有価証券報告書-第58期(2025/04/01-2026/03/31)
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度における国内景気については、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、金融資本市場の変動や米国の通商政策を巡る不確実性など、先行きは依然として不透明な状況です。くわえて、中東情勢の影響にも注視が必要です。
当社グループが属する情報サービス業界では、社会全体のデジタル化にともないIT投資ニーズが引き続き堅調に推移しています。特に、企業の生産性向上や経営課題の解決を目指したAI技術やクラウドソリューションの需要から、社内IT環境の整備やコンサルティングのニーズも拡大しています。また、企業のサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃が増加しており、事業継続を目的としたセキュリティ対策やITガバナンスに関する投資意欲も高まっています。
このような環境のなか、当社グループの業績は、アプリケーション開発、サイバーセキュリティおよびITインフラが堅調に推移したため、売上高は393億71百万円(前年同期比8.5%増)となりました。収益面においては、従業員への還元や、人材育成・確保のための戦略的投資の増加を図りつつ、売上高の増加や売上総利益率の改善、のれん償却額の減少などにより、営業利益は41億28百万円(同9.2%増)、経常利益は42億12百万円(同9.1%増)となりました。また、賃上げ促進税制の適用にともなう税額控除等により、親会社株主に帰属する当期純利益は29億7百万円(同21.7%増)となりました。EBITDAは、45億18百万円(同2.9%増)となりました。
これにより、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は5期連続で増収増益となり、いずれも過去最高を更新しました。
(注):当連結会計年度より、従来のサービス名「ソフトウェア開発」を「アプリケーション開発」に変更、従来のサービス名「サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育」を「サイバーセキュリティ」、「コンサルティング・教育」に分割して記載しています。なお、これらの変更は事業内容の変更をともなうものではありません。
当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
① システムマネジメント
一部案件の縮小やサービス区分の変更による減収があったものの、金融関連顧客や大手ITベンダーを主とした受注拡大および新規案件の開始、価格適正化に向けた単価の見直しなどにより、売上高は155億9百万円(同2.7%増)となりました。
② アプリケーション開発
大手ITベンダーとの連携による新規顧客の獲得や既存顧客における新規案件の開始、金融、製造、エネルギー関連顧客における受注拡大などにより、売上高は137億81百万円(同10.4%増)となりました。
③ ITインフラ
エネルギー、金融、製造関連顧客における受注拡大や、大手ITベンダーとの連携による取引の拡大などにより、売上高は46億99百万円(同11.2%増)となりました。
④ サイバーセキュリティ
サイバー攻撃対策の需要増にともない、官公庁関連をはじめとした複数顧客における受注が拡大し、売上高は31億43百万円(同43.0%増)となりました。
⑤ コンサルティング・教育
一部顧客における案件の終了などにより、売上高は16億59百万円(同7.6%減)となりました。
⑥ その他
エネルギー関連顧客における受注拡大などにより、売上高は5億77百万円(同22.7%増)となりました。
《経営施策の取組み状況》
当社グループは、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ "JUMP!!!"」を策定し、推進しています。当年度は、サービスポートフォリオ戦略および人的資本投資戦略の2つを主として取り組みました。

サービスポートフォリオ戦略について、岩盤事業領域(注1)の収益性改善と、注力事業領域(注2)の事業規模拡大という二軸での飛躍的成長を掲げています。当年度は、岩盤事業領域のうちアプリケーション開発において価格適正化や、事業現場単位での利益改善に向けた見直しを実施した結果、大幅な収益性の改善を実現しました。注力事業領域においては、昨今の市場需要を的確にとらえたサイバーセキュリティ事業の躍進により、売上規模が当初目標を大きく超過達成しました。中期経営計画1年目の進捗が順調に推移していることと、今後の市場動向を踏まえて、2027年3月期の業績予想を当初の計画目標を上回る水準に設定しました。また、アップスキルを推進した結果、3か年での目標225名のうち、54名の注力事業領域への技術者シフトを達成しました。
人的資本投資戦略について、3年間で60億円の投資を目標に掲げています。当年度は17億円の投資実績を達成し、施策としては、グループ全社員に向けたオンライン動画学習サービス「Udemy Business」の開始や、基盤形成期の社員に対するメンター制度の導入など、積極的な人材育成や社員エンゲージメントに向けた取組みを実施しました。
ほかにも顧客接点の確立やグローバル戦略など、当初策定した項目についても引き続き推進していきます。
(注1)岩盤事業領域:システムマネジメント、アプリケーション開発
(注2)注力事業領域:ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育
《1年目を踏まえた課題》
