四半期報告書-第55期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/03 13:48
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものです。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における国内景気については、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展により行動制限が緩和され、経済活動の持直しが期待されたものの、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化にともなう資源価格の高騰や円安によるインフレの加速等が懸念され、先行きは依然不透明な状況です。
当社グループが属する情報サービス業界では、新たなビジネスモデルの創出や変革に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資ニーズが底堅く、引き続き堅調に推移するものと見込まれます。また、新型コロナウイルスの影響は引き続き残るものの、顧客企業において抑制傾向にあったIT投資の回復基調が続いています。
このような環境のなか、当社グループの業績は、システム運営管理、ソフトウェア開発およびサイバーセキュリティ・コンサルティング・教育が堅調に推移したため、売上高は230億23百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
収益面においては、グループ組織変更にともなう売上原価の増加があったものの、利益率の高いDX関連ビジネスの拡大、増収にともなう増益などがあり、営業利益は18億55百万円(同51.4%増)、経常利益は19億34百万円(同52.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億19百万円(同72.3%増)となりました。EBITDAは、23億9百万円(同36.5%増)となりました。
なお、当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
当第3四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比
増減額増減率(%)
システム運営管理売上高9,05310,1031,04911.6
売上総利益2,1622,210472.2
売上総利益率23.9%21.9%△2.0P
ソフトウェア開発売上高7,6388,54590711.9
売上総利益1,6551,91025515.4
売上総利益率21.7%22.4%0.7P
ITインフラ売上高1,9111,908△2△0.1
売上総利益478477△1△0.3
売上総利益率25.1%25.0%△0.1P
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育売上高1,5152,12260740.1
売上総利益464450△14△3.2
売上総利益率30.7%21.2%△9.5P
その他売上高2773436523.8
売上総利益10340△63△61.4
売上総利益率37.4%11.7%△25.8P
合計売上高20,39623,0232,62712.9
売上総利益4,8665,0882224.6
売上総利益率23.9%22.1%△1.8P

① システム運営管理
大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、金融関連既存顧客における受注拡大などにより、売上高は101億3百万円(同11.6%増)となりました。
② ソフトウェア開発
大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大や、運輸関連既存顧客において延期となっていた大型案件の再開、金融および公共関連既存顧客における受注拡大などにより、売上高は85億45百万円(同11.9%増)となりました。
③ ITインフラ
金融関連既存顧客における取引の拡大があったものの、情報通信および公共関連既存顧客における案件の収束などにより、売上高は19億8百万円(同0.1%減)となりました。
④ サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育
サイバーセキュリティにおける受注拡大や製品の販売増にくわえ、コンサルティングにおける売上の増加などにより、売上高は21億22百万円(同40.1%増)となりました。
⑤ その他
製品販売における前期大口受注の反動減があったものの、データエントリーおよび製品販売における受注拡大などにより、売上高は3億43百万円(同23.8%増)となりました。
《経営施策の取組み状況》
当社グループは、前中期経営計画において、デジタル技術に精通した技術者育成と各領域におけるサービスの高度化に取り組み、今後に向けた成長基盤を構築しました。そして2023年3月期からは、
①「顧客のDX推進支援の強化」と「自社のソリューション開発」という当社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人財シフト
の3つの基本テーマをもとにさらなる収益性向上を図るべく、中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ 『Ride on Time』」(2023年3月期~2025年3月期)を策定しました。
この中期経営計画では上記3つの基本テーマの実現に向けて、「ITサービス戦略」「人財戦略」「ニューノーマル戦略」「SDGs戦略」の4つの基本戦略を掲げています。
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※BP(ビジネスパートナー):プロジェクトをともに遂行していただくITパートナー

① ITサービス戦略
ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努めます。顧客のBCP(事業継続計画)強化・効率化のニーズに対応するため、SaaS型システム運用サービス「Smart運用」を提供しています。さらに、時間と場所にとらわれない運用業務の実現に向けて、メタバースを活用したバーチャルオペレーションセンターのPoC(概念実証)を続けています。また、サイバーセキュリティにフォーカスしたサービスブランド「ID-Ashura(IDアシュラ)」を立ち上げ、顧客のニーズに対応するために10月より、サイバー保険商品付帯の適用を開始しました。
② 人財戦略
DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度のさらなる充実を図り、中上級技術者および企画提案型人財の育成を加速させます。日本型ジョブディスクリプション制度の構築・運用のほか、社内システムを通じた技術ナレッジの社員間での共有を目指しています。具体的な取組みとして、開発部門がクラウド、ローコード、AIの育成プログラムを作成し、社員の資格取得を支援しています。また、DX関連研修環境を社員に提供し、その受講者数は当第3四半期連結累計期間においてのべ402名となりました。
③ ニューノーマル戦略
社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図ります。グループ全体の生産性を向上させるため、情報共有基盤によるデータ一元管理や、ワークフローシステムの刷新検討など社内システムの適正化を進めています。また、管理部門要員の事業部門への再配置を進めるとともに、重複業務の削減や業務シェアの推進を行っています。
④ SDGs戦略
事業活動を通じてサステナビリティへの取組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の好循環を目指します。鳥取県江府町と協定を締結し、行政におけるDX推進および地方共生へ取り組んでいるほか、本社ビルでの使用電力を再生可能エネルギーに変更し、当社グループの温室効果ガス排出量を大幅に削減しました。くわえて、子ども食堂への食品・絵本の寄附等の社会貢献活動やビーチクリーンボランティア等の環境保全活動、クラシックコンサート開催等の文化芸術活動支援を行っています。また、ダイバーシティや人的資本開示への取組みが評価され、日経「スマートワーク経営」調査、「SDGs経営」調査において、それぞれ星3つ半、星3つに2年連続で認定されました。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、現金及び預金の減少6億98百万円およびのれんの償却による減少3億33百万円などがありましたが、契約資産の増加11億38百万円などにより、前連結会計年度末に比べ89百万円増加し163億28百万円となりました。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末の負債の部は、買掛金は1億48百万円増加しましたが、未払法人税等の減少4億59百万円および長期借入金の減少3億25百万円などにより、前連結会計年度末に比べ5億94百万円減少し、61億97百万円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、期末および中間配当金支払による減少6億80百万円がありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益の増加11億19百万円およびその他有価証券評価差額金の増加1億77百万円などにより、前連結会計年度末に比べ6億84百万円増加し、101億31百万円となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は46百万円です。おもな取組みは、スマートグラス・メタバース・NFT(Non-Fungible Token)・高速セキュアコンテンツアクセスシステムに関する研究および開発などです。
また、米国ベンチャーキャピタルや、ブロックチェーン技術に関連する高度技術を持つ株式会社Scalarへの出資を行い、先端IT技術の研究および情報収集をしています。
なお、当社グループの報告セグメントは「情報サービス事業」の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しています。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループのおもな資本の財源は、内部資金および金融機関からの借入です。当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金の残高は13億円、1年内返済予定の長期借入金の残高は4億33百万円、長期借入金の残高は4億円です。
なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行5行と総額20億30百万円の当座貸越契約を締結しています。