有価証券報告書-第25期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/19 12:18
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【項目】
81項目
(1)経営成績等の状況の概要
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当社グループは、適切なる流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は7,409百万円(前連結会計年度末比1,361百万円の増加)となりました。これは主として、のれんが29百万円減少したものの、営業債権及びその他の債権が578百万円、現金及び現金同等物が520百万円、使用権資産が235百万円、その他の流動資産が35百万円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、3,220百万円(前連結会計年度末比618百万円の増加)となりました。これは主として未払法人所得税が112百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が336百万円、その他の流動負債が159百万円、リース負債(流動負債)が119百万円増加したことによるものです。
(資本)
資本合計は、4,189百万円(前連結会計年度末比742百万円の増加)となりました。これは主として、利益剰余金が694百万円、資本金が15百万円、資本剰余金が15百万円増加したことによるものです。
b.経営成績
当社グループはデジタルクリエイターの価値を尊重し、その幸せを追求し、デジタルクリエイターが活躍する会社を作ることを基本戦略に据え、デジタルクリエイターの価値創造がより求められる領域ごとに、最適なサービスを開発し提供しています。
第一の柱として、株式会社メンバーズを中心に主力サービスであるEMC事業を展開しております。本事業領域においては、大手企業向けにデジタル時代のビジネス成果とユーザー体験をカイゼンし続けるデジタルマーケティング支援専任チーム“EMC(Engagement Marketing Center)”を編成し、大企業のデジタルマーケティング支援やデジタルトランスフォーメーション支援サービスを提供しています。このサービスの提供を通して、大量生産大量消費社会を牽引してきた大企業のマーケティングのあり方を持続可能な社会の実現へと変えるため、顧客企業に対してCSV経営(社会課題解決と営利活動の両立経営)の導入支援および啓発活動を進めています。
また、第二の柱としてデジタル人材事業を展開し、社会課題を解決するソーシャルイノベーションベンチャーが1社でも多く発展するべく、CSVプランニング力を身につけたクリエイターを1人でも多く輩出し、持続可能な社会創造に貢献してまいります。デジタルクリエイターの幸せな働き方、幸せな生き方を追求することで優秀な人材を確保し、デジタル革命を牽引するベンチャー企業へ継続的にデジタルクリエイター人材を提供しております。
なお、デジタル人材事業領域においては、以下のサービスを展開しております。
・インターネット企業向けの正社員派遣サービス(株式会社メンバーズキャリア)
・リモートワーク環境を活用した首都圏のインターネット企業向けWebエンジニアリングサービス(株式会社メンバーズエッジ)
・自立したフリーランスの活躍と幸せな働き方支援サービス(株式会社メンバーズシフト)
・データサイエンティストに特化した正社員派遣サービス(株式会社メンバーズデータアドベンチャー)
・UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインスキルを保有する正社員派遣サービス(株式会社メンバーズユーエックスワン)
当社グループは、今後のデジタル経済の急拡大、それに伴うデジタルクリエイターの大幅な不足を予測し、仙台、北九州の各拠点を活用した地方人材の採用、美術・芸術系大学、高等専門学校やWebクリエイティブ関連の専門学校からのスキル向上意欲が高いクリエイターの採用に加え、大学・大学院卒のプロデューサー採用を積極的に行いました。その結果、2019年4月には当社グループ合計で前年より13名増の173名の新卒社員を採用(地方拠点を含む。)いたしました。
当連結会計年度において、EMC事業では所属するデジタルクリエイター数が693名(前期末比14.4%増)となり、EMC事業全体の売上は、8,524百万円(IFRS ※参考値:前期比12.9%増)、EMCモデルの提供社数は、新規EMC顧客の受注活動の強化を進めた結果、2020年3月期の目標50社を達成することができました(2019年3月末より17社増加)。加えて、マーケティングオートメーションツールの運用など提供サービス領域を積極的に拡大しました。
一方、デジタル人材事業においては、デジタルクリエイター数が437名(前期末比45.2%増)と大幅増員し、デジタル人材事業全体の売上は、2,617百万円(IFRS ※参考値:前期比53.8%増)となり、EMC事業を大幅に上回る伸び率で拡大しております。企業のデジタルクリエイター人材に対するニーズが高まっている一方で、スキルの高いデジタルクリエイターの採用は非常に難しい状況にあります。そのような状況下でも、デジタルクリエイターの正社員派遣を手がけるメンバーズキャリアでは「派遣の常識を変える」ことをテーマとし、社員紹介制度の拡充や健全な就労環境の整備等を積極的に行った結果、採用および売上が順調に増加しております。また、メンバーズエッジでは、「エンジニアの幸せな働き方・生き方」をテーマに、地方在住者の里山など遠隔による就労を可能とし、札幌市や福岡市に新オフィスを開設する等、エンジニアが豊かに就労できる環境を整え、順調に拡大しております。当事業全体では高い成長性を保持し、グループ全体の成長を牽引しております。
また、上記2事業に加えて、株式会社メンバーズギフテッドにおいて企業の障がい者雇用を支援するなど、企業のニーズ、クリエイターの多様な働き方にあわせ事業を拡大しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は10,607百万円(前期比19.8%増)、営業利益は1,249百万円(前期比29.0%増)、税引前利益は1,240百万円(前期比28.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は861百万円(前期比39.0%増)となり、売上収益、営業利益、税引前利益ともに過去最高を更新しました。
