有価証券報告書-第32期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年11月1日~2020年10月31日)におけるわが国経済は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年明け以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により急激な悪化が続き厳しい状況にありました。「緊急事態宣言」解除後は、経済活動を段階的に引き上げていく動きではありますが、新型コロナウイルスの感染拡大懸念から先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが主に事業を展開する情報サービス産業においては、ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーン等の先進的な技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の動きが加速しております。サイバーセキュリティ強化といった社会的な要因によるITインフラ投資が増加傾向にあり、企業のDXに対応可能な環境整備を推進する動きに加え、新型コロナウイルス感染拡大を受けたリモートワークへの対応が急速に活発化しました。一方、業界全体として最新スキルを持つ技術者の不足は常態化しており、当社グループにおいても競合他社との獲得競争が激化し、人材不足傾向が続いております。
このような状況の下、当社グループはシステム開発企業からIT金融企業へ変革すべく、①フィンテック/ブロックチェーン領域への注力、②DXにおけるセキュリティソリューションの提供強化、③二次請けから一次請けへのシフトという3つの施策に取り組みました。また、経営資源の集中を図るためグループ事業の再編に取り組み、その一環として以下を実施いたしました。
2019年11月に連結子会社であった株式会社クシムテクノロジーズ(旧商号:株式会社東京テック)の全株式を同じく当社の連結子会社であった株式会社クシム(旧商号:アイスタディ株式会社、以下、「クシム」といいます。)に譲渡いたしました。
2020年3月にグループ事業の再編と同時に経営管理機能と事業執行機能を分離し、それぞれの機能に特化した体制を構築することで権限と責任を明確にし、経営のスピードを更に引き上げ、グループ経営体制を強化すべく、当社は2020年3月1日付で持株会社体制へ移行し、当社の100%子会社である株式会社CAICAテクノロジーズ(旧商号:株式会社カイカ分割準備会社、以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)に対して、会社分割(吸収分割)にてシステム開発等を行う情報サービス事業を承継いたしました。
同じく2020年3月に、連結子会社であった株式会社クシムインサイト(旧商号:株式会社CCCT、以下、「クシムインサイト」といいます。)の株式の90%をクシムに譲渡するとともに、クシムインサイトが保有するソフトウェア及び投資有価証券等の資産の一部を当社の連結子会社であるCAICAテクノロジーズに譲渡いたしました。
更に、2020年3月から6月にかけて、当社はクシムの株式を売却いたしました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による金融市場の混乱及びその後の経済への影響に備え、財務体質の強化策として十分な手元資金を確保することや有利子負債の一部返済をすることを目的としたものであります。
また、2020年9月にライツ・オファリングにより約43億円を資金調達し、10月にはCAICA中期経営計画「IT金融の更なる深化に向けて」を策定いたしました。計画達成に向け、当社グループ役職員一丸となってIT金融企業として成長を加速してまいります。
当連結会計年度における売上高は6,003百万円(前連結会計年度比21.0%減)となりました。情報サービス事業におけるシステム開発は、新型コロナウイルスの影響により顧客のIT投資が抑制傾向となったことから新規案件の受注が計画比で減少したものの、既存の継続案件は堅調に推移いたしました。なお、前連結会計年度は株式会社ネクス・ソリューションズ(以下、「ネクス・ソリューションズ」といいます。)の業績が9ヵ月分計上されておりますが、同社の全株式を譲渡し、連結から除外したこと等により前連結会計年度比では売上高が減少しております。また、第1四半期連結会計期間において当社子会社であったクシムインサイトが保有していた活発な市場が存在しない暗号資産の評価損として26百万円を売上高から減額しておりましたが、当該暗号資産の残り全てを2020年2月に売却したことから、暗号資産の譲渡損として追加で1百万円を売上高から減額いたしました。更にeワラント証券株式会社(以下、「eワラント証券」といいます。)の売上高(トレーディング損益)は、リスク管理の強化としてリスク及びリターンの大きい商品の販売を抑制したことから、新型コロナウイルスの影響による相場変動を受けた第2四半期までの損失を補いきれませんでした。加えて、クシムの全株式を売却したことにより、当連結会計年度におけるHRテクノロジー事業の業績は2020年4月までの6ヵ月分の反映となっております。
利益面では、各事業会社において販売費及び一般管理費の削減を行ったものの売上高の減少を補うには至らず、営業損失679百万円(前連結会計年度は営業損失615百万円)となりました。また、営業損失の計上に加え持分法による投資損失等の営業外費用を254百万円計上したことから、経常損失903百万円(前連結会計年度は経常損失1,111百万円)となりました。また、暗号資産関連事業においてソフトウェア資産の減損処理を行ったこと等から特別損失116百万円を計上いたしました。一方、クシム株式の売却による関係会社株式売却益等、特別利益498百万円を計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は557百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,753百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
1)情報サービス事業
前連結会計年度にネクス・ソリューションズの全株式を譲渡し、連結から除外したこと等により、前連結会計年度比では、売上、利益ともに減少いたしました。
金融機関向けのシステム開発分野は、保険及び銀行向けで堅調に推移していたものの、新型コロナウイルスの影響により顧客のIT投資が抑制傾向となったことから新規案件の受注が減少いたしました。一方で既存の継続案件は堅調に推移いたしました。非金融向けのシステム開発分野においては、コロナ禍においても、顧客の事業拡大意欲は引き続き旺盛であり、IT投資も継続されていることから、新規案件を複数獲得し、受注が拡大しております。また、リモートワークの広がりを受け、「セキュリティコンサルティング・サービス」の引き合いが増加しております。「セキュリティコンサルティング・サービス」は、世界大手のシステムインテグレーターのコアパートナーとして積み上げたインフラ関連全般(設計・導入・運用・保守等)の基盤インフラ業務の実績に加え、暗号資産交換所におけるサイバーセキュリティの知見が評価されています。当該サービスをコアソリューションと位置付け、今後マーケティングを強化することで売上の拡大を図ってまいります。
