有価証券報告書-第55期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい
う。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2023年6月28日現在において判断したものです。
2022年度よりセグメントを変更しており、「介護・保育事業」を「介護事業」及び「こども事業」に分離して表示しています。また、前年同期の数値についても新たなセグメントに組み替えて表示しています。
①経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、以下のような状況や変化がありました。
・医療関連受託事業においては、病院を中心とした医療機関における医療事務の外部委託ニーズが安定して推移しました。加えて、2024年4月に施行される「医師の働き方改革」への対応に向けて、医師の事務作業の負担軽減を目的とした医師事務作業補助者の高い派遣ニーズが見られました。
・介護事業においては、高齢化を背景に介護サービスの需要は着実に増加しており、2022年の国内の75歳以上人口は1,937万人となり、前年と比較して72万人増加(出典:総務省「人口推計」)しました。
・新型コロナウイルス感染症の拡大は、引き続き社会・経済や生活環境に大きな影響を与えました。オミクロン株による第7波、第8波は、それまでの波を上回る規模で拡大し、1日の新規感染数が全国で10万人を超える日が続きました。介護業界においても、ご利用者やそのご家族、さらには介護職員の罹患も多く見受けられたほか、デイサービスを中心にご利用者様のサービスの利用控えが顕著に見られました。
・2022年平均の有効求人倍率は1.28倍(季節調整値)と、前年を0.15ポイント上回りました(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」)。雇用の環境は、コロナ禍前には届かないものの、改善傾向にあります。しかしながら、介護分野の有効求人倍率については依然として高い水準にあります。政府も2022年には臨時改定を行うなどして福祉・介護職員への処遇改善に取り組んでいますが、引き続き医療事務・介護・保育業界において適時適切な人材の採用は重要課題となっています。
このような事業環境の中、当社グループは、2022年4月1日に新企業理念を発表しました。今後30年を見据え、向かうべき方向性と大切にすべき価値観を再認識し、新企業理念の下、人とテクノロジーを融合し、新たなビジネスの創出と既存ビジネスの改革、事業を通した社会課題解決への貢献と価値あるサービスを提供し続け、あらゆるステークホルダーの皆様の満足を高めるとともに、持続的な企業価値の向上に努める方針です。
当連結会計年度では、医療DX推進に貢献する新サービスとして、“コミュニケーションは「人」、事務作業は「ICT」”という考えの下、医療機関の外来業務の効率的な運用をサポートする「保険証確認システム」、「診療費後払いシステム(キャッシュレス)」、「顔認証による手ぶら受付システム」、「院内コールセンター(非対面受付)」、「WEB予約システム」等の医療機関への提案を始めました。
介護事業では、科学的根拠に基づく介護の実現に向けて、ネスレ日本株式会社との高齢者の栄養改善効果に関する共同研究(2021年4月より開始)において、デイサービスご利用者への早期で適切な栄養サポートがご利用者の健康悪化リスクの低下につながる可能性があることが確認されました。
介護事業のM&Aでは、その継続的な取り組みの成果が出始めているものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、業績への貢献は限定的であり、介護事業所数は前年度末より15ヶ所増加にとどまりました。
2021年6月に提供を開始した医療DXパッケージ「iisy」(イージー)のサービス第一弾である「リモート医事サービス」では、サービスクオリティの向上やサービス提供体制の確立に向け、先行投資を実施しています。2022年4月には在宅診療版リモート医事サービスの提供を、10月にはレセプトチェックプランの提供を開始しました。サービスニーズは高く、12月には申込契約件数は期初予定の200件を突破しました。2023年2月にはリ モート医事サービスの中期成長のロードマップや目標等、中期方針を発表しました。
当社グループの主要事業である医療関連受託事業、介護事業、こども事業は、いずれもエッセンシャルサービスとして社会機能を維持するために必要不可欠な事業です。特に、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染対策を講じながら顧客の安心・安全を確保するとともに、社員の安全にも十分に留意して事業を継続することが重要な社会的役割を果たすこととなりました。
以上の結果、2022年度は、新型コロナウイルスの影響があったものの、医療関連受託事業、介護事業及びこども事業がともに堅調に推移し、売上高は前年比11.8%増の131,088百万円、営業利益は0.1%増の6,325百万円となり、10年連続の増収増益を達成しました。なお、2022年2月から9月まで、介護職員・保育士等の処遇改善支援補助金(以下、「処遇改善補助金」)の制度が設けられていましたが、処遇改善は売上原価、補助金は営業外収益に計上するため、本処遇改善に伴い営業利益に対して約3.5億円の減益要因となりました。経常利益は前年比7.1%増の6,747百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、介護事業の介護事業所、こども事業の保育施設において収益性が低下し、投資の回収が見込めないと判断したこと等により減損損失664百万円を計上したことや、医療関連受託事業において損害賠償損失引当金繰入額505百万円を計上したこと等により前年比9.4%減の3,172百万円となりました。
