有価証券報告書-第44期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/24 11:05
【資料】
PDFをみる
【項目】
149項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、地政学リスクの高まりや物価の高騰に伴う節約志向が高まる一方で、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化を受けた経済の回復や外出機会の増加、訪日外国人旅行者数の回復に伴うインバウンド消費の増加や賃上げの影響等により、個人消費や企業収益の改善が続き、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。他方、世界経済においては、国際紛争をめぐる混乱や、各国の政策金利引き上げに伴う景気減速が懸念されましたが、景気の回復が続き、個人消費も堅調に推移いたしました。
このような状況の中、日本においては、クレーンゲーム市場の拡大を見据え、店舗の「ギガクレーンゲームスタジアム」への改装を拡充し、全76店舗での運営体制を構築いたしました。また、アーティスト、アイドル、バーチャルYouTuber、アニメ等との期間限定コラボキャンペーンを実施し、新規顧客層の開拓を図り業績向上に努めました。加えて、経済状況を勘案しボウリング・スポッチャにて料金の見直しを実施いたしました。
米国においては、良好な経済情勢を追い風に、業績は堅調に推移いたしました。同国においてもクレーンゲーム機が好評を得たことから、日本で培ったノウハウを活用し多数のクレーンゲーム機を配置する「Mega Crane Zone」への改装を順次実施し、売上の向上を図りました。また、音楽ゲームおよびリデンプションゲーム等の様々な最新アミューズメント機器の導入を積極的に行ったほか、時機を見た戦略的な値上げを実施いたしました。
中国においては、厳しい経済状況が続く中、様々な企画を実施し収益モデルの構築に努めました。
また、営業基盤拡大のため、新たに日本において、2023年7月に当社初のクレーンゲーム専門店となるクレーンゲームパーク調布駅前店(東京都)を、米国においては2023年12月にアローヘッド店(アリゾナ州)、2024年3月にダンベリーフェアー店(コネチカット州)を出店しました。なお、日本において土地収用による退去のため2024年3月に山梨・石和店(山梨県)を、米国において2023年5月にノースウッド店(イリノイ州)を閉店いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高159,181百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益24,195百万円(同43.0%増)、経常利益24,316百万円(同45.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,666百万円(同60.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
営業基盤を拡大すべく、新たに2023年7月に当社初のクレーンゲーム専門店となるクレーンゲームパーク調布駅前店(東京都)をオープンしたほか、昨年に引き続き店舗の「ギガクレーンゲームスタジアム」への改装を拡充いたしました。加えて、スポッチャでのスタンプラリーやボウリングでのスコア登録キャンペーン等期間限定コラボキャンペーンの内容を拡充して実施し、新規顧客層の開拓を図り業績向上に努めました。また、経済状況を勘案しボウリング・スポッチャにて料金の見直しを実施しております。
以上の結果、ボウリング収入は前年同期比10.9%増、アミューズメント収入は同5.5%増、カラオケ収入は同17.3%増、スポッチャ収入は同16.0%増となりました。
(米国)
営業基盤を拡大すべく、新たに2023年12月にアローヘッド店(アリゾナ州)、2024年3月にダンベリーフェアー店(コネチカット州)を出店いたしました。アミューズメントにおいては、日本で培ったノウハウを活用し多数のクレーンゲーム機を配置する「Mega Crane Zone」への改装や、音楽ゲームおよびリデンプションゲーム等の様々な最新アミューズメント機器の導入を積極的に行っております。また、時機を見た戦略的な値上げを実施いたしました。
以上の結果、ボウリング収入は前年同期比4.5%増、アミューズメント収入は同16.2%増、飲食・その他収入は同22.2%増、スポッチャ収入は同24.6%増となりました。
(その他)
その他の事業セグメントにおいては、中国にアミューズメント施設の出店準備を進めるとともに、ラウンドワンデリシャスの事業展開準備を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで44,632百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローで15,356百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローで22,856百万円減少しました。これらの結果、現金及び現金同等物は期首と比べて7,356百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は44,632百万円で、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益23,113百万円の計上、減価償却費21,062百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は15,356百万円で、その主な内訳は、有形固定資産の取得による15,566百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は22,856百万円で、その主な内訳は、リース債務の返済による11,813百万円の支出、長期借入金の返済による8,588百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
該当事項はありません。
ロ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
(日本)
プロショップ用品、飲食商品(百万円)2,986124.9
(米国)
プロショップ用品、飲食商品(百万円)1,940122.7
報告セグメント計(百万円)4,927124.1
その他(百万円)1372.1
合計(百万円)4,940123.8

(注)仕入実績はサービス別に区分しておりません。
ハ 受注実績
該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
(日本)
ボウリング収入(百万円)21,350110.9
アミューズメント収入(百万円)49,540105.5
カラオケ収入(百万円)7,795117.3
スポッチャ収入(百万円)15,896116.0
その他付帯収入(百万円)3,408104.3
小計(百万円)97,991109.1
(米国)
ボウリング収入(百万円)5,829104.5
アミューズメント収入(百万円)44,151116.2
飲食・その他付帯収入(百万円)8,087122.2
スポッチャ収入(百万円)1,507124.6
小計(百万円)59,575115.9
報告セグメント計(百万円)157,567111.6
その他(百万円)1,613189.2
合計(百万円)159,181112.1

