有価証券報告書-第46期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 15:33
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【項目】
140項目

(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化という厳しい状況下で推移いたしました。政府による各種施策により緩やかな回復基調が見られたものの、新規感染者が再び増加し2021年1月には2回目の緊急事態宣言が発出される等、先行きについては引き続き不透明で予断を許さない状況となっております。
学習塾業界におきましては、少子化による市場の縮小や家庭内における教育費の抑制が続く中で、新たに導入された「大学入学共通テスト」や「小学校での英語教科化」等への対応、またコロナ禍で継続的な学習環境を提供するために映像授業やオンライン授業などデジタルを活用した教育の充実が求められています。また、コロナ禍による事業環境の変化により、新規参入や業界の再編成が顕著化し、業界としての注目度も高まってきております。
このような状況の中、当社グループでは生徒・保護者様から要望の高かった『学習環境の継続』への期待に応えるべく、2020年3月より業界の中でもいち早く「単方向の映像授業」の提供を始めました。さらに2020年4月の政府による緊急事態宣言を受け、ダブル映像授業(単方向の映像授業+双方向ライブ映像授業)に発展させ授業を継続してまいりました。2020年5月の緊急事態宣言解除を受け、2020年6月以降は対面授業を再開させておりますが、全ての授業に対して単方向の映像授業も視聴可能としたダブル学習システム(いつもの校舎でのいつもの教師による『対面授業』+自宅学習に活用できるスター教師陣による『映像授業』)を導入し、コロナ禍においてもこれまで以上に学力向上体制の強化に努めております。
生徒募集において重要な3月、4月に、新型コロナウイルス感染拡大の影響により新規入塾者が一時止まっておりましたが、生徒・保護者様より当社グループの対応をご支持いただき、2020年6月以降順調に回復しました。特に、夏期講習会、冬期講習会に関しましては、学校の休暇期間の短縮の影響で例年通りの日程での開催が危ぶまれる中、時間帯や日程の工夫により例年通りの時間数を確保するとともに、生徒・職員の感染防止対策を徹底したことにより、例年を上回る数の生徒に受講していただくことができました。
その結果、当連結会計年度においては、全都立中高一貫校11校(千代田区立九段中等を含む)の入試において、合格実績が過去最高の927名(前期は823名)となりました。また、全都立中高一貫校の一般定員合計に対する合格占有率は55%(前期は51%)と過半数を超え、都立中高一貫校の受検対策塾としての「ena」ブランドを確立しております。また、高校受験においても、都立進学指導重点校7校の合格実績が357名(前期は353名)となり、前期に引き続き全塾中№1を獲得することができました。
当連結会計年度での新規出校につきましては、2021年3月に「ena」を5校舎(北綾瀬、青物横丁、南阿佐ヶ谷、南町田、川口)、「ena最高水準」を1校舎(八王子)、「ena新セミ」を1校舎(川口)開校いたしました。また、オンライン授業を活用した新たな取り組みとしまして、個別指導部門では2020年8月にオンライン家庭教師の『家庭教師Camp』を、小中学生部門では2021年3月にオンライン授業専門の『オンラインクラス』を開校し、生徒数も徐々に伸びているところです。これらの校舎につきましては開校後間もないため当連結会計年度の売上高に大きく貢献するには至っておりませんが、今後の生徒数及び売上高の増加に貢献するものと考えております。
収益面におきましては、新規出校により東京東部及び北部を中心に校舎数が増加し、都立中高一貫校の合格実績が躍進を続けていることや各種施策の効果も相まって、前年同期と比較して生徒数が堅調に推移し、売上高の増加に寄与いたしました。
費用面におきましては、効果的な広告宣伝活動や業務の効率化、家賃の適正化、適材適所による人件費の抑制による経費削減等に取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は11,289百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は1,861百万円(前年同期比25.3%増)、経常利益は1,786百万円(前年同期比11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,108百万円(前年同期比18.3%増)となり、コロナ禍という厳しい環境下において、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の全ての項目において、過去最高益を更新いたしました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント別の売上高はセグメント間の内部取引消去前の金額によっております。
① 教育事業
小中学生部門につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある中で、下半期以降生徒数が順調に回復したこと及び合宿などオプション講座を含む夏期・冬期・春期の各講習売上が伸長したことにより、売上高は前年同期と比較して増加いたしました。
個別指導部門につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、新規入塾者数が前年を下回るなど生徒数は減少しましたが、生徒一人当たりの単価が上昇したことにより、売上高は前年同期と比較して増加いたしました。
大学受験部門につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある中で、高3生を中心に生徒数が増加したことにより、売上高は前年同期と比較して増加いたしました。
看護医療系受験部門「ena新セミ」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて減少した受講者数が順調に回復したこと及び生徒一人当たりの単価が上昇したことにより、売上高は前年同期と比較して増加いたしました。
芸大・美大受験部門「ena新美」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、新規受講者数が前年を下回ったこと及び中国からの留学生が想定を下回るなど生徒数が減少したことにより、売上高は前年同期と比較して減少いたしました。
海外校舎を主に展開するGAKKYUSHA USA グループ(GAKKYUSHA U.S.A.CO.,LTD.、GAKKYUSHA CANADA CO.,LTD.、GAKKYUSHA SINGAPORE PTE.LTD.及び株式会社学究社帰国教育)につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による日本人駐在員の減少はありましたが、インターネット授業による季節講習生が増加したことにより、売上高は前年同期と比較して増加いたしました。
これらの結果、売上高は10,783百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
② 不動産事業
不動産事業につきましては、前第3四半期連結会計期間以降、新規に賃貸用マンションを取得したことにより、賃貸収入は前年同期と比較して増加いたしました。
これらの結果、売上高は98百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
③ その他
インターネットによる受験、教育情報の配信サービス事業につきましては、広告関連売上については、学校法人関連及び一般企業等法人ともに前年同期と比較して増加いたしました。受託開発関連の売上については、案件の減少により前年同期と比較して減少いたしました。また、ネットワーク広告売上については、コロナ禍における企業の広告出し控え等が発生したため前年同期と比較して減少いたしました。
これらの結果、売上高は521百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
(2) 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、813百万円増加し、2,384百万円となりました。これは、主として現金及び預金の増加等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、228百万円増加し、7,316百万円となりました。これは、主として建設仮勘定の増加及び関係会社株式の減少等によるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて、1,042百万円増加し、9,700百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、250百万円減少し、2,769百万円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金、未払法人税等の増加及び短期借入金の減少等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1,120百万円増加し、2,777百万円となりました。これは、主として長期借入金の増加等によるものであります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べて、870百万円増加し、5,546百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて、172百万円増加し、4,154百万円となりました。これは、主として配当金の支払い、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、自己株式の取得等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、42.8%(前連結会計年度末は46.0%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて872百万円増加し、1,982百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(単位:千円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー1,333,1811,906,041572,859
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,613,968△744,773869,195
財務活動によるキャッシュ・フロー42,752△294,893△337,645
現金及び現金同等物に係る換算差額132△5,772△5,905
現金及び現金同等物の増減額△237,901860,6021,098,504
現金及び現金同等物の期首残高1,346,9561,109,054△237,901
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額12,37612,376
現金及び現金同等物の期末残高1,109,0541,982,034872,979

