四半期報告書-第55期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/04 9:07
【資料】
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【項目】
31項目
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における国内景気については、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展により行動制限が緩和され、経済活動の持直しが期待されたものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化にともなう資源価格の高騰や円安によるインフレの加速等が懸念され、先行きは依然不透明な状況です。
当社グループが属する情報サービス業界では、新たなビジネスモデルの創出や変革に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資ニーズが底堅く、引き続き堅調に推移するものと見込まれます。また、新型コロナウイルスの影響は引き続き残るものの、顧客企業において抑制傾向にあったIT投資の回復基調が続いています。
このような環境のなか、当社グループの業績は、ソフトウェア開発、システム運営管理およびサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育が堅調に推移したため、売上高は72億95百万円(前年同期比11.1%増)となりました。
収益面においては、グループ組織変更にともなう売上原価の増加があったものの、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大、増収にともなう増益などがあり、営業利益は6億30百万円(同115.6%増)、経常利益は6億68百万円(同109.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億72百万円(同160.9%増)となりました。EBITDAは、7億79百万円(同76.3%増)となりました。
なお、当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
当第1四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
前年同期比
増減額増減率(%)
システム運営管理売上高3,0513,2972468.1
売上総利益732758253.5
売上総利益率24.0%23.0%△1.0P
ソフトウェア開発売上高2,4292,74631713.0
売上総利益50961110120.0
売上総利益率21.0%22.3%1.3P
ITインフラ売上高600593△6△1.0
売上総利益14915121.5
売上総利益率24.9%25.5%0.6P
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育売上高4445429721.9
売上総利益1281502117.1
売上総利益率28.8%27.7%△1.1P
その他売上高3911475193.3
売上総利益△91727
売上総利益率15.0%
合計売上高6,5657,29573011.1
売上総利益1,5091,68817811.8
売上総利益率23.0%23.1%0.1P

① システム運営管理
金融関連既存顧客における受注拡大や、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大などにより、売上高は32億97百万円(同8.1%増)となりました。
② ソフトウェア開発
金融関連既存顧客における案件の収束があったものの、大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、公共関連既存顧客における受注拡大、運輸関連既存顧客において延期となっていた大型案件の再開などにより、売上高は27億46百万円(同13.0%増)となりました。
③ ITインフラ
金融関連をはじめとした複数の既存顧客において取引の拡大があったものの、情報通信および公共関連既存顧客における案件の収束などにより、売上高は5億93百万円(同1.0%減)となりました。
④ サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育
サイバーセキュリティにおける製品販売の増加や受注拡大にくわえ、コンサルティングにおける売上の増加などにより、売上高は5億42百万円(同21.9%増)となりました。
⑤ その他
データエントリーおよび製品販売における受注拡大などにより、売上高は1億14百万円(同193.3%増)となりました。
《経営施策の取組み状況》
当社グループは、前中期経営計画において、デジタル技術に精通した技術者育成と各領域におけるサービスの高度化に取り組み、今後に向けた成長基盤を構築しました。そして2023年3月期からは、
①「顧客のDX推進支援の強化」と「自社のソリューション開発」という当社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人財シフト
の3つの基本テーマをもとにさらなる収益性向上を図るべく、中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」(2023年3月期~2025年3月期)を策定しました。
この中期経営計画では上記3つの基本テーマの実現に向けて、「ITサービス戦略」「人財戦略」「ニューノーマル戦略」「SDGs戦略」の4つの基本戦略を掲げています。
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※BP(ビジネスパートナー):プロジェクトをともに遂行していただくITベンダー
① ITサービス戦略
ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努めます。具体的な取組みとして、システム運用部門では、顧客のBCP(事業継続計画)強化・効率化のニーズに対応するため、リモート化と自動化を進めています。また、サイバーセキュリティにフォーカスしたサービスブランド「ID-Ashura(IDアシュラ)」を立ち上げました。当社グループのクラウドサービス「ID-Cross」との相乗効果によりお客さまのDX基盤を強化していきます。
② 人財戦略
DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度のさらなる充実を図り、中上級技術者および企画提案型人財の育成を加速させます。日本型ジョブディスクリプション制度の構築・運用のほか、社内システムを通じた技術ナレッジの社員間での共有を目指しています。具体的な取組みとして、DX関連研修環境を社員に提供し、当第1四半期連結累計期間における受講者数はのべ105名となりました。また、開発部門がクラウド、ローコード、AIの育成プログラムを作成し、社員の資格取得を支援しています。
③ ニューノーマル戦略
社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図ります。グループ全体の生産性を向上させるため、情報共有基盤によるデータ一元管理や、不要業務削減と業務効率について継続的に精査、検討を行っています。また、管理部門要員の事業部門への再配置を進めるとともに、社内システムの最適化設計を開始しました。
④ SDGs戦略
事業活動を通じてサステナビリティへの取組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の好循環を目指します。6月には鳥取県江府町と協定を締結し、行政におけるDX推進および「地方創生SDGs」の達成に向けた地方共生へ取り組んでいます。また、社会貢献活動や文化芸術活動支援として、昨年に引き続き「IDグループ献血DAY」、七夕コンサートを開催しました。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の資産の部は、契約資産の増加3億47百万円および流動資産のその他の増加4億71百万円がありましたが、現金及び預金の減少8億86百万円および売掛金の減少5億21百万円などにより、前連結会計年度末に比べ6億18百万円減少し156億20百万円となりました。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の負債の部は、流動負債のその他が5億50百万円増加しましたが、未払法人税等の減少5億59百万円および賞与引当金の減少4億14百万円などにより、前連結会計年度末に比べ7億16百万円減少し60億75百万円となりました。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産の部は、期末配当金支払いにより3億39百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加3億72百万円および為替換算調整勘定の増加1億1百万円などにより、前連結会計年度末に比べ98百万円増加し95億44百万円となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発の金額は13百万円です。おもな取組みは、スマートグラス活用・メタバース・NFT(Non-Fungible Tokens)の調査、高速セキュアコンテンツアクセスシステムに関する研究および開発などです。また、先端IT技術の情報収集および研究のため、米国ベンチャーキャピタルへの出資を行っています。
なお、当社グループの報告セグメントは「情報サービス事業」の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しています。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループのおもな資本の財源は、内部資金および金融機関からの借入です。当第1四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は13億円、1年内返済予定の長期借入金の残高は4億32百万円、長期借入金の残高は6億16百万円です。
なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行5行と総額20億30百万円の当座貸越契約を締結しています。