経営環境の変化および本中期経営計画1年目の進捗を踏まえ、当社グループは下記5点を今後の事業成長における重点課題と捉えており、解決と充足に向けて取り組んでいきます。
① AI時代におけるサービス戦略
企業におけるデジタルシフトが加速するなかで、特にAIが労働力として拡大し、人月型ビジネスに代わって事業を担う時代の到来が予想されています。それにともない、顧客の経営課題はAIとの共創および、AIを統治する方向性にシフトすると予想されます。
そのような市場環境の変化において、当社グループは収益の過半をエンドユーザーとの直接契約が長年占めてきたことを活かし、クライアントサイドで経営課題に取り組むことで高単価な最上流工程でのサービス提供を実現するべくビジネスモデルの進化を目指します。また、AIを積極的に活用することでサービス提供における生産性を飛躍的に向上させ、リソース配分および業務プロセスの変革による事業の高収益化を図ります。
② 高収益モデルの実現に向けた人材シフト
情報サービス業界では、AIなどの技術の進化にともない、下流工程から上流工程への人材シフトが求められており、これに対応するための戦略的な人材配置が必要です。
当社グループは、領域やサービスを跨いだ人材のアップスキルを目的に、岩盤事業領域から注力事業領域への人材シフトを進め、量と質の両面でより厚みのある人材ポートフォリオを構築することで、高収益モデルの実現に取り組みます。
③ パートナー会社との関係強化
サービスの付加価値を高め、事業を拡大していくためには、案件の規模や技術分野に応じたビジネスパートナーとの協業が重要になります。
当社グループは、コアパートナーの認定強化や相助型の人材育成をつうじて堅固な生産体制を構築し、高付加価値の創出を目指します。また、AI技術を駆使して生産性向上を実現する先進的な協業パートナーと良好な関係を構築します。
④ マーケティング&ビジネス機能の強化
ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、常に付加価値の高いサービスが要求されています。さらに、AIに代表される急速な市場の変化に適合し、顧客にとって中長期的なIT戦略パートナーとなるためには、技術トレンドを把握し、顧客の経営課題に即した提案を行うことが求められます。
当社グループは、最新技術やAIの進化による事業変革に対応したマーケティング戦略を掲げるとともに、プロアクティブで横断的な営業アプローチを実現するマーケティング&ビジネス機能の強化を推進します。新規顧客の獲得と既存顧客の深耕を促進し、受注規模の拡大を図ることで、収益性の向上を目指します。
⑤ 人的資本投資の拡充
当社グループは、プロフェッショナル人材が輝く企業を目指し、社員の「なりたい」「やりたい」を実現するための環境を提供します。社員の長期キャリアビジョンに沿った機会の提供や、実現するための創造力と変革力の強化を支援し、自律思考を促進する文化を醸成します。また、多様性や人権を尊重する組織の構築や、時間外労働の削減、有給休暇の取得率向上を図ることで、社員エンゲージメントの向上を実現します。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ6億13百万円増加し、60億46百万円(前年同期比11.3%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は30億60百万円(前期は35億57百万円の資金増)となりました。
これはおもに、税金等調整前当期純利益42億27百万円、のれん償却額2億1百万円、賞与引当金の増加額5億94百万円、売上債権の増加額14億14百万円、仕入債務の増加額1億72百万円および法人税等の支払額18億88百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億71百万円(前期は22億79百万円の資金減)となりました。
これはおもに、定期預金の預入による支出2億41百万円、有形固定資産の取得による支出1億5百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は23億28百万円(前期は15億9百万円の資金減)となりました。
これはおもに、短期借入金の純減少額8億円、長期借入金の返済による支出1億50百万円および配当金の支払額13億75百万円などによるものです。
生産、受注および販売の実績
当社グループは情報サービス事業の単一セグメントですが、当連結会計年度における生産実績、受注実績、販売実績をサービス別に示すと、次のとおりです。
(1)生産実績
(注)金額は、販売価格によっています。
(2)受注実績
(3)販売実績
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、とくに以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
① 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、今後の課税所得の予測等を踏まえその回収可能性を判断したうえで計上しています。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資有価証券の減損処理を実施しています。上場会社の株式および時価のある投資信託は、期末日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した有価証券については、期末後1年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準に回復することを合理的な根拠で予測できる場合を除きすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した有価証券については、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っています。また非上場会社の株式は原則として、評価損の計上を検討すべき一定の事項が発生し、且つ、当該会社の純資産額に対する当社グループ持分額が取得価額より50%以上下落し、回復可能性が明確でない場合には、減損処理を行うこととしています。
