向けた対策を今後も講じてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の緊急事態宣言や埼玉県の要請により2020年4月と5月の一定期間、自動車教習所を休業しており、また現時点においても、同感染症の収束時期を見通すことは困難であり、当該セグメントの収益減少等、2022年3月期の連結業績に影響を与える可能性があります。
・商事事業
商事事業におきましては、当連結会計年度は目黒区自由が丘にて経営委託している飲食店の営業成績が収益の中心となっております。当該店舗「ピーターラビット ガーデンカフェ」は、イメージ・キャラクターの魅力を生かした店舗作りが好評をいただいており、イメージ・キャラクターをモチーフにしたメニュー・グッズの開発やイベントの開催等を行い好評を博してまいりましたが、現在の業態に変更してから相応の年数が経過したことに加え、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による休業等の営業上の制約があり、売上高は前連結会計年度と比べ減少いたしました。その結果、部門全体の売上高は4千1百万円(前期比43.7%減)、セグメント利益は6百万円(前期比11.9%減)となりました。
今後も収益力の維持・改善に向けて、地域における経営環境の分析とともにイメージ・キャラクターの魅力がより伝わるような店作りと、さらには新型コロナウイルス感染症の影響が2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、引き続き同感染症予防対策を的確に講じた店舗運営を前提に、店舗経営委託先との連絡をより密にし、地域のお客様のニーズを捉え、オリジナルメニューやグッズの開発など、店舗のブランド力のさらなる強化をはかってまいります。
なお、当該店舗は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の緊急事態宣言や東京都の要請等により2021年3月期の一定期間休業しており、また現時点においても、同感染症の収束時期を見通すことは困難であるため、当該セグメントの収益減少等、2022年3月期の連結業績に影響を与える可能性があります。
また、当事業セグメントは、2022年3月期より適用される「収益認識に関する会計基準」により、売上高の計上方法に影響を受ける可能性があります。
・その他
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料を「その他」の事業としており、全体として売上高は4百万円(前期比40.4%減)、セグメント利益は3百万円(前期比31.8%増)となりました。マクミラン・アリスの版権事業につきましては、版権提供先の状況に気を配り収益の確保につながるような管理を行ってまいりましたが、現時点で当該事業は縮小しております。また、自販機手数料につきましては、季節や天候の変動、またドリンクのラインナップや自販機のバージョンアップ等にも気を配ってまいります。
(経常利益)
営業外収益として、受取利息及び配当金4百万円、持分法による投資利益1千1百万円、その他の営業外収益2百万円等があった一方、営業外費用として支払利息2百万円等があり、経常利益は8千6百万円(前期比117.4%増)となりました。なお、持分法による投資利益は、不動産賃貸業を営む関連会社の収益減少等により、前期に比べ58.9%減少しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益として、新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等3千4百万円の計上がありました。これは、提出会社と連結子会社である㈱寄居武蔵野自動車教習所に係るものであります。一方、特別損失として、臨時休業による損失5千4百万円、減損損失2億4千7百万円の計上がありました。臨時休業による損失は、2020年4月および5月の一定期間、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府の方針や自治体による要請を受け、映画館と自動車教習所を臨時休業した際の当該事業所に係る人件費、地代家賃、減価償却費等であります。減損損失は、映画興行事業資産グループにつきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、継続して営業利益がマイナスとなったことから、収益性が低下した映画館の固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上したものであります。減損損失につきましては、「2 事業等のリスク ⑥固定資産の減損会計に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※3 減損損失」も併せてご参照ください。
法人税等につきましては、法人税、住民税及び事業税3千万円に加え、連結子会社の将来課税所得の見積りを行った結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、3百万円を法人税等調整額に計上いたしました。この結果、法人税等合計は3千4百万円となりました。なお、提出会社は、新型コロナウイルス感染症拡大により将来のタックス・プランニングが不透明になったことから、前連結会計年度に繰延税金資産の全額を取り崩しております。繰延税金資産の回収可能性につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦繰延税金資産の回収可能性に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」も併せてご参照ください。
よって、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円(前期は5千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
C.連結キャッシュ・フロー計算書関係
「営業活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、減価償却費や減損損失があった一方、税金等調整前当期純損失や仕入債務の減少があり、5千8百万円の資金の増加(前期比39.1%減)となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、大宮ビルの建物附属設備の取得に係る未払金の支払等があったことなどから、1億7千2百万円の資金の減少(前期は1億2千2百万円の資金の減少)となり、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、大宮ビルの設備投資資金や新型コロナウイルス感染症対策資金として金融機関より長期借入れを行った一方、既存の長期借入金やリース債務の返済が進んだこともあり、2億7千2百万円の資金の増加(前期は3千5百万円の資金の減少)となりました。
その結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は8億3千5百万円(前期比23.3%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
映画事業は、話題性・集客力のある作品を数多く世に送り出して行くことが経営成績の安定には不可欠であり、そのためには、映画興行・映画配給の双方向から、映画の魅力をいかにPRしていくかが、経営成績に重要な影響を与えるひとつの要因と考えております。当社は映画興行のみならず映画配給も手がけることによって、映画の魅力をより重層的に発信していくことができるものと考えており、また、「新宿東口映画祭」や「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」等において、当社独自にセレクトした映画の上映も積極的に行い、その効果として、一人でも多くのお客様が映画館に足を運んで映画の魅力に触れていただき、経営成績に良い影響を及ぼし、より良い結果に結びつけていけるよう、今後も努力してまいります。
