有価証券報告書-第147期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
A. 当連結会計年度の経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、円高や原油価格の高騰、また人手不足による人件費の上昇が企業の投資マインドに影響を与え、加えて世界の政治情勢の変化に対する不安感などから、先行きの景況につきましては引き続き不透明な状況が続いております。当社グループの主要な事業である映画興行界におきましても景況の見通しは難しく、当社のようなミニシアター経営におきましては、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、映画事業部門は、良質な作品を多数上映し映画ファンの皆様より高い評価をいただいたものの、映画館「シネマカリテ」の興行収入の減少や、映画配給関連事業に係る営業費用の計上もあり、セグメント損失となりました。不動産事業部門は、主要テナントビルの安定的な稼働と不動産管理業務の収益が増加したことなどから営業成績は堅調に推移いたしました。自動車教習事業部門は若年層世代の運転免許離れや少子化による運転免許取得需要の減少等により、営業成績は前連結会計年度を下回りました。商事事業部門は、外部に経営委託している飲食店の営業成績が前連結会計年度を下回り、売上高は減少いたしました。その結果、全体として売上高は15億7千6百万円(前期比10.1%増)、営業利益は3千4百万円(前期比10.5%減)となりましたが、一時的な受取配当金の計上等により経常利益は9千7百万円(前期比91.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億2百万円(前期比30.2%増)となりました。当連結会計年度のセグメント情報ごとの業績の状況は以下の通りであります。
B. セグメントの状況
(映画事業部門)
「新宿武蔵野館」では『南瓜とマヨネーズ』『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』『パターソン』等、映画ファンの期待に応える良質な作品を多数ラインナップし、好評を博しました。しかしながら、「シネマカリテ」では『勝手にふるえてろ』が劇場の作品別興行収入記録を更新し、また『ゆれる人魚』や『ギミー・デンジャー』等、話題作も多く上映したものの、全体的に興行収入は伸び悩みました。加えて映画配給関連事業に係る営業費用の計上もあり、その結果、部門全体の売上高は、5億9千1百万円(前期比33.1%増)、セグメント損失は5千8百万円(前期は4千6百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業部門)
主要テナントビルである「大宮ビル」「自由が丘ビル」の稼働状況は安定しており、また当社が信託受益権を共同保有している「武蔵野ビル」が耐震工事を終え通期稼働出来る状態になったことから、当該ビルの不動産投資収入とその管理を請け負う不動産管理部門の収益が増加いたしました。販売部門につきましては、当連結会計年度におきましても具体的な営業成績の計上には至りませんでした。その結果、部門全体の売上高は5億7千4百万円(前期比8.1%増)、セグメント利益は3億6千7百万円(前期比19.3%増)となりました。
(自動車教習事業部門)
普通自動車に加えて自動二輪、大型自動車、特殊自動車まで、多種多様な運転免許取得ニーズに応える自動車教習所として地域でのPR活動を行うとともに、各種教習料割引キャンペーンの実施や送迎ルートの充実に力を注ぎましたが、高校生をはじめとする若年層人口の減少や運転免許離れの影響もあり、部門全体の売上高は3億2千万円(前期比4.6%減)、セグメント利益は1千6百万円(前期比59.7%減)となりました。
(商事事業部門)
東京都目黒区において経営委託している飲食店は、季節に応じたメニューの開発や物販に力を入れるなど、集客力の向上に努めておりますが、売上高は前連結会計年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は8千1百万円(前期比27.1%減)、セグメント利益は人件費の減少があり7百万円(前期比45.0%増)となりました。
(その他)
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料等でありますが、全体として売上高は8百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は3百万円(前期比56.4%減)となりました。
※ スポーツ・レジャー事業部門は営業中止中であります。
C. 当連結会計年度の財政状態の状況
総資産につきましては、営業利益や一時的な配当金の受取額からなる税金等調整前当期純利益の計上等による現金及び預金の増加8千万円があった一方、減価償却費の計上等による有形固定資産の減少8千3百万円等があったことから、前連結会計年度末から3百万円の増加となりました。負債につきましては、有利子負債の返済による流動負債および固定負債の減少1億2百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ9千8百万円の減少となりました。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億2百万円等により、前連結会計年度末から1億2百万円の増加となりました。
以上のことから、当連結会計年度末残高は総資産62億3千3百万円、負債26億2百万円、純資産36億3千1百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益の計上に加え、一時的な配当金の受取額があったことなどから、6億5千2百万円(前期比14.1%増)となりました。
内訳といたしましては、営業活動において2億1千万円の資金を得て、投資活動において2千6百万円の資金を使用し、財務活動において1億2百万円の資金を使用した結果、資金残高は前連結会計年度末より8千万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果得られた資金は2億1千万円(前期比16.4%増)となりました。
主な内訳は税金等調整前当期純利益9千7百万円、減価償却費1億1千6百万円、未払消費税等の増加額3千万円等があったことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果使用した資金は2千6百万円(前期に使用した資金は3億3千9百万円)となりました。
これは主に有形固定資産の売却による収入3百万円、有形固定資産の取得による支出2千9百万円等があったことによるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果使用した資金は1億2百万円(前期に得られた資金は5千万円)となりました。