2022年度の業績結果は以下のとおりです。
(単位:百万円)
<事業セグメント別の状況>[医療関連受託事業]
医療関連受託事業は、サービスクオリティの維持・向上、生産性の改善を目的としたトレーニングやIT活用等の取り組みを継続的に推進しています。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症再拡大によるコロナ関連業務の受注増加に加え、既存の請負事業や派遣事業の売上が増加したこと等により、売上高は前年比9.1%増の72,029百万円となりました。営業利益は、生産性改善や増収による増益効果があったものの、当社の継続的な取り組みである処遇改善に加え、新型コロナウイルス感染症拡大影響に対応するための費用が発生したこと等により、前年比6.0%増の8,960百万円となりました。
[介護事業]
介護事業は、2021年11月に株式会社プラス(以下、「プラス」)を子会社化したこと等により、売上高は前年比2.0%増の48,536百万円となりました。2022年7月からの新型コロナウイルス感染症の第7波、それに続く第8波の到来で介護サービスの利用控えや施設の休業が再び発生しました。2023年2月以降、新規感染者数の減少に伴い、サービス利用者数は回復傾向にあるものの、第7波、第8波の影響は大きく、当連結会計年度におけるサービス利用者数は前年と比べ減少しました。営業利益は、サービスの利用控えや2022年9月までの処遇改善補助金による減益要因等があったものの、プラスの利益貢献、業務の移管・業務プロセス改善による費用効率化等により、前年比2.1%減の2,521百万円となりました。
[こども事業]
こども事業は、2022年2月に株式会社こころケアプラン及びはぐはぐキッズ株式会社、2022年3月に株式会社なないろの計3社を子会社化したこと等により、売上高は前年比222.6%増の9,930百万円と、大幅な増収となりました。営業利益は、3社の子会社化によるのれん償却費の増加、2022年9月までの処遇改善補助金に伴う減益要因があったものの、園児数増に起因した稼働率改善により、前年比127.2%増の504百万円となりました。
[その他]
教育事業は、2022年4月の診療報酬改定に伴う書籍販売数の増加や通信講座の受講者数増等があったものの、2022年7月以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で資格試験の会場受験の中止や法人向けサービスの営業活動が停滞したこと等により、売上高は減少しました。
スマートホスピタル事業は、2021年6月にリモート医事サービスの提供を開始しています。サービスニーズは、新設クリニックを中心に、都市部にとどまらず離島や無医村まで幅広く顕在しており、申込契約件数は223件と好調に推移しました。損益面では、生産性の改善に一定の効果が表れているものの、引き続き先行投資局面であることにより損失を計上しました。
以上の結果、その他の売上高は前年比14.6%増の591百万円、営業損失は607百万円となりました。
[全社費用]
全社費用は、介護事業における採用業務を本社に統合したことや、2021年7月に稼働を開始した勤怠・給与・販売管理システムに係る減価償却費、その他IT関連投資等により増加し、5,053百万円となりました。
[売上高]
(単位:百万円)
[営業利益]
(単位:百万円、( )内は営業利益率)
[介護事業所数及び保育施設数]
(注)上記<事業セグメント別の状況>に記載している“売上高”は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の“外部顧客への売上高”を、“全社費用”は“調整額”の数値を記載しています。なお、“調整額”は、主に報告セグメントに帰属しない費用等であり、各報告セグメントに配分していないものです。
②キャッシュ・フローの状況
“営業活動によるキャッシュ・フロー”は、税金等調整前当期純利益5,418百万円に、回収早期化による売上債権の減少、のれん償却額等の非資金費用の計上及び法人税等の支払額等を加減した結果、9,012百万円の収入となりました。なお、前年は5,519百万円の収入でした。
“投資活動によるキャッシュ・フロー”は、有形固定資産の取得による支出等により、2,171百万円の支出となりました。なお、前年は7,446百万円の支出でした。
“財務活動によるキャッシュ・フロー”は、新規借入と借入金返済による収支差が2,975百万円の支出となったことや配当金の支払額1,891百万円等により、5,211百万円の支出となりました。なお、前年は3,201百万円の収入でした。
以上の結果、“現金及び現金同等物の期末残高”は前年度末より1,628百万円増加し、11,857百万円となりました。
③財政状態の状況
前年度末と比較し、“資産の部”においては、売掛金の回収早期化等に伴い現金及び預金が増加したものの、のれんの償却により無形固定資産が減少したこと等により、資産合計は892百万円減少しました。
“負債の部”においては、長期借入金の増加、短期借入金や1年内返済予定の長期借入金の減少等を加減した結果、負債合計は2,315百万円減少しました。