不動産事業につきましては、経常的に安定した収益が見込める不動産賃貸業を柱としており、当社グループ全体の事業基盤を下支えするうえで重要な役割を担っております。引き続き安定した経営基盤を維持していくためには、所有賃貸等不動産の状況を常に把握し、設備の更新や入居テナントの経営環境等にも気を配りながら、所有不動産の資産価値の維持向上に務めていくことが不可欠であると考えております。
自動車教習事業におきましては、若年層の人口減少や自動車運転免許への関心の低下、さらには地域内における自動車教習所の競合といった要因による収益への影響が引き続き今後も予想されるため、大型特殊自動車等の普通自動車以外の車種や高齢者教習など、近隣の自動車教習所との差別化をはかるべく、多様な教習メニューの提供と送迎バスルートの拡充、教習指導員の教育や効率のよい配置、また地域との信頼関係を深める努力を怠らず、収益の維持に努めてまいります。
商事事業といたしましては、経営委託先の飲食店にて採用するキャラクターのイメージが重要な経営成績につながるファクターであると認識しており、経営委託先と連携し、キャラクターの魅力がより伝わるような新しい飲食メニューやグッズ等の開発により、店舗のブランド力を高め、収益の向上に繋げてまいります。
加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見極めるのは困難であり、先行き不透明な経済環境は一定期間に及ぶものと考えております。2020年4月以降、当社グループにおきましても、映画事業や自動車教習事業において、映画館や自動車教習所の営業休止を実施しており、2021年3月期の連結経営成績に大きな影響を及ぼしました。このような経営環境の変化の中で、当社グループは、経営基盤である不動産事業、また通年にわたり一定の自動車運転免許取得需要が見込める自動車教習事業で収益を確保し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすい映画事業において、同感染症の予防対策を確実に実施したうえで、経費の節減を行いながら、さらなる事業コンテンツの充実をはかり、各事業セグメントの継続と成長に取り組んでまいります。
各事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症拡大による影響等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)会社が対処すべき課題」「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑤新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク」「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 B.連結損益計算書関係(売上高及び営業利益)」におけるセグメント別の状況をご参照ください。
各事業セグメントのリスクに関する要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ①経営環境の変化、特定の取引先等への依存等」をご参照ください。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は「映画事業を通じて社会に健全な娯楽を提供するとともに、映画文化の発展に寄与すること」を主要な事業目的としております。しかしながら、映画事業は上映作品の持つ集客力、流行等、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大といった経営環境の変化に大きな影響を受ける事業であり、主力事業としての数字でははかれない会社への貢献はあるものの、収益面においては、セグメント損失を計上している現状から考えても、不確実な側面があることは否めません。映画事業においては、今後も引き続き、番組編成やイベントの企画、SNS等よりの情報発信に加え、サービスの質の向上・設備の充実等、映画館に足を運んでいただく営業努力を継続していくことでセグメント収益の改善に向けて取り組んでいくことはもちろんですが、不動産事業、自動車教習事業においてもその事業資産を有効に活用することで、グループ全体として確実に収益を生み出せる経営体質の強化に努め、さらなる経営基盤の安定化に向けて努力していくことが重要と考えております。
映画事業においては、従来の映画興行事業に加え、映画配給事業等、新たに取り組み始めた事業の拡充も視野に入れ、さらには、「新宿東口映画祭」や「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」等のイベントも定期的に行い、ミニシアターの存在価値をPRするとともに、将来のミニシアターを取り巻く経営環境にも配慮しながら、包括的に映画事業を手がける会社を目指してまいります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における各項目も併せてご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
A. 流動性の管理方針
映画興行や不動産賃貸が事業の主軸である当社は、現金または銀行振込による売上入金の比率が高いため、売上債権の回収については概ね効率が良いものと考えております。したがって毎日の入金管理に重点を置くことはもちろん、売掛債権等が発生する場合においては、その相手先の状態に気を配り、また信用調査を行うなど、営業部門と経理部門双方からのリスク管理を徹底しております。
B. 短期的な債務の状況
当社グループの総資産のうち、流動負債の構成比は6.2%となりました。前年度の9.4%に比べ減少しておりますが、テナントビルの設備更新工事に係る未払金を支払ったことにより、流動負債の「その他」が減少したことがその要因であります。また、流動比率は242.8%(前年度は131.1%)となっております。流動比率が増加した要因は、流動負債の構成比が減少した理由と同様です。今後も財務基盤の安定性を保つために、短期的な債務の管理には細心の注意をはらってまいります。
C. ファイナンス及び資本の財源
資本市場における資金の調達は1989年以降行っておりません。現在は主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。また当社は安定的な営業利益の積み上げによる復配の実現を経営課題としており、キャッシュ・フロー経営を徹底させることにより自己資本の増強に努めることが第一と考えております。
当社の資金需要は、主として運転資金需要と設備資金需要となっており、運転資金需要は映画館や自動車教習所の運営費、またテナントビルの維持管理費等、設備資金需要は映画館、自動車教習所、テナントビルにおける設備や固定資産の更新等に係る設備投資需要であります。運転資金および設備資金につきましては、自己資金および金融機関よりの借入によっております。資金の振り分けにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境の変化に対応するため、当面は手許資金の充実を重視し、必要な設備投資も出来る範囲で継続して行い、継続的な営業利益の確保による自己資本の積み上げをもって、株主還元を実現することを経営課題としております。
当連結会計年度において、当社は、テナントビルの設備更新工事に係る未払金の支払を含む有形固定資産の取得による支出は1億6千9百万円となりましたが、当該支出に係る資金につきましては金融機関よりの長期借入金によって賄っております。また、新型コロナウイルス対策資金として、必要に応じて各事業セグメントの運転資金に充てるため、1億円を金融機関より調達しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