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,906百万円の収入(前年同期は1,333百万円の収入)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、持分法による投資損益及び法人税等の支払額等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、744百万円の支出(前年同期は1,613百万円の支出)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、294百万円の支出(前年同期は42百万円の収入)となりました。
これは、短期借入金の純増減額、長期借入れによる収入及び長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払額によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)53.953.650.846.042.8
時価ベースの自己資本比率(%)317.4293.9186.9148.5150.6
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
0.10.61.21.81.5
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
446.0600.2637.7362.4336.9

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産及び受注の状況
当社は、生徒に対して授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産及び受注に該当する事項はございません。
(2) 販売の状況
(業績等の概要)におけるセグメントの業績をご参照ください。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、当連結会計年度末時点において入手可能な情報を基に会計上の見積りを行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
売上高は、11,289百万円(前年同期比3.4%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、映像授業やオンライン化対応を積極的に推進したこと、季節講習についても例年通りの時間数を確保したことで、年間を通して生徒数が堅調に推移したことによるものであります。 売上原価は、7,614百万円(前年同期比2.8%増)となりました。これは主に、校舎職員の増加に伴う人件費の増加、新規出校等による校舎数の増加に伴う賃借料の増加によるものであります。一方で、家賃の減額交渉、教材発注の適正化等の経費削減に取り組んだ結果、売上総利益は、3,675百万円(前年同期比4.6%増)となりました。 販売費及び一般管理費は、1,813百万円(前年同期比10.5%減)となりました。これは主に、ホームページやYouTubeなどWeb媒体を積極的に活用することにより広告宣伝費を削減したこと、適材適所による人件費の抑制に取り組んだことによるものであります。この結果、営業利益は、1,861百万円(前年同期比25.3%増)となりました。なお、売上高営業利益率は16.5%となり、目標とする15%を上回ることができました。 営業外収益は、55百万円(前年同期比55.7%減)となりました。これは主に、前連結会計年度において、持分法適用関連会社である株式会社市進ホールディングスに係る持分法による投資利益が発生したこと等によるものであります。一方、営業外費用は、131百万円(前年同期は11百万円)となりました。これは主に、持分法適用関連会社である株式会社市進ホールディングスに係る持分法による投資損失が発生したこと等によるものであります。この結果、経常利益は、1,786百万円(前年同期比11.6%増)となりました。 特別利益は、0百万円(前年同期比99.5%減)となりました。これは主に、前連結会計年度において、持分変動利益及び固定資産受贈益が発生したことによるものであります。一方、特別損失は、67百万円(前年同期比64.7%減)となりました。これは主に、前連結会計年度において、国立1号館の建替えに伴う減損損失及び固定資産除却損が発生したこと等によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は1,719百万円(前年同期比20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,108百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
「(業績等の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資金調達)
当社グループは、事業活動及び設備投資のための適切な資金確保を常に目指しており、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を重視しております。
新規校舎の設備投資や短期運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、不動産事業における賃貸等不動産の取得資金については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末の資金の流動性は十分に確保されていると認識しており、また、金融機関との間に当座借越契約の枠を設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
なお、当連結会計年度末における当社の取引銀行との借入による資金調達余力は以下のようになっております。
当座借越契約
株式会社三菱UFJ銀行200百万円
株式会社みずほ銀行100百万円
株式会社三井住友銀行200百万円
合 計500百万円

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