有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用、所得環境の改善が続くなかで、政府の各種政策や日銀による経済、金融政策等の効果などもあって、ひきつづいて回復軌道を歩んでおりました。その一方で、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税増税の影響や消費者マインドの動向などに留意が必要な状況にありました。建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は横ばいとなりました。しかし年明け以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、企業の業況判断は急速に悪化し始めていますが、当社グループ経営成績等に大きな影響は出ておりません。
こうした中、当社グループは堅調な民間設備投資を背景に、モジュール・システム建築の技術、ノウハウを活用し、工場、倉庫、店舗等の受注を拡大していきました。その一方で、人材育成投資を積極的に推し進めるための資格取得支援制度の拡充やTVコマーシャルによるブランディングにも注力してまいりました。
ユニットハウス事業においては、拡大するレンタル需要に対応すべく、自社工場の生産能力増強に加え、委託工場の強化による相乗効果で生産数を拡大してまいりました。さらに旺盛なレンタル需要に対応するため、中古売却を政策的に抑制しております。
その結果、当連結会計年度における売上高は290億1千8百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は35億3千6百万円(前年同期比6.8%減)、経常利益は37億1千7百万円(前年同期比6.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億5百万円(前年同期比20.0%減)となりました。
セグメント別の概要は次のとおりであります。
(ユニットハウス事業)
ユニットハウス事業におきましては、販売は常設展示場での特注ハウスの品揃え強化や、展示会の開催や各種キャンペーンの強化実施に努めました。レンタルは、旺盛な需要に対応するため、自社工場の生産能力増強で生産棟数の拡大及び中古売却を抑制しております。昨年度に導入した物流体制の効率化もあり、通年を通して高い稼働率で推移しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、オリンピック開催が一年繰り延べとなり、関連受注案件の引き渡しも繰り延べとなりました。
その結果、当事業のセグメント売上高は228億2千6百万円(前年同期比1.9%増)となりました。またセグメント利益は、中古売却を抑制しましたが、レンタル稼働率向上などしたことにより36億7千6百万円(前年同期比2.9%増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
(モジュール・システム建築事業)
モジュール・システム建築事業におきましては、規格建築の特性である「短納期」「低コスト」を武器に需要堅調な民間向けの事務所、倉庫、工場に注力し活動してまいりました。また、製品については標準化をさらに加速させ、規格統一による効率化とコスト削減にも努めてまいりました。海外におきましては、タイでは日系企業進出に伴う事務所建築だけでなく、既存建物の営繕工事や外構工事等幅広い工事受注を推し進めてまいりました。
その結果、当事業のセグメント売上高は、49億2千万円(前年同期比11.2%増)となりました、また、セグメント利益は原価率の改善と現場管理の徹底による販売管理費低減により、3億9千2百万円(前年同期比11.3%増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
(建設機械レンタル事業)
建設機械レンタル事業におきましては、営業エリアである北海道南部建設市場の公共工事発注金額に減少傾向が見られる中、北海道地震の災害復旧の受注に努めてまいりました。
そのような中、地域に密着した営業活動の強化と貸与資産管理の緻密化と資産効率の向上を図ってまいりましたが、当事業のセグメント売上高は12億7千2百万円(前年同期比16.1%減)となりました。また、セグメント利益については、レンタル受注の減少をレンタル資産の回転率向上を図りましたが、1千2百万円(前年同期比94.0%減)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
今後の新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式が政府より示され、オフィスなどのスペースを広くとる新しいスタイルに変化することも予想されます。このような新しい生活様式に対応するための準備を進めてまいります。
当期の財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億4千3百万円減少し、251億5千9百万円となりました。その主な要因は、商品及び製品が3億1千1百万円増加した一方、現金及び預金が11億4千3百万円、受取手形及び売掛金が2億6千7百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ40億9百万円増加し、247億5千7百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が31億4千2百万円、繰延税金資産が3億3千8百万円、貸与資産が2億7千6百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ29億6千5百万円増加し、499億1千7百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ11億6千4百万円増加し、50億5千9百万円となりました。