有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 11:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
145項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う企業活動の制限や外出自粛要請によって停滞する中、GO TO トラベル事業等の経済対策を背景に持ち直しの動きが期待されました。しかしながら、感染再拡大の影響を受け、再度経済活動が制限される等、先行き不透明な状況が続いております。
他方、世界経済においても、新型コロナウイルス感染症の拡大に加え、金融資本市場のリスクの拡大や、米中間の貿易摩擦等により、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループにおいては、日本国内において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、政府や自治体からの営業時間短縮等の要請に従った営業の自粛を実施いたしました。また、お客様に安心して来店いただける店舗の環境づくりのため、自動受付精算システムの活用や、館内設備の消毒、従業員の体調管理等の感染防止対策の徹底に努めました。当連結会計年度の企画としては、「ボウリング・カラオケ学生甲子園 ONLINE」や「リモチャレ」等、ボウリングエリアやカラオケルームを双方向のライブ映像・音声でつなぐサービスである「ROUND1 LIVE」を利用した企画を引き続き実施したほか、アミューズメントの最新機種の導入に加え、「EVANGELION」等とのコラボレーションキャンペーンを行いました。また、オンライン上での収益基盤の構築に向けた新たな試みとして、オンラインクレーンゲーム「クレッチャ」の事業開発を行いました。
米国においては、営業基盤を拡大すべく、新たに2020年7月にタウンイーストスクエア店(カンザス州)、同年9月にポトマックミルズ店(バージニア州)、同年10月にデプトフォード店(ニュージャージー州)、2021年2月にカンバーランド店(ジョージア州)、同年3月にパークシティセンター店(ペンシルベニア州)を出店いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。州政府や郡の規制により、一時全店舗にて臨時休業を実施いたしましたが、随時営業再開を進めました。
また、さらなる海外展開を模索すべく、ロシア連邦において、2020年12月に第1号店のユーロペイスキー店(モスクワ市)を出店し、中華人民共和国においては複数店舗の出店の準備を進めてまいりました。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える長期的な影響を勘案し、今後の海外事業展開に伴う設備資金や安定的な財務基盤を構築するため、当連結会計年度において、金融機関より長期借入金による資金調達及びコミットメントライン契約を締結いたしました。これにより、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に対応できる体制を整えております。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高60,967百万円(前年同期比41.8%減)、営業損失19,286百万円(前年同期は営業利益8,880百万円)、経常損失19,811百万円(前年同期は経常利益8,721百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失17,973百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4,794百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け2020年4月より全店舗を臨時休業とし、政府や自治体からの営業時間短縮等の要請に従いながら、同年5月中旬より順次営業を再開し、同年6月上旬には全店舗にて営業を再開いたしました。当連結会計年度の企画として、「ボウリング・カラオケ学生甲子園ONLINE」や「リモチャレ」等、ボウリングエリアやカラオケルームを双方向のライブ映像・音声でつなぐサービスである「ROUND1 LIVE」を利用した企画を引き続き実施したほか、アミューズメントの最新機種の導入に加え、「EVANGELION」等とのコラボレーションキャンペーンを行いました。また、学生のお客様を対象にボウリング、カラオケ及びスポッチャを各990円にてご利用可能な「学生激割」「小中学生激割」等の割引キャンペーンを実施いたしました。
以上の結果、ボウリングは前年同期比42.4%減、アミューズメントは同27.3%減、カラオケは同52.2%減、スポッチャは同49.6%減となりました。
(米国)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け2020年3月より全店舗を臨時休業とし、州政府や郡の規制により営業時間の短縮等の制限を受けながら、順次営業を再開いたしました。営業基盤を拡大すべく、当連結会計年度において新たに5店舗を出店し44店舗となりました。なお、当連結会計年度末において、44店舗中33店舗は、各州政府・郡からの規制により営業時間の短縮等の制限を受けながらも営業しておりますが、11店舗は引き続き臨時休業としております。
以上の結果、ボウリングは前年同期比70.2%減、アミューズメントは同56.5%減、カラオケは同77.3%減となりました。
(その他)
その他の事業セグメントにおいては、日本・米国以外の地域に出店準備を進めております。
なお、当連結会計年度においてロシア連邦にユーロペイスキー店(モスクワ市)を出店いたしました。ユーロペイスキー店は、連結子会社であるロシア連邦現地法人Round One Rus LLCによる出店です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで7,528百万円減少し、投資活動によるキャッシュ・フローで6,344百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローで24,088百万円増加しました。これらの結果、現金及び現金同等物は期首と比べて10,336百万円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は7,528百万円で、その主な内訳は、税金等調整前当期純損失21,829百万円の計上、減価償却費15,529百万円の計上、減損損失1,899百万円の計上及び法人税等の支払による1,312百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は6,344百万円で、その主な内訳は、有形固定資産の取得による6,410百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は24,088百万円で、その主な内訳は、長期借入れによる48,350百万円の収入、リース債務の返済による9,682百万円の支出、長期借入金の返済による6,498百万円の支出、自己株式の取得による5,001百万円の支出及び配当金の支払による1,839百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
該当事項はありません。
ロ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
(日本)
プロショップ用品、飲食商品(百万円)1,448△46.3
(米国)
プロショップ用品、飲食商品(百万円)238△77.4
報告セグメント計(百万円)1,687△55.0
その他(百万円)0-
合計(百万円)1,688△55.0

(注)1.仕入実績はサービス別に区分しておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 受注実績
該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
(日本)
ボウリング収入(百万円)12,586△42.4
アミューズメント収入(百万円)28,188△27.3
カラオケ収入(百万円)3,552△52.2
スポッチャ収入(百万円)6,561△49.6
その他付帯収入(百万円)2,442△22.9
小計(百万円)53,331△36.7
(米国)
ボウリング収入(百万円)780△70.2
アミューズメント収入(百万円)6,047△56.5
カラオケ・その他付帯収入(百万円)772△80.8
小計(百万円)7,600△63.0
報告セグメント計(百万円)60,932△41.8
その他(百万円)35-