“純資産の部”においては、配当金の支払が1,892百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益3,172百万円を計上したこと等により、純資産は1,423百万円増加しました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは中長期的な成長に向けて、介護事業のM&Aやスマートホスピタル事業等への投資を積極的に推進していきたいと考えています。これらの資金需要には、営業活動から得た自己資金を最優先として対応する予定です。不足する分については、資本効率やリスク管理に配慮しながら、金融機関からの借入等を活用する予定です。
なお、今後の積極的なM&Aを支えるための安定的な資金調達を目的として、金融機関と総額100億円の当座貸越契約を締結しています。
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、これらの見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
⑥生産、受注及び販売の実績
[生産実績]
該当事項はありません。
[受注実績]
該当事項はありません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい
う。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日2023年6月28日現在において判断したものです。
2022年度よりセグメントを変更しており、「介護・保育事業」を「介護事業」及び「こども事業」に分離して表示しています。また、前年同期の数値についても新たなセグメントに組み替えて表示しています。
①経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、以下のような状況や変化がありました。
・医療関連受託事業においては、病院を中心とした医療機関における医療事務の外部委託ニーズが安定して推移しました。加えて、2024年4月に施行される「医師の働き方改革」への対応に向けて、医師の事務作業の負担軽減を目的とした医師事務作業補助者の高い派遣ニーズが見られました。
・介護事業においては、高齢化を背景に介護サービスの需要は着実に増加しており、2022年の国内の75歳以上人口は1,937万人となり、前年と比較して72万人増加(出典:総務省「人口推計」)しました。
・新型コロナウイルス感染症の拡大は、引き続き社会・経済や生活環境に大きな影響を与えました。オミクロン株による第7波、第8波は、それまでの波を上回る規模で拡大し、1日の新規感染数が全国で10万人を超える日が続きました。介護業界においても、ご利用者やそのご家族、さらには介護職員の罹患も多く見受けられたほか、デイサービスを中心にご利用者様のサービスの利用控えが顕著に見られました。
・2022年平均の有効求人倍率は1.28倍(季節調整値)と、前年を0.15ポイント上回りました(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」)。雇用の環境は、コロナ禍前には届かないものの、改善傾向にあります。しかしながら、介護分野の有効求人倍率については依然として高い水準にあります。政府も2022年には臨時改定を行うなどして福祉・介護職員への処遇改善に取り組んでいますが、引き続き医療事務・介護・保育業界において適時適切な人材の採用は重要課題となっています。
このような事業環境の中、当社グループは、2022年4月1日に新企業理念を発表しました。今後30年を見据え、向かうべき方向性と大切にすべき価値観を再認識し、新企業理念の下、人とテクノロジーを融合し、新たなビジネスの創出と既存ビジネスの改革、事業を通した社会課題解決への貢献と価値あるサービスを提供し続け、あらゆるステークホルダーの皆様の満足を高めるとともに、持続的な企業価値の向上に努める方針です。
当連結会計年度では、医療DX推進に貢献する新サービスとして、“コミュニケーションは「人」、事務作業は「ICT」”という考えの下、医療機関の外来業務の効率的な運用をサポートする「保険証確認システム」、「診療費後払いシステム(キャッシュレス)」、「顔認証による手ぶら受付システム」、「院内コールセンター(非対面受付)」、「WEB予約システム」等の医療機関への提案を始めました。
介護事業では、科学的根拠に基づく介護の実現に向けて、ネスレ日本株式会社との高齢者の栄養改善効果に関する共同研究(2021年4月より開始)において、デイサービスご利用者への早期で適切な栄養サポートがご利用者の健康悪化リスクの低下につながる可能性があることが確認されました。
介護事業のM&Aでは、その継続的な取り組みの成果が出始めているものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、業績への貢献は限定的であり、介護事業所数は前年度末より15ヶ所増加にとどまりました。
2021年6月に提供を開始した医療DXパッケージ「iisy」(イージー)のサービス第一弾である「リモート医事サービス」では、サービスクオリティの向上やサービス提供体制の確立に向け、先行投資を実施しています。2022年4月には在宅診療版リモート医事サービスの提供を、10月にはレセプトチェックプランの提供を開始しました。サービスニーズは高く、12月には申込契約件数は期初予定の200件を突破しました。2023年2月にはリ モート医事サービスの中期成長のロードマップや目標等、中期方針を発表しました。