主力事業である映画事業をはじめ、基幹事業による営業利益を長期継続的に確保し、復配を実現することが当社グループの課題であると認識しております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けた映画事業でセグメント損失を計上したことに加え、特別損失として、同感染症拡大に係る「臨時休業による損失」や映画興行事業資産グループの「減損損失」を計上したことなどから、連結損益計算書における親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円となり、利益剰余金は3千5百万円となりました。セグメント損失を計上した映画事業は当社の主力事業であり、会社を代表する事業セグメントとして数字には表れない貢献はあるものの、一方でセグメント損失の計上は当社の財務面に重要な影響を及ぼしており、早急に改善すべき経営課題であると考えております。そのため当社では映画事業を今後も継続していくために、新型コロナウイルス感染症拡大により将来の見通しが困難な経営環境下にあるものの、しっかりと予防対策を行ったうえ、その収益力の向上に向けての映画配給事業への取り組みや、また、当社映画館である「武蔵野館」100周年に因み、創業の地である東京都新宿の街の更なる発展を願って行う「新宿東口映画祭」等のイベントを定期的に開催するなど、映画事業に関する新たな企画を打ち出しておりますが、その収益力の改善と、復配の原資となる営業利益の積み上げによる安定的な内部留保の確保には、しばらくの時間と投資が必要であるものと考えております。そのため今後も、すべての事業において安定的に営業利益を積み重ねていけるよう、経営基盤のさらなる強化を目指し、特に映画事業におきましては、映画配給関連事業の育成に注力し、映画興行のみならず映画配給も手掛ける会社として、また映画関連グッズの販売や映画祭等の企画にも力を入れ、事業コンテンツの充実をはかるなど、復配に向けた、より前向きな経営施策を講じてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
A. 当連結会計年度の経営成績の状況
当連結会計年度の我が国の経済は、二度の緊急事態宣言の発令にもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大に収束の目処は立たず、また変異ウイルスの拡大もみられる中、娯楽業、旅行業、飲食サービスといった対個人サービス産業の経営環境に与える影響は大きく、当社グループの主要な事業である映画興行事業におきましても休業や営業時間等の時短要請を受けるなど、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、映画事業部門は、2020年4月および5月の臨時休業をはじめ、営業再開後も新型コロナウイルス感染症の各種拡大防止策を講じながら営業活動を行ってまいりましたが、業績は改善するに至らず、営業損失を計上することとなりました。不動産事業部門は、新型コロナウイルス感染症拡大による入居テナントの経営状態の悪化によるマイナス影響が懸念されましたが、ほぼ前年度並みの営業成績を確保することが出来ました。自動車教習事業部門は、自動車運転免許取得需要に大きな落ち込みは見られず、また大型自動車等や特殊自動車の運転免許取得需要もあり、営業成績は堅調に推移いたしました。また、特別利益として「新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等」3千4百万円、特別損失として「臨時休業による損失」5千4百万円、さらには映画興行事業資産グループに係る「減損損失」2億4千7百万円を計上し、その結果、全体として売上高は12億3千2百万円(前期比18.5%減)、営業利益は7千1百万円(前期比1,113.6%増)、経常利益は8千6百万円(前期比117.4%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円(前期は5千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当連結会計年度のセグメント情報ごとの業績の状況は以下の通りであります。
B. セグメントの状況
(映画事業部門)
「武蔵野館」では、『佐々木、イン、マイマイン』『あのこは貴族』等、また「シネマカリテ」では、『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』『異邦人』等の話題作を上映いたしました。当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、両劇場を一定期間臨時休業し、その後も業界団体のガイドラインや政府・自治体の方針を遵守し営業を行ってまいりましたが、同感染症の拡大が経営環境に与える影響は大きく、営業成績は厳しいものとなりました。映画配給関連事業につきましては、当社連結子会社による自社買付配給作品の香港映画『淪落の人』の配給に注力いたしました。その結果、部門全体の売上高は2億8千9百万円(前期比46.7%減)、セグメント損失は8千2百万円(前期は6千2百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業部門)
賃貸部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が入居テナントの経営に影響を与えることで、主要テナントビルの収益基盤の維持が懸念されましたが、当連結会計年度においては、概ね前年度並みの営業成績を確保することが出来ました。販売部門におきましては、業界のネットワークを通じて市況の把握に努めておりますが、具体的な営業活動の成果を得るに至りませんでした。その結果、部門全体の売上高は5億7千2百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は3億4千6百万円(前期比0.6%減)となりました。
(自動車教習事業部門)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一定期間臨時休業するなど、経営環境への影響は長期間に及ぶものと懸念されましたが、大学生等の普通自動車運転免許取得需要や、大型自動車、特殊自動車免許等、普通自動車免許以外の運転免許取得需要も増加の兆しを見せ、営業成績は概ね堅調に推移いたしました。その結果、部門全体の売上高は3億2千4百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は販売費及び一般管理費の減少等により9千7百万円(前期比73.8%増)となりました。
(商事事業部門)
東京都目黒区において経営委託している飲食店は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一定期間の臨時休業や時短営業を行い、お客様に安心してご来店いただけるよう各種感染防止対策を行いながら営業してまいりましたが、同感染症の再拡大による消費マインドの落ち込みは回復するに至らず、営業成績は前年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は4千1百万円(前期比43.7%減)、セグメント利益は6百万円(前期比11.9%減)となりました。
(その他)
主としてマクミラン・アリスの版権手数料や自販機手数料でありますが、部門全体の売上高は4百万円(前期比40.4%減)、セグメント利益は3百万円(前期比31.8%増)となりました。
※ スポーツ・レジャー事業部門は営業中止中であります。
C. 当連結会計年度の財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産につきましては、現金及び預金の増加1億5千7百万円があった一方で、映画事業に係る固定資産の減損損失の計上や減価償却費の計上による有形固定資産の減少3億3千2百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ1億8千4百万円の減少となりました。
負債につきましては、テナントビルの設備更新に係る未払債務の減少等による流動負債の減少2億1千4百万円があったものの、新型コロナウイルス対策資金等の長期借入金の増加などによる固定負債の増加2億4千4百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ3千万円の増加となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純損失の計上2億1千6百万円等により利益剰余金が減少し、前連結会計年度末に比べ2億1千5百万円の減少となりました。
