訂正有価証券報告書-第34期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー等(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、製薬企業の付加価値向上に貢献する当社グループ独自の事業モデルであるPVC(Pharmaceutical Value Creator)を展開しております。CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、CSO(医薬品営業支援)事業、ヘルスケア事業において、製薬企業の開発、製造、営業・マーケティングのバリューチェーンを広範に支援しております。また、IPM(Innovative Pharma Model)事業では、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等に提供しております。
医薬品業界においては、“患者により適した医療”の提供に向けて、技術革新や産官学連携による革新的医薬品の創出が期待される一方で、2018年度の薬価制度改革において、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の抜本的見直しや長期収載品の薬価等の見直し、費用対効果評価が試行的に導入されるなど、医薬品産業の生産性や効率性の向上が求められております。厚生労働省が2017年12月に改訂した「医薬品産業強化総合戦略」においても、①日本発のシーズが生まれる研究開発環境の改善、②薬事規制改革等を通じたコスト低減と効率性向上、③医薬品の生産性向上と製造インフラの整備、④適正な評価の環境・基盤整備、⑤日本発医薬品の国際展開の推進、⑥創薬業界の新陳代謝を促すグローバルなベンチャーの創出、⑦医療用医薬品の流通改善への一層の対応 の7項目が取組みとして挙げられ、医薬品産業が、長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造へ転換することを促す内容となっております。これにより、製薬企業は、ビジネスモデルの転換も視野に入れながら、イノベーションの推進と医療の質の向上に資する革新的医薬品の創出に向けて、研究開発活動を一層強化するとともに、生産性や効率性の更なる向上のために、アウトソーシングの活用を加速させるものと思われます。
当社グループは、この変革期にある医療・医薬品産業において持続的な成長を実現するための取組み「Project Phoenix」を進めております。2015年9月期に開始した「Project Phoenix 1.0」では、赤字事業の解消とコスト構造改革に道筋をつけ、グループの原点である創業スピリッツを表す企業理念「CMIC'S CREED」を制定しました。2016年9月期下期からは「Project Phoenix 2.0」として、医療・医薬品産業の変革にスピーディに対応するため、アジャイル経営システムの構築とともに、当社グループが保有するすべてのバリューチェーンの支援が実施可能な体制と製造販売業等の許認可(知的財産)とを組み合わせた、新たなソリューション(IPM)の提供を開始しました。2018年4月にはグループ経営のトップマネジメント体制と機能を変更し、新たな経営体制の下、グローバル対応を推進するとともに、「Project Phoenix 3.0」をスタートさせ、ヘルスケア分野においてデジタル活用をはじめとした新たな取組みを進めております。
[売上高及び営業利益]
当連結会計年度においては、堅調な受注を背景にCRO事業が伸長したこと等により、売上高は69,869百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は4,321百万円(前年同期比10.9%増)と、過去最高の売上高及び営業利益を達成いたしました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(単位:百万円)
当事業においては、主に製薬企業の医薬品開発支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、高度化する開発ニーズに対応するため、専門性と品質の更なる向上を目指し、バイオ医薬品や再生医療等製品など先端領域の開発支援に積極的に取り組むとともに、人材育成を強化しております。
臨床業務においては、堅調な引合いに応じた人材の確保に努めるとともに、シミック株式会社とシミックPMS株式会社を2018年10月に経営統合し、データベースを活用した製造販売後調査(PMS)及び臨床研究支援業務の更なる強化と、臨床試験からPMSまで一貫して対応可能な体制の整備を進めております。
非臨床業務においては、国内及び米国ラボが連携して核酸医薬や再生医療など次世代医薬品の創薬支援に取り組んでおり、日米でのシームレスな医薬品開発ニーズへの対応を強化しております。
売上高及び営業利益につきましては、新規受注及び既存案件が堅調に進捗したこと等により前連結会計年度を上回りました。
(単位:百万円)
当事業においては、主に製薬企業の医薬品製剤開発・製造支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、製剤化検討から治験薬製造、商用生産まで医薬品製造に係る総合的なサービスを通して、生産性と効率性を追求したローコスト生産体制の確立に取り組んでおります。また、高薬理活性製剤に対応した足利工場の新注射剤棟を立ち上げ、商用生産の準備に注力しております。2018年7月には、CDMO事業の更なる事業拡大のため、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)への第三者割当増資を実施し、シミックCMO株式会社を合弁会社化しました。既存事業を基盤とする成長に加え、DBJの資金、人材、国内外企業とのネットワーク等を活用することにより、グローバルに展開する医薬品製造のプラットフォームとして、より幅広い戦略を推進してまいります。
売上高につきましては、新規受注案件の受託生産が進捗したこと等により前連結会計年度を上回りましたが、営業利益につきましては、米国における既存案件の一時的な生産量の減少及び足利工場新注射剤棟の商用生産開始に向けた立上げ費用の発生等により前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
