有価証券報告書-第44期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、台風等の自然災害の影響があったものの、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかに回復基調に入っておりました。しかしながら、消費税率引き上げに伴う消費の減速や国際情勢の緊張感の高まりに加え、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大によって、先行きが不透明な状況となっております。
当業界におきましては、新学習指導要領への移行や大学入学共通テストの実施等、大きな教育制度改革を間近に控えている中、民間教育機関には、AIやIoTなどの活用、テクノロジーの進化に伴った教育サービスの充実と、学校休校措置の長期化に伴う適切な対応が求められております。
当社グループといたしましては「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、「①顧客満足度の向上、②サービス品質の強化、③商品の再構築と業態開発、④事業領域の拡大、⑤人材育成とマネジメントの強化、⑥グループシナジーの再構築」を経営方針の中核に据え、当社を取り巻く環境の変化に迅速に対応することで企業価値の向上を目指しております。
当連結会計年度におきましては、これからの教育環境の方向性を睨んで、今後ますます求められる「主体的に学ぶ意欲や姿勢、学力の向上と生徒の自立」を促進いたしました。ICTを一層活用することで、生徒自身が学び方を習得し、成長の実感を得られるプログラムを開発しております。加えて、学習塾事業では授業品質の向上に取り組んだほか、学習の個別最適化を効率的に組み立てることなど、新たなニーズへの対応も促進いたしました。高校・キャリア支援事業では、EdTech(教育とテクノロジーの融合)を通した学びの場として通信制高校の社会認知が広まる中、当社の独自性が評価されたことが重なり、生徒数が増加しております。更に、ネイティブ教員と英語だけで過ごす学童保育等の施策を積極的に展開いたしました。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発動による外出自粛要請や各種事業の休業要請等を受け、当社グループにおきましても一部子会社におけるインバウンド需要の減少等により、子会社における固定資産の減損損失の計上、当社における投資有価証券の評価損の計上やのれんの減損など当期の経営成績に影響が生じております。その結果といたしまして、2020年5月14日付「特別損失の計上及び通期業績予想と実績との差異に関するお知らせ」のとおり、減損損失5億26百万円を特別損失として計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は175億92百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は14億7百万円(同19.2%増)、経常利益は14億73百万円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億25百万円(同43.4%減)となりました。
なお、売上高につきましては過去最高となりました。
セグメント別の概況は以下の通りです。なお、2019年4月1日付で行った組織変更に伴い、業績管理区分を変更したことから、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
学習塾事業
学習塾事業におきましては、脳科学に基づいた独自の教育メソッド(プラスサイクル学習法)を通じた意欲喚起を基軸に据えております。また、教育改革で謳われている「これからの学び」を実現すべく、低学齢からことばの修得を重視したプログラムの展開や、4技能習得型(聞く、話す、読む、書く)英語を外国人講師とのオンラインレッスンや英検対策コース等を通じて指導の充実を図っております。来る大学入試改革や新学習指導要領への移行に備えた新たなプログラムの開発に努めながら、生徒自身の「学びの意欲」と「学ぶ力」を引き出し、「学び方」を教えることで、成績向上に結び付ける指導を徹底しております。
収益面につきましては、前連結会計年度において16校の統廃合等を実施した影響もあり、売上高は74億45百万円(前年同期比8.2%減)となりましたが、採算性が向上し、セグメント利益(営業利益)は8億89百万円(同16.6%増)となりました。
高校・キャリア支援事業
当セグメントは通信制高校・社会人向けキャリア教育・日本語教育サービスを事業の中心としております。
急速なテクノロジーの進化によって学習スタイルも変化し始めており、独自のICT教育とスペシャリスト育成に貢献する魅力的なコースを保持する当社通信制高校への入学者が、前期に続き好調に推移しました。生徒に一層の成長場面を提供し、成長実感を持てるような当社独自の教育を充実させることで「未来社会で活躍できる人づくり」を推進し、課題解決型の教育プログラムの開発等にも積極的に取り組んでおります。
これらの結果、売上高は69億77百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益(営業利益)は20億36百万円(同40.2%増)となりました。
その他
その他につきましては、広告事業、ICT教育・能力開発事業、企業内研修ポータルサイト事業、ランゲージサービス事業、ヘルスケア事業に加え、ネイティブ教員と英語だけで過ごす幼児・学童英語事業に係る業績を計上しております。幼児・学童英語事業の積極的な出店を展開し、売上高は31億69百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント損失(営業損失)は39百万円(前年同期はセグメント利益2億16百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における当社グループの財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて14億82百万円増加し、67億80百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は18億62百万円(前年同期は22億84百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益9億2百万円、前受金の増加額5億17百万円、非資金取引として減損損失の発生5億26百万円、減価償却費の計上4億4百万円及びのれん償却額95百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は8億56百万円(前年同期は4億70百万円の資金の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出4億6百万円、有形固定資産の取得による支出2億49百万円、保険積立金の積立による支出1億94百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は4億75百万円(前年同期は13億54百万円の資金の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入21億50百万円、短期借入金の返済による支出11億50百万円、子会社の自己株式の取得による支出2億30百万円、配当金の支払額1億51百万円、長期借入金の返済による支出99百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業は教育関連事業であるため、生産、受注については該当事項はなく、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
