有価証券報告書-第59期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 15:41
【資料】
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【項目】
148項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産の部合計は、1,051,455百万円(前期末比15.5%増)となりました。
流動資産は、現金及び預金の増加などにより、441,835百万円(同23.0%増)となりました。
固定資産は、有形固定資産の増加などにより、609,619百万円(同10.5%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債の部合計は、248,253百万円(同31.6%増)となりました。
流動負債は、1年内償還予定の社債の増加などにより、154,652百万円(同25.1%増)となりました。
固定負債は、社債の増加などにより、93,601百万円(同43.8%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の部合計は、利益剰余金の増加などにより、803,201百万円(同11.3%増)となり、自己資本比率は76.4%(同2.9ポイント減)となりました。
②経営成績の状況
当社グループにおいては、東京ディズニーリゾート35周年イベントが好調に推移したことなどから、テーマパー
ク入園者数及びゲスト1人当たり売上高が増加したことなどにより、売上高は525,622百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は129,278百万円(同17.2%増)、経常利益は129,439百万円(同15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は90,286百万円(同11.2%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりです。
(テーマパーク)
売上高は、テーマパーク入園者数が増加したことに加え、ゲスト1人当たり売上高が増加したことなどにより、437,495百万円(前期比10.5%増)と増収となりました。
営業利益は、東京ディズニーリゾート35周年イベント関連費用などが増加したものの、売上高が増加したことなどにより、107,278百万円(同17.1%増)と増益となりました。
(ホテル)
売上高は、東京ディズニーリゾート35周年イベントによる宿泊収入が増加したことなどにより、72,427百万円(前期比9.0%増)と増収となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、19,218百万円(同17.9%増)と増益となりました。
(その他)
売上高は、イクスピアリ事業の売上高が減少したことなどにより、15,699百万円(前期比6.9%減)と減収となりました。
営業利益は、モノレール事業の売上高が増加したことなどにより、2,527百万円(同22.0%増)と増益となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスになったものの、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローがプラスになったことから、222,551百万円(前期末残高186,350百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、134,974百万円(前年同期122,860百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が増加した要因は、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△135,360百万円(同△44,981百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が増加した要因は、定期預金の預入による支出が増加したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、36,601百万円(同△33,345百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が増加した要因は、社債の発行による収入が増加したことなどによります。
④販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前期比(%)
テーマパーク(百万円)437,495110.5
ホテル(百万円)72,427109.0
報告セグメント計(百万円)509,923110.3
その他(百万円)15,69993.1
合計(百万円)525,622109.7

a.テーマパーク
区分当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前期比(%)
アトラクション・ショー収入(百万円)201,658108.4
商品販売収入(百万円)152,426113.0
飲食販売収入(百万円)76,345110.8
その他の収入(百万円)7,066116.7
合計(百万円)437,495110.5

(東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーの入園者数)
区分当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前期比(%)
入園者数(千人)32,558108.2

b.ホテル
区分当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前期比(%)
ディズニーホテル(百万円)63,335110.7
その他(百万円)9,09198.5
合計(百万円)72,427109.0

c.その他
区分当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前期比(%)
イクスピアリ事業(百万円)6,61681.5
モノレール事業(百万円)4,739105.0
その他(百万円)4,342102.8
合計(百万円)15,69993.1

