有価証券報告書-第50期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい
う。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2018年6月29日現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。
②経営成績の状況
日本の労働市場では求人倍率が上昇し、人手不足が益々顕著になってきました。同時に長時間労働、残業未払い、パワーハラスメント・セクシャルハラスメントなど、労務に関わる事柄が社会問題として顕在化してきています。これらは会社や仕事に対する社員のモチベーションを通じて、サービス業である当社の業績を直接左右するものです。同時に、これらの課題にどう対処するかによって、企業としての品格が問われます。当社はこれらにしっかりと対処していくことが企業価値の向上に資すると考え、「人に関する施策」として、コミュニケーション、フェアな評価、働きやすい職場、処遇のそれぞれの分野で、様々な施策を実施しています。例えば、
Ⓐ長時間労働をコンプライアンスの問題としてとらえ、事業所単位でその撲滅に取り組み、その成果がでてきました。
Ⓑワークライフバランスの実現やフェアな処遇の観点から、残業時間の削減に取り組んでいます。価値の低い仕事や生産性が低いために残業となっている仕事は徹底的に削減する一方で、生産性改善に取り組み、その成果を基本給・時給、ボーナスとして社員に還元しています。
Ⓒ上述の長時間労働、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどのコンプライアンス問題は、すべての会議で最初に確認することをルール化し実行しています。
これらの取り組みは着実に成果を上げており、そのことは社員意識調査のスコア向上や離職率の低下に現れつつあります。
また、急速な高齢化に伴う介護市場の拡大が続いています。この機会を最大限に活用するため、医療関連受託事業が生み出すキャッシュを活用して、M&Aによる事業拡大を継続しています。2018年3月期に完了した買収は、件数で9件、売上で90億円規模になりました。その結果、事業規模は1.8倍になり、翌期の売上・利益の成長を確実なものにしました。
これらの取り組みの結果、2018年3月期は過去最高の売上高及び営業利益を更新することができました。売上高は、医療関連受託事業及び介護・保育事業がともに好調に推移し、前期比13.6%増の74,329百万円となりました。営業利益も両事業の増益により前期比14.6%増の4,188百万円となりました。営業利益率は、介護事業の利益率が企業買収に伴い発生したデューデリジェンス費用や仲介手数料等の一時費用により低下しましたが、医療関連受託事業の利益率が上昇したことにより、2017年3月期と同水準の5.6%を維持しました。経常利益は前期比14.8%増の4,164百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9.6%増の2,710百万円となりました。
このように主力事業がともに順調に推移し、経営ビジョンで掲げた売上高1,000億円、営業利益70億円は、達成が視野に入ってきました。そのため2018年2月に新たな経営ビジョンを策定し、売上高3,000億円、営業利益200億円を掲げました。
なお、事業セグメント別の状況は次のとおりです。
(医療関連受託事業)
2017年3月期に引き続き、生産性とクオリティーの改善に取り組みました。生産性とクオリティーの改善には、Ⓐ人材の能力向上、Ⓑチームプロセスの改善、ⒸICTなど業務支援ツールの活用等の手段があります。当社はこれら全てに取り組んでいますが、2018年3月期はⒶとⒷが、医療関連受託事業において大きな成果につながりはじめました。
「クオリティーと生産性の改善はトレーニングで実現できる」という考えの下、トレーニングを業務の一環として位置付け、チームの成果を左右するリーダー層に対するトレーニングを積極的に行いました。ブロック長、支社長、病院マネージャー等500名を超えるリーダー層を対象に毎月実施してきました。それが様々な業務プロセスの改善を通じて生産性の向上につながり、利益率が上昇しました。また、生産性改善の成果の一部を処遇改善として社員に還元しました。まだまだ十分ではありませんが、そのことが社員のモチベーションの向上を通じて更なる生産性の改善につながる良い循環が生まれつつあります。
これらの取り組みや成果は、業績にも表れました。売上高は前期比5.5%増の53,601百万円、営業利益は前期比13.1%増の5,601百万円、営業利益率は前期比0.7ポイント上昇し、10.4%となりました。
(介護・保育事業)
2018年3月期は、介護事業において9件のM&Aを行いました。中でも、2017年10月末にベストケア株式会社(以降「ベストケア」)、同年11月末に株式会社日本ケアリンク(以降「ケアリンク」)を子会社化したことにより、事業規模が一気に拡大しました。買収直後からスムースな統合とシナジーの早期実現に向けて取り組みを開始しました。
当社グループは全ての事業所の運営状況を毎月個別にトラッキングし、課題や問題に素早く対処しています。事業所を開設時期・買収時期別にみると、2017年3月期に開設・買収した事業所は、全体として計画に沿った業績を達成しており、買収後の統合プロセスもうまく機能したと判断しています。2016年3月期以前に開設・買収した事業所では、訪問介護等の在宅系サービスを中心に利用者数が増加しました。
保育事業では、認証保育所を認可保育所に移行することによる園児数の増加を図っています。その一時費用の発生により、2018年3月期の営業利益は減少しましたが、2018年4月から3施設を認可保育所に移行し業績拡大の準備が整いました。
