四半期報告書-第174期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、コロナ禍からの回復途上にあったものの、ロシアのウクライナ侵攻により、その様相が大きく変化しました。サプライチェーンの混乱、エネルギー価格高騰によるインフレ圧力の高まりにより、景気減速に対する警戒感が強まりました。また、堅調であった中国経済も、新型コロナウイルス感染症の感染者が急増した一部の都市でロックダウンを余儀なくされるなど、先行きの不透明感が高まりました。
こうした環境下、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績(下表参照)は、前年に引き続き堅調に推移し、売上総利益のオーガニック成長率は9.1%となりました。㈱セプテーニ・ホールディングスの新規連結などにより、売上総利益は前年同期比16.4%増、調整後営業利益は同22.0%増、オペレーティング・マージン(調整後営業利益÷売上総利益)は同100bps増、親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は同28.7%増となりました。固定資産売却益の計上などにより、営業利益は同41.3%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同4.9倍となりました。
調整後営業利益は、営業利益から、買収行為に関連する損益および一時的要因を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
買収行為に関連する損益:買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、被買収会社に帰属する株式報酬費用、完全子会社化に伴い発行した株式報酬費用
一時的要因の例示:構造改革費用、減損、固定資産の売却損益など
親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は、四半期利益から、営業利益に係る調整項目、条件付対価に係る公正価値変動額(アーンアウト債務再評価損益)・株式買取債務に係る再測定額(買収関連プットオプション再評価損益)、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標であります。
当第1四半期連結累計期間の業績(金額の単位は百万円、△はマイナス)
当第1四半期連結累計期間における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
① 国内事業
好調を維持したデジタル領域に加え、テレビ広告やOOHメディアが好調であったことから、売上総利益のオーガニック成長率は10.0%となりました。㈱セプテーニ・ホールディングスの新規連結もあり、売上総利益は1,191億45百万円(同14.9%増)、調整後営業利益は426億99百万円(同25.6%増)、オペレーティング・マージンは35.8%(前年同期は32.8%)となりました。
② 海外事業
海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、地域別では、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」)が3.3%、米州(以下「Americas」)が13.4%、アジア太平洋(日本を除く。以下「APAC」)が5.2%となり、全体では8.4%となりました。主要国別にみると、イギリス、ドイツ、イタリア、米国、カナダ、オーストラリア、台湾などは堅調でしたが、スペイン、ロシア、中国、ブラジルなどは厳しい状況となっています。
この結果、海外事業の売上総利益は、1,399億9百万円(前年同期比17.7%増)、調整後営業利益は138億62百万円(同13.0%増)、オペレーティング・マージンは9.9%(前年同期は10.3%)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の財政状態については、前連結会計年度末と比べ、現金及び現金同等物および営業債権及びその他の債権が減少したことなどにより、資産合計で1,249億65百万円の減少となりました。一方、主に営業債務及びその他の債務およびその他の流動負債が減少したことなどにより、負債合計で1,711億2百万円の減少となりました。また、主に在外営業活動体の換算差額の増加および親会社の所有者に帰属する当期利益ならびに非支配持分株主との取引の計上などにより、資本合計は461億36百万円の増加となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、6,104億9百万円となりました。営業活動による支出などにより、前連結会計年度末に比べ1,131億31百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ24億14百万円増加し、888億39百万円となりました。主に運転資本が増加したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により得た資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ382億81百万円増加し、311億51百万円となりました。主に固定資産の売却による収入や、子会社の取得による収支が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ472億28百万円増加し、560億91百万円となりました。主に長期借入金の返済による支出や配当金の支払額が増加したことなどによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更を行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容に、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2億61百万円であり、国内事業における情報サービス業に属するものです。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営成績に重要な影響を与える要因に、重要な変更はありません。
(10)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金および制作費の支払等ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
また、2021年2月に発表した中期経営計画期間においては、新しいテクノロジーやソリューション開発、イノベーションへの投資や高成長領域であるカスタマートランスフォーメーション&テクノロジーへのM&A・投資に係る資金需要が見込まれます。
② 資金調達及び流動性の状況
当社グループは、内部資金、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパー、または債権流動化等の多様な手段の中から、その時々の市場環境や長期資金の年度別償還額も考慮した上で、機動的に有利な手段を選択し、資金調達を行っております。なお、長期資金については、原則として当社で一元的に資金調達しております。
また、緊急時の流動性を確保するため、当社はシンジケーション方式による極度額500億円のコミットメントラインを、電通インターナショナル社(Dentsu International Limited)は、5億ポンド(約804億円)のコミットメントラインを設定しております。また、新型コロナウイルス感染症による影響に備えた流動性確保等の目的で、引き続き金融機関との間で一時的に追加の銀行融資枠を設定しております。
さらに、グループ内の資金調達の一元化・資金効率の向上・流動性の確保の観点から、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題と認識しており、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。また、主要な内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、当社グループの事業の維持拡大、必要な運転資金の確保、成長投資資金の調達に関しては問題なく実施可能であると認識しています。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、コロナ禍からの回復途上にあったものの、ロシアのウクライナ侵攻により、その様相が大きく変化しました。サプライチェーンの混乱、エネルギー価格高騰によるインフレ圧力の高まりにより、景気減速に対する警戒感が強まりました。また、堅調であった中国経済も、新型コロナウイルス感染症の感染者が急増した一部の都市でロックダウンを余儀なくされるなど、先行きの不透明感が高まりました。
