有価証券報告書-第45期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって経済活動ならびに社会活動が大きな制限を受けました。2021年1月には再び緊急事態宣言が発出されるなど、国内外の経済活動レベルの水準は依然として低く、先行き不透明な状態が続いております。
当業界におきましては、新学習指導要領への移行や小学校での英語の教科化、大学入学共通テストの実施等、大きな教育制度改革が動き出しております。コロナ禍により人との接触を避けざるを得ない中、オンライン教育に対するニーズは急速な高まりを見せ、全国の小中学校では1人1台の端末配備を前倒しで実施、公教育におけるデジタル化も進みました。また、労働人口の減少に伴い、外国人・シニア・女性の活躍が重要視され、少子高齢化・人生100年時代とも言われる長寿社会の中、生涯に渡る教育・学び直しの機会提供の必要性も増しております。
このような中、当社グループは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、「①顧客満足度の向上、②サービス品質の強化、③商品の再構築と業態開発、④事業領域の拡大、⑤人材育成とマネジメントの強化、⑥グループシナジーの再構築」を経営方針の中核に据え、当社グループを取り巻く環境の変化に迅速に対応することで企業価値の向上を目指しております。
当連結会計年度におきましては、2020年春先の緊急事態宣言発出に伴い、新年度募集に大きな影響が出たものの、学校の再開に合わせた最大限の感染症対策の徹底と迅速なICTの積極的活用、小中学生の保護者を中心とした対面授業再開へのニーズと再開時の徹底した生徒個別対応等により、当第2四半期連結会計期間以降の学習塾事業における入会者数は回復基調となりました。また、高校・キャリア支援事業では、EdTech(教育とテクノロジーの融合)を通した学びの場として通信制高校の社会認知が広まる中、当社の独自性が評価されたことが重なり、当第2四半期連結会計期間以降の入学者数が前年同期間を上回り、期中平均在籍生徒数は過去最高となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う入国制限により、日本語教育サービスならびにランゲージサービスでは、留学生の入学者数減、インバウンド需要の減少などの影響を受けております。
また、経費面におきましては、業務効率の改善、賃借料、広告宣伝費等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は162億77百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は11億10百万円(同21.1%減)、経常利益は13億31百万円(同9.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高の5億76百万円(同77.3%増)となりました。
セグメント別の概況は以下の通りです。
学習塾事業
学習塾事業におきましては、最新の脳科学に基づいた独自の教育プログラム(プラスサイクル学習法)を通じた意欲喚起指導を基軸に据えております。また、思考力・判断力・表現力など、これからの社会で一層求められる力を育むべく、低学齢からのことばの修得を重視したプログラムの展開や、自立学習能力の育成プログラムを体系的に設計しています。
2021年3月には、自宅での自主学習支援と5教科個別教科指導を組み合わせ、一人ひとりに個別最適化された学びを提供する「中学生個別戦略コース」を新しく開講いたしました。さらに、「世界に羽ばたく、人を育むグローバル人材を育成」を指導コンセプトに、独自の語彙・文法・英会話の融合型指導を開始し、大学・社会に出てから役立つ生きた英語の修得を目指した指導を展開しております。
損益面については、期初での生徒募集における厳しい状況を回復するまでには至らず、売上高は65億46百万円(前年同期比12.1%減)、セグメント利益(営業利益)は4億62百万円(同48.1%減)となりました。
高校・キャリア支援事業
当セグメントは通信制高校・社会人向けキャリア教育・日本語教育サービス事業を中心としております。独自のICT教育とスペシャリスト育成のコースを有する当社通信制高校への入学者は、引き続き順調に推移し、当連結会計年度における期中平均在籍生徒数は過去最高となりました。
コロナ禍の影響により、期初では生徒募集に苦戦したものの、通信制高校に対する社会的認知の高まりに加え、当社の独自性が評価されたことも重なり、当連結会計年度における当社通信制高校への問合せ者数は前年同期を上回りました。今後も生徒に一層の成長場面を提供し、成長の実感と実績を可視化する独自の成長実感型教育を充実させることで「未来社会で活躍できる人づくり」を推進してまいります。
一方で、日本語教育サービスにおいては、入国制限によって留学生の入国が困難になり、影響を大きく受けております。一時的な入国制限の緩和はあったものの、再度の緊急事態宣言の影響もあり、留学生の日本への入国は依然として遅れております。
これらの結果、売上高は68億75百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益(営業利益)は22億30百万円(同9.5%増)となりました。
その他
その他につきましては、広告事業、ICT教育・能力開発事業、企業内研修ポータルサイト事業、ランゲージサービス事業、ヘルスケア事業に加え、ネイティブ教員と英語だけで過ごす幼児・学童英語事業に係る業績を計上しております。速読を主体とした能力開発及び英語学習プログラム企画開発等のサービスを提供する株式会社SRJでは、コロナ禍におけるICT教育市場の活性化もあり、堅調に推移致しました。
幼児・学童英語事業においては、期初の休校措置等による減収があったものの、当第4四半期連結会計期間において生徒募集が順調に推移し、当連結会計年度における在籍者数は前年同期間を上回っております。
一方で、コロナ禍の影響により、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージサービスを提供する株式会社吉香では、オリンピック・パラリンピックの延期やインバウンド需要が減少したことにより、収益面で影響が出ております。
これらの結果、売上高は28億55百万円(前年同期比9.9%減)、セグメント損失(営業損失)は1百万円(前年同期はセグメント損失39百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における当社グループの財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて2億92百万円増加し、70億72百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は18億7百万円(前年同期は18億62百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億78百万円、前受金の増加額6億67百万円、非資金取引として減損損失の発生2億91百万円、減価償却費の計上4億37百万円及びのれん償却額10百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は3億48百万円(前年同期は8億56百万円の資金の減少)となりました。これは主に、固定資産の売却による収入1億71百万円、保険積立金の積立による支出3億36百万円、無形固定資産の取得による支出1億96百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は11億66百万円(前年同期は4億75百万円の資金の増加)となりました。これは主に、短期借入れによる収入22億円、短期借入金の返済による支出32億円、配当金の支払額1億51百万円、長期借入金の返済による支出1億4百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業は教育関連事業であるため、生産、受注については該当事項はなく、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