その主な要因は、未払金が9億6千8百万円、未払法人税等が1億5千3百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1千9百万円増加し、1億7千9百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億8千3百万円増加し、52億3千9百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億8千2百万円増加し、446億7千8百万円となりました。その主な要因は、資本剰余金が15億4千6百万円、利益剰余金が11億8千2百万円それぞれ増加した一方、自己株式が5億3百万円増加、その他有価証券評価差額金が4億2千7百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、89.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億4千3百万円減少し、145億7千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、25億4百万円(前年同期比13.9%減)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益が31億9千5百万円、減価償却費が31億6千9百万円等であり、主な減少要因は貸与資産の取得による支出が31億6千9百万円、法人税等の支払額が11億1千6百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34億9千3百万円(前年同期比98.3%増)となりました。主な支出要因は投資有価証券の取得による支出が31億7千5百万円、社用資産の取得による支出が2億7千4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億6千3百万円となりました。増加要因は自己株式の処分による収入が18億1千8百万円であり、主な減少要因は自己株式取得による支出が10億4千9百万円、配当金の支払額が9億2千3百万円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動の財源は営業活動から得る収益となっております。設備投資や運転資本充当や配当の支払いなどに利用しております。また、持続的な事業拡大にむけて必要な資金についても営業活動から得る収益の範囲で行っております。
当連結会計年度の現金及び預金残高が145億7千5百万円であり、当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。また、新型コロナウイルス感染症を起因とする懸念も少ないと判断しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、製造原価であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.ユニットハウス事業については見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、総販売実績に対する割合が100分の10以上となる販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症による重要な影響はございません。新型コロナウイルス感染症の影響等、将来の業績予想に反映させることが難しい要素もありますが、入手可能な情報を基に検証などを行っております。
(退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産)
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は発生、変更年度に一時の費用として認識されるため、発生、変更年度に認識される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億6千5百万円増加の499億1千7百万円(前連結会計年度末は469億5千1百万円)となりました。
流動資産は251億5千9百万円(前連結会計年度末は262億3百万円)となりました。これは主に、現金及び預金が11億4千3百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、247億5千7百万円(前連結会計年度末は207億4千8百万円)となりました。これは主に、投資有価証券が31億4千2百万円増加したこと等によるものであります。
当社グループは、鉄骨を主構造とするユニットハウス、プレハブ・システム建築の製造・販売及び請負工事業をコア事業として営んでおります。コア事業の拡大と事業効率の向上によって、当社グループ事業全体の発展を図るとともに、全国すべての地域において貢献できる企業としての確固たる事業基盤を構築するために、取引先との協力関係の更なる強化及び構築を進めております。取引先との協業の更なる発展及び安定的な事業基盤構築のための関係構築及び関係強化を取引先と株式相互保有方針を確認しながら進めております。また、ユニットハウス事業の主要資産である貸与資産は、前連結会計年度の減少から反転して増加しています。これは中古資産を政策的に抑制し、自社工場の生産能力増強効果で生産棟数を拡大させたことによります。ユニットハウス事業は現況において、収益のコア事業であり、販売収入・レンタル収入の強化とともに、貸与資産の増加に今後も取り組んでまいります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億8千3百万円増加の52億3千9百万円(前連結会計年度末は40億5千5百万円)となりました。
流動負債は50億5千9百万円(前連結会計年度末は38億9千5百万円)となりました。これは主に、未払金が9億6千8百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1億7千9百万円(前連結会計年度末は1億5千9百万円)となりました。