これは長期借入れによる収入1億円、長期借入金の返済による支出1億7千6百万円、リース債務の返済による支出2千5百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はサービス業及び不動産賃貸・販売業を中心に業態を形成しており、受注・生産形式の営業活動は行っておりません。また、販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況」におけるセグメント業績の売上高の記載に示した通りであります。
なお、セグメント別に販売の内訳について示すと、下記の通りであります。
※ 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額を継続的かつ適正に評価するために、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき、また予測し有る偶発事象の影響値等も加味しながら、いくつかの重要な見積りおよび判断・評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。
ここでは当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積もりによる評価が重要と認識される項目について説明をいたします。
A.繰延税金資産
将来減算一時差異の回収可能性を検討し、回収可能性が低いと判断されるものについては評価性引当金を計上して、適正な計上額を見積っております。当連結会計年度におきましては、提出会社および連結子会社の㈱寄居武蔵野自動車教習所および自由ヶ丘土地興業㈱において、各社の将来の課税所得見込額に応じた繰延税金資産を計上しております。
B.貸倒引当金
過年度(3ヶ年)の貸倒実績に基づき、一般債権の貸倒引当率を連結0.065%としております。また、一部の債権については個別評価によっており、相手先の財政状態等、回収可能性を充分に検討したうえで、引当額の見積りを行っております。
C.土地
(再評価に係る繰延税金負債及び土地再評価差額金)
当社が保有する土地は、全般的に取得時より相当の年月が経過しているものが多く、時価との乖離が重要な金額であったことから、時価と照らし合わせて適正な価格で評価をし直すことが望ましいものと考え、平成12年3月期に土地の再評価をいたしました。再評価の方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」をご参照ください。
(減損損失)
各資産のグルーピングに基づいた減損の兆候を確認し、兆候有りと判断したものについては、将来キャッシュ・フローの見積もり等の方法や遊休資産においては不動産鑑定評価額等により、減損損失の認識(判定)、減損損失の測定を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.連結貸借対照表関係
(流動資産の部)
現金及び預金が8千万円増加しております。これは主に、平成30年3月期は大きな投資等を行っておらず、営業活動によるキャッシュ・フローの増加額が、投資活動によるキャッシュ・フローと財務活動によるキャッシュ・フローにおける資金の減少額を上回ったためであります。流動資産全体としては、6千7百万円増加(前期比9.4%増)しております。
(固定資産の部)
有形固定資産につきましては、全体で8千3百万円減少(前期比1.7%減)しております。主な減少の理由は減価償却費であり、また平成30年3月期は大きな設備投資を行っておりません。無形固定資産につきましては、大きな増減はありません。投資その他の資産につきましては、持分法適用関連会社の収益計上による投資有価証券の増加を主な理由とし、1千8百万円増加(前期比3.2%増)しております。以上のことから固定資産全体としては、6千3百万円減少(前期比1.2%減)しております。
(流動負債の部)
一年以内返済予定長期借入金の約定返済による短期借入金の減少6千7百万円、未払法人税等の減少4千3百万円、また前受金の増加等による「その他」の増加4千6百万円等があったことにより、流動負債全体としては、6千8百万円減少(前期比11.8%減)しております。
(固定負債の部)
約定返済による長期借入金の減少9百万円、リース債務の減少2千2百万円等により、固定負債全体としては、2千9百万円減少(前期比1.4%減)しております。
(純資産の部)
親会社株主に帰属する当期純利益1億2百万円の計上により利益剰余金が増加し、純資産全体としては、1億2百万円増加(前期比2.9%増)しております。
B.連結損益計算書関係
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度におきましては、映画事業は、平成28年11月にリニューアルオープンした「新宿武蔵野館」がフル稼働し営業成績は堅調に推移したものの、「シネマカリテ」では営業成績がふるわず、また連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給等に係る営業費用の発生もあり、映画事業は全体としてセグメント損失の計上となりました。一方、不動産事業部門においては主要な商業テナントビルの営業成績は堅調に推移し、また大きな修繕等もなかったため、セグメント利益は前連結会計年度に比べ増加いたしました。自動車教習事業部門は少子化や若年層の運転免許離れ等の影響もあり、営業成績は前連結会計年度を下回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は15億7千6百万円(前期比10.1%増)、営業利益は3千4百万円(前期比10.5%減)となりました。
当社は、中期事業計画の練り直しに時間を要していることもあり、中長期的な経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は設定しておりませんが、セグメント損失を計上した映画事業部門の現状や自動車教習事業部門の将来の経営環境をしっかりと捉え、会社の経営課題である復配に向けて、営業利益による利益剰余金の積み上げをはかるため、下記のセグメント別の状況に対応した営業施策等の検討や見直しを行いながら、安定的な内部留保の充実を目指してまいります。
セグメント別の状況については次のとおりであります。
・映画事業
映画興行界全体といたしましては、前年度に引き続き、シネコン等で公開された話題作が業界をけん引したものの、当社のようなミニシアターにおきましては、上映作品の選択や上映規模も限定的な側面があり、依然厳しい経営環境となりました。殊に「シネマカリテ」におきましては、結果として、お客様が観たい作品と当社の番組編成がかみ合わなかったことや、映画館自らの情報発信力の不足もあり、営業成績に影響したものと認識・分析しております。また、連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給等におきましては、当連結会計年度においては新たに公開した作品はなかったため収益の計上はわずかであった一方、人材育成等のコンサルティング費用の発生があり、その結果、部門全体の売上高は、5億9千1百万円(前期比33.1%増)、セグメント損失は5千8百万円(前期は4千6百万円のセグメント損失)となりました。