当社グループの主要事業である医療関連受託事業、介護事業、こども事業は、いずれもエッセンシャルサービスとして社会機能を維持するために必要不可欠な事業です。特に、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染対策を講じながら顧客の安心・安全を確保するとともに、社員の安全にも十分に留意して事業を継続することが重要な社会的役割を果たすこととなりました。
以上の結果、2022年度は、新型コロナウイルスの影響があったものの、医療関連受託事業、介護事業及びこども事業がともに堅調に推移し、売上高は前年比11.8%増の131,088百万円、営業利益は0.1%増の6,325百万円となり、10年連続の増収増益を達成しました。なお、2022年2月から9月まで、介護職員・保育士等の処遇改善支援補助金(以下、「処遇改善補助金」)の制度が設けられていましたが、処遇改善は売上原価、補助金は営業外収益に計上するため、本処遇改善に伴い営業利益に対して約3.5億円の減益要因となりました。経常利益は前年比7.1%増の6,747百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、介護事業の介護事業所、こども事業の保育施設において収益性が低下し、投資の回収が見込めないと判断したこと等により減損損失664百万円を計上したことや、医療関連受託事業において損害賠償損失引当金繰入額505百万円を計上したこと等により前年比9.4%減の3,172百万円となりました。
2022年度の業績結果は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 2021年度 | 2022年度 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 117,239 | 131,088 | +13,848 | +11.8% |
| 営業利益 (同率) | 6,319 (5.4%) | 6,325 (4.8%) | +5 | +0.1% |
| 経常利益 (同率) | 6,297 (5.4%) | 6,747 (5.1%) | +450 | +7.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (同率) | 3,502 (3.0%) | 3,172 (2.4%) | △329 | △9.4% |
<事業セグメント別の状況>[医療関連受託事業]
医療関連受託事業は、サービスクオリティの維持・向上、生産性の改善を目的としたトレーニングやIT活用等の取り組みを継続的に推進しています。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症再拡大によるコロナ関連業務の受注増加に加え、既存の請負事業や派遣事業の売上が増加したこと等により、売上高は前年比9.1%増の72,029百万円となりました。営業利益は、生産性改善や増収による増益効果があったものの、当社の継続的な取り組みである処遇改善に加え、新型コロナウイルス感染症拡大影響に対応するための費用が発生したこと等により、前年比6.0%増の8,960百万円となりました。
[介護事業]
介護事業は、2021年11月に株式会社プラス(以下、「プラス」)を子会社化したこと等により、売上高は前年比2.0%増の48,536百万円となりました。2022年7月からの新型コロナウイルス感染症の第7波、それに続く第8波の到来で介護サービスの利用控えや施設の休業が再び発生しました。2023年2月以降、新規感染者数の減少に伴い、サービス利用者数は回復傾向にあるものの、第7波、第8波の影響は大きく、当連結会計年度におけるサービス利用者数は前年と比べ減少しました。営業利益は、サービスの利用控えや2022年9月までの処遇改善補助金による減益要因等があったものの、プラスの利益貢献、業務の移管・業務プロセス改善による費用効率化等により、前年比2.1%減の2,521百万円となりました。
[こども事業]
こども事業は、2022年2月に株式会社こころケアプラン及びはぐはぐキッズ株式会社、2022年3月に株式会社なないろの計3社を子会社化したこと等により、売上高は前年比222.6%増の9,930百万円と、大幅な増収となりました。営業利益は、3社の子会社化によるのれん償却費の増加、2022年9月までの処遇改善補助金に伴う減益要因があったものの、園児数増に起因した稼働率改善により、前年比127.2%増の504百万円となりました。
[その他]
教育事業は、2022年4月の診療報酬改定に伴う書籍販売数の増加や通信講座の受講者数増等があったものの、2022年7月以降の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で資格試験の会場受験の中止や法人向けサービスの営業活動が停滞したこと等により、売上高は減少しました。
スマートホスピタル事業は、2021年6月にリモート医事サービスの提供を開始しています。サービスニーズは、新設クリニックを中心に、都市部にとどまらず離島や無医村まで幅広く顕在しており、申込契約件数は223件と好調に推移しました。損益面では、生産性の改善に一定の効果が表れているものの、引き続き先行投資局面であることにより損失を計上しました。
以上の結果、その他の売上高は前年比14.6%増の591百万円、営業損失は607百万円となりました。
[全社費用]