負債合計は、未払金の増加以外の流動負債、また、固定負債に特筆すべき事項はありません。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億8千2百万円増加の446億7千8百万円(前連結会計年度末は428億9千6百万円)となりました。これは主に、資本剰余金が15億4千6百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の91.3%から1.8%低下し、当連結会計年度末においては、89.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ6億7千4百万円増加の290億1千8百万円となりました。
前連結会計年度比においては、モジュール・システム建築事業が11.2%の増加、ユニットハウス事業が1.9%の増加となりましたが、建設機械レンタル事業は16.1%の減少となりました。モジュール・システム建築事業は第二のコア事業に育てる過程の成果であり、ユニットハウス事業は収益のコア事業であったなかで、レンタルの事業生産性が向上した成果であります。建設機械レンタル事業は受注高を伸ばすために地域密着営業活動を強化してまいります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前連結会計年度に比べ6億5千5百万円増加の179億8千3百万円となりました。
売上高の伸張と売上原価の伸張は比例的に推移しております。当連結会計年度の原価率は62.0%、前連結会計年度は61.1%と0.8%増加となりました。モジュール・システム建築事業の原価率は比較的に高い傾向にあるため、売上高が伸張したことに伴い、当連結会計年度の売上原価が伸張している以外に、売上原価に特筆すべき事項はありません。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億7千7百万円増加の74億9千8百万円となりました。
売上高の伸張と販売費及び一般管理費の伸張は比例的に推移しております。
前連結会計年度に比べ比較的に増加している広告宣伝費は、ブランディングを狙いテレビCMを開始しております。運送費はユニットハウス事業の旺盛なレンタル対応に向けた物流体制を構築するうえで、稼働ピークを迎える時期の前から、計画的に自社工場より不足予定地域へ運送したことにより増加しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末に比べ5億2千7百万円減少の21億5百万円となりました。
営業外収益、営業外費用、特別利益、において特筆すべき事項はありません。
特別損失において、投資有価証券評価損が4億1千2百万円となりました。
当社グループのセグメントの概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としましては、公共工事予算ならびに民間設備投資金額の推移があります。公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は横ばいとなりました。2020年の東京オリンピック開催に向けた建設需要が具体的に発注されてきており、年明け以前までは経済好循環から、企業業績の改善がさらに進み、経営環境は安定しておりました。
しかしながら、年明け以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、緊急事態宣言は全面解除となったものの、第2波、第3波の懸念など、急速に悪化し始めております。
なお、主要な取り組みの成績の認識としましては、民間受注と官公庁受注の売上高計画達成率は50.0%、展示場受注の売上計画達成率は75.0%となっており、当社グループは、着実に売上高計画を達成すべく、技術者の育成に着眼をおき、社員の資格取得を積極的に支援することで技術者不足の解消に努めてまいります。また、モジュール・システム建築事業のさらなる拡大のためのM&Aや協業体制の推進による人材確保や人材の効率化を図ります。
レンタル事業における主要な取り組み成績の認識としましては、保有数量計画達成率は90.6%、稼働率計画達成率は83.6%となっており、計画を達成すべく豊富な手元資金を背景に、拡大する需要に対応し、積極的な貸与資産への設備投資実行とスピード感をもって取り組んでまいります。
ユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業が低層建築市場における「軽量鉄骨ゼネコン」の確立を目指してまいります。
c.資金の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、設備投資や投資から回収まで数年を要する貸与資産などの長期資金需要と、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
当社の資本の財源及び流動性については、事業活動に必要な現金を安定的に確保することを基本としております。
資金調達につきましては自己資金を基本としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の経営成績の状況
| (単位:百万円) | |||||
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に 帰属する 当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 (円、銭) | |
| 当連結会計年度 | 29,018 | 3,536 | 3,717 | 2,105 | 135.78 |
| 前連結会計年度 | 28,344 | 3,794 | 3,979 | 2,632 | 176.51 |
| 前年同期間増減率(%) | 2.4 | △6.8 | △6.6 | △20.0 | △23.1 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用、所得環境の改善が続くなかで、政府の各種政策や日銀による経済、金融政策等の効果などもあって、ひきつづいて回復軌道を歩んでおりました。その一方で、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税増税の影響や消費者マインドの動向などに留意が必要な状況にありました。建設業界における受注環境は、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は横ばいとなりました。しかし年明け以降は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、企業の業況判断は急速に悪化し始めていますが、当社グループ経営成績等に大きな影響は出ておりません。