③ のれん及びのれん相当額の減損処理
のれんの償却については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間の定額法により償却を行っています。のれんは減損の兆候があると認められた場合、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
のれん相当額は、投資額とそれに対応する時価純資産の差額であり、その償却年数は、事業計画に基づく投資回収期間を勘案して決定しています。また、事業計画においては、売上高成長率、粗利率、販管費率を主要な仮定としています。
主要な仮定が変化することにより事業計画に対して実績が大幅に未達になった場合には、減損の兆候が生じ、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれん相当額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の362億74百万円に対し30億96百万円増収の393億71百万円となりました。
サービス別の状況は第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「業績等の概要」(1) 業績をご参照ください。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の276億16百万円に対し16億37百万円増加の292億53百万円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の48億77百万円に対し11億11百万円増加の59億89百万円となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の37億80百万円に対し3億47百万円増加の41億28百万円となりました。
④ 営業外損益(純額)
当連結会計年度の営業外損益(純額)は、補助金収入の増加などにより、前連結会計年度の81百万円の利益(純額)に対し2百万円増加の83百万円の利益(純額)となりました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の38億62百万円に対し3億50百万円増加の42億12百万円となりました。
⑥ 特別損益(純額)
当連結会計年度の特別損益(純額)は、事業譲渡益の計上などにより、前連結会計年度の24百万円の損失(純額)から15百万円の利益(純額)となりました。
⑦ 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の38億37百万円に対し3億90百万円増加の42億27百万円の利益となりました。
⑧ 法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の14億40百万円に対し1億27百万円減少の13億12百万円となりました。
⑨ 非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の7百万円に対し0百万円減少の7百万円の利益となりました。
⑩ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の23億89百万円に対し5億17百万円増加の29億7百万円の利益となりました。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の資産の部は、投資有価証券の減少4億74百万円、のれんの償却による減少2億1百万円および契約資産の減少2億円などがありましたが、売掛金の増加14億20百万円および現金及び預金の増加8億37百万円などにより、前連結会計年度末に比べ15億2百万円増加し239億92百万円となりました。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債の部は、賞与引当金の増加5億94百万円および契約負債の増加3億39百万円などがありましたが、短期借入金の減少8億円および未払法人税等の減少2億48百万円などにより、前連結会計年度末に比べ1億35百万円減少し87億39百万円となりました。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部は、期末および中間配当金支払いによる減少13億76百万円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加29億7百万円および為替換算調整勘定の増加1億64百万円などにより、前連結会計年度末に比べ16億37百万円増加し152億53百万円となりました。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の35億57百万円より4億96百万円少ない30億60百万円の資金を獲得しました。これはおもに、税金等調整前当期純利益が3億90百万円増加、賞与引当金の増加額が3億8百万円増加、売上債権の増加額が5億42百万円増加および仕入債務の増加額が1億71百万円減少、法人税等の支払額が7億64百万円増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の22億79百万円より20億8百万円少ない2億71百万円の資金を使用しました。これはおもに、投資有価証券の取得による支出が19億68百万円減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の15億9百万円より8億19百万円多い23億28百万円の資金を使用しました。これはおもに、短期借入金の純減少額が4億円増加および配当金の支払額が5億20百万円増加したことによるものです。