以上のことから、当連結会計年度は部門全体としてセグメント損失を計上したものの、映画事業部門のうち映画興行事業部門は、新宿地区において「新宿武蔵野館」「シネマカリテ」2館5スクリーンの連携により、相互上映を行うなど相乗効果を高めることで、前連結会計年度におきましては映画興行事業は営業利益を計上しております。今後も、さらなる業績の向上を目指すために、過去の営業成績の検証とともに、柔軟性のある番組編成を新宿地区5スクリーン相互で行うことによりその相乗効果を深め、あらためて部門の収益力強化を目指してまいります。具体的には、「シネマカリテ」におけるロビーの改装や、番組編成会議をより蜜にし、お客様のニーズに合ったミニシアターならではの良質な作品を見極め、またPRにも力を入れてまいります。また、映画の自社買付配給等につきましては、当社は映画興行と映画配給は車の両輪のようなものであるとの考えから、自ら映画を選び配給する力を育成することで、将来、当社の映画事業の主軸である映画興行事業にも必ずや好影響をもたらすものと考えております。
・不動産事業
不動産事業につきましては、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在しており、安定した顧客の確保を維持出来ていると認識しております。当連結会計年度におきましても、主要な商業テナントビルが安定的に稼働し、また所有賃貸等不動産の大きな修繕等による費用の計上もなく、加えて、当社が信託受益権を所有し不動産管理業務を請け負っている「武蔵野ビル」が、その耐震工事を前連結会計年度に終えて当連結会計年度はフル稼働出来るようになったことから、不動産投資や不動産管理に係る収益の増加がありました。なお、不動産販売につきましては、当連結会計年度も具体的な営業活動の成果はなかったものの、業界内での連絡を蜜にし、取引の機会を窺うに止まりました。その結果、部門全体の売上高は5億7千4百万円(前期比8.1%増)、セグメント利益は3億6千7百万円(前期比19.3%増)となりました。
以上のことから、当連結会計年度における不動産事業は賃貸部門を中心に堅調な営業成績となりましたが、引き続き、現状の収益水準を維持し増強していくために、所有賃貸等不動産の管理状況やテナントの状況には細心の注意を払い、関連業者やテナントとの連携・連絡をより深めることでプロパティ・マネジメントをしっかりと行ってまいります。
・自動車教習事業
自動車教習事業は、営業利益は計上出来たものの、少子化や若年層人口の運転免許離れといった厳しい経営環境のなか、その背景を要因とした教習生の減少、また繁忙期に教習メニューの消化が追いつかず未消化教習に係る前受金が増加したことに伴う売上高の減少があり、営業成績は前連結会計年度に比べて伸び悩みました。その結果、部門全体の売上高は3億2千万円(前期比4.6%減)、セグメント利益は1千6百万円(前期比59.7%減)となりました。
そのような経営環境や現状を踏まえ、当該事業の営業成績向上に向けて、大型自動車・大型自動二輪や大型特殊自動車・けん引自動車など、普通自動車運転免許以外の多種多様な教習メニューを充実させ、より幅広い教習生の獲得に努めるとともに、教習時間割や教習指導員の配置にもさらなる工夫を凝らし、また、きめ細かな送迎バスのルートを開発し教習生の皆様が教習所に通い易い環境を整備するなど、当該事業を取り巻く経営環境等に対応すべく、今後も対策をしっかりと講じてまいります。
・商事事業
商事事業におきましては、当連結会計年度は目黒区自由が丘にて経営委託している飲食店の営業成績が収益の中心となっております。当該店舗「ピーター・ラビット・ガーデンカフェ」は、その店舗形態の特色もあり好評をいただいておりますが、現在の業態に変更してから年数が経過したこともあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は8千1百万円(前期比27.1%減)、セグメント利益は人件費の減少があり7百万円(前期比45.0%増)となりました。
今後も収益力の改善に向けて、経営委託先とより連絡を蜜にし、地域のお客様のニーズを捉え、イメージキャラクターの魅力がより伝わるようなオリジナルメニューやグッズの開発、イベントの開催など、店舗のブランド力のさらなる強化をはかってまいります。
・その他
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料を「その他」の事業としており、全体として売上高は8百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は3百万円(前期比56.4%減)となりました。マクミラン・アリスの版権事業につきましては、版権提供先の状況に気を配り収益の確保につながるような管理をしっかりと行ってまいります。また、自販機手数料につきましては、季節や天候の変動、またドリンクのラインナップや自販機のバージョンアップ等にも気を配ってまいります。
(経常利益)
営業外収益として、一時的な受取配当金4千8百万円を含む受取利息及び配当金5千万円、持分法による投資利益2千3百万円等があった一方、営業外費用として旧甲府シネマ・ファイブ土地建物に係る遊休資産維持管理費用1千3百万円等があり、経常利益は9千7百万円(前期比91.5%増)となりました。なお、遊休資産維持管理費用につきましては、当該遊休資産であった旧甲府武蔵野シネマ・ファイブ土地建物の売却により、平成31年3月期には大幅に減少する見通しです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
平成30年3月期におきましては、特別利益、特別損失の計上はありませんでした。一方で、過去に減損損失を計上していた遊休資産である旧甲府武蔵野シネマ・ファイブ土地建物の売却が実現したことによる当期の課税所得の減少と、翌期の収益見込に基づいた繰延税金資産の増加による法人税等調整額の計上があり、法人税等合計はマイナス5百万円となりました。よって、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1億2百万円(前期比30.2%増)となりました。
C.連結キャッシュ・フロー計算書関係
「営業活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて、主として減価償却費により、2億1千万円の資金の増加(前期比16.4%増)となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、規模の大きい設備投資はありませんでしたが、自動車教習事業部門における教習車両の取得等による支出があり、2千6百万円の資金の減少(前期は3億3千9百万円の資金の減少)となり、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、将来の設備投資や所有不動産の修繕等に備える手許資金の充実をはかるため、長期借入れによる収入1億円があった一方、金融機関よりの長期借入金の約定返済やリース債務の返済が進んだことによる支出1億7千6百万円等により1億2百万円の資金の減少(前期は5千万円の資金の増加)となりました。
その結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は6億5千2百万円(前期比14.1%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