当事業においては、主に製薬企業の営業・マーケティング支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、シミック・アッシュフィールド株式会社において、MR(医薬情報担当者)派遣業務の受注力強化及び既存案件の着実な進行に取り組むとともに、メディカルアフェアーズ分野の派遣・教育サービスを拡大するなど、多様なサービスを組み合わせた総合的なソリューションの提供を進めております。
売上高につきましては、PVCモデルを活用した大型案件など新規受託案件が堅調に進捗したことにより前連結会計年度を上回りましたが、営業利益につきましては、大型案件の受注に伴う先行的な費用が発生したこと等により前連結会計年度を下回りました。
<ヘルスケア事業>(単位:百万円)
当事業においては、SMO(治験施設支援機関)業務、ヘルスケア情報サービスなど、主に医療機関や患者、一般消費者の医療や健康維持・増進のための支援業務を行っております。
当連結会計年度においては、サイトサポート・インスティテュート株式会社において、新規受注の獲得とメディカルコンシェルジュサービス等の新サービス拡充に取り組むとともに、24時間対応の一次応答コールセンターを立ち上げるなど、SMO業務の効率化と品質向上を推進しております。また、患者向けサービス等を行うシミックヘルスケア株式会社において、ヘルスケアに関するポータルサイト「HelC+」(ヘルシー)を開設し、がん領域に注力した病院・治験情報等の提供を開始するなど、患者向けサービス強化に取り組んでおります。
売上高及び営業利益につきましては、SMO業務において前期に実施していた大型プロジェクトの減少及び受託試験の中止等により前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
当事業は、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等へ提供する事業であり、主にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)や診断薬等の開発及び販売に係る業務を行っております。
オーファンドラッグ等事業においては、株式会社オーファンパシフィックが、自社開発品を含むオーファンドラッグ等を販売しております。また、IPMプラットフォーム提供を通じた海外製薬企業の日本市場進出支援などに取り組むとともに、2018年3月からノバルティス ファーマ株式会社より承継した高血圧治療薬「ラジレス錠®150mg」の販売を開始するなど、IPM事業の基盤強化に取り組んでおります。
診断薬事業においては、当社グループが腎疾患の診断を目的として開発した腎疾患バイオマーカー(L-FABP)の販路拡大及びプロモーションの強化に努めております。
売上高につきましては、オーファンドラッグの販売増加等により前連結会計年度を上回りましたが、足爪用浸透補修液「ザンミーラネイル」販売に係る費用の計上等により営業損失を計上いたしました。黒字化に向けて、新しいビジネスソリューション提供による事業規模拡大に引き続き取り組んでおります。
[経常利益]
当連結会計年度の経常利益は4,061百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。
営業外収益として為替差益及び受取賃貸料等98百万円、営業外費用として支払利息及び持分法による投資損失等357百万円を計上しております。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,487百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
特別利益として退職給付制度終了益233百万円、特別損失として人事制度移行損失等346百万円を計上しております。また、当社完全子会社であったシミックCMO株式会社が合弁会社となったため、当社の連結納税グループから離脱し、これに伴う繰延税金資産の取崩しの影響により法人税等調整額が増加したこと等から、法人税等合計として2,187百万円を計上しております。
[財政状態]
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で12,428百万円増加し、78,034百万円となりました。これは主に、現金及び預金及び有形固定資産の増加等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末比で2,500百万円増加し、44,498百万円となりました。これは主に、短期借入金、前受金、長期借入金(1年内返済予定を含む)及び退職給付に係る負債の増加等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末比で9,927百万円増加し、33,536百万円となりました。これは主に、自己株式取得の他、シミックCMO株式会社の第三者割当増資による持分変動により生じた非支配株主持分の増加及び資本剰余金の減少等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比9,048百万円増加し、13,976百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、7,488百万円の収入(前連結会計年度4,937百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び預り金の増加等による資金増加と、法人税等の支払額による資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,203百万円の支出(前連結会計年度7,541百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,770百万円の収入(前連結会計年度2,458百万円の収入)となりました。これは主に、シミックCMO株式会社の第三者割当増資による非支配株主からの払込み及び長期借入れによる収入と、コマーシャル・ペーパーの純増減額の減少及び長期借入金の返済による支出等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。なお、控除する自己株式数については、株式給付信託(J-ESOP)が所有する当社株式を含めております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の状況