全社費用は、介護事業における採用業務を本社に統合したことや、2021年7月に稼働を開始した勤怠・給与・販売管理システムに係る減価償却費、その他IT関連投資等により増加し、5,053百万円となりました。
[売上高]
(単位:百万円)
| 2021年度 | 2022年度 | 増減 | 増減率 | |
| 医療関連受託事業 | 66,042 | 72,029 | +5,986 | +9.1% |
| 介護事業 | 47,602 | 48,536 | +934 | +2.0% |
| こども事業 | 3,078 | 9,930 | +6,852 | +222.6% |
| その他 | 516 | 591 | +75 | +14.6% |
| 合計 | 117,239 | 131,088 | +13,848 | +11.8% |
[営業利益]
(単位:百万円、( )内は営業利益率)
| 2021年度 | 2022年度 | 増減 | 増減率 | |
| 医療関連受託事業 | 8,450 (12.8%) | 8,960 (12.4%) | +510 | +6.0% |
| 介護事業 | 2,575 (5.4%) | 2,521 (5.2%) | △54 | △2.1% |
| こども事業 | 222 (7.2%) | 504 (5.1%) | +282 | +127.2% |
| その他 | △352 (-) | △607 (-) | △254 | - |
| 全社費用 | △4,575 (-) | △5,053 (-) | △477 | - |
| 合計 | 6,319 (5.4%) | 6,325 (4.8%) | +5 | +0.1% |
[介護事業所数及び保育施設数]
| 2022年3月末 | 2023年3月末 | 増減 | |
| 介護事業所数 | 648 | 663 | +15 |
| 保育施設数 | 66 | 66 | ±0 |
(注)上記<事業セグメント別の状況>に記載している“売上高”は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の“外部顧客への売上高”を、“全社費用”は“調整額”の数値を記載しています。なお、“調整額”は、主に報告セグメントに帰属しない費用等であり、各報告セグメントに配分していないものです。
②キャッシュ・フローの状況
“営業活動によるキャッシュ・フロー”は、税金等調整前当期純利益5,418百万円に、回収早期化による売上債権の減少、のれん償却額等の非資金費用の計上及び法人税等の支払額等を加減した結果、9,012百万円の収入となりました。なお、前年は5,519百万円の収入でした。
“投資活動によるキャッシュ・フロー”は、有形固定資産の取得による支出等により、2,171百万円の支出となりました。なお、前年は7,446百万円の支出でした。
“財務活動によるキャッシュ・フロー”は、新規借入と借入金返済による収支差が2,975百万円の支出となったことや配当金の支払額1,891百万円等により、5,211百万円の支出となりました。なお、前年は3,201百万円の収入でした。
以上の結果、“現金及び現金同等物の期末残高”は前年度末より1,628百万円増加し、11,857百万円となりました。
③財政状態の状況
前年度末と比較し、“資産の部”においては、売掛金の回収早期化等に伴い現金及び預金が増加したものの、のれんの償却により無形固定資産が減少したこと等により、資産合計は892百万円減少しました。
“負債の部”においては、長期借入金の増加、短期借入金や1年内返済予定の長期借入金の減少等を加減した結果、負債合計は2,315百万円減少しました。
“純資産の部”においては、配当金の支払が1,892百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益3,172百万円を計上したこと等により、純資産は1,423百万円増加しました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは中長期的な成長に向けて、介護事業のM&Aやスマートホスピタル事業等への投資を積極的に推進していきたいと考えています。これらの資金需要には、営業活動から得た自己資金を最優先として対応する予定です。不足する分については、資本効率やリスク管理に配慮しながら、金融機関からの借入等を活用する予定です。
なお、今後の積極的なM&Aを支えるための安定的な資金調達を目的として、金融機関と総額100億円の当座貸越契約を締結しています。
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、これらの見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
⑥生産、受注及び販売の実績
[生産実績]
該当事項はありません。
[受注実績]
該当事項はありません。
[販売実績]
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 前年比 |
| 医療関連受託事業 | 72,029 | +9.1% |
| 介護事業 | 48,536 | +2.0% |
| こども事業 | 9,930 | +222.6% |
| 報告セグメント計 | 130,496 | +11.8% |
| その他 | 591 | +14.6% |
| 合計 | 131,088 | +11.8% |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。