映画事業は、話題性・集客力のある作品を数多く世に送り出して行くことが経営成績の安定には不可欠であり、そのためには、映画興行・映画配給の双方面から、個々の作品の持つ魅力をいかにPRしていくかが、経営成績に重要な影響を与えるひとつの要因となります。当社は映画興行のみならず映画配給も手がけることにより、映画の楽しさをより重層的に発信し、一人でも多くの人に映画館に足を運んでいただき評価されていくことで経営成績により良い影響を及ぼしていけるよう、今後も努力してまいります。
不動産事業につきましては、経常的に安定した収益が見込める不動産賃貸業を柱としており、グループ全体の事業基盤を下支えするうえで重要な役割を担っております。引き続き安定した経営基盤を維持していくためには、所有賃貸不動産の状況を常に把握し、設備の更新や入居テナントの経営環境に気を配りながら所有不動産の資産価値の維持向上が不可欠であると考えております。
自動車教習事業におきましては、若年層の人口減少や自動車への関心の低下、また地域内の教習所の競合といった要因による収益への影響が今後も予想されるため、大型特殊車や高齢者教習など、近隣の自動車教習所との差別化をはかるべく、多様な教習メニューの提供と送迎バスルートの充実、教習指導員の教育、また地域との信頼関係を深める努力を怠らず、収益の維持に努めてまいります。
商事事業といたしましては、経営委託先の飲食店のキャラクターイメージが重要な経営のファクターであると認識しており、経営委託先と連携し、キャラクターの魅力がより伝わるような新しい飲食メニュー等の開発により、店舗のブランド力を高め、収益の向上に繋げてまいります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は映画事業を通じて「社会に健全な娯楽を提供すること」を主要な事業目的としております。しかしながら、映画事業は上映作品の持つ集客力、流行等に大きな影響を受ける事業であり、主力事業としての数字でははかれない会社への貢献はあるものの、収益面においては、現時点において、常時安定的に会社の業績向上に寄与できているとは言い難く、不確実な側面があることも否めません。映画事業においては、今後も引き続き、番組編成やサービス・設備の充実等、映画館に足を運んでいただく営業努力を継続していくことはもちろんですが、不動産事業、自動車教習事業においてもその事業資産を有効に活用することで、グループ全体として確実に収益を生み出せる経営体質を維持継続し、経営基盤を安定化させていくことが重要と考えております。
さらに映画事業においては、従来の映画興行事業に加え、映画配給事業等、新たに取り組み始めた事業展開も視野に入れ、将来のミニシアターを取り巻く経営環境にも配慮しながら、総合的な映画事業を手がける会社を目指してまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
A. 流動性の管理方針
映画興行や不動産賃貸が事業の主軸である当社は、現金または銀行振込による売上入金の比率が高いため、売上債権の回収については概ね効率が良いものと考えております。したがって毎日の入金管理に重点を置くことはもちろん、売掛債権等が発生する場合においては、その相手先の状態に気を配り、また信用調査を行うなど、営業部門と経理部門双方からのリスク管理を徹底しております。
B. 短期的な債務の状況
当社グループの総資産のうち、流動負債の構成比は8.2%となりました。前年度の9.4%に比べ、減少の傾向にあります。また、流動比率は153.6%(前年度は123.9%)となっております。今後も財務基盤の安定性を保つために、短期的な債務の管理には細心の注意をはらってまいります。
C. ファイナンス及び資本の財源
資本市場における資金の調達は平成元年以降行っておりません。現在は主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。また当社は安定的な営業利益の積み上げによる復配の実現を経営課題としており、キャッシュ・フロー経営を徹底させることにより自己資本の増強に努めることが第一と考えております。
なお、当連結会計年度における重要な設備投資はありませんが、将来の設備投資等の支出に備えて手許資金を厚くするため、当連結会計年度は金融機関からの借入れによる1億円の資金調達を行っております。
また、当社は、より快適な劇場空間を提供しお客様の来館満足度の向上を目指すため、映画館「シネマカリテ」におけるロビーの改装に着手しており、その支出は概ね2千8百万円と試算しております。当該支出に係る資金につきましては、新たな金融機関よりの借入れ等によらず、手許資金で賄う予定です。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
主力事業である映画事業をはじめ、基幹事業による営業利益を長期継続的に確保し、復配を実現することが当社グループの課題であると認識しております。当連結会計年度におきましては、一時的な配当金の受取等もあり、長年の経営課題であった単体の繰越損失の解消を実現したものの、映画事業においては「シネマカリテ」の興行収入の減少や、映画配給関連事業に係る営業費用の発生により営業損失の計上となりました。映画配給事業につきましては将来の当社グループの主要な事業に育成させたいと考えておりますが、そのためにはいましばらくの時間と投資が必要であり、復配に向けた営業利益の積み上げによる安定的な内部留保の確保という観点におきましては、現段階においては、まだ至っていないものと考えております。そのため今後も、すべての事業において営業利益を積み重ね続けられるように、経営基盤のさらなる強化を目指し、特に映画事業におきましては、映画配給関連事業の育成に注力し、映画興行のみならず映画配給も手掛ける企業として事業コンテンツの充実をはかるなど、復配に向けた、より前向きな経営施策を講じてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
A. 当連結会計年度の経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、円高や原油価格の高騰、また人手不足による人件費の上昇が企業の投資マインドに影響を与え、加えて世界の政治情勢の変化に対する不安感などから、先行きの景況につきましては引き続き不透明な状況が続いております。当社グループの主要な事業である映画興行界におきましても景況の見通しは難しく、当社のようなミニシアター経営におきましては、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、映画事業部門は、良質な作品を多数上映し映画ファンの皆様より高い評価をいただいたものの、映画館「シネマカリテ」の興行収入の減少や、映画配給関連事業に係る営業費用の計上もあり、セグメント損失となりました。不動産事業部門は、主要テナントビルの安定的な稼働と不動産管理業務の収益が増加したことなどから営業成績は堅調に推移いたしました。自動車教習事業部門は若年層世代の運転免許離れや少子化による運転免許取得需要の減少等により、営業成績は前連結会計年度を下回りました。商事事業部門は、外部に経営委託している飲食店の営業成績が前連結会計年度を下回り、売上高は減少いたしました。その結果、全体として売上高は15億7千6百万円(前期比10.1%増)、営業利益は3千4百万円(前期比10.5%減)となりましたが、一時的な受取配当金の計上等により経常利益は9千7百万円(前期比91.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億2百万円(前期比30.2%増)となりました。当連結会計年度のセグメント情報ごとの業績の状況は以下の通りであります。