以上のことから、当連結会計年度末残高は総資産60億6千2百万円、負債25億7千6百万円、純資産34億8千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、過年度のテナントビル設備更新工事等の未払金の支払等に加え、有利子負債の約定返済を進めた一方、営業活動によって得られた資金や長期借入れによる収入があったことなどから、8億3千5百万円(前期比23.3%増)となりました。
内訳といたしましては、営業活動において5千8百万円の資金を得て、投資活動において1億7千2百万円の資金を使用し、財務活動において2億7千2百万円の資金を得た結果、資金残高は前連結会計年度末より1億5千7百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果得られた資金は5千8百万円(前期比39.1%減)となりました。
主な内訳は減価償却費9千8百万円、減損損失2億4千7百万円等があった一方、税金等調整前当期純損失1億8千1百万円、仕入債務の減少1千3百万円、未払債務等によるその他の減少4千8百万円、法人税等の支払額3千2百万円等があったことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果使用した資金は1億7千2百万円(前期に使用した資金は1億2千2百万円)となりました。
これは主にテナントビル設備更新工事等の有形固定資産の取得による支出1億6千9百万円等があったことによるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果得られた資金は2億7千2百万円(前期に使用した資金は3千5百万円)となりました。
これは、長期借入れによる収入3億7千万円があった一方、長期借入金の返済による支出8千1百万円、リース債務の返済による支出1千5百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はサービス業及び不動産賃貸・販売業を中心に業態を形成しており、受注・生産形式の営業活動は行っておりません。また、販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況」におけるセグメント業績の売上高の記載に示した通りであります。
なお、セグメント別に販売の内訳について示すと、下記の通りであります。
| 項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||
| (自 2019年4月1日 | (自 2020年4月1日 | ||||||
| 至 2020年3月31日) | 至 2021年3月31日) | ||||||
| セグメント | 販売の内訳 | 販売高(千円) | 構成比 (%) | セグメ ント内 | 販売高(千円) | 構成比 (%) | セグメ ント内 |
| 構成比 (%) | 構成比 (%) | ||||||
| 入場料売上 | 481,377 | 88.6 | 250,774 | 86.7 | |||
| 配給収入等 | 830 | 0.2 | 3,202 | 1.1 | |||
| 映画事業(※1) | 売店売上等 | 60,927 | 11.2 | 35,268 | 12.2 | ||
| 計 | 543,135 | 35.9 | 100.0 | 289,245 | 23.5 | 100.0 | |
| 不動産賃貸等売上(※2) | 536,791 | 93.5 | 536,708 | 93.7 | |||
| 不動産事業 | 不動産管理売上 | 37,443 | 6.5 | 36,201 | 6.3 | ||
| 計 | 574,235 | 38.0 | 100.0 | 572,909 | 46.4 | 100.0 | |
| 教習指導売上 | 313,485 | 99.8 | 323,760 | 99.9 | |||
| 自動車教習事業 | 自販機売上等 | 542 | 0.2 | 396 | 0.1 | ||
| 計 | 314,028 | 20.7 | 100.0 | 324,156 | 26.3 | 100.0 | |
| 飲食店舗の委託経営 | 73,428 | 99.9 | 41,280 | 99.8 | |||
| 商事事業 | 住宅資材卸売等 | 69 | 0.1 | 99 | 0.2 | ||
| 計 | 73,498 | 4.9 | 100.0 | 41,380 | 3.4 | 100.0 | |
| その他 | 版権料収入等 | 7,818 | 0.5 | ― | 4,660 | 0.4 | ― |
| 合計 | 1,512,716 | 100.0 | 1,232,352 | 100.0 | |||
※1. 当連結会計年度において、映画事業における販売の状況に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る映画館の一定期間の休業や時短営業、販売座席数の制限等により、売上高が減少したことによるものです。「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況 (映画事業部門)」を併せてご参照ください。
※2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| ㈱高島屋 | 221,592 | 14.6 | 221,592 | 18.0 |
| ㈱野和ビル | 155,028 | 10.2 | 155,028 | 12.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額を継続的かつ適正に評価するために、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき、また予測し有る偶発事象の影響値等も加味しながら、いくつかの重要な見積りおよび仮定を用いております。しかしながら、見積りや仮定に特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りおよび仮定と異なる場合があります。
ここでは当社グループの重要な会計方針のうち、見積りおよび仮定による評価が重要と認識される項目について説明をいたします。なお、これらは連結財務諸表の作成にあたって用いた見積りおよび仮定のすべてを包括的に記載するものではなく、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載した事項を補足するものであります。
A.繰延税金資産
将来減算一時差異の回収可能性を検討し、回収可能性が低いと判断されるものについては評価性引当額を計上して、適正と想定される計上額を見積っております。当連結会計年度におきましては、連結子会社の㈱寄居武蔵野自動車教習所、自由ヶ丘土地興業㈱において、当連結会計年度末における各社の将来の課税所得見込額に応じた繰延税金資産を計上した一方で、提出会社につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大が映画事業をはじめとした各事業セグメントに影響を与えることを鑑み、将来の課税所得の見積りに不確実性を与えることとなったため、2020年3月期にその全額を取り崩し、当連結会計年度におきましても新たな計上は行っておりません。なお、繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得の見積りに依存するため、当該見積りの前提となる仮定が将来の経営環境の変化等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。現時点におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、正常化に向けて複数年を要するものとし、2025年3月期にかけて緩やかに正常化していくとの仮定を置き、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦繰延税金資産の回収可能性に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」も併せてご参照ください。
B.貸倒引当金
