有価証券報告書-第37期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)

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2021/12/15 13:21
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、製薬企業の付加価値向上に貢献する独自の事業モデルであるPVC(Pharmaceutical Value Creator)を展開しております。CRO(医薬品開発支援)事業、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業、CSO(医薬品営業支援)事業、ヘルスケア事業において、製薬企業の開発、製造、営業・マーケティングのバリューチェーンを広範に支援しております。また、IPM(Innovative Pharma Model)事業では、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等に提供しております。
医薬品業界においては、“患者により適した医療”の提供に向けて、技術革新や産官学連携による革新的医薬品の創出が期待される一方で、2021年度から毎年薬価改定が実施され、初の中間年改定では、薬価引き下げの対象となった医薬品が多品目にのぼったことから、製薬企業の収益への圧力となっております。これに対し、製薬企業はM&A等を活用した開発パイプラインの拡充や海外事業の強化、経営効率化等の対応を進めています。研究開発においては、新規の創薬基盤技術を活用した医薬品開発や、予防から診断、治療、予後に至る疾患のトータルケアへの取り組み、人工知能(AI)やIoTなど新たなテクノロジーを活用した研究開発も加速しています。一方、昨年来、ジェネリック医薬品メーカーの自主回収が相次ぎ、承認されたものと異なる製造方法による生産が行われていた事例が発覚するなど、医薬品の品質について改めて厳格な対応が求められております。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、複数の変異株が発現したことから抑制に時間を要しているものの、自治体や職域によるワクチン接種が進み、医療体制の逼迫も一部解消されつつあることから、医薬品の開発環境は改善の方向に向かっております。リモート環境での臨床試験の実施と安全性情報の収集、リアルワールドデータの活用等を通じ、医薬品開発の迅速性と効率化の取り組みが進められております。こうしたデジタル化の進展に伴い、既存のビジネスモデルからの転換を図る動きもみられます。
当社グループは、この急速に変化する外部環境に対し、中期計画(FY2019-2021)の重点取組事項(①PVCモデルの加速、②グローバル化の促進、③ヘルスケアビジネスの創出)の諸施策を推進するとともに、「Healthcare Revolution」プロジェクトを開始し、医薬品を中心としたビジネスモデルから、新たなヘルスケアビジネスを創出するモデルへの転換に挑戦することとし、個人の健康維持・健康増進に貢献するビジネスの創出や、グループ人材のヘルスケア分野への展開を促進しております。
当社グループはヘルスケア関連企業として、新型コロナウイルス感染症に対する有効な治療や予防手段の開発支援に尽力することで、患者の早期回復に効果的な治療と医療システムの維持に貢献し、その使命を果たしてまいります。
[売上高及び営業利益]
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発及び製造販売後支援業務等の新規案件獲得に向けた営業活動を強化するとともに、グループ人材のヘルスケア分野への活用を促進し、自治体向けの新型コロナウイルス感染症対策支援業務に注力するなど、中期計画の重要課題に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、依然として医療機関への訪問自粛や開発案件の進捗遅延があるものの、リモート対応を前提とした事業活動が定着し、引き合いも増加しつつあります。
当連結会計年度につきましては、主にヘルスケア事業の伸長等により、売上高85,788百万円(前連結会計年度比12.7%増)、営業利益は4,920百万円(前連結会計年度比88.8%増)と、前連結会計年度を上回りました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高34,24234,954+712( +2.1)
営業利益又は営業損失(△)5,0524,364△687(△13.6)

当事業においては、主に製薬企業の医薬品開発支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、海外企業の日本市場参入や異業種のヘルスケア市場参入支援、バイオ医薬品や再生医療等製品など高度化する開発ニーズへの対応を促進するとともに、非臨床から市販後までの一気通貫体制を活用し、医薬品開発のスピード最大化に取り組んでおります。
臨床業務においては、Healthcare Communication Channel「harmo®」を用いた治験プロセス効率化やニューノーマル時代の新たな治験様式の提案、人材の専門性及び技術力向上に努めております。
非臨床業務においては、国内と米国ラボが連携し、核酸医薬や再生医療など先端領域の創薬支援に積極的に取り組んでおります。
売上高につきましては、非臨床業務の伸長や新型コロナウイルス感染症関連の市販後及び臨床研究業務等の新規案件獲得により、前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益につきましては、一時的な退職給付費用の発生等により、前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高20,83221,196+364( +1.7)
営業利益又は営業損失(△)△412△153+259( - )