当社グループは、総合教育サービス企業として学習塾及び高等学校の運営を主力事業としております。加えて、教育産業を基盤とした事業展開の中で、翻訳・通訳を中心としたランゲージサービス、日本語教育サービス等へも積極的に資本投下を行っております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は162億77百万円(前年同期比7.5%減)となりました。これは主に、学習塾事業における生徒数減少(前年同期比12.1%減)や、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージ事業を行う株式会社吉香のオリンピック・パラリンピックの延期やインバウンド需要が減少したことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は110億82百万円(前年同期比8.0%減)となりました。これは主に、業務効率の改善、賃借料等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は40億85百万円(前年同期比1.4%減)となりました。これは主に、業務効率の改善、賃借料、広告宣伝費等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は11億10百万円(前年同期比21.1%減)となりました。主な要因は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ1億52百万円増加し、2億39百万円(前年同期比174.3%増)となりました。また、営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べ3百万円減少し、18百万円(同17.1%減)となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は13億31百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ54百万円増加し、83百万円(前年同期比190.7%増)となりました。これは主に、固定資産売却益が56百万円、投資有価証券売却益が6百万円それぞれ増加したことによるものであります。また、特別損失につきましては、前連結会計年度に比べ2億62百万円減少し、3億36百万円(同43.9%減)となりました。これは主に、減損損失が2億34百万円、投資有価証券評価損が41百万円、保険解約損が1百万円それぞれ減少、固定資産売却損が6百万円増加したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は10億78百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
当連結会計年度における法人税等合計は、4億75百万円(前年同期比9.4%減)となりました。これは主に、課税所得の減少によるものであります。
(当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における当期純利益は6億3百万円(前年同期比59.8%増)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は26百万円(前年同期比49.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は5億76百万円(前年同期比77.3%増)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は82億40百万円(前連結会計年度末は79億44百万円)となり、2億95百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が2億92百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は65億2百万円(前連結会計年度末は68億57百万円)となり、3億54百万円減少いたしました。
(有形固定資産)
当連結会計年度末における有形固定資産の残高は18億39百万円(前連結会計年度末は22億10百万円)となり、3億70百万円減少いたしました。これは主に、減損損失の計上による減少2億8百万円によるものであります。
(無形固定資産)
当連結会計年度末における無形固定資産の残高は7億7百万円(前連結会計年度末は8億2百万円)となり、95百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウェアが57百万円、のれんが6百万円減少したことによるものであります。
(投資その他の資産)
当連結会計年度末における投資その他の資産の残高は39億55百万円(前連結会計年度末は38億44百万円)となり、1億11百万円増加いたしました。これは主に、保険積立金が1億66百万円、繰延税金資産が6百万円、それぞれ増加し、投資有価証券が46百万円、長期貸付金が19百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は72億15百万円(前連結会計年度末は77億66百万円)となり、5億50百万円減少いたしました。これは主に、前受金が6億67百万円増加、短期借入金が10億円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は21億78百万円(前連結会計年度末は21億34百万円)となり、44百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が31百万円、退職給付に係る負債が37百万円それぞれ増加、その他が20百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は53億48百万円(前連結会計年度末は49億円)となり、4億47百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が3億5百万円、非支配株主持分が23百万円それぞれ増加、土地再評価差額金が1億18百万円の取崩し、その他有価証券評価差額金が12百万円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値には、当社の連結財務諸表の作成において使用される会計上の見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について個々に勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当額が増加する可能性があります。