過年度(3ヶ年)の貸倒実績に基づき、一般債権の貸倒引当率を連結上、0.068%としております。また、一部の債権については個別評価によっており、相手先の財政状態等、回収可能性を充分に検討したうえで、引当額の見積りを行っております。なお、取引先の財政状態が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等、経営環境の変化により当該見積りの範囲を超えて著しく悪化した場合、追加引当の検討を要する場合があります。
C.土地
(再評価に係る繰延税金負債及び土地再評価差額金)
当社が保有する土地は、全般的に取得時より相当の年月が経過しているものが多く、時価との乖離が重要な金額であったことから、時価と照らし合わせて適正な価格で評価をし直すことが望ましいものと考え、2000年3月期に土地の再評価をいたしました。再評価の方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係) ※3 土地の再評価の適用」をご参照ください。
D.減損損失
各資産のグルーピングに基づいた減損の兆候を確認し、兆候有りと判断したものについては、将来キャッシュ・フローの見積もり等の方法や遊休資産においては不動産鑑定評価額等により、減損損失の認識(判定)、減損損失の測定を行っております。
当連結会計年度におきましては、東京都新宿区の映画館に係る資産グループにつきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、継続して営業利益がマイナスとなったことから、収益性が低下した映画館の固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額2億4千7百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。
固定資産の回収可能価額について、新型コロナウイルス感染症の拡大が将来キャッシュ・フローの見積りに影響を与える場合等、経営環境の変化により、当初見込んでいた見積りや仮定に変化が生じた場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性がありますが、現時点におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響につきまして、正常化に向けて複数年を要するものとし、2025年3月期にかけて緩やかに正常化していくとの仮定を置き、固定資産の減損会計における将来キャッシュ・フローや繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。しかしながら、それらの仮定には不確実性が伴うため、将来において固定資産の減損会計に係る見積りに変更が生じる可能性があります。「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦固定資産の減損会計に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※3 減損損失」も併せてご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.連結貸借対照表関係
(流動資産の部)
「現金及び預金」が1億5千7百万円増加しております。これは主に、営業活動によって得られたキャッシュ・フロー5千8百万円に加え、主要テナントビルの設備更新工事に係る未払金の支払い等による投資活動によるキャッシュ・フローの減少1億7千2百万円、長期借入れによる収入等による財務活動によって得られたキャッシュ・フロー2億7千2百万円があったためであります。流動資産全体としては、1億3千7百万円増加(前期比17.8%増)しております。
(固定資産の部)
有形固定資産につきましては、全体で3億3千2百万円減少(前期比7.0%減)しております。主な減少の理由は、映画興行事業グループに係る有形固定資産の減損損失2億4千7百万円と減価償却による減少であります。無形固定資産につきましては、大きな増減はありません。投資その他の資産につきましては、関連会社の持分法投資利益の増加による投資有価証券の増加等により、8百万円増加(前期比1.4%増)しております。以上のことから固定資産全体としては、3億2千2百万円減少(前期比5.9%減)しております。
(流動負債の部)
主として、主要テナントビルの設備更新工事に係る未払金の減少等による「その他」の減少2億2百万円等があったことにより、流動負債全体としては、2億1千4百万円減少(前期比36.4%減)しております。
(固定負債の部)
設備投資および新型コロナウイルス感染症対策資金としての「長期借入金」の増加2億7千6百万円等により、固定負債全体としては、2億4千4百万円増加(前期比12.5%増)しております。
(純資産の部)
親会社株主に帰属する当期純損失2億1千6百万円の計上により利益剰余金が減少し、純資産全体としては、2億1千5百万円減少(前期比5.8%減)しております。
B.連結損益計算書関係
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度におきましては、映画事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に係る緊急事態宣言等を受け、休業や座席数の縮小、時短営業等の影響により、前連結会計年度からさらに減益となり、セグメント損失の計上となりました。一方、不動産事業部門においては、主要テナントビルにおいて新型コロナウイルス感染症拡大による入居テナントへの影響が懸念されたものの、テナントの退出等はなく、営業成績は堅調に推移いたしました。自動車教習事業部門は少子化や若年層の運転免許離れ等の厳しい経営環境の中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による入所者の減少が懸念されましたが、大学生を中心に自動車普通免許の一定の取得需要があり、また大型自動車や特殊自動車等の取得需要も増加の兆しを見せ、また販売費及び一般管理費の減少もあり、セグメント利益は前連結会計年度を上回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は12億3千2百万円(前期比18.5%減)、営業利益は7千1百万円(前期比1,113.6%増)となりました。
当社は、中期事業計画の練り直しに時間を要していることもあり、中長期的な経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は設定しておりませんが、セグメント損失を計上した映画事業部門の現状や不動産事業部門、自動車教習事業部門の将来の経営環境をしっかりと捉え、また、新型コロナウイルス感染症の影響下における当社事業のあり方についても検討を重ね、会社の経営課題である復配に向けて、営業利益による利益剰余金の積み上げをはかるため、下記のセグメント別の状況に対応した営業施策の実施と検討、見直しを行いながら、安定的な内部留保の充実を目指してまいります。「第4 提出会社の状況 3 配当政策」も併せてご参照ください。
セグメント別の状況については次のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における各項目や、「第2 事業の状況2 事業等のリスク ①経営環境の変化、特定の取引先等への依存等 ⑤新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク ⑥固定資産の減損会計に関するリスク」等も併せてご参照ください。
・映画事業