当社グループは、総合教育サービス企業として学習塾及び高等学校の運営を主力事業としております。加えて、教育産業を基盤とした事業展開の中で、翻訳・通訳を中心としたランゲージサービス、日本語教育サービス等へも積極的に資本投下を行っております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は過去最高益となる175億92百万円(前年同期比3.7%増)となりました。これは主に、高校・キャリア支援事業における通信制高校の期中平均生徒数増加(前年同期比19.7%増)や、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージ事業を行う㈱吉香の売上が伸長したことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は120億39百万円(前年同期比1.9%増)となりました。これは主に、前連結会計年度中に新たに連結の範囲に含めた子会社の業績が、当連結会計年度においては1年通して寄与したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は41億45百万円(前年同期比4.5%増)となりました。これは主に、前連結会計年度中に新たに連結の範囲に含めた子会社の業績が、当連結会計年度においては1年通して寄与したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は14億7百万円(前年同期比19.2%増)となりました。主な要因は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ18百万円増加し、87百万円(前年同期比27.5%増)となりました。また、営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べ8百万円増加し、22百万円(同59.3%増)となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は14億73百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ1億26百万円減少し、28百万円(前年同期比81.5%減)となりました。これは主に、固定資産売却益が75百万円、子会社株式売却益が64百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、特別損失につきましては、前連結会計年度に比べ3億6百万円増加し、5億99百万円(同104.3%増)となりました。これは主に、減損損失が2億52百万円、投資有価証券評価損が33百万円、保険解約損が16百万円、固定資産除却損が4百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は9億2百万円(前年同期比17.7%減)となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
当連結会計年度における法人税等合計は、5億24百万円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に、課税所得の増加によるものであります。
(当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における当期純利益は3億77百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は52百万円(前年同期比29.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は3億25百万円(前年同期比43.4%減)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は79億44百万円(前連結会計年度末は64億14百万円)となり、15億29百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が15億82百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は68億57百万円(前連結会計年度末は72億16百万円)となり、3億59百万円減少いたしました。
(有形固定資産)
当連結会計年度末における有形固定資産の残高は22億10百万円(前連結会計年度末は24億58百万円)となり、2億48百万円減少いたしました。これは主に、減損損失の計上による減少2億40百万円によるものであります。
(無形固定資産)
当連結会計年度末における無形固定資産の残高は8億2百万円(前連結会計年度末は8億91百万円)となり、88百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウェアが2億43百万円増加し、のれんが3億35百万円減少したことによるものであります。
(投資その他の資産)
当連結会計年度末における投資その他の資産の残高は38億44百万円(前連結会計年度末は38億66百万円)となり、22百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が48百万円、退職給付に係る資産が15百万円、長期貸付金が13百万円それぞれ増加し、保険積立金が74百万円、投資有価証券が33百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は77億66百万円(前連結会計年度末は62億96百万円)となり、14億69百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が10億円、前受金が5億17百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は21億34百万円(前連結会計年度末は23億53百万円)となり、2億18百万円減少いたしました。これは主に、その他が79百万円、長期借入金が77百万円、役員退職慰労引当金が21百万円、退職給付に係る負債が17百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は49億円(前連結会計年度末は49億81百万円)となり、80百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が1億71百万円増加し、非支配株主持分が1億68百万円、その他有価証券評価差額金が67百万円、資本剰余金が24百万円それぞれ減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値には、当社の連結財務諸表の作成において使用される会計上の見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について個々に勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当額が増加する可能性があります。