1) 生産実績
当連結会計年度のセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2) 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. CDMO事業の受注残高は確定注文を受けているもののみを計上しております。顧客から提示を受けている年間ベースでの発注計画等は、確定注文とは異なりますので受注残高には含めておりません。
4. IPM事業は受託事業と業態が異なるため、受注実績から除外しております。
3) 販売実績
当連結会計年度のセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. 連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの売上高は、69,869百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。報告セグメントごとの売上高(セグメント間の内部取引を含む。)は、CRO事業37,296百万円(前連結会計年度比9.1%増)、CDMO事業15,386百万円(前連結会計年度比6.4%増)、CSO事業7,318百万円(前連結会計年度比6.3%増)、ヘルスケア事業7,212百万円(前連結会計年度比6.4%減)、IPM事業3,149百万円(前連結会計年度比32.3%増)となりました。ヘルスケア事業においては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、前連結会計年度に比べ売上高が減少しましたが、CRO事業を中心に業容拡大しております。
当連結会計年度における当社グループの営業利益は4,321百万円(前連結会計年度比10.9%増)、経常利益は4,061百万円(前連結会計年度比8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,487百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
当連結会計年度は、2015年11月策定の中期計画(2016年9月期 ~2018年9月期)の最終年度であり、同中期計画と当連結会計年度の実績との比較は、以下のとおりであります。
なお、2018年11月策定の中期計画(2019年9月期 ~2021年9月期)において、継続的な成長とそれを上回る利益成長を通じて、2021年9月期に以下の目標を達成することを目指しております。
(注)成長率は2018年9月期を起点としております。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性の状況
1) 資金の流動性について
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社の資金を集中管理することにより、余剰資金の効率化を図っております。また、手元流動性確保のために、コマーシャル・ペーパー発行枠、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
2) 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による長期と短期のバランスを勘案し、コマーシャル・ペーパー発行と金融機関等から短期借入と長期借入により、資金調達を行いました。
3) 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金です。主な設備投資につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」の記載の通りであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー等(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、製薬企業の付加価値向上に貢献する当社グループ独自の事業モデルであるPVC(Pharmaceutical Value Creator)を展開しております。CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、CSO(医薬品営業支援)事業、ヘルスケア事業において、製薬企業の開発、製造、営業・マーケティングのバリューチェーンを広範に支援しております。また、IPM(Innovative Pharma Model)事業では、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等に提供しております。
医薬品業界においては、“患者により適した医療”の提供に向けて、技術革新や産官学連携による革新的医薬品の創出が期待される一方で、2018年度の薬価制度改革において、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の抜本的見直しや長期収載品の薬価等の見直し、費用対効果評価が試行的に導入されるなど、医薬品産業の生産性や効率性の向上が求められております。厚生労働省が2017年12月に改訂した「医薬品産業強化総合戦略」においても、①日本発のシーズが生まれる研究開発環境の改善、②薬事規制改革等を通じたコスト低減と効率性向上、③医薬品の生産性向上と製造インフラの整備、④適正な評価の環境・基盤整備、⑤日本発医薬品の国際展開の推進、⑥創薬業界の新陳代謝を促すグローバルなベンチャーの創出、⑦医療用医薬品の流通改善への一層の対応 の7項目が取組みとして挙げられ、医薬品産業が、長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造へ転換することを促す内容となっております。これにより、製薬企業は、ビジネスモデルの転換も視野に入れながら、イノベーションの推進と医療の質の向上に資する革新的医薬品の創出に向けて、研究開発活動を一層強化するとともに、生産性や効率性の更なる向上のために、アウトソーシングの活用を加速させるものと思われます。