投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先及び金融機関に対する持分を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が著しく、一時的でないと判断した場合、投資の減損処理を行っております。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については回収可能と見積もられる将来減算一時差異について計上しておりますが、将来の課税所得が将来減算一時差異を解消できないと判断した場合は、繰延税金資産の一部について取崩しを行うものとしております。
退職給付費用
従業員の退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の賃金水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なった場合は発生した年度に影響を与え、また、退職金規程の改定等があった場合は将来期間に影響を与えます。
固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、主に教場の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなる場合や、のれんの超過収益力が見込めなくなった場合には、減損の兆候があると判断し、減損処理を行っております。
目標とする経営指標の達成状況
当連結会計年度の業績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。その結果、ROE(自己資本利益率)は11.8%となりました。
2021年度については、売上高177億円、営業利益15億円、経常利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益6億といたしました。
当業界におきましては少子化の中、顧客の選別志向は更に高まり、同業他社や他業態との競争激化など、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えられます。
このような中、当社グループでは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、生涯学習化・グローバル化に応じたマーケットの拡充に努め、事業の拡大を図ってまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入金により資金を調達しております。このうち、借入による資金調達手段は、運転資金については短期借入金、設備投資資金については長期借入金による調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の残高と今後の返済予定は以下のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって経済活動ならびに社会活動が大きな制限を受けました。2021年1月には再び緊急事態宣言が発出されるなど、国内外の経済活動レベルの水準は依然として低く、先行き不透明な状態が続いております。
当業界におきましては、新学習指導要領への移行や小学校での英語の教科化、大学入学共通テストの実施等、大きな教育制度改革が動き出しております。コロナ禍により人との接触を避けざるを得ない中、オンライン教育に対するニーズは急速な高まりを見せ、全国の小中学校では1人1台の端末配備を前倒しで実施、公教育におけるデジタル化も進みました。また、労働人口の減少に伴い、外国人・シニア・女性の活躍が重要視され、少子高齢化・人生100年時代とも言われる長寿社会の中、生涯に渡る教育・学び直しの機会提供の必要性も増しております。
このような中、当社グループは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、「①顧客満足度の向上、②サービス品質の強化、③商品の再構築と業態開発、④事業領域の拡大、⑤人材育成とマネジメントの強化、⑥グループシナジーの再構築」を経営方針の中核に据え、当社グループを取り巻く環境の変化に迅速に対応することで企業価値の向上を目指しております。
当連結会計年度におきましては、2020年春先の緊急事態宣言発出に伴い、新年度募集に大きな影響が出たものの、学校の再開に合わせた最大限の感染症対策の徹底と迅速なICTの積極的活用、小中学生の保護者を中心とした対面授業再開へのニーズと再開時の徹底した生徒個別対応等により、当第2四半期連結会計期間以降の学習塾事業における入会者数は回復基調となりました。また、高校・キャリア支援事業では、EdTech(教育とテクノロジーの融合)を通した学びの場として通信制高校の社会認知が広まる中、当社の独自性が評価されたことが重なり、当第2四半期連結会計期間以降の入学者数が前年同期間を上回り、期中平均在籍生徒数は過去最高となりました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う入国制限により、日本語教育サービスならびにランゲージサービスでは、留学生の入学者数減、インバウンド需要の減少などの影響を受けております。
また、経費面におきましては、業務効率の改善、賃借料、広告宣伝費等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成することができました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は162億77百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益は11億10百万円(同21.1%減)、経常利益は13億31百万円(同9.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高の5億76百万円(同77.3%増)となりました。
セグメント別の概況は以下の通りです。
学習塾事業
学習塾事業におきましては、最新の脳科学に基づいた独自の教育プログラム(プラスサイクル学習法)を通じた意欲喚起指導を基軸に据えております。また、思考力・判断力・表現力など、これからの社会で一層求められる力を育むべく、低学齢からのことばの修得を重視したプログラムの展開や、自立学習能力の育成プログラムを体系的に設計しています。
2021年3月には、自宅での自主学習支援と5教科個別教科指導を組み合わせ、一人ひとりに個別最適化された学びを提供する「中学生個別戦略コース」を新しく開講いたしました。さらに、「世界に羽ばたく、人を育むグローバル人材を育成」を指導コンセプトに、独自の語彙・文法・英会話の融合型指導を開始し、大学・社会に出てから役立つ生きた英語の修得を目指した指導を展開しております。
損益面については、期初での生徒募集における厳しい状況を回復するまでには至らず、売上高は65億46百万円(前年同期比12.1%減)、セグメント利益(営業利益)は4億62百万円(同48.1%減)となりました。
高校・キャリア支援事業
