有価証券報告書-第36期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

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2020/12/16 13:57
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、製薬企業の付加価値向上に貢献する独自の事業モデルであるPVC(Pharmaceutical Value Creator)を展開しております。CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、CSO(医薬品営業支援)事業、ヘルスケア事業において、製薬企業の開発、製造、営業・マーケティングのバリューチェーンを広範に支援しております。また、IPM(Innovative Pharma Model)事業では、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等に提供しております。
医薬品業界においては、“患者により適した医療”の提供に向けて、革新的医薬品の創出が期待される一方で、保険医療財政への影響から、薬価制度の見直しが進んでおり、医薬品産業は技術力や生産性の向上を通じて国際競争力のある産業構造へ転換することが求められています。第四次産業革命と称される人工知能(AI)やIoTなどの新たなテクノロジーが社会全体に大きな変革をもたらし、ヘルスケア分野においても、医療のあり方や健康に対する個人の価値観が変化する中で、産官学民が連携して少子高齢化社会に対するイノベーションに取り組んでいます。
2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、社会経済に多大なる影響を及ぼしており、依然として収束がみえないことから、先行きの不透明感が払拭できない状況が続いております。改めて患者の生命維持に直結する医薬品開発の重要性が認識されるとともに、海外依存度が高い医薬品原薬等の国内製造の促進が図られるなど医薬品の安定供給体制の確保が求められております。
当社グループは、2019年9月期を初年度とした中期計画(FY2019-2021)において、中長期的な企業価値向上の実現に向けて、PVCモデルの加速、グローバル化の促進、ヘルスケアビジネスの創出を重点取組事項に掲げており、グループ一丸となって諸施策を推進しております。新型コロナウイルス感染症の発生は、医療環境や経済環境、人々の働き方までも急速に変化させつつあり、ポストコロナ時代に対応するため、デジタル分野の強化、グループ人材のヘルスケア分野への展開などの取り組みを進めております。
当社グループはヘルスケア関連企業として、新型コロナウイルス感染症に対する有効な治療や予防手段の開発支援に尽力することで、患者の早期回復に効果的な治療と医療システムの維持に貢献し、その使命を果たしてまいります。
[売上高及び営業利益]
当連結会計年度においては、、新規ヘルスケアビジネスの創出など、中期計画の重要課題に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、医療機関への訪問自粛やこれに伴う安全性情報の回収遅延、学会及びセミナー中止等、事業活動の縮小を余儀なくされましたが、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発及び製造販売後支援業務の受注等、引き合いは回復しつつあります。引き続き、新規案件獲得に向けた営業活動に注力しております。
当連結会計年度につきましては、CDMO事業及びCSO事業が伸長したことにより、売上高は76,098百万円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。営業利益につきましては、CSO事業が増加したものの、CRO事業が減益となったこと等により、営業利益は2,605百万円(前連結会計年度比40.9%減)と、前連結会計年度を下回りました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の業績及び前年同期比較につきましては、変更後の報告セグメントの区分のものに組み替えて表示しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高36,52234,242△2,280( △6.2)
営業利益又は営業損失(△)6,6235,052△1,571(△23.7)

当事業においては、主に製薬企業の医薬品開発支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、海外企業の日本市場参入や異業種のヘルスケア市場参入支援、バイオ医薬品や再生医療等製品など高度化する開発ニーズへの対応を促進するとともに、アジアにおける拠点拡大に取り組んでおります。
臨床業務においては、同一案件にグループの複数の事業が関与するPVC案件や、オンライン診療を活用したバーチャル臨床試験及び電子お薬手帳を用いた治験プロセス効率化等のデジタルを活用した臨床試験の提案促進、人材の専門性及び技術力向上に努めております。
非臨床業務においては、国内と米国ラボとの連携を強化し、核酸医薬や再生医療など先端領域の創薬支援に積極的に取り組んでおります。
売上高につきましては、臨床業務において、開発案件の小型化、開発難易度の上昇等の影響を受け、受注獲得の遅れや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりプロジェクトの開始延期や中止が発生したこと等により前連結会計年度を下回りました。これに伴い臨床業務における稼働率が低下したこと等により、営業利益につきましても、前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高17,29220,832+3,539( +20.5)
営業利益又は営業損失(△)116△412△529( - )

当事業においては、主に製薬企業の医薬品製剤開発・製造支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、製剤化検討から治験薬製造、商用生産まで、グローバルに展開する医薬品製造のプラットフォームとして、技術力及び品質の更なる向上とローコスト生産体制の進展、戦略的な設備投資を通じた競争力強化を図っております。
売上高につきましては、米国において受託生産量の減少があったものの、国内における受託生産量の増加と、2019年6月に事業を開始したシミックCMO西根株式会社の寄与により、前連結会計年度を上回りました。営業利益につきましては、米国における売上高減少の影響が大きく、前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高7,9298,626+696( +8.8)
営業利益又は営業損失(△)236834+598(+252.9)

当事業においては、主に製薬企業の営業・マーケティング支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、MR(医薬情報担当者)派遣業務や関連する新たなサービスに加え、メディカルアフェアーズ関連業務の営業活動を強化し、複数のコミュニケーションチャネルと多様なサービスを組み合わせた総合的なソリューションの提供を進めております。
売上高及び営業利益につきましては、前連結会計年度に獲得したMR派遣業務の案件が堅調に進捗し、稼働率が高い水準で推移したこと等により、前連結会計年度を上回りました。
<ヘルスケア事業>(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高10,1079,903△203( △2.0)
営業利益又は営業損失(△)1,158583△575( △49.7)