なお、当社グループは2020年4月1日付で連結子会社7社(株式会社エンゲージメント・ファースト、株式会社メンバーズキャリア、株式会社メンバーズエッジ、株式会社メンバーズシフト、株式会社メンバーズデータアドベンチャー、株式会社メンバーズユーエックスワン、株式会社メンバーズメディカルマーケティング)を吸収合併消滅会社、株式会社メンバーズを吸収合併存続会社とする合併を行い、各社の事業を社内カンパニーとして再編し、経営基盤の強化を行うことといたしました。
これは営業・マーケティング、拠点戦略、採用、人材配置、研修体制および管理部門業務をより統合的に実行し、グループ横断で行うことで、当社グループの成長を一層加速させることを目的とするものであります。
当社は、当連結会計年度でVISION2020および中期経営計画(2014年5月8日策定)の最終年度を迎え、新たに長期ビジョンであるVISION2030( https://www.members.co.jp/ir/pdf/20200508_04.pdf )を公開いたしました。今後はVISION2030の達成に向け、重要KPIであるソーシャルクリエイター(※1)10万人、ソーシャルエンゲージメント(※2)総量100億、社員数1万人、営業利益100億円の達成を目指して取組みを推進してまいります。
(※1)ソーシャルクリエイター:デザイン思考を持ち、ビジネスの推進や制度設計、アウトプットを通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター(職人)志向性の高い人材のこと。
(※2)ソーシャルエンゲージメント:社会課題解決施策としてメンバーズグループが手がけたコンテンツ・プロダクト・サービスに対する接触回数のこと。
②キャッシュ・フローの状況
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ520百万円増加し、3,115百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、967百万円(前年同期は1,036百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前利益1,240百万円、営業債務及びその他の債務の増加額331百万円によるものであり、支出の主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額574百万円、法人所得税の支払額486百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、62百万円(前年同期は3百万円の獲得)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出50百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、383百万円(前年同期は387百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、ストック・オプションの行使による収入23百万円によるものであり、支出の主な内訳は、リース負債の返済による支出273百万円、配当金の支払額147百万円によるものであります。
b.資金調達の方法及び状況並びに資金の主要な使途を含む資金需要の動向
(ア)持続的な成長のための財務戦略
当社グループは持続的な成長を実現するため、財務の安全性と収益性、およびステークホルダーへの収益還元の優先順位づけとバランスに留意した財務戦略を立案し、実施しております。
ⅰ.健全な挑戦のためのリスクに見合った適正現預金の確保
当社グループではクリエイター人材の旺盛な需要を見込み、積極的に体制増強を進めております。しかしながら、固定化した人件費はリスクを伴います。体制増強の推進を担保するためのリスクヘッジ策として、想定する危機を回避できるだけの現預金を常に保持することとし、指標化により管理しております。
具体的にはリーマンショックと同等の経済混乱ならびに、大口顧客との取引中止および信用不和による新規取引ゼロの事態が発生し、いずれもその状態の解消に1.5年から2年かかると想定した場合、最大の赤字幅は月間平均社内総経費の2.8~3.3ヶ月分と試算しております。
したがって、最適現預金を月間社内総経費予算の3ヶ月分と定めております。当連結会計年度(第25期)の最適現預金額は2,313百万円を確保し、第26期の適正現預金額は2,715百万円としております。
ⅱ.資本コストを上回る高収益性の確保
資本コストを上回る高い収益性を確保するため、連結ROE指標と事業ROE指標を設定しております。
・連結ROE指標は、事業ROE指標をもとに運営される事業から生み出される利益に加え、適正現預金指標によって保持される現預金を加味した値とし、25%を目標としております。
・事業ROE指標は、メンバーズグループが行う事業が生み出す利益水準を示し、35%を目標としております。事業運営やM&A等、すべての事業における収益面で本指標をクリアすることを前提として行っております。
ⅲ.株主還元・配当方針
当社は、株主への利益還元の充実とさらなる企業価値の向上を図る観点から、ミッション実現に向けた新たな事業への投資及び業容の拡大に備えるための内部留保を行うとともに、経営成績の伸長に見合った成果の配分や配当金額の継続的な増額を実施してまいります。この方針に基づき、目標とする配当の指標を中長期的な目標連結親会社所有者帰属持分配当率5%としております。
(イ)持続的な成長のための事業投資
サービス産業である当社グループにとって、研究開発とは事業投資やサービス開発投資であり、高収益・高成長を持続的に維持するためには当該領域への投資が不可欠であると認識しております。当社グループでは持続的な成長に向けて、EMC顧客の満足度を高め続けるサービスの向上・開発に向けた継続的なサービス開発投資、新規事業開発を進めるための投資枠、経費枠の指標を次のとおり設けております。
項 目内 訳当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
指 標付加価値売上高に
占める割合
事業開発
投資
サービス開発投資
新規事業開発投資
生産性向上投資
EMC推進
189百万円事業開発投資+人材育成投資
毎期、連結社売(付加価値
売上高)の3.5%~5%
4.13%
人材育成
投資
教育研修費
教育研修部門
総経費
203百万円