② 当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしています。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は10億円です。
なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行5行と総額41億円の当座貸越契約を締結しています。
(1) 業績
当連結会計年度における国内景気については、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、金融資本市場の変動や米国の通商政策を巡る不確実性など、先行きは依然として不透明な状況です。くわえて、中東情勢の影響にも注視が必要です。
当社グループが属する情報サービス業界では、社会全体のデジタル化にともないIT投資ニーズが引き続き堅調に推移しています。特に、企業の生産性向上や経営課題の解決を目指したAI技術やクラウドソリューションの需要から、社内IT環境の整備やコンサルティングのニーズも拡大しています。また、企業のサプライチェーンを狙ったサイバー攻撃が増加しており、事業継続を目的としたセキュリティ対策やITガバナンスに関する投資意欲も高まっています。
このような環境のなか、当社グループの業績は、アプリケーション開発、サイバーセキュリティおよびITインフラが堅調に推移したため、売上高は393億71百万円(前年同期比8.5%増)となりました。収益面においては、従業員への還元や、人材育成・確保のための戦略的投資の増加を図りつつ、売上高の増加や売上総利益率の改善、のれん償却額の減少などにより、営業利益は41億28百万円(同9.2%増)、経常利益は42億12百万円(同9.1%増)となりました。また、賃上げ促進税制の適用にともなう税額控除等により、親会社株主に帰属する当期純利益は29億7百万円(同21.7%増)となりました。EBITDAは、45億18百万円(同2.9%増)となりました。
これにより、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は5期連続で増収増益となり、いずれも過去最高を更新しました。
(注):当連結会計年度より、従来のサービス名「ソフトウェア開発」を「アプリケーション開発」に変更、従来のサービス名「サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育」を「サイバーセキュリティ」、「コンサルティング・教育」に分割して記載しています。なお、これらの変更は事業内容の変更をともなうものではありません。
当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比 | |||
| 増減額 | 増減率(%) | ||||
| システムマネジメ ント | 売上高 | 15,102 | 15,509 | 407 | 2.7 |
| 売上総利益 | 3,608 | 3,663 | 54 | 1.5 | |
| 売上総利益率 | 23.9% | 23.6% | △0.3P | ― | |
| アプリケーション開発 | 売上高 | 12,481 | 13,781 | 1,299 | 10.4 |
| 売上総利益 | 2,517 | 3,718 | 1,201 | 47.7 | |
| 売上総利益率 | 20.2% | 27.0% | 6.8P | ― | |
| ITインフラ | 売上高 | 4,224 | 4,699 | 475 | 11.2 |
| 売上総利益 | 1,279 | 1,253 | △26 | △2.1 | |
| 売上総利益率 | 30.3% | 26.7% | △3.6P | ― | |
| サイバーセキュリティ | 売上高 | 2,198 | 3,143 | 944 | 43.0 |
| 売上総利益 | 631 | 944 | 312 | 49.5 | |
| 売上総利益率 | 28.7% | 30.0% | 1.3P | ― | |
| コンサルティング・教育 | 売上高 | 1,796 | 1,659 | △137 | △7.6 |
| 売上総利益 | 639 | 551 | △87 | △13.7 | |
| 売上総利益率 | 35.6% | 33.3% | △2.3P | ― | |
| その他 | 売上高 | 470 | 577 | 106 | 22.7 |
| 売上総利益 | △18 | △14 | 4 | ― | |
| 売上総利益率 | ― | ― | ― | ― | |
| 合計 | 売上高 | 36,274 | 39,371 | 3,096 | 8.5 |
| 売上総利益 | 8,658 | 10,117 | 1,459 | 16.9 | |
| 売上総利益率 | 23.9% | 25.7% | 1.8P | ― | |
① システムマネジメント
一部案件の縮小やサービス区分の変更による減収があったものの、金融関連顧客や大手ITベンダーを主とした受注拡大および新規案件の開始、価格適正化に向けた単価の見直しなどにより、売上高は155億9百万円(同2.7%増)となりました。
② アプリケーション開発