当セグメントは通信制高校・社会人向けキャリア教育・日本語教育サービス事業を中心としております。独自のICT教育とスペシャリスト育成のコースを有する当社通信制高校への入学者は、引き続き順調に推移し、当連結会計年度における期中平均在籍生徒数は過去最高となりました。
コロナ禍の影響により、期初では生徒募集に苦戦したものの、通信制高校に対する社会的認知の高まりに加え、当社の独自性が評価されたことも重なり、当連結会計年度における当社通信制高校への問合せ者数は前年同期を上回りました。今後も生徒に一層の成長場面を提供し、成長の実感と実績を可視化する独自の成長実感型教育を充実させることで「未来社会で活躍できる人づくり」を推進してまいります。
一方で、日本語教育サービスにおいては、入国制限によって留学生の入国が困難になり、影響を大きく受けております。一時的な入国制限の緩和はあったものの、再度の緊急事態宣言の影響もあり、留学生の日本への入国は依然として遅れております。
これらの結果、売上高は68億75百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益(営業利益)は22億30百万円(同9.5%増)となりました。
その他
その他につきましては、広告事業、ICT教育・能力開発事業、企業内研修ポータルサイト事業、ランゲージサービス事業、ヘルスケア事業に加え、ネイティブ教員と英語だけで過ごす幼児・学童英語事業に係る業績を計上しております。速読を主体とした能力開発及び英語学習プログラム企画開発等のサービスを提供する株式会社SRJでは、コロナ禍におけるICT教育市場の活性化もあり、堅調に推移致しました。
幼児・学童英語事業においては、期初の休校措置等による減収があったものの、当第4四半期連結会計期間において生徒募集が順調に推移し、当連結会計年度における在籍者数は前年同期間を上回っております。
一方で、コロナ禍の影響により、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージサービスを提供する株式会社吉香では、オリンピック・パラリンピックの延期やインバウンド需要が減少したことにより、収益面で影響が出ております。
これらの結果、売上高は28億55百万円(前年同期比9.9%減)、セグメント損失(営業損失)は1百万円(前年同期はセグメント損失39百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における当社グループの財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて2億92百万円増加し、70億72百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は18億7百万円(前年同期は18億62百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億78百万円、前受金の増加額6億67百万円、非資金取引として減損損失の発生2億91百万円、減価償却費の計上4億37百万円及びのれん償却額10百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は3億48百万円(前年同期は8億56百万円の資金の減少)となりました。これは主に、固定資産の売却による収入1億71百万円、保険積立金の積立による支出3億36百万円、無形固定資産の取得による支出1億96百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は11億66百万円(前年同期は4億75百万円の資金の増加)となりました。これは主に、短期借入れによる収入22億円、短期借入金の返済による支出32億円、配当金の支払額1億51百万円、長期借入金の返済による支出1億4百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業は教育関連事業であるため、生産、受注については該当事項はなく、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
当社グループは、総合教育サービス企業として学習塾及び高等学校の運営を主力事業としております。加えて、教育産業を基盤とした事業展開の中で、翻訳・通訳を中心としたランゲージサービス、日本語教育サービス等へも積極的に資本投下を行っております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は162億77百万円(前年同期比7.5%減)となりました。これは主に、学習塾事業における生徒数減少(前年同期比12.1%減)や、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージ事業を行う株式会社吉香のオリンピック・パラリンピックの延期やインバウンド需要が減少したことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は110億82百万円(前年同期比8.0%減)となりました。これは主に、業務効率の改善、賃借料等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は40億85百万円(前年同期比1.4%減)となりました。これは主に、業務効率の改善、賃借料、広告宣伝費等の適正化など積極的な経費統制に取り組み、想定以上の経費節減を達成したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は11億10百万円(前年同期比21.1%減)となりました。主な要因は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ1億52百万円増加し、2億39百万円(前年同期比174.3%増)となりました。また、営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べ3百万円減少し、18百万円(同17.1%減)となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は13億31百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ54百万円増加し、83百万円(前年同期比190.7%増)となりました。これは主に、固定資産売却益が56百万円、投資有価証券売却益が6百万円それぞれ増加したことによるものであります。また、特別損失につきましては、前連結会計年度に比べ2億62百万円減少し、3億36百万円(同43.9%減)となりました。これは主に、減損損失が2億34百万円、投資有価証券評価損が41百万円、保険解約損が1百万円それぞれ減少、固定資産売却損が6百万円増加したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は10億78百万円(前年同期比19.5%増)となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
当連結会計年度における法人税等合計は、4億75百万円(前年同期比9.4%減)となりました。これは主に、課税所得の減少によるものであります。