投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先及び金融機関に対する持分を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が著しく、一時的でないと判断した場合、投資の減損処理を行っております。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については回収可能と見積もられる将来減算一時差異について計上しておりますが、将来の課税所得が将来減算一時差異を解消できないと判断した場合は、繰延税金資産の一部について取崩しを行うものとしております。
退職給付費用
従業員の退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の賃金水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なった場合は発生した年度に影響を与え、また、退職金規程の改定等があった場合は将来期間に影響を与えます。
固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、主に教場の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなる場合や、のれんの超過収益力が見込めなくなった場合には、減損の兆候があると判断し、減損処理を行っております。
目標とする経営指標の達成状況
当連結会計年度の業績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。その結果、ROE(自己資本利益率)は7.0%となりました。
2020年度については、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、現段階において合理的に算定することが困難であると判断し、未定としております。今後、業績予想の算定が可能となった段階で速やかに開示いたします。
当業界におきましては少子化の中、顧客の選別志向は更に高まり、同業他社や他業態との競争激化など、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えられます。
このような中、当社グループでは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、生涯学習化・グローバル化に応じたマーケットの拡充に努め、事業の拡大を図ってまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入金により資金を調達しております。このうち、借入による資金調達手段は、運転資金については短期借入金、設備投資資金については長期借入金による調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の残高と今後の返済予定は以下のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、台風等の自然災害の影響があったものの、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかに回復基調に入っておりました。しかしながら、消費税率引き上げに伴う消費の減速や国際情勢の緊張感の高まりに加え、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大によって、先行きが不透明な状況となっております。
当業界におきましては、新学習指導要領への移行や大学入学共通テストの実施等、大きな教育制度改革を間近に控えている中、民間教育機関には、AIやIoTなどの活用、テクノロジーの進化に伴った教育サービスの充実と、学校休校措置の長期化に伴う適切な対応が求められております。
当社グループといたしましては「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、「①顧客満足度の向上、②サービス品質の強化、③商品の再構築と業態開発、④事業領域の拡大、⑤人材育成とマネジメントの強化、⑥グループシナジーの再構築」を経営方針の中核に据え、当社を取り巻く環境の変化に迅速に対応することで企業価値の向上を目指しております。
当連結会計年度におきましては、これからの教育環境の方向性を睨んで、今後ますます求められる「主体的に学ぶ意欲や姿勢、学力の向上と生徒の自立」を促進いたしました。ICTを一層活用することで、生徒自身が学び方を習得し、成長の実感を得られるプログラムを開発しております。加えて、学習塾事業では授業品質の向上に取り組んだほか、学習の個別最適化を効率的に組み立てることなど、新たなニーズへの対応も促進いたしました。高校・キャリア支援事業では、EdTech(教育とテクノロジーの融合)を通した学びの場として通信制高校の社会認知が広まる中、当社の独自性が評価されたことが重なり、生徒数が増加しております。更に、ネイティブ教員と英語だけで過ごす学童保育等の施策を積極的に展開いたしました。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言発動による外出自粛要請や各種事業の休業要請等を受け、当社グループにおきましても一部子会社におけるインバウンド需要の減少等により、子会社における固定資産の減損損失の計上、当社における投資有価証券の評価損の計上やのれんの減損など当期の経営成績に影響が生じております。その結果といたしまして、2020年5月14日付「特別損失の計上及び通期業績予想と実績との差異に関するお知らせ」のとおり、減損損失5億26百万円を特別損失として計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は175億92百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は14億7百万円(同19.2%増)、経常利益は14億73百万円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億25百万円(同43.4%減)となりました。
なお、売上高につきましては過去最高となりました。
セグメント別の概況は以下の通りです。なお、2019年4月1日付で行った組織変更に伴い、業績管理区分を変更したことから、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
学習塾事業
学習塾事業におきましては、脳科学に基づいた独自の教育メソッド(プラスサイクル学習法)を通じた意欲喚起を基軸に据えております。また、教育改革で謳われている「これからの学び」を実現すべく、低学齢からことばの修得を重視したプログラムの展開や、4技能習得型(聞く、話す、読む、書く)英語を外国人講師とのオンラインレッスンや英検対策コース等を通じて指導の充実を図っております。来る大学入試改革や新学習指導要領への移行に備えた新たなプログラムの開発に努めながら、生徒自身の「学びの意欲」と「学ぶ力」を引き出し、「学び方」を教えることで、成績向上に結び付ける指導を徹底しております。