こうした中、当社グループは堅調な民間設備投資を背景に、モジュール・システム建築の技術、ノウハウを活用し、工場、倉庫、店舗等の受注を拡大していきました。その一方で、人材育成投資を積極的に推し進めるための資格取得支援制度の拡充やTVコマーシャルによるブランディングにも注力してまいりました。
ユニットハウス事業においては、拡大するレンタル需要に対応すべく、自社工場の生産能力増強に加え、委託工場の強化による相乗効果で生産数を拡大してまいりました。さらに旺盛なレンタル需要に対応するため、中古売却を政策的に抑制しております。
その結果、当連結会計年度における売上高は290億1千8百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は35億3千6百万円(前年同期比6.8%減)、経常利益は37億1千7百万円(前年同期比6.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億5百万円(前年同期比20.0%減)となりました。
セグメント別の概要は次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 報告セグメント | 調整額 | 連結損益計算書計上額 | ||||
| ユニット ハウス事業 | モジュール・システム建築事業 | 建設機械 レンタル事業 | 計 | |||
| 売上高 | 22,826 | 4,920 | 1,272 | 29,018 | - | 29,018 |
| 営業利益 | 3,676 | 392 | 12 | 4,082 | △545 | 3,536 |
(ユニットハウス事業)
ユニットハウス事業におきましては、販売は常設展示場での特注ハウスの品揃え強化や、展示会の開催や各種キャンペーンの強化実施に努めました。レンタルは、旺盛な需要に対応するため、自社工場の生産能力増強で生産棟数の拡大及び中古売却を抑制しております。昨年度に導入した物流体制の効率化もあり、通年を通して高い稼働率で推移しました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、オリンピック開催が一年繰り延べとなり、関連受注案件の引き渡しも繰り延べとなりました。
その結果、当事業のセグメント売上高は228億2千6百万円(前年同期比1.9%増)となりました。またセグメント利益は、中古売却を抑制しましたが、レンタル稼働率向上などしたことにより36億7千6百万円(前年同期比2.9%増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
(モジュール・システム建築事業)
モジュール・システム建築事業におきましては、規格建築の特性である「短納期」「低コスト」を武器に需要堅調な民間向けの事務所、倉庫、工場に注力し活動してまいりました。また、製品については標準化をさらに加速させ、規格統一による効率化とコスト削減にも努めてまいりました。海外におきましては、タイでは日系企業進出に伴う事務所建築だけでなく、既存建物の営繕工事や外構工事等幅広い工事受注を推し進めてまいりました。
その結果、当事業のセグメント売上高は、49億2千万円(前年同期比11.2%増)となりました、また、セグメント利益は原価率の改善と現場管理の徹底による販売管理費低減により、3億9千2百万円(前年同期比11.3%増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
(建設機械レンタル事業)
建設機械レンタル事業におきましては、営業エリアである北海道南部建設市場の公共工事発注金額に減少傾向が見られる中、北海道地震の災害復旧の受注に努めてまいりました。
そのような中、地域に密着した営業活動の強化と貸与資産管理の緻密化と資産効率の向上を図ってまいりましたが、当事業のセグメント売上高は12億7千2百万円(前年同期比16.1%減)となりました。また、セグメント利益については、レンタル受注の減少をレンタル資産の回転率向上を図りましたが、1千2百万円(前年同期比94.0%減)となりました。また、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は表れておりません。
今後の新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式が政府より示され、オフィスなどのスペースを広くとる新しいスタイルに変化することも予想されます。このような新しい生活様式に対応するための準備を進めてまいります。
当期の財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億4千3百万円減少し、251億5千9百万円となりました。その主な要因は、商品及び製品が3億1千1百万円増加した一方、現金及び預金が11億4千3百万円、受取手形及び売掛金が2億6千7百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ40億9百万円増加し、247億5千7百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が31億4千2百万円、繰延税金資産が3億3千8百万円、貸与資産が2億7千6百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ29億6千5百万円増加し、499億1千7百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ11億6千4百万円増加し、50億5千9百万円となりました。