(当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における当期純利益は6億3百万円(前年同期比59.8%増)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は26百万円(前年同期比49.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は5億76百万円(前年同期比77.3%増)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は82億40百万円(前連結会計年度末は79億44百万円)となり、2億95百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が2億92百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は65億2百万円(前連結会計年度末は68億57百万円)となり、3億54百万円減少いたしました。
(有形固定資産)
当連結会計年度末における有形固定資産の残高は18億39百万円(前連結会計年度末は22億10百万円)となり、3億70百万円減少いたしました。これは主に、減損損失の計上による減少2億8百万円によるものであります。
(無形固定資産)
当連結会計年度末における無形固定資産の残高は7億7百万円(前連結会計年度末は8億2百万円)となり、95百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウェアが57百万円、のれんが6百万円減少したことによるものであります。
(投資その他の資産)
当連結会計年度末における投資その他の資産の残高は39億55百万円(前連結会計年度末は38億44百万円)となり、1億11百万円増加いたしました。これは主に、保険積立金が1億66百万円、繰延税金資産が6百万円、それぞれ増加し、投資有価証券が46百万円、長期貸付金が19百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は72億15百万円(前連結会計年度末は77億66百万円)となり、5億50百万円減少いたしました。これは主に、前受金が6億67百万円増加、短期借入金が10億円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は21億78百万円(前連結会計年度末は21億34百万円)となり、44百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が31百万円、退職給付に係る負債が37百万円それぞれ増加、その他が20百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は53億48百万円(前連結会計年度末は49億円)となり、4億47百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が3億5百万円、非支配株主持分が23百万円それぞれ増加、土地再評価差額金が1億18百万円の取崩し、その他有価証券評価差額金が12百万円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値には、当社の連結財務諸表の作成において使用される会計上の見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について個々に勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当額が増加する可能性があります。
投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先及び金融機関に対する持分を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が著しく、一時的でないと判断した場合、投資の減損処理を行っております。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については回収可能と見積もられる将来減算一時差異について計上しておりますが、将来の課税所得が将来減算一時差異を解消できないと判断した場合は、繰延税金資産の一部について取崩しを行うものとしております。
退職給付費用
従業員の退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の賃金水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なった場合は発生した年度に影響を与え、また、退職金規程の改定等があった場合は将来期間に影響を与えます。
固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、主に教場の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなる場合や、のれんの超過収益力が見込めなくなった場合には、減損の兆候があると判断し、減損処理を行っております。
目標とする経営指標の達成状況
当連結会計年度の業績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。その結果、ROE(自己資本利益率)は11.8%となりました。
2021年度については、売上高177億円、営業利益15億円、経常利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益6億といたしました。
当業界におきましては少子化の中、顧客の選別志向は更に高まり、同業他社や他業態との競争激化など、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えられます。
このような中、当社グループでは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、生涯学習化・グローバル化に応じたマーケットの拡充に努め、事業の拡大を図ってまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入金により資金を調達しております。このうち、借入による資金調達手段は、運転資金については短期借入金、設備投資資金については長期借入金による調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の残高と今後の返済予定は以下のとおりであります。
| 有利子負債 | 合計 (千円) | 1年以内 (千円) | 1年超3年内 (千円) | 3年超5年内 (千円) | 5年超10年内 (千円) | 10年超 (千円) |
| 短期借入金 | 100,000 | 100,000 | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 320,652 | 79,887 | 66,182 | 41,727 | 39,688 | 93,166 |
| リース債務 | 55,795 | 15,093 | 16,077 | 13,945 | 10,677 | - |
| 合計 | 476,447 | 194,980 | 82,260 | 55,673 | 50,365 | 93,166 |