これらの結果、情報サービス事業の売上高は、4,852百万円(前連結会計年度比33.2%減)、営業利益は177百万円となりました。
なお、持株会社体制への移行に伴い、当社(持株会社)に係る全社費用を各報告セグメントに配分しない方法に変更しております。このため、セグメント損益(営業損益)の対前連結会計年度比は記載しておりません。
2)暗号資産関連事業
当社グループは、暗号資産に関するシステムの研究、開発、販売、コンサルティング、暗号資産の投融資及び運用事業を行っております。なお、2020年3月、当社はクシムにクシムインサイト株式の一部を譲渡しておりますが、譲渡前にクシムインサイトが保有するソフトウェア及び投資有価証券等の資産の一部を当社の連結子会社であるCAICAテクノロジーズに譲渡しており、クシムインサイトで行っていた暗号資産関連のシステム開発はCAICAテクノロジーズで行っております。また、クシムインサイトは第1四半期連結会計期間まで暗号資産関連事業セグメントに区分しておりましたが、株式の一部譲渡に伴い3月、4月分の業績は、HRテクノロジー事業セグメントに区分しております。暗号資産関連のシステム開発については、暗号資産交換所「Zaif Exchange」のカスタマイズ案件や業務支援案件を多数受注したことから、売上・利益ともに好調であります。外部向けの自社開発製品であり、システム構築から運用体制をワンストップで提供可能な暗号資産交換所システム「crypto base C(クリプトベースシー)」のパッケージ販売については、コロナ禍による営業先の投資の見合わせもあり、受注獲得には至りませんでした。暗号資産の投融資運用は、暗号資産に関するシステム構築のノウハウ獲得のために行っているものであり、当連結会計年度は、前連結会計年度に引き続き運用を抑制しております。また、第1四半期連結会計期間において、活発な市場が存在しない暗号資産の評価損として26百万円を売上高から減額しておりましたが、当該暗号資産のすべてを2020年2月に売却したことから、暗号資産の譲渡損として追加で1百万円を売上高から減額いたしました。
これらの結果、暗号資産関連事業の売上高は、310百万円(前連結会計年度は12百万円)、営業損失は125百万円(前連結会計年度は営業損失310百万円)となりました。
3)金融商品取引事業
金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業であるeワラント証券は、カバードワラントの商品設計、システム開発、安定運用等について、高度な専門知識と経験を持つスタッフを擁し、日本における代表的な小口の投資家向け店頭カバードワラント※1である「eワラント」(eワラント証券の登録商標)を提供しております。
2019年9月より開始した、eワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」については、口座数は着実に増加しております。2020年10月期は、新商品として、今後の株式相場の下落にレバレッジ投資ができる「野村日経225ダブルインバースETF(リンク債)レバレッジトラッカー」や世界的な低金利下で注目が高まる銀相場を対象とした「銀(リンク債)レバレッジトラッカー」の取り扱いを開始しています。さらに、トヨタやソフトバンクGなど、日本を代表する国内個別株を対象とするeワラントの取り扱いを開始し、順調に取扱高を拡大しております。
また、eワラント証券では、2020年4月よりCFD(Contract for Difference:差金決済取引)のサービスの提供を開始いたしました。CFDは少額で、国内外の相場に、レバレッジをかけた投資を、ほぼ24時間行うことができるという特徴があります。eワラント証券のCFDは数千円程度の少額の資金から取引ができ、自動売買にも対応した取引ツールを採用している点に特色があります。また、eワラントとCFDを組み合わせることで、より相場局面にあった多彩な投資戦略を取ることが可能となりました。
一方、新型コロナウイルスの影響により株式市場が急変したことに伴い、想定を超える商品価格の変動等によりトレーディング収益が悪化いたしました。第2四半期の金融市場の大きな変動による損失を受け、リスク管理及び管理体制等の見直しを行った結果、5月及び6月は2ヵ月連続の黒字となりましたが、7月以降、第2四半期の落ち込み分を補うまでには至りませんでした。
今後はカバードワラント事業、株価指数を原資産とした証券CFDに加えて、暗号資産を原資産とした暗号資産CFDの開発・販売により収益の拡大を図ってまいります。
これらの結果、金融商品取引事業の売上高は155百万円(前連結会計年度比66.0%減)、営業損失は426百万円(前連結会計年度は営業損失266百万円)となりました。
※1 カバードワラントとは、金融商品取引法上の有価証券であり、オプション取引に係る権利を表示する証券のことです。「オプション取引」と同様に、投資家はオプションの買い手として、株式等のコール型ワラント(買う権利)やプット型ワラント(売る権利)を購入することができます。
4)HRテクノロジー事業
主な事業内容は、Eラーニング事業、アカデミー事業、インキュベーション事業となります。
HRテクノロジー事業の売上高は881百万円、営業損失は18百万円であります。なお、のれん償却額を88百万円計上しております。
連結対象期間が異なるため、前連結会計年度比は記載しておりません。また、上述のとおり当社は3月~6月にかけてクシムの全株式を売却したことから、当連結会計年度におけるHRテクノロジー事業の業績は2020年4月までの6ヵ月分の反映となっております。