当事業においては、主に製薬企業の医薬品製剤開発・製造支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、製剤化検討から治験薬製造、商用生産まで、グローバルに展開する医薬品製造のプラットフォームとして、技術力及び品質の更なる向上とローコスト生産体制の進展、戦略的な設備投資を通じた競争力強化を図っております。2022年9月期に生産開始が予定されている大型商用生産案件や米国における新たな施設・生産ラインの立ち上げ、新規案件の獲得に注力しております。
売上高につきましては、受託生産量の増加等により前連結会計年度を上回りました。営業利益につきましては、バイオ医薬品原薬の製造受託ビジネスにかかる先行投資費用が発生したことから、営業損失を計上しておりますが、増収の効果により損失幅は前連結会計年度より縮小しました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高8,6268,977+351(+4.1)
営業利益又は営業損失(△)834890+55(+6.7)

当事業においては、主に製薬企業の営業・マーケティング支援に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、MR(医薬情報担当者)派遣業務や関連する新たなサービスに加え、メディカルアフェアーズ関連業務の営業活動を強化し、複数のコミュニケーションチャネルと多様なサービスを組み合わせた総合的なソリューションの提供を進めております。
売上高及び営業利益につきましては、MR派遣業務における新規案件の獲得により、前連結会計年度を上回りました。
<ヘルスケア事業>(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高9,90317,876+7,972( +80.5)
営業利益又は営業損失(△)5833,590+3,007(+515.8)

当事業においては、SMO(治験施設支援機関)業務に加え、ヘルスケアサービスとして、主に医療機関、患者や生活者の医療や健康維持・増進に係る業務を行っております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症に対する有効な治療及び予防手段の開発支援や、自治体によるPCR検査及びワクチン接種の支援に注力しています。引き続きHealthcare Communication Channel「harmo®」事業や、疾患の早期発見及び重症化予防に貢献するヘルスケアビジネスの創出に取り組むとともに、SMO業務の新規受注を確保し、新規ヘルスケアビジネスの早期収益化を目指します。
売上高につきましては、ワクチン接種支援に係るBPO・人材サービス及びSMO業務等が伸長したことから、前連結会計年度を大幅に上回りました。営業利益につきましても、新たなヘルスケアビジネス創出のための先行投資を行ったものの、増収の効果により、前連結会計年度を大幅に上回りました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額(増減率%)
売上高3,3953,683+288( +8.5)
営業利益又は営業損失(△)169△19△188( - )

当事業は、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)とバリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを製薬企業等へ提供する事業であり、主にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)や診断薬等の製造販売に係る業務を行っております。
自社開発品を含むオーファンドラッグ等の販売のほか、IPMプラットフォーム提供を通じた海外製薬企業の日本市場進出支援や、製薬企業のビジネスモデル変化に応じた戦略オプションの提供等によるIPM事業の基盤強化を進めております。近年、海外製薬企業からのIPMプラットフォームの活用ニーズが高まっており、複数案件が進捗しております。2021年1月には、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作抑制薬「オラデオカプセル 150mg」の日本国内における製造販売承認を取得しました。また、2021年7月には、選任製造販売業者として承認取得を支援したGrifols Therapeutics, LLC「リンスパッド™点滴静注用 1000mg」の国内販売を開始しました。引き続き新しいビジネスソリューションの提供により、事業規模拡大と利益確保に取り組んでまいります。
売上高につきましては、新製品の販売により前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益はオーファンドラッグの研究開発費の増加及び一時的な在庫評価損の計上等により、前連結会計年度を下回りました。
[経常利益]
当連結会計年度の経常利益は5,091百万円(前連結会計年度比77.6%増)となりました。
なお、営業外収益として為替差益及び助成金収入等399百万円、営業外費用として支払利息等228百万円を計上しております。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,023百万円(前連結会計年度比34.4%増)となりました。
なお、特別利益として投資有価証券売却益及び債務免除益等714百万円、特別損失として減損損失及び投資有価証券評価損等2,331百万円、法人税等合計として2,397百万円及び非支配株主に帰属する当期純損失として946百万円を計上しております。
減損損失につきましては、シミックCMO㈱が保有する足利工場(新注射剤棟を除く)の固定資産について、主力受託製造製品の生産量の落ち込みと設備の老朽化が進み、将来の安定製造基盤の確立を目指した抜本的な改善計画に着手したことから、2,102百万円を計上しております。
法人税等調整額につきましては、一部連結子会社での税効果会社分類の見直し及び将来減算一時差異の増加によって繰延税金資産が増加したことから、△1,550百万円を計上しております。
[財政状態]
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で1,674百万円増加し、91,192百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金等の増加と現金及び預金等の減少によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末比で1,200百万円増加し、56,706百万円となりました。これは主に、未払法人税等と長期借入金、流動負債の「その他」等の増加と短期借入金等の減少によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末比で474百万円増加し、34,485百万円となりました。これは主に、利益剰余金等の増加と非支配株主持分等の減少によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比で3,308百万円減少し、9,379百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,804百万円の収入(前連結会計年度6,703百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費による資金増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,685百万円の支出(前連結会計年度8,542百万円の支出)となりました。これは主に、CDMO事業における有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,348百万円の支出(前連結会計年度2,354百万円の収入)となりました。これは主に、金融機関からの借入金等の返済と配当金の支払いによる支出等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
1) 生産実績
当連結会計年度のセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
前連結会計年度比
(%)
CRO事業34,422+2.2
CDMO事業22,464+9.0
CSO事業8,979+4.1
ヘルスケア事業17,828+87.2
IPM事業3,785+8.2
合計87,481+15.2