大手ITベンダーとの連携による新規顧客の獲得や既存顧客における新規案件の開始、金融、製造、エネルギー関連顧客における受注拡大などにより、売上高は137億81百万円(同10.4%増)となりました。
③ ITインフラ
エネルギー、金融、製造関連顧客における受注拡大や、大手ITベンダーとの連携による取引の拡大などにより、売上高は46億99百万円(同11.2%増)となりました。
④ サイバーセキュリティ
サイバー攻撃対策の需要増にともない、官公庁関連をはじめとした複数顧客における受注が拡大し、売上高は31億43百万円(同43.0%増)となりました。
⑤ コンサルティング・教育
一部顧客における案件の終了などにより、売上高は16億59百万円(同7.6%減)となりました。
⑥ その他
エネルギー関連顧客における受注拡大などにより、売上高は5億77百万円(同22.7%増)となりました。
《経営施策の取組み状況》
当社グループは、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ "JUMP!!!"」を策定し、推進しています。当年度は、サービスポートフォリオ戦略および人的資本投資戦略の2つを主として取り組みました。

サービスポートフォリオ戦略について、岩盤事業領域(注1)の収益性改善と、注力事業領域(注2)の事業規模拡大という二軸での飛躍的成長を掲げています。当年度は、岩盤事業領域のうちアプリケーション開発において価格適正化や、事業現場単位での利益改善に向けた見直しを実施した結果、大幅な収益性の改善を実現しました。注力事業領域においては、昨今の市場需要を的確にとらえたサイバーセキュリティ事業の躍進により、売上規模が当初目標を大きく超過達成しました。中期経営計画1年目の進捗が順調に推移していることと、今後の市場動向を踏まえて、2027年3月期の業績予想を当初の計画目標を上回る水準に設定しました。また、アップスキルを推進した結果、3か年での目標225名のうち、54名の注力事業領域への技術者シフトを達成しました。
人的資本投資戦略について、3年間で60億円の投資を目標に掲げています。当年度は17億円の投資実績を達成し、施策としては、グループ全社員に向けたオンライン動画学習サービス「Udemy Business」の開始や、基盤形成期の社員に対するメンター制度の導入など、積極的な人材育成や社員エンゲージメントに向けた取組みを実施しました。
ほかにも顧客接点の確立やグローバル戦略など、当初策定した項目についても引き続き推進していきます。
(注1)岩盤事業領域:システムマネジメント、アプリケーション開発
(注2)注力事業領域:ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育
《1年目を踏まえた課題》
経営環境の変化および本中期経営計画1年目の進捗を踏まえ、当社グループは下記5点を今後の事業成長における重点課題と捉えており、解決と充足に向けて取り組んでいきます。
① AI時代におけるサービス戦略
企業におけるデジタルシフトが加速するなかで、特にAIが労働力として拡大し、人月型ビジネスに代わって事業を担う時代の到来が予想されています。それにともない、顧客の経営課題はAIとの共創および、AIを統治する方向性にシフトすると予想されます。
そのような市場環境の変化において、当社グループは収益の過半をエンドユーザーとの直接契約が長年占めてきたことを活かし、クライアントサイドで経営課題に取り組むことで高単価な最上流工程でのサービス提供を実現するべくビジネスモデルの進化を目指します。また、AIを積極的に活用することでサービス提供における生産性を飛躍的に向上させ、リソース配分および業務プロセスの変革による事業の高収益化を図ります。
② 高収益モデルの実現に向けた人材シフト
情報サービス業界では、AIなどの技術の進化にともない、下流工程から上流工程への人材シフトが求められており、これに対応するための戦略的な人材配置が必要です。
当社グループは、領域やサービスを跨いだ人材のアップスキルを目的に、岩盤事業領域から注力事業領域への人材シフトを進め、量と質の両面でより厚みのある人材ポートフォリオを構築することで、高収益モデルの実現に取り組みます。
③ パートナー会社との関係強化
サービスの付加価値を高め、事業を拡大していくためには、案件の規模や技術分野に応じたビジネスパートナーとの協業が重要になります。
当社グループは、コアパートナーの認定強化や相助型の人材育成をつうじて堅固な生産体制を構築し、高付加価値の創出を目指します。また、AI技術を駆使して生産性向上を実現する先進的な協業パートナーと良好な関係を構築します。
④ マーケティング&ビジネス機能の強化
ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、常に付加価値の高いサービスが要求されています。さらに、AIに代表される急速な市場の変化に適合し、顧客にとって中長期的なIT戦略パートナーとなるためには、技術トレンドを把握し、顧客の経営課題に即した提案を行うことが求められます。
当社グループは、最新技術やAIの進化による事業変革に対応したマーケティング戦略を掲げるとともに、プロアクティブで横断的な営業アプローチを実現するマーケティング&ビジネス機能の強化を推進します。新規顧客の獲得と既存顧客の深耕を促進し、受注規模の拡大を図ることで、収益性の向上を目指します。
⑤ 人的資本投資の拡充