合計(百万円)60,967△41.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、連結財務諸表の作成に当たりまして採用した重要な会計方針や見積りの評価等に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。新型コロナウイルス感染症の影響についての仮定は「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に含めて記載しております。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 財政状態及び経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりです。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ14,737百万円増加の150,576百万円となりました。この要因は、現金及び預金の増加10,336百万円、未収消費税等の増加806百万円、未収還付法人税等の増加522百万円等による流動資産の増加11,789百万円、繰延税金資産の増加4,122百万円、リース資産(純額)の減少3,139百万円、使用権資産(純額)の増加1,880百万円等による固定資産の増加2,947百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ38,985百万円増加の109,683百万円となりました。この要因は、1年内返済予定のリース債務の減少1,106百万円、未払法人税等の減少984百万円、未払消費税等の減少898百万円、短期借入金の減少861百万円等による流動負債の減少3,719百万円、長期借入金の増加41,788百万円、長期未払金の増加1,462百万円等による固定負債の増加42,704百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ24,248百万円減少の40,892百万円となりました。この主な要因は、自己株式の増加5,001百万円、親会社株主に帰属する当期純損失17,973百万円の計上等による利益剰余金の減少19,813百万円によるものであります。
2)経営成績
・日本
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、政府や自治体からの休業や営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行った影響やそれに伴う消費者マインドの冷え込み等の影響を受け、前連結会計年度に比べ30,902百万円減少の53,331百万円(前年同期比36.7%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、政府や自治体からの休業や営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行った影響やそれに伴う消費者マインドの冷え込み等の影響を受け、前連結会計年度に比べ20,327百万円減少の△11,487百万円(前年同期は経常利益8,839百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、政府や自治体からの休業や営業時間短縮等の要請に従い営業の自粛を行った影響やそれに伴う消費者マインドの冷え込み等の影響を受け、前連結会計年度に比べ15,243百万円減少の△9,893百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益5,349百万円)となりました。
・米国
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受け、前連結会計年度に比べ12,945百万円減少の7,600百万円(前年同期比63.0%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受け、前連結会計年度に比べ7,753百万円減少の△7,719百万円(前年同期は経常利益33百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、州政府や郡からの休業や営業時間短縮等の要請に従った影響を受け、前連結会計年度に比べ7,072百万円減少の△7,475百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失402百万円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フローの関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)50.053.153.347.827.0
時価ベースの自己資本比率(%)82.9150.4113.739.473.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.01.21.62.2-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)30.148.944.242.6-

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
① いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
② 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
③ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
④ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
⑤ 2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの店舗運営に係る人件費、賃借料、設備維持管理費、その他運営に係る費用があります。また、設備資金需要としては、ボウリング機器やアミューズメント等の営業設備への投資や新規出店する店舗の建物や内装への投資があります。
(財政政策)
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金等を海外の新規出店への投資や事業活動の維持拡大に必要な資金としております。また、リース取引を活用することで財政状態の安定化を図っております。運転資金及び設備資金につきましては、当社グループ会社が個別に管理を行っており、その重要な投資判断は当社取締役会が行っております。
なお、株主への還元については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
ロ 財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、ボウリングやアミューズメント等の多種多様なアイテムにより構成された屋内型複合レジャー施設を日本国内及び米国を中心に展開しております。
当社グループが持続的に成長するためには、既存店舗の発展と新規店舗の出店が大きな要因となります。また、その他の要因に関しましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ハ 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び検討内容
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
なお、当社グループは「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症による影響を認識しております。当該のリスクに関しては、長期的な影響となっており、今後の社会情勢及び経済状況は非常に不透明な状況となっております。そのような状況下において当社グループは、適切な運転資金を確保できる体制を構築するため、投資時期の見直し等の資金需要の精査を適宜行ってまいります。
ニ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益基盤を拡大すべく、海外への出店数を重要な指標としております。また、海外への新規出店を行ううえで、自己資本での投資を行うために、継続的な収益の獲得が必要となります。そのため、当社グループは海外への新規出店と事業の収益構造の改善を重要な課題と位置づけ、海外への新規出店数・総売上前年対比・売上高経常利益率を重要な指標としております。これらの指標を基礎として市場の現状に則した経営戦略・各種企画を策定し、取締役会等での決議を基にこれを実施しております。
なお、当連結会計年度の海外への新規出店数は6店舗(前年同期9店舗)、総売上高前年対比は41.8%減(前年同期3.4%増)となっております。売上高経常利益率は経常損失であるため記載しておりません。(前年同期8.3%)