当社グループは、この変革期にある医療・医薬品産業において持続的な成長を実現するための取組み「Project Phoenix」を進めております。2015年9月期に開始した「Project Phoenix 1.0」では、赤字事業の解消とコスト構造改革に道筋をつけ、グループの原点である創業スピリッツを表す企業理念「CMIC'S CREED」を制定しました。2016年9月期下期からは「Project Phoenix 2.0」として、医療・医薬品産業の変革にスピーディに対応するため、アジャイル経営システムの構築とともに、当社グループが保有するすべてのバリューチェーンの支援が実施可能な体制と製造販売業等の許認可(知的財産)とを組み合わせた、新たなソリューション(IPM)の提供を開始しました。2018年4月にはグループ経営のトップマネジメント体制と機能を変更し、新たな経営体制の下、グローバル対応を推進するとともに、「Project Phoenix 3.0」をスタートさせ、ヘルスケア分野においてデジタル活用をはじめとした新たな取組みを進めております。
[売上高及び営業利益]
当連結会計年度においては、堅調な受注を背景にCRO事業が伸長したこと等により、売上高は69,869百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は4,321百万円(前年同期比10.9%増)と、過去最高の売上高及び営業利益を達成いたしました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(増減率%) | |
| 売上高 | 34,176 | 37,296 | +3,119( +9.1) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 5,844 | 6,650 | +805(+13.8) |
当事業においては、主に製薬企業の医薬品開発支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、高度化する開発ニーズに対応するため、専門性と品質の更なる向上を目指し、バイオ医薬品や再生医療等製品など先端領域の開発支援に積極的に取り組むとともに、人材育成を強化しております。
臨床業務においては、堅調な引合いに応じた人材の確保に努めるとともに、シミック株式会社とシミックPMS株式会社を2018年10月に経営統合し、データベースを活用した製造販売後調査(PMS)及び臨床研究支援業務の更なる強化と、臨床試験からPMSまで一貫して対応可能な体制の整備を進めております。
非臨床業務においては、国内及び米国ラボが連携して核酸医薬や再生医療など次世代医薬品の創薬支援に取り組んでおり、日米でのシームレスな医薬品開発ニーズへの対応を強化しております。
売上高及び営業利益につきましては、新規受注及び既存案件が堅調に進捗したこと等により前連結会計年度を上回りました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(増減率%) | |
| 売上高 | 14,459 | 15,386 | +927( +6.4) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 462 | 4 | △457(△99.1) |
当事業においては、主に製薬企業の医薬品製剤開発・製造支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、製剤化検討から治験薬製造、商用生産まで医薬品製造に係る総合的なサービスを通して、生産性と効率性を追求したローコスト生産体制の確立に取り組んでおります。また、高薬理活性製剤に対応した足利工場の新注射剤棟を立ち上げ、商用生産の準備に注力しております。2018年7月には、CDMO事業の更なる事業拡大のため、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)への第三者割当増資を実施し、シミックCMO株式会社を合弁会社化しました。既存事業を基盤とする成長に加え、DBJの資金、人材、国内外企業とのネットワーク等を活用することにより、グローバルに展開する医薬品製造のプラットフォームとして、より幅広い戦略を推進してまいります。
売上高につきましては、新規受注案件の受託生産が進捗したこと等により前連結会計年度を上回りましたが、営業利益につきましては、米国における既存案件の一時的な生産量の減少及び足利工場新注射剤棟の商用生産開始に向けた立上げ費用の発生等により前連結会計年度を下回りました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(増減率%) | |
| 売上高 | 6,885 | 7,318 | +432( +6.3) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 415 | 335 | △79(△19.1) |
当事業においては、主に製薬企業の営業・マーケティング支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、シミック・アッシュフィールド株式会社において、MR(医薬情報担当者)派遣業務の受注力強化及び既存案件の着実な進行に取り組むとともに、メディカルアフェアーズ分野の派遣・教育サービスを拡大するなど、多様なサービスを組み合わせた総合的なソリューションの提供を進めております。
売上高につきましては、PVCモデルを活用した大型案件など新規受託案件が堅調に進捗したことにより前連結会計年度を上回りましたが、営業利益につきましては、大型案件の受注に伴う先行的な費用が発生したこと等により前連結会計年度を下回りました。
<ヘルスケア事業>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(増減率%) | |
| 売上高 | 7,706 | 7,212 | △494( △6.4) |
| 営業利益又は営業損失(△) | 988 | 822 | △166(△16.9) |
当事業においては、SMO(治験施設支援機関)業務、ヘルスケア情報サービスなど、主に医療機関や患者、一般消費者の医療や健康維持・増進のための支援業務を行っております。