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等に重要な影響を与えた要因
当社グループにおいては、東京ディズニーリゾート35周年イベントが好調に推移したことなどから、テーマパーク入園者数及びゲスト1人当たり売上高が増加し、東京ディズニーリゾート35周年イベント関連費用などが増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。
セグメントごとの要因は次のとおりです。
(テーマパーク)
東京ディズニーリゾートでは、2つのテーマパークを中心に、平成30年4月15日から平成31年3月25日までの345日間、「東京ディズニーリゾート35周年“Happiest Celebration!”」を実施いたしました。
東京ディズニーランドでは、35周年イベントの開幕にあわせて、新しいデイタイムパレード「ドリーミング・アップ!」がスタートしたほか、「イッツ・ア・スモールワールド」をリニューアルオープンいたしました。平成30年7月には、新規のナイトタイムスペクタキュラー「Celebrate! Tokyo Disneyland」もスタートいたしました。また、東京ディズニーシーでは、35周年イベント期間限定の水上グリーティング「ハピエストセレブレーション・オン・ザ・シー」を実施いたしました。そのほか、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの両パークにおいて、季節感あふれるスペシャルイベントを実施いたしました。
売上高は、東京ディズニーリゾート35周年イベントや両パークで実施したスペシャルイベントの好調などによりテーマパーク入園者数が増加したことに加え、商品販売収入や飲食販売収入が増加したことなどによりゲスト1人当たり売上高が増加したことから、増収となりました。
営業利益は、テーマパーク事業で東京ディズニーリゾート35周年イベント関連費用などの諸経費や人件費、減価償却費などが増加したものの、売上高が増加したことにより、増益となりました。
(ホテル)
売上高は、東京ディズニーリゾート35周年イベントが好調に推移したことなどにより、ディズニーホテルの宿泊収入が増加したことから、増収となりました。
営業利益は、人件費などの費用が増加したものの、売上高が増加したことなどにより、増益となりました。
(その他)
売上高は、イクスピアリ事業の直営飲食店舗の売却などにより売上高が減少したことから、減収となりました。
営業利益は、モノレール事業の売上高が増加したことなどにより、増益となりました。
②中長期的な目標に照らした経営者の分析・評価
令和3年度以降の方針として、コア事業である東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの長期持続的な成長に向けた開発計画や東京ディズニーリゾート全体の価値向上に向けた検討を進めてまいります。
東京ディズニーランドでは体験価値の向上を目指したアトラクション開発、東京ディズニーシーではディズニーホテルを含めた大規模なパーク拡張として8番目のテーマポート「ファンタジースプリングス」の開発、さらにはディズニー/ピクサー映画「トイ・ストーリー」シリーズをテーマとした新たなディズニーホテルの導入による東京ディズニーリゾート内のホテル客室数の増加なども検討してまいります。新規事業については、目標時期を限定することなく、1セグメント化を目指し引き続き検討してまいります。
2020中期経営計画は、「長期持続的な成長に向けた事業基盤の強化」を方針としており、最終年度である令和2年度に「高い満足度を伴ったパーク体験を提供できている状態とする」「過去最高の入園者数及び営業キャッシュ・フローを目指す」の2点を目標としております。当連結会計年度末現在、ハードの強化としては、「新鮮さ」を提供するため、東京ディズニーリゾート35周年イベントの展開、アトラクションでは「イッツ・ア・スモールワールド」のリニューアル、両パークにおけるレギュラーエンターテイメントやイベントの刷新等、新たなコンテンツを積極的に導入してまいりました。「快適さ」の観点では、喫食環境の整備、レストルームの増設等を実施している他、ITの活用(東京ディズニーリゾート・アプリ、電子マネーの導入等)や海外ゲストを受け入れる体制の強化も進めております。なお、東京ディズニーランド大規模開発や、東京ディズニーシーの大型アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」の開発についても、オープンに向けて順調に進捗しております。
ソフト(人財力)の強化としては、働きやすい環境の整備と成長を実感できる施策の実施により、「ホスピタリティ力」と「オペレーション力」双方を高めております。それらの結果として、過去最高の入園者数となった当連結会計年度においても高い満足度を維持することができました。
このようなハード・ソフトの両面への投資を継続することにより、「高い満足度を伴ったパーク体験を提供できている状態」を実現し、令和2年度に「過去最高の入園者数及び営業キャッシュ・フロー」を目指してまいります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものにつきましては、東京ディズニーシーの大型アトラクション(「ソアリン:ファンタスティック・フライト」。令和元年7月23日開業予定、投資額約180億円)及び東京ディズニーランドにディズニー/ピクサー映画『美女と野獣』のエリア等を開発する「東京ディズニーランド大規模開発」(令和2年春開業予定、約750億円)となります。また、東京ディズニーリゾート内にディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー』シリーズをテーマとしたホテルを新設(令和3年度開業予定、約315億円)、さらに「東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト」(令和4年度開業予定、約2,500億円)により、東京ディズニーシーに新しいテーマポート「ファンタジースプリングス」を開発することで、東京ディズニーリゾートのより一層の進化を図ります。
上記投資資金を含む、当社グループの事業活動における運転資金及び設備投資資金については、内部資金及び営業活動で獲得した資金を主な財源とする予定です。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は222,551百万円(前期末残高186,350百万円)、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは134,974百万円(前年同期122,860百万円)となりました。