③生産、受注及び販売の実績
a.制作実績
区分当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ネットビジネス支援事業(千円)7,111,190121.34
合計(千円)7,111,190121.34

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記金額は、製造原価によっております。
b.広告及び商品の仕入実績
区分当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ネットビジネス支援事業(千円)52920.09
合計(千円)52920.09

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ネットビジネス支援事業10,638,634118.93593,463105.47
合計10,638,634118.93593,463105.47

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記金額は、販売価格によっております。
d.販売実績
区分当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ネットビジネス支援事業(千円)10,607,876119.76
合計(千円)10,607,876119.76

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.外部顧客への販売実績において、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の重要指標・KPIに対する経営成績は次のとおりであります。
重要な指標前連結会計年度当連結会計年度増減
デジタルクリエイター数(連結)913名1,133名+24.1%
デジタルクリエイター数(EMC事業)606名693名+14.4%
デジタルクリエイター数(デジタル人材事業)301名437名+45.2%
EMC事業 売上収益(注)7,549百万円8,524百万円+12.9%
EMCモデル提供社数33社50社+17社
連結親会社所有者帰属持分配当率(DOE)4.7%4.8%+0.1%

(注)関係会社間取引は相殺消去しておりません。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資金需要及び資金調達
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するために、事業投資やサービス開発投資や人材育成投資に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
日本基準においては、のれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が50,770千円減少しております。

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