当事業においては、SMO(治験施設支援機関)業務に加え、ヘルスケアサービスとして、主に医療機関や患者、一般消費者の医療や健康維持・増進に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、SMO業務におけるがん領域の対応強化とともに新サービスの拡充を進めております。また、電子お薬手帳「harmo」事業、自己検査サービス「SelCheck」の展開をはじめ、疾患の早期発見や重症化予防に貢献するビジネスの創出に取り組んでおります。引き続き、SMO業務の新規受注確保と、新規ヘルスケアビジネスの早期収益化を目指します。
売上高につきましては、ヘルスケアサービスが伸長したものの、BPO・人材サービス等において業務量の減少があったことから、前連結会計年度を下回りました。営業利益につきましては、BPO・人材サービス等の売上高の減少と、新たなヘルスケアビジネス創出のための先行投資を行ったことにより、前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高3,3683,395+27( +0.8)
営業利益又は営業損失(△)△396169+566( - )

当事業は、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等へ提供する事業であり、主にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)や診断薬等の製造販売に係る業務を行っております。
自社開発品を含むオーファンドラッグ等の販売のほか、IPMプラットフォーム提供を通じた海外製薬企業の日本市場進出支援や、製薬企業のビジネスモデル変化に応じた戦略オプションの提供等によるIPM事業の基盤強化を進めております。特に昨今、海外製薬企業からのIPMプラットフォームの活用ニーズが高まっており、複数案件が進捗しております。引き続き新しいビジネスソリューションの提供により、事業規模拡大と利益確保に取り組んでいきます。
売上高につきましては、前連結会計年度並みとなりましたが、営業利益につきましては、原価低減等の効果により、黒字を計上いたしました。
[経常利益]
当連結会計年度の経常利益は2,867百万円(前連結会計年度比25.4%減)となりました。
なお、営業外収益として持分法による投資利益等555百万円、営業外費用として支払利息及び為替差損等293百万円を計上しております。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,505百万円(前連結会計年度比17.4%減)となりました。
なお、特別利益として子会社株式売却益及び受取保険金等103百万円、特別損失として減損損失、固定資産除却損等1,013百万円、法人税等合計として792百万円及び非支配株主に帰属する当期純損失として341百万円を計上しております。
減損損失につきましては、CDMO事業の米国法人において新しい施設を立ち上げ、現施設からの移転と製造停止を決定したことに伴い、736百万円を計上しております。
[財政状態]
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で9,337百万円増加し、89,517百万円となりました。これは主に、CDMO事業における有形固定資産及び投資有価証券等の増加によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末比で8,320百万円増加し、55,506百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えた資金確保のための金融機関からの借入金等の増加によるものであります。
なお、国際財務報告基準又は米国会計基準を適用している当社の在外連結子会社は、当連結会計年度より国際財務報告基準第16号「リース」及び米国会計基準ASU2016-02「リース」を適用した影響でリース資産及びリース債務等の残高が増加しております。
純資産合計は、前連結会計年度末比で1,017百万円増加し、34,011百万円となりました。これは主に、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金等の増加と退職給付に係る調整累計額及び非支配株主持分等の減少によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比で543百万円増加し、12,688百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,703百万円の収入(前連結会計年度4,922百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費による資金増加等と、法人税等の支払いによる資金減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,542百万円の支出(前連結会計年度4,889百万円の支出)となりました。これは主に、CDMO事業における有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,354百万円の収入(前連結会計年度1,764百万円の支出)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えた資金確保のための金融機関からの借入金等の増加と配当金の支払いによる支出等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
1) 生産実績
当連結会計年度のセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
前連結会計年度比
(%)
CRO事業33,686△8.1
CDMO事業20,618+15.8
CSO事業8,625+8.8
ヘルスケア事業9,525+0.4
IPM事業3,499+4.2
合計75,955+1.0

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. 前連結会計年度比は、前連結会計年度における生産実績を組織体制変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
2) 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前連結
会計年度比
(%)
受注残高
(百万円)
前連結
会計年度比
(%)
CRO事業36,852+7.156,608+5.6
CDMO事業20,855+11.45,412+1.9
CSO事業7,736△11.03,132△22.1
ヘルスケア事業10,125△6.411,873+5.9
合計75,570+4.077,028+3.9

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. CDMO事業の受注残高は確定注文を受けているもののみを計上しております。顧客から提示を受けている年間ベースでの発注計画等は、確定注文とは異なりますので受注残高には含めておりません。
4. 前連結会計年度比は、前連結会計年度における受注高及び受注残高を組織体制変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
5. IPM事業は受託事業と業態が異なるため、受注実績から除外しております。
3) 販売実績
当連結会計年度のセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
前連結会計年度比
(%)
CRO事業33,858△6.7
CDMO事業20,755+20.4
CSO事業8,626+8.8
ヘルスケア事業9,463△1.1
IPM事業3,395+0.8
合計76,098+2.3

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. 前連結会計年度比は、前連結会計年度における販売実績を組織体制変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
4. 連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしております。現時点において、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの業績に与える影響は限定的であると仮定して、重要な会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
2021年9月期につきましては、以下の業績を予想しております。
(単位:百万円)
2021年9月期
売上高80,000
営業利益3,300
経常利益3,100
親会社株主に帰属する当期純利益1,650

③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性の状況
1) 資金の流動性について
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社の資金を集中管理することにより、余剰資金の効率化を図っております。また、手許流動性確保のために、コマーシャル・ペーパー発行枠、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
2) 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、新型コロナウイルス感染症による影響を見据えた資金確保や調達コストとリスク分散の観点による長期と短期のバランスを勘案し、コマーシャル・ペーパー発行と金融機関等から短期借入と長期借入により、資金調達を行いました。
3) 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金です。主な設備投資につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」の記載のとおりであります。

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