当連結会計年度においては、サイトサポート・インスティテュート株式会社において、新規受注の獲得とメディカルコンシェルジュサービス等の新サービス拡充に取り組むとともに、24時間対応の一次応答コールセンターを立ち上げるなど、SMO業務の効率化と品質向上を推進しております。また、患者向けサービス等を行うシミックヘルスケア株式会社において、ヘルスケアに関するポータルサイト「HelC+」(ヘルシー)を開設し、がん領域に注力した病院・治験情報等の提供を開始するなど、患者向けサービス強化に取り組んでおります。
売上高及び営業利益につきましては、SMO業務において前期に実施していた大型プロジェクトの減少及び受託試験の中止等により前連結会計年度を下回りました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(増減率%) | |
| 売上高 | 2,380 | 3,149 | +768(+32.3) |
| 営業利益又は営業損失(△) | △627 | △360 | +267( - ) |
当事業は、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等へ提供する事業であり、主にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)や診断薬等の開発及び販売に係る業務を行っております。
オーファンドラッグ等事業においては、株式会社オーファンパシフィックが、自社開発品を含むオーファンドラッグ等を販売しております。また、IPMプラットフォーム提供を通じた海外製薬企業の日本市場進出支援などに取り組むとともに、2018年3月からノバルティス ファーマ株式会社より承継した高血圧治療薬「ラジレス錠®150mg」の販売を開始するなど、IPM事業の基盤強化に取り組んでおります。
診断薬事業においては、当社グループが腎疾患の診断を目的として開発した腎疾患バイオマーカー(L-FABP)の販路拡大及びプロモーションの強化に努めております。
売上高につきましては、オーファンドラッグの販売増加等により前連結会計年度を上回りましたが、足爪用浸透補修液「ザンミーラネイル」販売に係る費用の計上等により営業損失を計上いたしました。黒字化に向けて、新しいビジネスソリューション提供による事業規模拡大に引き続き取り組んでおります。
[経常利益]
当連結会計年度の経常利益は4,061百万円(前連結会計年度比8.8%増)となりました。
営業外収益として為替差益及び受取賃貸料等98百万円、営業外費用として支払利息及び持分法による投資損失等357百万円を計上しております。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,487百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
特別利益として退職給付制度終了益233百万円、特別損失として人事制度移行損失等346百万円を計上しております。また、当社完全子会社であったシミックCMO株式会社が合弁会社となったため、当社の連結納税グループから離脱し、これに伴う繰延税金資産の取崩しの影響により法人税等調整額が増加したこと等から、法人税等合計として2,187百万円を計上しております。
[財政状態]
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で12,428百万円増加し、78,034百万円となりました。これは主に、現金及び預金及び有形固定資産の増加等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末比で2,500百万円増加し、44,498百万円となりました。これは主に、短期借入金、前受金、長期借入金(1年内返済予定を含む)及び退職給付に係る負債の増加等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末比で9,927百万円増加し、33,536百万円となりました。これは主に、自己株式取得の他、シミックCMO株式会社の第三者割当増資による持分変動により生じた非支配株主持分の増加及び資本剰余金の減少等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比9,048百万円増加し、13,976百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、7,488百万円の収入(前連結会計年度4,937百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び預り金の増加等による資金増加と、法人税等の支払額による資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,203百万円の支出(前連結会計年度7,541百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,770百万円の収入(前連結会計年度2,458百万円の収入)となりました。これは主に、シミックCMO株式会社の第三者割当増資による非支配株主からの払込み及び長期借入れによる収入と、コマーシャル・ペーパーの純増減額の減少及び長期借入金の返済による支出等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
| 2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年9月期 | 2018年9月期 | |
| 自己資本比率(%) | 41.1 | 36.4 | 35.5 | 34.9 | 28.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 72.0 | 56.9 | 48.5 | 44.9 | 54.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 521.5 | 2,103.0 | 257.1 | 393.0 | 262.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 20.3 | 5.9 | 49.1 | 39.4 | 63.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。なお、控除する自己株式数については、株式給付信託(J-ESOP)が所有する当社株式を含めております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の状況