こうした環境下、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績(下表参照)は、前年に引き続き堅調に推移し、売上総利益のオーガニック成長率は9.1%となりました。㈱セプテーニ・ホールディングスの新規連結などにより、売上総利益は前年同期比16.4%増、調整後営業利益は同22.0%増、オペレーティング・マージン(調整後営業利益÷売上総利益)は同100bps増、親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は同28.7%増となりました。固定資産売却益の計上などにより、営業利益は同41.3%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同4.9倍となりました。
調整後営業利益は、営業利益から、買収行為に関連する損益および一時的要因を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
買収行為に関連する損益:買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用、被買収会社に帰属する株式報酬費用、完全子会社化に伴い発行した株式報酬費用
一時的要因の例示:構造改革費用、減損、固定資産の売却損益など
親会社の所有者に帰属する調整後四半期利益は、四半期利益から、営業利益に係る調整項目、条件付対価に係る公正価値変動額(アーンアウト債務再評価損益)・株式買取債務に係る再測定額(買収関連プットオプション再評価損益)、これらに係る税金相当・非支配持分損益相当などを排除した、親会社所有者に帰属する恒常的な損益を測る指標であります。
当第1四半期連結累計期間の業績(金額の単位は百万円、△はマイナス)
科目 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 前年同期比増減 |
収益 | 248,850 | 287,645 | 15.6% |
売上総利益 | 222,478 | 258,867 | 16.4% |
調整後営業利益 | 44,996 | 54,917 | 22.0% |
オペレーティング・マージン | 20.2% | 21.2% | 100bps |
調整後四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 27,155 | 34,936 | 28.7% |
営業利益 | 28,811 | 40,722 | 41.3% |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 4,885 | 23,903 | 4.9倍 |
当第1四半期連結累計期間における報告セグメントの業績は、次のとおりです。
① 国内事業
好調を維持したデジタル領域に加え、テレビ広告やOOHメディアが好調であったことから、売上総利益のオーガニック成長率は10.0%となりました。㈱セプテーニ・ホールディングスの新規連結もあり、売上総利益は1,191億45百万円(同14.9%増)、調整後営業利益は426億99百万円(同25.6%増)、オペレーティング・マージンは35.8%(前年同期は32.8%)となりました。
② 海外事業
海外事業の売上総利益のオーガニック成長率は、地域別では、ヨーロッパ、中東およびアフリカ(以下「EMEA」)が3.3%、米州(以下「Americas」)が13.4%、アジア太平洋(日本を除く。以下「APAC」)が5.2%となり、全体では8.4%となりました。主要国別にみると、イギリス、ドイツ、イタリア、米国、カナダ、オーストラリア、台湾などは堅調でしたが、スペイン、ロシア、中国、ブラジルなどは厳しい状況となっています。
この結果、海外事業の売上総利益は、1,399億9百万円(前年同期比17.7%増)、調整後営業利益は138億62百万円(同13.0%増)、オペレーティング・マージンは9.9%(前年同期は10.3%)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の財政状態については、前連結会計年度末と比べ、現金及び現金同等物および営業債権及びその他の債権が減少したことなどにより、資産合計で1,249億65百万円の減少となりました。一方、主に営業債務及びその他の債務およびその他の流動負債が減少したことなどにより、負債合計で1,711億2百万円の減少となりました。また、主に在外営業活動体の換算差額の増加および親会社の所有者に帰属する当期利益ならびに非支配持分株主との取引の計上などにより、資本合計は461億36百万円の増加となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、6,104億9百万円となりました。営業活動による支出などにより、前連結会計年度末に比べ1,131億31百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ24億14百万円増加し、888億39百万円となりました。主に運転資本が増加したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により得た資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ382億81百万円増加し、311億51百万円となりました。主に固定資産の売却による収入や、子会社の取得による収支が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により支出した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ472億28百万円増加し、560億91百万円となりました。主に長期借入金の返済による支出や配当金の支払額が増加したことなどによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更を行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容に、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、2億61百万円であり、国内事業における情報サービス業に属するものです。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営成績に重要な影響を与える要因に、重要な変更はありません。
(10)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、広告作業実施のための媒体料金および制作費の支払等ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。
また、2021年2月に発表した中期経営計画期間においては、新しいテクノロジーやソリューション開発、イノベーションへの投資や高成長領域であるカスタマートランスフォーメーション&テクノロジーへのM&A・投資に係る資金需要が見込まれます。
② 資金調達及び流動性の状況
当社グループは、内部資金、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパー、または債権流動化等の多様な手段の中から、その時々の市場環境や長期資金の年度別償還額も考慮した上で、機動的に有利な手段を選択し、資金調達を行っております。なお、長期資金については、原則として当社で一元的に資金調達しております。
また、緊急時の流動性を確保するため、当社はシンジケーション方式による極度額500億円のコミットメントラインを、電通インターナショナル社(Dentsu International Limited)は、5億ポンド(約804億円)のコミットメントラインを設定しております。また、新型コロナウイルス感染症による影響に備えた流動性確保等の目的で、引き続き金融機関との間で一時的に追加の銀行融資枠を設定しております。
さらに、グループ内の資金調達の一元化・資金効率の向上・流動性の確保の観点から、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題と認識しており、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期格付AA-、短期格付a-1+を取得しております。また、主要な内外金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、当社グループの事業の維持拡大、必要な運転資金の確保、成長投資資金の調達に関しては問題なく実施可能であると認識しています。