四半期報告書-第171期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/14 15:49
【資料】
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【項目】
16項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調が継続しているものの、輸出や生産に弱さが見られ先行きの不透明感が高まりました。一方、世界経済は、米中貿易摩擦、イギリスのEU離脱問題など不安定な国際情勢などから、先行き不透明な状況が続きました。
こうした環境下、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、収益は7,466億10百万円(前年同期比3.0%増)、売上総利益は6,742億5百万円(同0.9%増)、売上総利益のオーガニック成長率は△1.0%となりました。オーガニック成長の伸び悩みなどにより、調整後営業利益は755億78百万円(同15.6%減)、オペレーティング・マージン(調整後営業利益÷売上総利益)は11.2%(前年同期は13.4%)、営業利益は370億50百万円(前年同期比36.1%減)、親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は394億32百万円(同17.9%減)となりました。前年同期に計上した関連会社株式売却益が当第3四半期連結累計期間にはなかったことなどにより、親会社の所有者に帰属する四半期利益は47億42百万円(同91.9%減)となりました。
調整後営業利益は、営業利益から、買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、被買収会社に帰属する株式報酬費用ならびに減損、固定資産の売却損益などの一時的要因を排除した恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は、四半期利益から、営業利益に係る調整項目、アーンアウト債務・買収関連プットオプション再評価損益、関連会社株式売却損益、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標であります。
当第3四半期連結累計期間における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
① 国内事業
国内事業の業務区分別売上高では、インターネット(前年同期比30.0%増)は、株式会社VOYAGE GROUPと株式会社サイバー・コミュニケーションズの経営統合、ならびに株式会社セプテーニ・ホールディングスとの資本業務提携の効果もあり、大幅に伸張しました。一方で、テレビ(同3.5%減)、クリエーティブ(同2.4%減)、コンテンツサービス(同8.9%減)などは前年同期を下回りました。この結果、国内事業の売上総利益は2,764億44百万円(同1.4%増)、売上総利益のオーガニック成長率は△0.9%、調整後営業利益は505億2百万円(同17.9%減)となりました。
② 海外事業
海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、地域別では、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」)が△0.2%、米州(以下「Americas」)が2.7%、アジア太平洋(日本を除く。以下「APAC」)が△9.7%となり、全体では△1.0%となりました。主要国別にみると、スイス、ロシア、イタリア、米国、カナダ、インドなどは堅調でしたが、イギリス、フランス、ブラジル、中国、オーストラリアなどは厳しい状況となっています。M&Aの貢献もあり海外事業の売上総利益は、3,981億41百万円(前年同期比0.6%増)となりましたが、オーガニック成長の伸び悩みなどにより、調整後営業利益は250億79百万円(同10.5%減)となりました。
なお、当社単体の業績(日本基準)は、売上高が1兆1,274億47百万円(前年同期比2.6%減)、売上総利益は1,622億86百万円(同7.6%減)、営業利益は284億61百万円(同31.2%減)、経常利益は447億87百万円(同25.9%減)、四半期純利益は530億44百万円(同38.2%減)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態については、前連結会計年度末と比べ、主に有形固定資産が増加した一方で、現金及び現金同等物が減少したことなどにより、資産合計で1,108億85百万円の減少となりました。一方、主にその他の金融負債が増加したものの、営業債務及びその他の債務が減少したことから、負債合計で789億6百万円の減少となりました。また、主に在外営業活動体の換算差額および利益剰余金が減少したことから、資本合計は319億79百万円の減少となりました。
なお、当社グループは、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用しております。影響額については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,549億76百万円となりました。主に営業活動による支出などにより、前連結会計年度末に比べ1,616億91百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ973億11百万円増加し、1,237億28百万円となりました。主に運転資本の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ370億98百万円増加し、579億80百万円となりました。主に有価証券の売却による収入が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得た資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ287億42百万円増加し、265億61百万円となりました。主に長期借入の返済による支出が減少したことによるものです。
(3)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に、重要な変更および新たに発生し
た課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、8億95百万円であり、国内事業における情報サービス業に属するものです。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因および経営戦略の現状と見通し
① 経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営成績に重要な影響を与える要因」に、重要な変更はありません。
② 経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営戦略の現状と見直し」に、重要な変更はありません。
(6)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金および制作費の支払等ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
また、近年においては既存事業の拡大、新規事業の発掘および開発のため、グローバル事業やデジタルテクノロジー領域をはじめとした様々な領域への投資に係る資金需要が生じております。
② 財務政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、社債、コマーシャル・ペーパーまたは短期借入金により調達することとしております。
また、当社は、資金の短期流動性を確保するため、シンジケーション方式による極度額500億円の銀行融資枠を設定しています。また、電通イージス・ネットワーク社においては、緊急時対応として、500百万ポンド(約665億円)の銀行融資枠を設定しております。さらに、グループ内の資金効率の向上を図るべく、日本においては、資金余剰状態にある国内子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している国内子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システム(以下CMS)を導入しております。電通イージス・ネットワークでは、海外の資金をロンドンに集約させるグローバルCMSを導入しております。
なお、当社は、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の問題意識と今後の方針
について」に、重要な変更はありません。
(8)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。