B. セグメントの状況
(映画事業部門)
「新宿武蔵野館」では『南瓜とマヨネーズ』『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』『パターソン』等、映画ファンの期待に応える良質な作品を多数ラインナップし、好評を博しました。しかしながら、「シネマカリテ」では『勝手にふるえてろ』が劇場の作品別興行収入記録を更新し、また『ゆれる人魚』や『ギミー・デンジャー』等、話題作も多く上映したものの、全体的に興行収入は伸び悩みました。加えて映画配給関連事業に係る営業費用の計上もあり、その結果、部門全体の売上高は、5億9千1百万円(前期比33.1%増)、セグメント損失は5千8百万円(前期は4千6百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業部門)
主要テナントビルである「大宮ビル」「自由が丘ビル」の稼働状況は安定しており、また当社が信託受益権を共同保有している「武蔵野ビル」が耐震工事を終え通期稼働出来る状態になったことから、当該ビルの不動産投資収入とその管理を請け負う不動産管理部門の収益が増加いたしました。販売部門につきましては、当連結会計年度におきましても具体的な営業成績の計上には至りませんでした。その結果、部門全体の売上高は5億7千4百万円(前期比8.1%増)、セグメント利益は3億6千7百万円(前期比19.3%増)となりました。
(自動車教習事業部門)
普通自動車に加えて自動二輪、大型自動車、特殊自動車まで、多種多様な運転免許取得ニーズに応える自動車教習所として地域でのPR活動を行うとともに、各種教習料割引キャンペーンの実施や送迎ルートの充実に力を注ぎましたが、高校生をはじめとする若年層人口の減少や運転免許離れの影響もあり、部門全体の売上高は3億2千万円(前期比4.6%減)、セグメント利益は1千6百万円(前期比59.7%減)となりました。
(商事事業部門)
東京都目黒区において経営委託している飲食店は、季節に応じたメニューの開発や物販に力を入れるなど、集客力の向上に努めておりますが、売上高は前連結会計年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は8千1百万円(前期比27.1%減)、セグメント利益は人件費の減少があり7百万円(前期比45.0%増)となりました。
(その他)
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料等でありますが、全体として売上高は8百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は3百万円(前期比56.4%減)となりました。
※ スポーツ・レジャー事業部門は営業中止中であります。
C. 当連結会計年度の財政状態の状況
総資産につきましては、営業利益や一時的な配当金の受取額からなる税金等調整前当期純利益の計上等による現金及び預金の増加8千万円があった一方、減価償却費の計上等による有形固定資産の減少8千3百万円等があったことから、前連結会計年度末から3百万円の増加となりました。負債につきましては、有利子負債の返済による流動負債および固定負債の減少1億2百万円があったことなどから、前連結会計年度末に比べ9千8百万円の減少となりました。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億2百万円等により、前連結会計年度末から1億2百万円の増加となりました。
以上のことから、当連結会計年度末残高は総資産62億3千3百万円、負債26億2百万円、純資産36億3千1百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益の計上に加え、一時的な配当金の受取額があったことなどから、6億5千2百万円(前期比14.1%増)となりました。
内訳といたしましては、営業活動において2億1千万円の資金を得て、投資活動において2千6百万円の資金を使用し、財務活動において1億2百万円の資金を使用した結果、資金残高は前連結会計年度末より8千万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果得られた資金は2億1千万円(前期比16.4%増)となりました。
主な内訳は税金等調整前当期純利益9千7百万円、減価償却費1億1千6百万円、未払消費税等の増加額3千万円等があったことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果使用した資金は2千6百万円(前期に使用した資金は3億3千9百万円)となりました。
これは主に有形固定資産の売却による収入3百万円、有形固定資産の取得による支出2千9百万円等があったことによるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果使用した資金は1億2百万円(前期に得られた資金は5千万円)となりました。
これは長期借入れによる収入1億円、長期借入金の返済による支出1億7千6百万円、リース債務の返済による支出2千5百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はサービス業及び不動産賃貸・販売業を中心に業態を形成しており、受注・生産形式の営業活動は行っておりません。また、販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況 B.セグメントの状況」におけるセグメント業績の売上高の記載に示した通りであります。
なお、セグメント別に販売の内訳について示すと、下記の通りであります。
| 項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||
| (自 平成28年4月1日 | (自 平成29年4月1日 | ||||||
| 至 平成29年3月31日) | 至 平成30年3月31日) | ||||||
| セグメント | 販売の内訳 | 販売高(千円) | 構成比 (%) | セグメ ント内 | 販売高(千円) | 構成比 (%) | セグメ ント内 |
| 構成比 (%) | 構成比 (%) | ||||||
| 入場料売上 | 378,359 | 85.2 | 525,964 | 89.0 | |||
| 配給収入等 | 6,546 | 1.5 | 437 | 0.1 | |||
| 映画事業 | 売店売上等 | 59,341 | 13.3 | 64,702 | 10.9 | ||