その主な要因は、未払金が9億6千8百万円、未払法人税等が1億5千3百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1千9百万円増加し、1億7千9百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億8千3百万円増加し、52億3千9百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億8千2百万円増加し、446億7千8百万円となりました。その主な要因は、資本剰余金が15億4千6百万円、利益剰余金が11億8千2百万円それぞれ増加した一方、自己株式が5億3百万円増加、その他有価証券評価差額金が4億2千7百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は、89.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億4千3百万円減少し、145億7千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、25億4百万円(前年同期比13.9%減)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益が31億9千5百万円、減価償却費が31億6千9百万円等であり、主な減少要因は貸与資産の取得による支出が31億6千9百万円、法人税等の支払額が11億1千6百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は34億9千3百万円(前年同期比98.3%増)となりました。主な支出要因は投資有価証券の取得による支出が31億7千5百万円、社用資産の取得による支出が2億7千4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1億6千3百万円となりました。増加要因は自己株式の処分による収入が18億1千8百万円であり、主な減少要因は自己株式取得による支出が10億4千9百万円、配当金の支払額が9億2千3百万円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの事業活動の財源は営業活動から得る収益となっております。設備投資や運転資本充当や配当の支払いなどに利用しております。また、持続的な事業拡大にむけて必要な資金についても営業活動から得る収益の範囲で行っております。
当連結会計年度の現金及び預金残高が145億7千5百万円であり、当社グループの事業活動を円滑に維持して行く上で十分な手許資金を有しており、将来の資金需要に対しても不足が生じる懸念は少ないと判断しております。また、新型コロナウイルス感染症を起因とする懸念も少ないと判断しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ユニットハウス事業(百万円) | 5,930 | 128.7 |
| モジュール・システム建築事業(百万円) | 547 | 101.7 |
| 合計(百万円) | 6,477 | 125.9 |
(注)1.金額は、製造原価であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| モジュール・システム建築事業 | 3,903 | 75.0 | 668 | 39.6 |
| 合計 | 3,903 | 75.0 | 668 | 39.6 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.ユニットハウス事業については見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| ユニットハウス事業(百万円) | 販売収入 | 9,643 | 99.9 |
| レンタル収入 | 13,182 | 103.4 | |
| 計 | 22,826 | 101.9 | |
| モジュール・システム建築事業(百万円) | 4,920 | 111.2 | |
| 建設機械レンタル事業(百万円) | 1,272 | 83.9 | |
| 合計(百万円) | 29,018 | 102.4 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、総販売実績に対する割合が100分の10以上となる販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症による重要な影響はございません。新型コロナウイルス感染症の影響等、将来の業績予想に反映させることが難しい要素もありますが、入手可能な情報を基に検証などを行っております。
(退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産)
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は発生、変更年度に一時の費用として認識されるため、発生、変更年度に認識される退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億6千5百万円増加の499億1千7百万円(前連結会計年度末は469億5千1百万円)となりました。
流動資産は251億5千9百万円(前連結会計年度末は262億3百万円)となりました。これは主に、現金及び預金が11億4千3百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、247億5千7百万円(前連結会計年度末は207億4千8百万円)となりました。これは主に、投資有価証券が31億4千2百万円増加したこと等によるものであります。