収益面につきましては、前連結会計年度において16校の統廃合等を実施した影響もあり、売上高は74億45百万円(前年同期比8.2%減)となりましたが、採算性が向上し、セグメント利益(営業利益)は8億89百万円(同16.6%増)となりました。
高校・キャリア支援事業
当セグメントは通信制高校・社会人向けキャリア教育・日本語教育サービスを事業の中心としております。
急速なテクノロジーの進化によって学習スタイルも変化し始めており、独自のICT教育とスペシャリスト育成に貢献する魅力的なコースを保持する当社通信制高校への入学者が、前期に続き好調に推移しました。生徒に一層の成長場面を提供し、成長実感を持てるような当社独自の教育を充実させることで「未来社会で活躍できる人づくり」を推進し、課題解決型の教育プログラムの開発等にも積極的に取り組んでおります。
これらの結果、売上高は69億77百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益(営業利益)は20億36百万円(同40.2%増)となりました。
その他
その他につきましては、広告事業、ICT教育・能力開発事業、企業内研修ポータルサイト事業、ランゲージサービス事業、ヘルスケア事業に加え、ネイティブ教員と英語だけで過ごす幼児・学童英語事業に係る業績を計上しております。幼児・学童英語事業の積極的な出店を展開し、売上高は31億69百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント損失(営業損失)は39百万円(前年同期はセグメント利益2億16百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における当社グループの財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて14億82百万円増加し、67億80百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は18億62百万円(前年同期は22億84百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益9億2百万円、前受金の増加額5億17百万円、非資金取引として減損損失の発生5億26百万円、減価償却費の計上4億4百万円及びのれん償却額95百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は8億56百万円(前年同期は4億70百万円の資金の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出4億6百万円、有形固定資産の取得による支出2億49百万円、保険積立金の積立による支出1億94百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は4億75百万円(前年同期は13億54百万円の資金の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入21億50百万円、短期借入金の返済による支出11億50百万円、子会社の自己株式の取得による支出2億30百万円、配当金の支払額1億51百万円、長期借入金の返済による支出99百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業は教育関連事業であるため、生産、受注については該当事項はなく、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
当社グループは、総合教育サービス企業として学習塾及び高等学校の運営を主力事業としております。加えて、教育産業を基盤とした事業展開の中で、翻訳・通訳を中心としたランゲージサービス、日本語教育サービス等へも積極的に資本投下を行っております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は過去最高益となる175億92百万円(前年同期比3.7%増)となりました。これは主に、高校・キャリア支援事業における通信制高校の期中平均生徒数増加(前年同期比19.7%増)や、通訳・翻訳・スペシャリスト派遣等のランゲージ事業を行う㈱吉香の売上が伸長したことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は120億39百万円(前年同期比1.9%増)となりました。これは主に、前連結会計年度中に新たに連結の範囲に含めた子会社の業績が、当連結会計年度においては1年通して寄与したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は41億45百万円(前年同期比4.5%増)となりました。これは主に、前連結会計年度中に新たに連結の範囲に含めた子会社の業績が、当連結会計年度においては1年通して寄与したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は14億7百万円(前年同期比19.2%増)となりました。主な要因は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ18百万円増加し、87百万円(前年同期比27.5%増)となりました。また、営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べ8百万円増加し、22百万円(同59.3%増)となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は14億73百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ1億26百万円減少し、28百万円(前年同期比81.5%減)となりました。これは主に、固定資産売却益が75百万円、子会社株式売却益が64百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、特別損失につきましては、前連結会計年度に比べ3億6百万円増加し、5億99百万円(同104.3%増)となりました。これは主に、減損損失が2億52百万円、投資有価証券評価損が33百万円、保険解約損が16百万円、固定資産除却損が4百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は9億2百万円(前年同期比17.7%減)となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
当連結会計年度における法人税等合計は、5億24百万円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に、課税所得の増加によるものであります。