| 計 | 444,247 | 31.0 | 100.0 | 591,104 | 37.5 | 100.0 | |
| 不動産賃貸等売上(※) | 499,656 | 94.0 | 538,496 | 93.7 | |||
| 不動産事業 | 不動産管理売上 | 32,063 | 6.0 | 36,372 | 6.3 | ||
| 計 | 531,719 | 37.1 | 100.0 | 574,868 | 36.5 | 100.0 | |
| 教習指導売上 | 335,379 | 99.8 | 319,962 | 99.8 | |||
| 自動車教習事業 | 自販機売上等 | 640 | 0.2 | 634 | 0.2 | ||
| 計 | 336,020 | 23.5 | 100.0 | 320,597 | 20.3 | 100.0 | |
| 飲食店舗の委託経営 | 89,528 | 80.3 | 81,224 | 99.9 | |||
| 商事事業 | 住宅資材卸売等 | 21,972 | 19.7 | 76 | 0.1 | ||
| 計 | 111,500 | 7.8 | 100.0 | 81,300 | 5.1 | 100.0 | |
| その他 | 版権料収入等 | 9,156 | 0.6 | ― | 8,826 | 0.6 | ― |
| 合計 | 1,432,644 | 100.0 | 1,576,697 | 100.0 | |||
※ 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社高島屋 | 221,592 | 15.5 | 221,592 | 14.1 |
| 株式会社野和ビル | 155,028 | 10.8 | 155,028 | 9.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額を継続的かつ適正に評価するために、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な方法に基づき、また予測し有る偶発事象の影響値等も加味しながら、いくつかの重要な見積りおよび判断・評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。
ここでは当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積もりによる評価が重要と認識される項目について説明をいたします。
A.繰延税金資産
将来減算一時差異の回収可能性を検討し、回収可能性が低いと判断されるものについては評価性引当金を計上して、適正な計上額を見積っております。当連結会計年度におきましては、提出会社および連結子会社の㈱寄居武蔵野自動車教習所および自由ヶ丘土地興業㈱において、各社の将来の課税所得見込額に応じた繰延税金資産を計上しております。
B.貸倒引当金
過年度(3ヶ年)の貸倒実績に基づき、一般債権の貸倒引当率を連結0.065%としております。また、一部の債権については個別評価によっており、相手先の財政状態等、回収可能性を充分に検討したうえで、引当額の見積りを行っております。
C.土地
(再評価に係る繰延税金負債及び土地再評価差額金)
当社が保有する土地は、全般的に取得時より相当の年月が経過しているものが多く、時価との乖離が重要な金額であったことから、時価と照らし合わせて適正な価格で評価をし直すことが望ましいものと考え、平成12年3月期に土地の再評価をいたしました。再評価の方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」をご参照ください。
(減損損失)
各資産のグルーピングに基づいた減損の兆候を確認し、兆候有りと判断したものについては、将来キャッシュ・フローの見積もり等の方法や遊休資産においては不動産鑑定評価額等により、減損損失の認識(判定)、減損損失の測定を行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.連結貸借対照表関係
(流動資産の部)
現金及び預金が8千万円増加しております。これは主に、平成30年3月期は大きな投資等を行っておらず、営業活動によるキャッシュ・フローの増加額が、投資活動によるキャッシュ・フローと財務活動によるキャッシュ・フローにおける資金の減少額を上回ったためであります。流動資産全体としては、6千7百万円増加(前期比9.4%増)しております。
(固定資産の部)
有形固定資産につきましては、全体で8千3百万円減少(前期比1.7%減)しております。主な減少の理由は減価償却費であり、また平成30年3月期は大きな設備投資を行っておりません。無形固定資産につきましては、大きな増減はありません。投資その他の資産につきましては、持分法適用関連会社の収益計上による投資有価証券の増加を主な理由とし、1千8百万円増加(前期比3.2%増)しております。以上のことから固定資産全体としては、6千3百万円減少(前期比1.2%減)しております。
(流動負債の部)
一年以内返済予定長期借入金の約定返済による短期借入金の減少6千7百万円、未払法人税等の減少4千3百万円、また前受金の増加等による「その他」の増加4千6百万円等があったことにより、流動負債全体としては、6千8百万円減少(前期比11.8%減)しております。
(固定負債の部)
約定返済による長期借入金の減少9百万円、リース債務の減少2千2百万円等により、固定負債全体としては、2千9百万円減少(前期比1.4%減)しております。
(純資産の部)
親会社株主に帰属する当期純利益1億2百万円の計上により利益剰余金が増加し、純資産全体としては、1億2百万円増加(前期比2.9%増)しております。
B.連結損益計算書関係
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度におきましては、映画事業は、平成28年11月にリニューアルオープンした「新宿武蔵野館」がフル稼働し営業成績は堅調に推移したものの、「シネマカリテ」では営業成績がふるわず、また連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給等に係る営業費用の発生もあり、映画事業は全体としてセグメント損失の計上となりました。一方、不動産事業部門においては主要な商業テナントビルの営業成績は堅調に推移し、また大きな修繕等もなかったため、セグメント利益は前連結会計年度に比べ増加いたしました。自動車教習事業部門は少子化や若年層の運転免許離れ等の影響もあり、営業成績は前連結会計年度を下回りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は15億7千6百万円(前期比10.1%増)、営業利益は3千4百万円(前期比10.5%減)となりました。
当社は、中期事業計画の練り直しに時間を要していることもあり、中長期的な経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は設定しておりませんが、セグメント損失を計上した映画事業部門の現状や自動車教習事業部門の将来の経営環境をしっかりと捉え、会社の経営課題である復配に向けて、営業利益による利益剰余金の積み上げをはかるため、下記のセグメント別の状況に対応した営業施策等の検討や見直しを行いながら、安定的な内部留保の充実を目指してまいります。