当社グループは、鉄骨を主構造とするユニットハウス、プレハブ・システム建築の製造・販売及び請負工事業をコア事業として営んでおります。コア事業の拡大と事業効率の向上によって、当社グループ事業全体の発展を図るとともに、全国すべての地域において貢献できる企業としての確固たる事業基盤を構築するために、取引先との協力関係の更なる強化及び構築を進めております。取引先との協業の更なる発展及び安定的な事業基盤構築のための関係構築及び関係強化を取引先と株式相互保有方針を確認しながら進めております。また、ユニットハウス事業の主要資産である貸与資産は、前連結会計年度の減少から反転して増加しています。これは中古資産を政策的に抑制し、自社工場の生産能力増強効果で生産棟数を拡大させたことによります。ユニットハウス事業は現況において、収益のコア事業であり、販売収入・レンタル収入の強化とともに、貸与資産の増加に今後も取り組んでまいります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11億8千3百万円増加の52億3千9百万円(前連結会計年度末は40億5千5百万円)となりました。
流動負債は50億5千9百万円(前連結会計年度末は38億9千5百万円)となりました。これは主に、未払金が9億6千8百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1億7千9百万円(前連結会計年度末は1億5千9百万円)となりました。
負債合計は、未払金の増加以外の流動負債、また、固定負債に特筆すべき事項はありません。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億8千2百万円増加の446億7千8百万円(前連結会計年度末は428億9千6百万円)となりました。これは主に、資本剰余金が15億4千6百万円増加したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の91.3%から1.8%低下し、当連結会計年度末においては、89.5%となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ6億7千4百万円増加の290億1千8百万円となりました。
前連結会計年度比においては、モジュール・システム建築事業が11.2%の増加、ユニットハウス事業が1.9%の増加となりましたが、建設機械レンタル事業は16.1%の減少となりました。モジュール・システム建築事業は第二のコア事業に育てる過程の成果であり、ユニットハウス事業は収益のコア事業であったなかで、レンタルの事業生産性が向上した成果であります。建設機械レンタル事業は受注高を伸ばすために地域密着営業活動を強化してまいります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前連結会計年度に比べ6億5千5百万円増加の179億8千3百万円となりました。
売上高の伸張と売上原価の伸張は比例的に推移しております。当連結会計年度の原価率は62.0%、前連結会計年度は61.1%と0.8%増加となりました。モジュール・システム建築事業の原価率は比較的に高い傾向にあるため、売上高が伸張したことに伴い、当連結会計年度の売上原価が伸張している以外に、売上原価に特筆すべき事項はありません。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億7千7百万円増加の74億9千8百万円となりました。
売上高の伸張と販売費及び一般管理費の伸張は比例的に推移しております。
前連結会計年度に比べ比較的に増加している広告宣伝費は、ブランディングを狙いテレビCMを開始しております。運送費はユニットハウス事業の旺盛なレンタル対応に向けた物流体制を構築するうえで、稼働ピークを迎える時期の前から、計画的に自社工場より不足予定地域へ運送したことにより増加しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末に比べ5億2千7百万円減少の21億5百万円となりました。
営業外収益、営業外費用、特別利益、において特筆すべき事項はありません。
特別損失において、投資有価証券評価損が4億1千2百万円となりました。
当社グループのセグメントの概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としましては、公共工事予算ならびに民間設備投資金額の推移があります。公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資は横ばいとなりました。2020年の東京オリンピック開催に向けた建設需要が具体的に発注されてきており、年明け以前までは経済好循環から、企業業績の改善がさらに進み、経営環境は安定しておりました。
しかしながら、年明け以降は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、緊急事態宣言は全面解除となったものの、第2波、第3波の懸念など、急速に悪化し始めております。
なお、主要な取り組みの成績の認識としましては、民間受注と官公庁受注の売上高計画達成率は50.0%、展示場受注の売上計画達成率は75.0%となっており、当社グループは、着実に売上高計画を達成すべく、技術者の育成に着眼をおき、社員の資格取得を積極的に支援することで技術者不足の解消に努めてまいります。また、モジュール・システム建築事業のさらなる拡大のためのM&Aや協業体制の推進による人材確保や人材の効率化を図ります。
レンタル事業における主要な取り組み成績の認識としましては、保有数量計画達成率は90.6%、稼働率計画達成率は83.6%となっており、計画を達成すべく豊富な手元資金を背景に、拡大する需要に対応し、積極的な貸与資産への設備投資実行とスピード感をもって取り組んでまいります。
ユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業が低層建築市場における「軽量鉄骨ゼネコン」の確立を目指してまいります。
c.資金の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、設備投資や投資から回収まで数年を要する貸与資産などの長期資金需要と、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
当社の資本の財源及び流動性については、事業活動に必要な現金を安定的に確保することを基本としております。
資金調達につきましては自己資金を基本としております。