映画興行界全体といたしましては、2020年度は、「鬼滅の刃」が年間興行収入の20%を占めるなど話題もありましたが、全体として興行収入、入場人員ともに対前年比55%弱となり、新型コロナウイルス感染症の影響により、映画館に足を運んでいただくことで成り立つ映画興行の事業としての脆弱性が垣間見えた年度となりました。特に当社のようなミニシアターの経営環境は大変厳しいものとなり、休業や販売座席数の制限、時短営業等多くの営業上の制約がかかる中、人件費をはじめとした経費の節減に努め、経営を行ってまいりましたが、収益性の低下により当該事業の将来キャッシュ・フローの見積りが映画興行事業資産グループの有形固定資産の簿価を下回ったため、多額の減損損失を計上することとなりました。ミニシアターは平常時でも、上映作品の公開規模や広告宣伝、そして劇場のキャパシティにおいても限られた側面があり、加えてコロナ禍の中、風評や営業上の制約、番組編成への影響、また映画館自らの情報発信力の不足もあり、それらが営業成績に影響したものと認識・分析しております。連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給におきましては、当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き、香港映画『淪落の人』を地方を中心に公開し好評を博したものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、営業損失を計上いたしました。その結果、部門全体の売上高は、2億8千9百万円(前期比46.7%減)、セグメント損失は8千2百万円(前期は6千2百万円のセグメント損失)となりました。
以上のことから、当連結会計年度は部門全体としてセグメント損失の計上となりましたが、映画興行事業におきましては、東京都新宿地区において「武蔵野館」「シネマカリテ」2館5スクリーンの連携を高め、集客力の高い作品の上映回数を増やすなど、より柔軟性・機動性に富んだ魅力的な番組編成を行い、小さなシネコンのように相乗効果を高めていくことで、安定的な来場者の確保・増加を目指し、今後につなげてまいります。また、過去の営業成績の検証も行い、お客様のニーズを把握するために業界の情報・動向を把握・分析し、部門の収益力強化に取り組んでまいります。新型コロナウイルス感染症予防対策につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境への影響は、2020年4月と5月の一定期間、映画館を休業し、営業再開後も時短営業や販売座席数を隔席にするなど収益面での減少要因があり、2021年3月期の連結業績に影響を与えております。2022年3月期以降は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込を想定しているものの、その影響は一定期間に及ぶものと考え、今後は経営環境の変化の把握に努め、新たな映画館の経営のあり方を模索しながら、従業員の検温や消毒、換気等の対策を確実に行い、より安全な環境で映画をご覧いただけるよう充分に配慮いたします。なお、2020年6月には「武蔵野館」が開館100周年を迎え、当社映画館創業の地である東京都新宿の街のさらなる発展を願い、2021年5月および6月に「新宿東口映画祭」を開催いたしました。今後も心が豊かになるような良質な映画を自ら選んで上映を行うなど、当社独自の情報発信を行ってまいります。映画の自社買付配給等につきましては、当社は映画興行と映画配給は車の両輪のようなものであるとの考えから、自ら映画を選び配給する力をつけることで、将来、当社の映画事業の主軸である映画興行事業にも必ずや好影響をもたらすものと考えており、映画の規模や品質、収益性等のバランスを熟考し、より多くのお客様に満足いただける作品を買い付け配給してまいります。
・不動産事業
不動産事業につきましては、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在し、またそのプロパティ・マネジメントも適切に行い、安定した顧客の確保を維持出来ているものの、今後は新型コロナウイルス感染症の影響により、入居テナントの経営状態等に細心の注意が必要と認識しております。当連結会計年度におきましては、コロナ禍の中、主要な商業テナントビルは空室もなく安定的に稼働し、収益の確保に貢献いたしました。また、当連結会計年度は、所有テナントビルの老朽化に係る設備更新工事による修繕費等の発生・支払があり、今後も所有賃貸等不動産の老朽化による大規模修繕や減価償却費等の費用の増加が懸念されることから、今まで以上に関連業者や顧客との連携・連絡に気を配り、新型コロナウイルス感染症の影響に注意をはらいながら、しっかりとしたプロパティ・マネジメントを行っていくことで、引き続き収益の確保をはかってまいります。不動産販売につきましては、当連結会計年度も具体的な営業活動の成果はなく業界の動向を窺うに止まりましたが、今後も関連業者との連絡を密にし、取引の機会を検討してまいります。その結果、部門全体の売上高は5億7千2百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は3億4千6百万円(前期比0.6%減)となりました。
以上のことから、当連結会計年度における不動産事業は堅調な営業成績を確保することが出来ましたが、引き続き、現状の収益水準を維持していくために、また、新型コロナウイルス感染症の拡大による経営環境に与える影響は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、入居テナントの経営状態に及ぼす影響にも常に注意を払い、所有賃貸等不動産の管理状況をしっかりと把握し、関連業者やテナントとの連携・連絡を緊密に行うことで、今後もプロパティ・マネジメントの強化をはかってまいります。なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する当該事業セグメントの収益減少等の影響はありません。
・自動車教習事業
自動車教習事業は、少子化や若年層人口の運転免許離れといった要因に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による厳しい経営環境のなか、自動車教習所の入所者数に落ち込みは見られず、売上高は概ね前連結会計年度並みとなり、販売費及び一般管理費の減少により、セグメント利益は前連結会計年度に比べ増加いたしました。その結果、部門全体の売上高は3億2千4百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は9千7百万円(前期比73.8%増)となりました。
自動車教習事業では、若年層人口の減少等の厳しい経営環境や現状を踏まえ、さらには新型コロナウイルス感染症拡大の影響が2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、経営環境の変化に対応すべく、今後も大型自動車・大型自動二輪や大型特殊自動車・けん引自動車、さらには高齢者講習など、普通自動車運転免許以外にも多様な運転免許を取得できる自動車教習所として地域での認知度をより高め、幅広い教習生の獲得に努めるとともに、効率のよい教習指導員の配置にも工夫を凝らし、また、よりきめ細かな送迎バスのルートの開拓により教習生の皆様が教習所に通い易い環境を整備すること等が業績の安定化につながるものと分析し、新型コロナウイルス感染症の予防対策もしっかりと行ったうえ、経営環境の変化に向けた対策を今後も講じてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の緊急事態宣言や埼玉県の要請により2020年4月と5月の一定期間、自動車教習所を休業しており、また現時点においても、同感染症の収束時期を見通すことは困難であり、当該セグメントの収益減少等、2022年3月期の連結業績に影響を与える可能性があります。
・商事事業
商事事業におきましては、当連結会計年度は目黒区自由が丘にて経営委託している飲食店の営業成績が収益の中心となっております。当該店舗「ピーターラビット ガーデンカフェ」は、イメージ・キャラクターの魅力を生かした店舗作りが好評をいただいており、イメージ・キャラクターをモチーフにしたメニュー・グッズの開発やイベントの開催等を行い好評を博してまいりましたが、現在の業態に変更してから相応の年数が経過したことに加え、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による休業等の営業上の制約があり、売上高は前連結会計年度と比べ減少いたしました。その結果、部門全体の売上高は4千1百万円(前期比43.7%減)、セグメント利益は6百万円(前期比11.9%減)となりました。
今後も収益力の維持・改善に向けて、地域における経営環境の分析とともにイメージ・キャラクターの魅力がより伝わるような店作りと、さらには新型コロナウイルス感染症の影響が2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、一定期間に及ぶものと考え、引き続き同感染症予防対策を的確に講じた店舗運営を前提に、店舗経営委託先との連絡をより密にし、地域のお客様のニーズを捉え、オリジナルメニューやグッズの開発など、店舗のブランド力のさらなる強化をはかってまいります。