セグメント別の状況については次のとおりであります。
・映画事業
映画興行界全体といたしましては、前年度に引き続き、シネコン等で公開された話題作が業界をけん引したものの、当社のようなミニシアターにおきましては、上映作品の選択や上映規模も限定的な側面があり、依然厳しい経営環境となりました。殊に「シネマカリテ」におきましては、結果として、お客様が観たい作品と当社の番組編成がかみ合わなかったことや、映画館自らの情報発信力の不足もあり、営業成績に影響したものと認識・分析しております。また、連結子会社において取り組んでいる映画の自社買付配給等におきましては、当連結会計年度においては新たに公開した作品はなかったため収益の計上はわずかであった一方、人材育成等のコンサルティング費用の発生があり、その結果、部門全体の売上高は、5億9千1百万円(前期比33.1%増)、セグメント損失は5千8百万円(前期は4千6百万円のセグメント損失)となりました。
以上のことから、当連結会計年度は部門全体としてセグメント損失を計上したものの、映画事業部門のうち映画興行事業部門は、新宿地区において「新宿武蔵野館」「シネマカリテ」2館5スクリーンの連携により、相互上映を行うなど相乗効果を高めることで、前連結会計年度におきましては映画興行事業は営業利益を計上しております。今後も、さらなる業績の向上を目指すために、過去の営業成績の検証とともに、柔軟性のある番組編成を新宿地区5スクリーン相互で行うことによりその相乗効果を深め、あらためて部門の収益力強化を目指してまいります。具体的には、「シネマカリテ」におけるロビーの改装や、番組編成会議をより蜜にし、お客様のニーズに合ったミニシアターならではの良質な作品を見極め、またPRにも力を入れてまいります。また、映画の自社買付配給等につきましては、当社は映画興行と映画配給は車の両輪のようなものであるとの考えから、自ら映画を選び配給する力を育成することで、将来、当社の映画事業の主軸である映画興行事業にも必ずや好影響をもたらすものと考えております。
・不動産事業
不動産事業につきましては、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在しており、安定した顧客の確保を維持出来ていると認識しております。当連結会計年度におきましても、主要な商業テナントビルが安定的に稼働し、また所有賃貸等不動産の大きな修繕等による費用の計上もなく、加えて、当社が信託受益権を所有し不動産管理業務を請け負っている「武蔵野ビル」が、その耐震工事を前連結会計年度に終えて当連結会計年度はフル稼働出来るようになったことから、不動産投資や不動産管理に係る収益の増加がありました。なお、不動産販売につきましては、当連結会計年度も具体的な営業活動の成果はなかったものの、業界内での連絡を蜜にし、取引の機会を窺うに止まりました。その結果、部門全体の売上高は5億7千4百万円(前期比8.1%増)、セグメント利益は3億6千7百万円(前期比19.3%増)となりました。
以上のことから、当連結会計年度における不動産事業は賃貸部門を中心に堅調な営業成績となりましたが、引き続き、現状の収益水準を維持し増強していくために、所有賃貸等不動産の管理状況やテナントの状況には細心の注意を払い、関連業者やテナントとの連携・連絡をより深めることでプロパティ・マネジメントをしっかりと行ってまいります。
・自動車教習事業
自動車教習事業は、営業利益は計上出来たものの、少子化や若年層人口の運転免許離れといった厳しい経営環境のなか、その背景を要因とした教習生の減少、また繁忙期に教習メニューの消化が追いつかず未消化教習に係る前受金が増加したことに伴う売上高の減少があり、営業成績は前連結会計年度に比べて伸び悩みました。その結果、部門全体の売上高は3億2千万円(前期比4.6%減)、セグメント利益は1千6百万円(前期比59.7%減)となりました。
そのような経営環境や現状を踏まえ、当該事業の営業成績向上に向けて、大型自動車・大型自動二輪や大型特殊自動車・けん引自動車など、普通自動車運転免許以外の多種多様な教習メニューを充実させ、より幅広い教習生の獲得に努めるとともに、教習時間割や教習指導員の配置にもさらなる工夫を凝らし、また、きめ細かな送迎バスのルートを開発し教習生の皆様が教習所に通い易い環境を整備するなど、当該事業を取り巻く経営環境等に対応すべく、今後も対策をしっかりと講じてまいります。
・商事事業
商事事業におきましては、当連結会計年度は目黒区自由が丘にて経営委託している飲食店の営業成績が収益の中心となっております。当該店舗「ピーター・ラビット・ガーデンカフェ」は、その店舗形態の特色もあり好評をいただいておりますが、現在の業態に変更してから年数が経過したこともあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。その結果、部門全体の売上高は8千1百万円(前期比27.1%減)、セグメント利益は人件費の減少があり7百万円(前期比45.0%増)となりました。
今後も収益力の改善に向けて、経営委託先とより連絡を蜜にし、地域のお客様のニーズを捉え、イメージキャラクターの魅力がより伝わるようなオリジナルメニューやグッズの開発、イベントの開催など、店舗のブランド力のさらなる強化をはかってまいります。
・その他
主としてマクミラン・アリスの版権料収入や自販機手数料を「その他」の事業としており、全体として売上高は8百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は3百万円(前期比56.4%減)となりました。マクミラン・アリスの版権事業につきましては、版権提供先の状況に気を配り収益の確保につながるような管理をしっかりと行ってまいります。また、自販機手数料につきましては、季節や天候の変動、またドリンクのラインナップや自販機のバージョンアップ等にも気を配ってまいります。
(経常利益)
営業外収益として、一時的な受取配当金4千8百万円を含む受取利息及び配当金5千万円、持分法による投資利益2千3百万円等があった一方、営業外費用として旧甲府シネマ・ファイブ土地建物に係る遊休資産維持管理費用1千3百万円等があり、経常利益は9千7百万円(前期比91.5%増)となりました。なお、遊休資産維持管理費用につきましては、当該遊休資産であった旧甲府武蔵野シネマ・ファイブ土地建物の売却により、平成31年3月期には大幅に減少する見通しです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
平成30年3月期におきましては、特別利益、特別損失の計上はありませんでした。一方で、過去に減損損失を計上していた遊休資産である旧甲府武蔵野シネマ・ファイブ土地建物の売却が実現したことによる当期の課税所得の減少と、翌期の収益見込に基づいた繰延税金資産の増加による法人税等調整額の計上があり、法人税等合計はマイナス5百万円となりました。よって、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1億2百万円(前期比30.2%増)となりました。