当社グループは、プロフェッショナル人材が輝く企業を目指し、社員の「なりたい」「やりたい」を実現するための環境を提供します。社員の長期キャリアビジョンに沿った機会の提供や、実現するための創造力と変革力の強化を支援し、自律思考を促進する文化を醸成します。また、多様性や人権を尊重する組織の構築や、時間外労働の削減、有給休暇の取得率向上を図ることで、社員エンゲージメントの向上を実現します。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ6億13百万円増加し、60億46百万円(前年同期比11.3%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は30億60百万円(前期は35億57百万円の資金増)となりました。
これはおもに、税金等調整前当期純利益42億27百万円、のれん償却額2億1百万円、賞与引当金の増加額5億94百万円、売上債権の増加額14億14百万円、仕入債務の増加額1億72百万円および法人税等の支払額18億88百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億71百万円(前期は22億79百万円の資金減)となりました。
これはおもに、定期預金の預入による支出2億41百万円、有形固定資産の取得による支出1億5百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は23億28百万円(前期は15億9百万円の資金減)となりました。
これはおもに、短期借入金の純減少額8億円、長期借入金の返済による支出1億50百万円および配当金の支払額13億75百万円などによるものです。
生産、受注および販売の実績
当社グループは情報サービス事業の単一セグメントですが、当連結会計年度における生産実績、受注実績、販売実績をサービス別に示すと、次のとおりです。
(1)生産実績
| サービスの名称 | 生産高(千円) | 増減率(%) |
| システムマネジメント | 15,509,923 | 2.7 |
| アプリケーション開発 | 13,781,024 | 10.4 |
| ITインフラ | 4,699,883 | 11.2 |
| サイバーセキュリティ | 3,143,517 | 43.0 |
| コンサルティング・教育 | 1,659,036 | △7.6 |
| その他 | 517,923 | 27.4 |
| 合計 | 39,311,308 | 8.6 |
(注)金額は、販売価格によっています。
(2)受注実績
| サービスの名称 | 受注高(千円) | 増減率(%) | 受注残高(千円) | 増減率(%) |
| システムマネジメント | 15,364,130 | △13.3 | 4,839,255 | △2.9 |
| アプリケーション開発 | 13,693,038 | △3.0 | 2,645,529 | △3.2 |
| ITインフラ | 5,053,236 | 11.6 | 1,375,544 | 34.6 |
| サイバーセキュリティ | 3,000,670 | △0.8 | 2,010,468 | △6.6 |
| コンサルティング・教育 | 1,605,819 | △13.7 | 186,462 | △22.2 |
| その他 | 527,520 | 69.7 | 104,463 | △32.5 |
| 合計 | 39,244,414 | △5.6 | 11,161,724 | △1.1 |
(3)販売実績
| サービスの名称 | 販売高(千円) | 増減率(%) |
| システムマネジメント | 15,509,923 | 2.7 |
| アプリケーション開発 | 13,781,024 | 10.4 |
| ITインフラ | 4,699,883 | 11.2 |
| サイバーセキュリティ | 3,143,517 | 43.0 |
| コンサルティング・教育 | 1,659,036 | △7.6 |
| その他 | 577,716 | 22.7 |
| 合計 | 39,371,101 | 8.5 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、とくに以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
① 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、今後の課税所得の予測等を踏まえその回収可能性を判断したうえで計上しています。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資有価証券の減損処理を実施しています。上場会社の株式および時価のある投資信託は、期末日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した有価証券については、期末後1年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準に回復することを合理的な根拠で予測できる場合を除きすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した有価証券については、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っています。また非上場会社の株式は原則として、評価損の計上を検討すべき一定の事項が発生し、且つ、当該会社の純資産額に対する当社グループ持分額が取得価額より50%以上下落し、回復可能性が明確でない場合には、減損処理を行うこととしています。
③ のれん及びのれん相当額の減損処理
のれんの償却については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間の定額法により償却を行っています。のれんは減損の兆候があると認められた場合、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