なお、当該店舗は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、政府の緊急事態宣言や東京都の要請等により2021年3月期の一定期間休業しており、また現時点においても、同感染症の収束時期を見通すことは困難であるため、当該セグメントの収益減少等、2022年3月期の連結業績に影響を与える可能性があります。
また、当事業セグメントは、2022年3月期より適用される「収益認識に関する会計基準」により、売上高の計上方法に影響を受ける可能性があります。
・その他
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料を「その他」の事業としており、全体として売上高は4百万円(前期比40.4%減)、セグメント利益は3百万円(前期比31.8%増)となりました。マクミラン・アリスの版権事業につきましては、版権提供先の状況に気を配り収益の確保につながるような管理を行ってまいりましたが、現時点で当該事業は縮小しております。また、自販機手数料につきましては、季節や天候の変動、またドリンクのラインナップや自販機のバージョンアップ等にも気を配ってまいります。
(経常利益)
営業外収益として、受取利息及び配当金4百万円、持分法による投資利益1千1百万円、その他の営業外収益2百万円等があった一方、営業外費用として支払利息2百万円等があり、経常利益は8千6百万円(前期比117.4%増)となりました。なお、持分法による投資利益は、不動産賃貸業を営む関連会社の収益減少等により、前期に比べ58.9%減少しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益として、新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金等3千4百万円の計上がありました。これは、提出会社と連結子会社である㈱寄居武蔵野自動車教習所に係るものであります。一方、特別損失として、臨時休業による損失5千4百万円、減損損失2億4千7百万円の計上がありました。臨時休業による損失は、2020年4月および5月の一定期間、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府の方針や自治体による要請を受け、映画館と自動車教習所を臨時休業した際の当該事業所に係る人件費、地代家賃、減価償却費等であります。減損損失は、映画興行事業資産グループにつきまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、継続して営業利益がマイナスとなったことから、収益性が低下した映画館の固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上したものであります。減損損失につきましては、「2 事業等のリスク ⑥固定資産の減損会計に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※3 減損損失」も併せてご参照ください。
法人税等につきましては、法人税、住民税及び事業税3千万円に加え、連結子会社の将来課税所得の見積りを行った結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、3百万円を法人税等調整額に計上いたしました。この結果、法人税等合計は3千4百万円となりました。なお、提出会社は、新型コロナウイルス感染症拡大により将来のタックス・プランニングが不透明になったことから、前連結会計年度に繰延税金資産の全額を取り崩しております。繰延税金資産の回収可能性につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑦繰延税金資産の回収可能性に関するリスク」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」も併せてご参照ください。
よって、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円(前期は5千1百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
C.連結キャッシュ・フロー計算書関係
「営業活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、減価償却費や減損損失があった一方、税金等調整前当期純損失や仕入債務の減少があり、5千8百万円の資金の増加(前期比39.1%減)となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、大宮ビルの建物附属設備の取得に係る未払金の支払等があったことなどから、1億7千2百万円の資金の減少(前期は1億2千2百万円の資金の減少)となり、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、大宮ビルの設備投資資金や新型コロナウイルス感染症対策資金として金融機関より長期借入れを行った一方、既存の長期借入金やリース債務の返済が進んだこともあり、2億7千2百万円の資金の増加(前期は3千5百万円の資金の減少)となりました。
その結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は8億3千5百万円(前期比23.3%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
映画事業は、話題性・集客力のある作品を数多く世に送り出して行くことが経営成績の安定には不可欠であり、そのためには、映画興行・映画配給の双方向から、映画の魅力をいかにPRしていくかが、経営成績に重要な影響を与えるひとつの要因と考えております。当社は映画興行のみならず映画配給も手がけることによって、映画の魅力をより重層的に発信していくことができるものと考えており、また、「新宿東口映画祭」や「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」等において、当社独自にセレクトした映画の上映も積極的に行い、その効果として、一人でも多くのお客様が映画館に足を運んで映画の魅力に触れていただき、経営成績に良い影響を及ぼし、より良い結果に結びつけていけるよう、今後も努力してまいります。
不動産事業につきましては、経常的に安定した収益が見込める不動産賃貸業を柱としており、当社グループ全体の事業基盤を下支えするうえで重要な役割を担っております。引き続き安定した経営基盤を維持していくためには、所有賃貸等不動産の状況を常に把握し、設備の更新や入居テナントの経営環境等にも気を配りながら、所有不動産の資産価値の維持向上に務めていくことが不可欠であると考えております。
自動車教習事業におきましては、若年層の人口減少や自動車運転免許への関心の低下、さらには地域内における自動車教習所の競合といった要因による収益への影響が引き続き今後も予想されるため、大型特殊自動車等の普通自動車以外の車種や高齢者教習など、近隣の自動車教習所との差別化をはかるべく、多様な教習メニューの提供と送迎バスルートの拡充、教習指導員の教育や効率のよい配置、また地域との信頼関係を深める努力を怠らず、収益の維持に努めてまいります。
商事事業といたしましては、経営委託先の飲食店にて採用するキャラクターのイメージが重要な経営成績につながるファクターであると認識しており、経営委託先と連携し、キャラクターの魅力がより伝わるような新しい飲食メニューやグッズ等の開発により、店舗のブランド力を高め、収益の向上に繋げてまいります。