1) 生産実績
当連結会計年度のセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) | 前連結会計年度比(%) |
| CRO事業 | 37,856 | +10.9 |
| CDMO事業 | 15,217 | +3.8 |
| CSO事業 | 7,319 | +6.3 |
| ヘルスケア事業 | 7,167 | △2.0 |
| IPM事業 | 3,158 | +35.5 |
| 合計 | 70,720 | +8.3 |
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2) 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前連結 会計年度比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前連結 会計年度比 (%) |
| CRO事業 | 37,873 | △12.7 | 55,805 | +1.6 |
| CDMO事業 | 15,463 | +5.2 | 3,827 | +5.8 |
| CSO事業 | 7,482 | +70.6 | 3,261 | +5.4 |
| ヘルスケア事業 | 7,654 | +5.3 | 9,639 | +5.6 |
| 合計 | 68,474 | △1.8 | 72,534 | +2.5 |
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. CDMO事業の受注残高は確定注文を受けているもののみを計上しております。顧客から提示を受けている年間ベースでの発注計画等は、確定注文とは異なりますので受注残高には含めておりません。
4. IPM事業は受託事業と業態が異なるため、受注実績から除外しております。
3) 販売実績
当連結会計年度のセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年10月1日 至 2018年9月30日) | 前連結会計年度比(%) |
| CRO事業 | 37,003 | +8.8 |
| CDMO事業 | 15,255 | +6.2 |
| CSO事業 | 7,316 | +6.3 |
| ヘルスケア事業 | 7,145 | △6.3 |
| IPM事業 | 3,149 | +32.4 |
| 合計 | 69,869 | +7.0 |
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. 連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの売上高は、69,869百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。報告セグメントごとの売上高(セグメント間の内部取引を含む。)は、CRO事業37,296百万円(前連結会計年度比9.1%増)、CDMO事業15,386百万円(前連結会計年度比6.4%増)、CSO事業7,318百万円(前連結会計年度比6.3%増)、ヘルスケア事業7,212百万円(前連結会計年度比6.4%減)、IPM事業3,149百万円(前連結会計年度比32.3%増)となりました。ヘルスケア事業においては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、前連結会計年度に比べ売上高が減少しましたが、CRO事業を中心に業容拡大しております。
当連結会計年度における当社グループの営業利益は4,321百万円(前連結会計年度比10.9%増)、経常利益は4,061百万円(前連結会計年度比8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,487百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。
当連結会計年度は、2015年11月策定の中期計画(2016年9月期 ~2018年9月期)の最終年度であり、同中期計画と当連結会計年度の実績との比較は、以下のとおりであります。
| 2018年9月期 | 達成率 | ||
| 中期計画 | 実 績 | ||
| 売上高 | 717億円 | 698億円 | 97.4% |
| 営業利益 | 48億円 | 43億円 | 89.6% |
| 営業利益率 | 6.7% | 6.2% | △0.5% |
なお、2018年11月策定の中期計画(2019年9月期 ~2021年9月期)において、継続的な成長とそれを上回る利益成長を通じて、2021年9月期に以下の目標を達成することを目指しております。
| 2021年9月期 | 成長率 | |
| 中期計画 | ||
| 売上高 | 855億円 | 7.0% |
| 営業利益 | 68億円 | 16.6% |
| 営業利益率 | 8.0% | - |
| ROE | 12.0%以上 | - |
(注)成長率は2018年9月期を起点としております。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性の状況
1) 資金の流動性について
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社の資金を集中管理することにより、余剰資金の効率化を図っております。また、手元流動性確保のために、コマーシャル・ペーパー発行枠、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
2) 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による長期と短期のバランスを勘案し、コマーシャル・ペーパー発行と金融機関等から短期借入と長期借入により、資金調達を行いました。
3) 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金です。主な設備投資につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」の記載の通りであります。