以上の結果、介護・保育事業の売上高は前期比45.0%増の20,095百万円となりました。営業利益は、事業買収及び企業買収に伴い発生したデューデリジェンス費用や仲介手数料等の一時費用を吸収し、前期比18.3%増の1,046百万円となりました。営業利益率は、上記一時費用の増加等により前期比1.2ポイント低下し、5.2%となりました。
(その他)
教育事業の売上高は前期比13.8%減の632百万円となりました。これは、資格試験の受験者数が減少したこと等によるものです。
キャリアセンターにおいては、人材採用及び育成に関わる施策をさらに強化しました。採用プロセスの改善に係る投資及びトレーニングの積極的な実施等により費用が増加し、営業損失は328百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
好調な事業活動を背景に、営業活動によるキャッシュ・フローが5,068百万円のプラスとなりました。一方、ベストケアやケアリンクをはじめとした積極的なM&Aの実施に伴い、投資活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを上回る6,375百万円のマイナスとなりました。これをカバーするため借入金による調達を行い、財務活動によるキャッシュ・フローは3,018百万円のプラスとなりました。
以上の結果、2018年3月期末における現金及び現金同等物は7,678百万円と2017年3月期末に比べ1,711百万円増加しました。
④財政状態の状況
2017年10月末及び11月末に、ベストケア、ケアリンクの2社を子会社化したことに伴い、連結貸借対照表の資産の部においてのれんが発生するとともに、両社が保有している事業所設備、売上債権等が加わりました。一方、負債の部においては、子会社化のための資金を新たな借入金により調達したこと及び両社が保有していた借入等が加わりました。
この結果、当連結会計年度末の総資産は37,703百万円、負債合計は25,831百万円となり、2017年3月末に比べそれぞれ13,900百万円、12,286百万円増加しました。
純資産は11,871百万円となり、2017年3月末に比べ1,614百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上する一方、剰余金の配当を実施したことによるものです。
⑤生産、受注及び販売の実績
[生産実績]
該当事項はありません。
[受注実績]
該当事項はありません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい
う。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2018年6月29日現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。
②経営成績の状況
日本の労働市場では求人倍率が上昇し、人手不足が益々顕著になってきました。同時に長時間労働、残業未払い、パワーハラスメント・セクシャルハラスメントなど、労務に関わる事柄が社会問題として顕在化してきています。これらは会社や仕事に対する社員のモチベーションを通じて、サービス業である当社の業績を直接左右するものです。同時に、これらの課題にどう対処するかによって、企業としての品格が問われます。当社はこれらにしっかりと対処していくことが企業価値の向上に資すると考え、「人に関する施策」として、コミュニケーション、フェアな評価、働きやすい職場、処遇のそれぞれの分野で、様々な施策を実施しています。例えば、
Ⓐ長時間労働をコンプライアンスの問題としてとらえ、事業所単位でその撲滅に取り組み、その成果がでてきました。
Ⓑワークライフバランスの実現やフェアな処遇の観点から、残業時間の削減に取り組んでいます。価値の低い仕事や生産性が低いために残業となっている仕事は徹底的に削減する一方で、生産性改善に取り組み、その成果を基本給・時給、ボーナスとして社員に還元しています。
Ⓒ上述の長時間労働、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどのコンプライアンス問題は、すべての会議で最初に確認することをルール化し実行しています。
これらの取り組みは着実に成果を上げており、そのことは社員意識調査のスコア向上や離職率の低下に現れつつあります。
また、急速な高齢化に伴う介護市場の拡大が続いています。この機会を最大限に活用するため、医療関連受託事業が生み出すキャッシュを活用して、M&Aによる事業拡大を継続しています。2018年3月期に完了した買収は、件数で9件、売上で90億円規模になりました。その結果、事業規模は1.8倍になり、翌期の売上・利益の成長を確実なものにしました。
これらの取り組みの結果、2018年3月期は過去最高の売上高及び営業利益を更新することができました。売上高は、医療関連受託事業及び介護・保育事業がともに好調に推移し、前期比13.6%増の74,329百万円となりました。営業利益も両事業の増益により前期比14.6%増の4,188百万円となりました。営業利益率は、介護事業の利益率が企業買収に伴い発生したデューデリジェンス費用や仲介手数料等の一時費用により低下しましたが、医療関連受託事業の利益率が上昇したことにより、2017年3月期と同水準の5.6%を維持しました。経常利益は前期比14.8%増の4,164百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9.6%増の2,710百万円となりました。