財政状態は、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会年度末に比べ802百万円増加し、11,297百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,392百万円減少し、2,057百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,195百万円増加し、9,239百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,396百万円増加し、4,960百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、591百万円(前連結会計年度は232百万円の資金の減少)となりました。主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失521百万円、関係会社株式売却益488百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、446百万円(前連結会計年度は1,203百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因としては、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入1,794百万円などによるものであり、主な減少要因としては、投資有価証券の取得による支出1,442百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、2,540百万円(前連結会計年度は1,173百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因としては、株式の発行による収入4,344百万円などによるものであり、主な減少要因としては長期借入金の返済による支出1,684百万円などによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1 金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
2 「金融商品取引事業」及び「HRテクノロジー事業」につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の生産実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したため、生産が増加したことによるものであります。
(2) 仕入実績
当社グループの仕入実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「金融商品取引事業」及び「HRテクノロジー事業」につきましては、受注生産形態をとっていないため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の受注実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したことによるものであります。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「暗号資産関連事業」につきましては、暗号資産関連等のシステム開発・保守運用の販売実績を記載しており、暗号資産の運用損益は上記表には含めておりません。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したため、販売が増加したことによるものであります。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高、営業利益
当連結会計年度の売上高は6,003百万円となりました。売上原価は5,145百万円で、販売費及び一般管理費は1,537百万円となりました。この結果、営業損失は679百万円(前連結会計年度 営業損失615百万円)となりました。詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
② 営業外収益(費用)
営業外収益は30百万円となりました。これは主に受取利息12百万円によるものであります。
営業外費用は254百万円となりました。これは主に持分法による投資損失143百万円によるものであります。
③ 特別利益(損失)
特別利益は498万円を計上しております。これは主に関係会社株式売却益488百万円によるものであります。
特別損失は116百万円を計上しております。これは主に減損損失108百万円によるものであります。
④ 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純損失は521百万円(前連結会計年度 税金等調整前当期純損失1,733百万円)となりました。
⑤ 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)
法人税等は28百万円を計上しております。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は557百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失1,753百万円)となりました。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、43.9%増加し、6,139百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,396百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、17.2%減少し、5,157百万円となりました。これはのれんが1,394百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末と比べて7.6%増加し、11,297百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて39.6%減少し、1,128百万円となりました。これは主に一年以内返済予定長期借入金が322百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、64.0%減少し、929百万円となりました。これは主に長期借入金が1,536百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べて53.8%減少し、2,057百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べて、52.9%増加し、9,239百万円となりました。これは主にノンコミットメント型ライツ・オファリングの実施による資本金が2,193百万円及び資本剰余金が2,193百万円増加したことなどによるものであります。
以上により、当連結会計年度末においては、自己資本比率が81.8%(前連結会計年度末51.8%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて2,396百万円増加し、4,960百万円となりました。
これは、営業活動の結果使用した資金が591百万円、投資活動の結果得られた資金が446百万円、財務活動の結果得られた資金が2,540百万円となったことによるものであります。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、システム開発開始から顧客による検収後現金回収までのプロジェクト関連経費の支払いにかかるものであります。その主なものは、システム開発にかかる労務費、外注費であります。
③ 資金の財源及び資金の流動性