加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、2025年3月期にかけて緩やかに回復する見込も想定しているものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見極めるのは困難であり、先行き不透明な経済環境は一定期間に及ぶものと考えております。2020年4月以降、当社グループにおきましても、映画事業や自動車教習事業において、映画館や自動車教習所の営業休止を実施しており、2021年3月期の連結経営成績に大きな影響を及ぼしました。このような経営環境の変化の中で、当社グループは、経営基盤である不動産事業、また通年にわたり一定の自動車運転免許取得需要が見込める自動車教習事業で収益を確保し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすい映画事業において、同感染症の予防対策を確実に実施したうえで、経費の節減を行いながら、さらなる事業コンテンツの充実をはかり、各事業セグメントの継続と成長に取り組んでまいります。
各事業セグメントにおける新型コロナウイルス感染症拡大による影響等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)会社が対処すべき課題」「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ⑤新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク」「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 B.連結損益計算書関係(売上高及び営業利益)」におけるセグメント別の状況をご参照ください。
各事業セグメントのリスクに関する要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク ①経営環境の変化、特定の取引先等への依存等」をご参照ください。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は「映画事業を通じて社会に健全な娯楽を提供するとともに、映画文化の発展に寄与すること」を主要な事業目的としております。しかしながら、映画事業は上映作品の持つ集客力、流行等、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大といった経営環境の変化に大きな影響を受ける事業であり、主力事業としての数字でははかれない会社への貢献はあるものの、収益面においては、セグメント損失を計上している現状から考えても、不確実な側面があることは否めません。映画事業においては、今後も引き続き、番組編成やイベントの企画、SNS等よりの情報発信に加え、サービスの質の向上・設備の充実等、映画館に足を運んでいただく営業努力を継続していくことでセグメント収益の改善に向けて取り組んでいくことはもちろんですが、不動産事業、自動車教習事業においてもその事業資産を有効に活用することで、グループ全体として確実に収益を生み出せる経営体質の強化に努め、さらなる経営基盤の安定化に向けて努力していくことが重要と考えております。
映画事業においては、従来の映画興行事業に加え、映画配給事業等、新たに取り組み始めた事業の拡充も視野に入れ、さらには、「新宿東口映画祭」や「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」等のイベントも定期的に行い、ミニシアターの存在価値をPRするとともに、将来のミニシアターを取り巻く経営環境にも配慮しながら、包括的に映画事業を手がける会社を目指してまいります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」における各項目も併せてご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
A. 流動性の管理方針
映画興行や不動産賃貸が事業の主軸である当社は、現金または銀行振込による売上入金の比率が高いため、売上債権の回収については概ね効率が良いものと考えております。したがって毎日の入金管理に重点を置くことはもちろん、売掛債権等が発生する場合においては、その相手先の状態に気を配り、また信用調査を行うなど、営業部門と経理部門双方からのリスク管理を徹底しております。
B. 短期的な債務の状況
当社グループの総資産のうち、流動負債の構成比は6.2%となりました。前年度の9.4%に比べ減少しておりますが、テナントビルの設備更新工事に係る未払金を支払ったことにより、流動負債の「その他」が減少したことがその要因であります。また、流動比率は242.8%(前年度は131.1%)となっております。流動比率が増加した要因は、流動負債の構成比が減少した理由と同様です。今後も財務基盤の安定性を保つために、短期的な債務の管理には細心の注意をはらってまいります。
C. ファイナンス及び資本の財源
資本市場における資金の調達は1989年以降行っておりません。現在は主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。また当社は安定的な営業利益の積み上げによる復配の実現を経営課題としており、キャッシュ・フロー経営を徹底させることにより自己資本の増強に努めることが第一と考えております。
当社の資金需要は、主として運転資金需要と設備資金需要となっており、運転資金需要は映画館や自動車教習所の運営費、またテナントビルの維持管理費等、設備資金需要は映画館、自動車教習所、テナントビルにおける設備や固定資産の更新等に係る設備投資需要であります。運転資金および設備資金につきましては、自己資金および金融機関よりの借入によっております。資金の振り分けにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境の変化に対応するため、当面は手許資金の充実を重視し、必要な設備投資も出来る範囲で継続して行い、継続的な営業利益の確保による自己資本の積み上げをもって、株主還元を実現することを経営課題としております。
当連結会計年度において、当社は、テナントビルの設備更新工事に係る未払金の支払を含む有形固定資産の取得による支出は1億6千9百万円となりましたが、当該支出に係る資金につきましては金融機関よりの長期借入金によって賄っております。また、新型コロナウイルス対策資金として、必要に応じて各事業セグメントの運転資金に充てるため、1億円を金融機関より調達しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
主力事業である映画事業をはじめ、基幹事業による営業利益を長期継続的に確保し、復配を実現することが当社グループの課題であると認識しております。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により大きな影響を受けた映画事業でセグメント損失を計上したことに加え、特別損失として、同感染症拡大に係る「臨時休業による損失」や映画興行事業資産グループの「減損損失」を計上したことなどから、連結損益計算書における親会社株主に帰属する当期純損失は2億1千6百万円となり、利益剰余金は3千5百万円となりました。セグメント損失を計上した映画事業は当社の主力事業であり、会社を代表する事業セグメントとして数字には表れない貢献はあるものの、一方でセグメント損失の計上は当社の財務面に重要な影響を及ぼしており、早急に改善すべき経営課題であると考えております。そのため当社では映画事業を今後も継続していくために、新型コロナウイルス感染症拡大により将来の見通しが困難な経営環境下にあるものの、しっかりと予防対策を行ったうえ、その収益力の向上に向けての映画配給事業への取り組みや、また、当社映画館である「武蔵野館」100周年に因み、創業の地である東京都新宿の街の更なる発展を願って行う「新宿東口映画祭」等のイベントを定期的に開催するなど、映画事業に関する新たな企画を打ち出しておりますが、その収益力の改善と、復配の原資となる営業利益の積み上げによる安定的な内部留保の確保には、しばらくの時間と投資が必要であるものと考えております。そのため今後も、すべての事業において安定的に営業利益を積み重ねていけるよう、経営基盤のさらなる強化を目指し、特に映画事業におきましては、映画配給関連事業の育成に注力し、映画興行のみならず映画配給も手掛ける会社として、また映画関連グッズの販売や映画祭等の企画にも力を入れ、事業コンテンツの充実をはかるなど、復配に向けた、より前向きな経営施策を講じてまいります。