C.連結キャッシュ・フロー計算書関係
「営業活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて、主として減価償却費により、2億1千万円の資金の増加(前期比16.4%増)となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、規模の大きい設備投資はありませんでしたが、自動車教習事業部門における教習車両の取得等による支出があり、2千6百万円の資金の減少(前期は3億3千9百万円の資金の減少)となり、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、将来の設備投資や所有不動産の修繕等に備える手許資金の充実をはかるため、長期借入れによる収入1億円があった一方、金融機関よりの長期借入金の約定返済やリース債務の返済が進んだことによる支出1億7千6百万円等により1億2百万円の資金の減少(前期は5千万円の資金の増加)となりました。
その結果、「現金及び現金同等物の期末残高」は6億5千2百万円(前期比14.1%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
映画事業は、話題性・集客力のある作品を数多く世に送り出して行くことが経営成績の安定には不可欠であり、そのためには、映画興行・映画配給の双方面から、個々の作品の持つ魅力をいかにPRしていくかが、経営成績に重要な影響を与えるひとつの要因となります。当社は映画興行のみならず映画配給も手がけることにより、映画の楽しさをより重層的に発信し、一人でも多くの人に映画館に足を運んでいただき評価されていくことで経営成績により良い影響を及ぼしていけるよう、今後も努力してまいります。
不動産事業につきましては、経常的に安定した収益が見込める不動産賃貸業を柱としており、グループ全体の事業基盤を下支えするうえで重要な役割を担っております。引き続き安定した経営基盤を維持していくためには、所有賃貸不動産の状況を常に把握し、設備の更新や入居テナントの経営環境に気を配りながら所有不動産の資産価値の維持向上が不可欠であると考えております。
自動車教習事業におきましては、若年層の人口減少や自動車への関心の低下、また地域内の教習所の競合といった要因による収益への影響が今後も予想されるため、大型特殊車や高齢者教習など、近隣の自動車教習所との差別化をはかるべく、多様な教習メニューの提供と送迎バスルートの充実、教習指導員の教育、また地域との信頼関係を深める努力を怠らず、収益の維持に努めてまいります。
商事事業といたしましては、経営委託先の飲食店のキャラクターイメージが重要な経営のファクターであると認識しており、経営委託先と連携し、キャラクターの魅力がより伝わるような新しい飲食メニュー等の開発により、店舗のブランド力を高め、収益の向上に繋げてまいります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は映画事業を通じて「社会に健全な娯楽を提供すること」を主要な事業目的としております。しかしながら、映画事業は上映作品の持つ集客力、流行等に大きな影響を受ける事業であり、主力事業としての数字でははかれない会社への貢献はあるものの、収益面においては、現時点において、常時安定的に会社の業績向上に寄与できているとは言い難く、不確実な側面があることも否めません。映画事業においては、今後も引き続き、番組編成やサービス・設備の充実等、映画館に足を運んでいただく営業努力を継続していくことはもちろんですが、不動産事業、自動車教習事業においてもその事業資産を有効に活用することで、グループ全体として確実に収益を生み出せる経営体質を維持継続し、経営基盤を安定化させていくことが重要と考えております。
さらに映画事業においては、従来の映画興行事業に加え、映画配給事業等、新たに取り組み始めた事業展開も視野に入れ、将来のミニシアターを取り巻く経営環境にも配慮しながら、総合的な映画事業を手がける会社を目指してまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
A. 流動性の管理方針
映画興行や不動産賃貸が事業の主軸である当社は、現金または銀行振込による売上入金の比率が高いため、売上債権の回収については概ね効率が良いものと考えております。したがって毎日の入金管理に重点を置くことはもちろん、売掛債権等が発生する場合においては、その相手先の状態に気を配り、また信用調査を行うなど、営業部門と経理部門双方からのリスク管理を徹底しております。
B. 短期的な債務の状況
当社グループの総資産のうち、流動負債の構成比は8.2%となりました。前年度の9.4%に比べ、減少の傾向にあります。また、流動比率は153.6%(前年度は123.9%)となっております。今後も財務基盤の安定性を保つために、短期的な債務の管理には細心の注意をはらってまいります。
C. ファイナンス及び資本の財源
資本市場における資金の調達は平成元年以降行っておりません。現在は主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。また当社は安定的な営業利益の積み上げによる復配の実現を経営課題としており、キャッシュ・フロー経営を徹底させることにより自己資本の増強に努めることが第一と考えております。
なお、当連結会計年度における重要な設備投資はありませんが、将来の設備投資等の支出に備えて手許資金を厚くするため、当連結会計年度は金融機関からの借入れによる1億円の資金調達を行っております。
また、当社は、より快適な劇場空間を提供しお客様の来館満足度の向上を目指すため、映画館「シネマカリテ」におけるロビーの改装に着手しており、その支出は概ね2千8百万円と試算しております。当該支出に係る資金につきましては、新たな金融機関よりの借入れ等によらず、手許資金で賄う予定です。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
主力事業である映画事業をはじめ、基幹事業による営業利益を長期継続的に確保し、復配を実現することが当社グループの課題であると認識しております。当連結会計年度におきましては、一時的な配当金の受取等もあり、長年の経営課題であった単体の繰越損失の解消を実現したものの、映画事業においては「シネマカリテ」の興行収入の減少や、映画配給関連事業に係る営業費用の発生により営業損失の計上となりました。映画配給事業につきましては将来の当社グループの主要な事業に育成させたいと考えておりますが、そのためにはいましばらくの時間と投資が必要であり、復配に向けた営業利益の積み上げによる安定的な内部留保の確保という観点におきましては、現段階においては、まだ至っていないものと考えております。そのため今後も、すべての事業において営業利益を積み重ね続けられるように、経営基盤のさらなる強化を目指し、特に映画事業におきましては、映画配給関連事業の育成に注力し、映画興行のみならず映画配給も手掛ける企業として事業コンテンツの充実をはかるなど、復配に向けた、より前向きな経営施策を講じてまいります。