(当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における当期純利益は3億77百万円(前年同期比41.8%減)となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における非支配株主に帰属する当期純利益は52百万円(前年同期比29.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は3億25百万円(前年同期比43.4%減)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は79億44百万円(前連結会計年度末は64億14百万円)となり、15億29百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が15億82百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は68億57百万円(前連結会計年度末は72億16百万円)となり、3億59百万円減少いたしました。
(有形固定資産)
当連結会計年度末における有形固定資産の残高は22億10百万円(前連結会計年度末は24億58百万円)となり、2億48百万円減少いたしました。これは主に、減損損失の計上による減少2億40百万円によるものであります。
(無形固定資産)
当連結会計年度末における無形固定資産の残高は8億2百万円(前連結会計年度末は8億91百万円)となり、88百万円減少いたしました。これは主に、ソフトウェアが2億43百万円増加し、のれんが3億35百万円減少したことによるものであります。
(投資その他の資産)
当連結会計年度末における投資その他の資産の残高は38億44百万円(前連結会計年度末は38億66百万円)となり、22百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が48百万円、退職給付に係る資産が15百万円、長期貸付金が13百万円それぞれ増加し、保険積立金が74百万円、投資有価証券が33百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は77億66百万円(前連結会計年度末は62億96百万円)となり、14億69百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が10億円、前受金が5億17百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は21億34百万円(前連結会計年度末は23億53百万円)となり、2億18百万円減少いたしました。これは主に、その他が79百万円、長期借入金が77百万円、役員退職慰労引当金が21百万円、退職給付に係る負債が17百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は49億円(前連結会計年度末は49億81百万円)となり、80百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が1億71百万円増加し、非支配株主持分が1億68百万円、その他有価証券評価差額金が67百万円、資本剰余金が24百万円それぞれ減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値には、当社の連結財務諸表の作成において使用される会計上の見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について個々に勘案し、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、引当額が増加する可能性があります。
投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先及び金融機関に対する持分を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い市場価格のある有価証券と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が著しく、一時的でないと判断した場合、投資の減損処理を行っております。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については回収可能と見積もられる将来減算一時差異について計上しておりますが、将来の課税所得が将来減算一時差異を解消できないと判断した場合は、繰延税金資産の一部について取崩しを行うものとしております。
退職給付費用
従業員の退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の賃金水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なった場合は発生した年度に影響を与え、また、退職金規程の改定等があった場合は将来期間に影響を与えます。
固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、主に教場の営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなる場合や、のれんの超過収益力が見込めなくなった場合には、減損の兆候があると判断し、減損処理を行っております。
目標とする経営指標の達成状況
当連結会計年度の業績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。その結果、ROE(自己資本利益率)は7.0%となりました。
2020年度については、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、現段階において合理的に算定することが困難であると判断し、未定としております。今後、業績予想の算定が可能となった段階で速やかに開示いたします。
当業界におきましては少子化の中、顧客の選別志向は更に高まり、同業他社や他業態との競争激化など、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えられます。
このような中、当社グループでは「社会で活躍できる人づくりを実現できる最高の教育機関をめざす」というコーポレートビジョンに基づき、生涯学習化・グローバル化に応じたマーケットの拡充に努め、事業の拡大を図ってまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入金により資金を調達しております。このうち、借入による資金調達手段は、運転資金については短期借入金、設備投資資金については長期借入金による調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の残高と今後の返済予定は以下のとおりであります。
| 有利子負債 | 合計 (千円) | 1年以内 (千円) | 1年超3年内 (千円) | 3年超5年内 (千円) | 5年超10年内 (千円) | 10年超 (千円) |
| 短期借入金 | 1,100,000 | 1,100,000 | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 296,989 | 87,936 | 109,052 | 18,578 | 40,024 | 41,397 |
| リース債務 | 73,501 | 17,706 | 23,141 | 15,246 | 17,407 | - |
| 合計 | 1,470,491 | 1,205,606 | 132,230 | 33,824 | 57,431 | 41,397 |