このように主力事業がともに順調に推移し、経営ビジョンで掲げた売上高1,000億円、営業利益70億円は、達成が視野に入ってきました。そのため2018年2月に新たな経営ビジョンを策定し、売上高3,000億円、営業利益200億円を掲げました。
なお、事業セグメント別の状況は次のとおりです。
(医療関連受託事業)
2017年3月期に引き続き、生産性とクオリティーの改善に取り組みました。生産性とクオリティーの改善には、Ⓐ人材の能力向上、Ⓑチームプロセスの改善、ⒸICTなど業務支援ツールの活用等の手段があります。当社はこれら全てに取り組んでいますが、2018年3月期はⒶとⒷが、医療関連受託事業において大きな成果につながりはじめました。
「クオリティーと生産性の改善はトレーニングで実現できる」という考えの下、トレーニングを業務の一環として位置付け、チームの成果を左右するリーダー層に対するトレーニングを積極的に行いました。ブロック長、支社長、病院マネージャー等500名を超えるリーダー層を対象に毎月実施してきました。それが様々な業務プロセスの改善を通じて生産性の向上につながり、利益率が上昇しました。また、生産性改善の成果の一部を処遇改善として社員に還元しました。まだまだ十分ではありませんが、そのことが社員のモチベーションの向上を通じて更なる生産性の改善につながる良い循環が生まれつつあります。
これらの取り組みや成果は、業績にも表れました。売上高は前期比5.5%増の53,601百万円、営業利益は前期比13.1%増の5,601百万円、営業利益率は前期比0.7ポイント上昇し、10.4%となりました。
(介護・保育事業)
2018年3月期は、介護事業において9件のM&Aを行いました。中でも、2017年10月末にベストケア株式会社(以降「ベストケア」)、同年11月末に株式会社日本ケアリンク(以降「ケアリンク」)を子会社化したことにより、事業規模が一気に拡大しました。買収直後からスムースな統合とシナジーの早期実現に向けて取り組みを開始しました。
当社グループは全ての事業所の運営状況を毎月個別にトラッキングし、課題や問題に素早く対処しています。事業所を開設時期・買収時期別にみると、2017年3月期に開設・買収した事業所は、全体として計画に沿った業績を達成しており、買収後の統合プロセスもうまく機能したと判断しています。2016年3月期以前に開設・買収した事業所では、訪問介護等の在宅系サービスを中心に利用者数が増加しました。
保育事業では、認証保育所を認可保育所に移行することによる園児数の増加を図っています。その一時費用の発生により、2018年3月期の営業利益は減少しましたが、2018年4月から3施設を認可保育所に移行し業績拡大の準備が整いました。
以上の結果、介護・保育事業の売上高は前期比45.0%増の20,095百万円となりました。営業利益は、事業買収及び企業買収に伴い発生したデューデリジェンス費用や仲介手数料等の一時費用を吸収し、前期比18.3%増の1,046百万円となりました。営業利益率は、上記一時費用の増加等により前期比1.2ポイント低下し、5.2%となりました。
(その他)
教育事業の売上高は前期比13.8%減の632百万円となりました。これは、資格試験の受験者数が減少したこと等によるものです。
キャリアセンターにおいては、人材採用及び育成に関わる施策をさらに強化しました。採用プロセスの改善に係る投資及びトレーニングの積極的な実施等により費用が増加し、営業損失は328百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
好調な事業活動を背景に、営業活動によるキャッシュ・フローが5,068百万円のプラスとなりました。一方、ベストケアやケアリンクをはじめとした積極的なM&Aの実施に伴い、投資活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを上回る6,375百万円のマイナスとなりました。これをカバーするため借入金による調達を行い、財務活動によるキャッシュ・フローは3,018百万円のプラスとなりました。
以上の結果、2018年3月期末における現金及び現金同等物は7,678百万円と2017年3月期末に比べ1,711百万円増加しました。
④財政状態の状況
2017年10月末及び11月末に、ベストケア、ケアリンクの2社を子会社化したことに伴い、連結貸借対照表の資産の部においてのれんが発生するとともに、両社が保有している事業所設備、売上債権等が加わりました。一方、負債の部においては、子会社化のための資金を新たな借入金により調達したこと及び両社が保有していた借入等が加わりました。
この結果、当連結会計年度末の総資産は37,703百万円、負債合計は25,831百万円となり、2017年3月末に比べそれぞれ13,900百万円、12,286百万円増加しました。
純資産は11,871百万円となり、2017年3月末に比べ1,614百万円増加しました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上する一方、剰余金の配当を実施したことによるものです。
⑤生産、受注及び販売の実績
[生産実績]
該当事項はありません。
[受注実績]
該当事項はありません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 医療関連受託事業(百万円) | 53,601 | +5.5% |
| 介護・保育事業(百万円) | 20,095 | +45.0% |
| 報告セグメント計(百万円) | 73,696 | +13.9% |
| その他(百万円) | 632 | △13.8% |
| 合計(百万円) | 74,329 | +13.6% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。