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2) 受注実績
当連結会計年度のセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前連結
会計年度比
(%)
受注残高
(百万円)
前連結
会計年度比
(%)
CRO事業36,883+0.158,889+4.0
CDMO事業21,554+3.45,880+8.6
CSO事業9,413+21.73,568+13.9
ヘルスケア事業22,164+118.916,581+39.7
合計90,015+19.184,920+10.2

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. CDMO事業の受注残高は確定注文を受けているもののみを計上しております。顧客から提示を受けている年間ベースでの発注計画等は、確定注文とは異なりますので受注残高には含めておりません。
4. IPM事業は受託事業と業態が異なるため、受注実績から除外しております。
3) 販売実績
当連結会計年度のセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
前連結会計年度比
(%)
CRO事業34,602+2.2
CDMO事業21,087+1.6
CSO事業8,977+4.1
ヘルスケア事業17,456+84.5
IPM事業3,664+7.9
合計85,788+12.7

(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
3. 連結売上高の10%以上を占める相手先がないため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これら見積りと異なる可能性があります。
なお、2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしております。現時点において、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの業績に与える影響は限定的であると仮定して、重要な会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度は、2018年11月策定の中期計画(2019年9月期~2021年9月期)の最終年度であり、同中期計画と当連結会計年度の実績との比較は、以下のとおりであります。売上高は計画855億円に対して857億円と達成いたしました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大による臨床試験の開発遅延・中止等によりCRO事業が減収したこと、CDMO事業の新注射剤棟における本格的な商用生産の開始が遅れたこと等により、営業利益は未達となりました。
2021年9月期達成率
中期計画実績
売上高855億円857億円100.3%
営業利益68億円49億円72.4%
営業利益率(%)8.0%5.7%-
ROE12%以上8.3%-

2022年9月期につきましては、以下の業績を予想しております。
(単位:百万円)
2022年9月期
売上高88,000
営業利益4,000
経常利益3,850
親会社株主に帰属する当期純利益2,050

③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性の状況
1) 資金の流動性について
資金の流動性につきましては、当社及び一部の連結子会社の資金を集中管理することにより、余剰資金の効率化を図っております。また、手許流動性確保のために、コマーシャル・ペーパー発行枠、当座貸越枠及びコミットメントライン契約等の調達手段を備えております。
2) 資金の調達
当連結会計年度の資金調達は、新型コロナウイルス感染症による影響を見据えた資金確保や調達コストとリスク分散の観点による長期と短期のバランスを勘案し、コマーシャル・ペーパー発行と金融機関等から短期借入と長期借入により、資金調達を行いました。
3) 資金の使途
当連結会計年度の資金の使途は、主として、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金です。主な設備投資につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」の記載のとおりであります。

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