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、連結財務諸表の作成に当たりまして採用した重要な会計方針や見積りの評価等に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態及び経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ14,841百万円増加の185,464百万円となりました。この要因は、現金及び預金の増加7,356百万円、売掛金の増加1,042百万円等による流動資産の増加9,457百万円、建設仮勘定の増加5,137百万円、アミューズメント機器(純額)の増加2,125百万円、リース資産(純額)の減少1,382百万円等による固定資産の増加5,384百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,484百万円増加の114,926百万円となりました。この要因は、未払法人税等の増加3,613百万円、契約負債の増加2,279百万円等による流動負債の増加6,979百万円、長期借入金の減少845百万円、長期未払金の減少705百万円等による固定負債の減少1,495百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,356百万円増加の70,537百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益15,666百万円の計上、配当金の支払3,410百万円等による利益剰余金の増加12,232百万円、自己株式の増加6,501百万円、為替換算調整勘定の増加3,340百万円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は37.9%(前連結会計年度末は35.7%)となりました。
2)経営成績
・日本
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、当社初のクレーンゲーム専門店の出店や昨年に引き続き実施した「ギガクレーンゲームスタジアム」への一部店舗の改装、人気バーチャルYouTuberとのコラボレーションキャンペーン等で売上が好調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ8,183百万円増加の97,991百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、米国子会社からのロイヤリティーの収入及び当社初のクレーンゲーム専門店の出店や昨年に引き続き実施した「ギガクレーンゲームスタジアム」への一部店舗の改装、人気バーチャルYouTuberとのコラボレーションキャンペーン等で売上が好調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ6,018百万円増加の16,899百万円(前年同期比55.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社出資金評価損を計上したこと及び、米国子会社からのロイヤリティーの収入、「ギガクレーンゲームスタジアム」への一部店舗の改装等で売上が好調に推移したことにより前連結会計年度に比べ5,632百万円増加の9,853百万円(前年同期比133.4%増)となりました。
・米国
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、新規出店を2店舗行ったほか、多数のクレーンゲーム機を配置する「Mega Crane Zone」への改装や各部門にて料金の見直しを行ったことにより、前連結会計年度に比べ8,184百万円増加の59,575百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、新規出店を2店舗行ったほか、多数のクレーンゲーム機を配置する「Mega Crane Zone」への改装や各部門にて料金の見直しを行い、また日本親会社へのロイヤリティーの支払いを行ったことにより、前連結会計年度に比べ639百万円減少の8,176百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新規出店を2店舗行ったほか、多数のクレーンゲーム機を配置する「Mega Crane Zone」への改装や各部門にて料金の見直しを行い、また日本親会社へのロイヤリティーの支払いを行ったことにより、前連結会計年度に比べ448百万円減少の5,873百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フローの関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期
自己資本比率(%)47.827.034.435.737.9
時価ベースの
自己資本比率(%)
39.473.381.784.0114.4
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
2.2-2.52.31.9
インタレスト・カバ
レッジ・レシオ(倍)
42.6-34.143.870.3

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
① いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
② 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
③ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
④ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
⑤ 2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの店舗運営に係る人件費、賃借料、設備維持管理費、その他運営に係る費用があります。また、設備資金需要としては、ボウリング機器やアミューズメント等の営業設備への投資や新規出店する店舗の建物や内装への投資があります。
(財政政策)
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金等を海外の新規出店への投資や事業活動の維持拡大に必要な資金としております。また、リース取引を活用することで財政状態の安定化を図っております。運転資金及び設備資金につきましては、当社グループ会社が個別に管理を行っており、その重要な投資判断は当社取締役会が行っております。
なお、株主への還元については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
ロ 財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、ボウリングやアミューズメント等の多種多様なアイテムにより構成された屋内型複合レジャー施設を日本国内及び米国を中心に展開しております。
当社グループが持続的に成長するためには、既存店舗の発展と新規店舗の出店が大きな要因となります。また、その他の要因に関しましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び検討内容
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
ニ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益基盤を拡大すべく、海外への出店数を重要な指標としております。また、海外への新規出店を行ううえで、自己資本での投資を行うために、継続的な収益の獲得が必要となります。そのため、当社グループは海外への新規出店と事業の収益構造の改善を重要な課題と位置づけ、海外への新規出店数・総売上高前年対比・売上高経常利益率を重要な指標としております。これらの指標を基礎として市場の現状に即した経営戦略・各種企画を策定し、取締役会等での決議を基にこれを実施しております。
また、当連結会計年度の海外への新規出店数は2店舗(前年同期5店舗)、総売上高前年対比は12.1%増(前年同期47.3%増)、売上高経常利益率は15.3%(前年同期11.7%)となっております。