のれん相当額は、投資額とそれに対応する時価純資産の差額であり、その償却年数は、事業計画に基づく投資回収期間を勘案して決定しています。また、事業計画においては、売上高成長率、粗利率、販管費率を主要な仮定としています。
主要な仮定が変化することにより事業計画に対して実績が大幅に未達になった場合には、減損の兆候が生じ、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれん相当額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の362億74百万円に対し30億96百万円増収の393億71百万円となりました。
サービス別の状況は第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「業績等の概要」(1) 業績をご参照ください。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の276億16百万円に対し16億37百万円増加の292億53百万円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の48億77百万円に対し11億11百万円増加の59億89百万円となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の37億80百万円に対し3億47百万円増加の41億28百万円となりました。
④ 営業外損益(純額)
当連結会計年度の営業外損益(純額)は、補助金収入の増加などにより、前連結会計年度の81百万円の利益(純額)に対し2百万円増加の83百万円の利益(純額)となりました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の38億62百万円に対し3億50百万円増加の42億12百万円となりました。
⑥ 特別損益(純額)
当連結会計年度の特別損益(純額)は、事業譲渡益の計上などにより、前連結会計年度の24百万円の損失(純額)から15百万円の利益(純額)となりました。
⑦ 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の38億37百万円に対し3億90百万円増加の42億27百万円の利益となりました。
⑧ 法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の14億40百万円に対し1億27百万円減少の13億12百万円となりました。
⑨ 非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の7百万円に対し0百万円減少の7百万円の利益となりました。
⑩ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の23億89百万円に対し5億17百万円増加の29億7百万円の利益となりました。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の資産の部は、投資有価証券の減少4億74百万円、のれんの償却による減少2億1百万円および契約資産の減少2億円などがありましたが、売掛金の増加14億20百万円および現金及び預金の増加8億37百万円などにより、前連結会計年度末に比べ15億2百万円増加し239億92百万円となりました。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債の部は、賞与引当金の増加5億94百万円および契約負債の増加3億39百万円などがありましたが、短期借入金の減少8億円および未払法人税等の減少2億48百万円などにより、前連結会計年度末に比べ1億35百万円減少し87億39百万円となりました。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部は、期末および中間配当金支払いによる減少13億76百万円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加29億7百万円および為替換算調整勘定の増加1億64百万円などにより、前連結会計年度末に比べ16億37百万円増加し152億53百万円となりました。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の35億57百万円より4億96百万円少ない30億60百万円の資金を獲得しました。これはおもに、税金等調整前当期純利益が3億90百万円増加、賞与引当金の増加額が3億8百万円増加、売上債権の増加額が5億42百万円増加および仕入債務の増加額が1億71百万円減少、法人税等の支払額が7億64百万円増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の22億79百万円より20億8百万円少ない2億71百万円の資金を使用しました。これはおもに、投資有価証券の取得による支出が19億68百万円減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の15億9百万円より8億19百万円多い23億28百万円の資金を使用しました。これはおもに、短期借入金の純減少額が4億円増加および配当金の支払額が5億20百万円増加したことによるものです。
② 当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしています。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は10億円です。
なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行5行と総額41億円の当座貸越契約を締結しています。