当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、または借入、増資、社債の発行といった資金調達方法の中から諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。当連結会計年度におきましては、ノンコミットメント型ライツ・オファリングの実施により、4,387百万円の資金を調達致しました。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達していく方針であります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日現在における財政状態並びに連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断した上で、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 仕掛品
当社グループは、情報サービス事業におけるシステム開発事業において、開発の正式スタート時点から開発にかかる費用を仕掛品として資産計上することを開始しますが、注文の取り消し等が発生した場合、仕掛品の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態等が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積もっています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来において当社グループをとりまく環境に大きな変化があった場合など、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
④ 有価証券
当社グループは時価を把握することが極めて困難と認められる投資有価証券を保有しております。これらの投資有価証券につきましては、実質価額が著しく低下し、かつ回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(6) 戦略的現状と見通し及び今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年11月1日~2020年10月31日)におけるわが国経済は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年明け以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により急激な悪化が続き厳しい状況にありました。「緊急事態宣言」解除後は、経済活動を段階的に引き上げていく動きではありますが、新型コロナウイルスの感染拡大懸念から先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが主に事業を展開する情報サービス産業においては、ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーン等の先進的な技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の動きが加速しております。サイバーセキュリティ強化といった社会的な要因によるITインフラ投資が増加傾向にあり、企業のDXに対応可能な環境整備を推進する動きに加え、新型コロナウイルス感染拡大を受けたリモートワークへの対応が急速に活発化しました。一方、業界全体として最新スキルを持つ技術者の不足は常態化しており、当社グループにおいても競合他社との獲得競争が激化し、人材不足傾向が続いております。
このような状況の下、当社グループはシステム開発企業からIT金融企業へ変革すべく、①フィンテック/ブロックチェーン領域への注力、②DXにおけるセキュリティソリューションの提供強化、③二次請けから一次請けへのシフトという3つの施策に取り組みました。また、経営資源の集中を図るためグループ事業の再編に取り組み、その一環として以下を実施いたしました。
2019年11月に連結子会社であった株式会社クシムテクノロジーズ(旧商号:株式会社東京テック)の全株式を同じく当社の連結子会社であった株式会社クシム(旧商号:アイスタディ株式会社、以下、「クシム」といいます。)に譲渡いたしました。
2020年3月にグループ事業の再編と同時に経営管理機能と事業執行機能を分離し、それぞれの機能に特化した体制を構築することで権限と責任を明確にし、経営のスピードを更に引き上げ、グループ経営体制を強化すべく、当社は2020年3月1日付で持株会社体制へ移行し、当社の100%子会社である株式会社CAICAテクノロジーズ(旧商号:株式会社カイカ分割準備会社、以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)に対して、会社分割(吸収分割)にてシステム開発等を行う情報サービス事業を承継いたしました。
同じく2020年3月に、連結子会社であった株式会社クシムインサイト(旧商号:株式会社CCCT、以下、「クシムインサイト」といいます。)の株式の90%をクシムに譲渡するとともに、クシムインサイトが保有するソフトウェア及び投資有価証券等の資産の一部を当社の連結子会社であるCAICAテクノロジーズに譲渡いたしました。
更に、2020年3月から6月にかけて、当社はクシムの株式を売却いたしました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による金融市場の混乱及びその後の経済への影響に備え、財務体質の強化策として十分な手元資金を確保することや有利子負債の一部返済をすることを目的としたものであります。
また、2020年9月にライツ・オファリングにより約43億円を資金調達し、10月にはCAICA中期経営計画「IT金融の更なる深化に向けて」を策定いたしました。計画達成に向け、当社グループ役職員一丸となってIT金融企業として成長を加速してまいります。
当連結会計年度における売上高は6,003百万円(前連結会計年度比21.0%減)となりました。情報サービス事業におけるシステム開発は、新型コロナウイルスの影響により顧客のIT投資が抑制傾向となったことから新規案件の受注が計画比で減少したものの、既存の継続案件は堅調に推移いたしました。なお、前連結会計年度は株式会社ネクス・ソリューションズ(以下、「ネクス・ソリューションズ」といいます。)の業績が9ヵ月分計上されておりますが、同社の全株式を譲渡し、連結から除外したこと等により前連結会計年度比では売上高が減少しております。また、第1四半期連結会計期間において当社子会社であったクシムインサイトが保有していた活発な市場が存在しない暗号資産の評価損として26百万円を売上高から減額しておりましたが、当該暗号資産の残り全てを2020年2月に売却したことから、暗号資産の譲渡損として追加で1百万円を売上高から減額いたしました。更にeワラント証券株式会社(以下、「eワラント証券」といいます。)の売上高(トレーディング損益)は、リスク管理の強化としてリスク及びリターンの大きい商品の販売を抑制したことから、新型コロナウイルスの影響による相場変動を受けた第2四半期までの損失を補いきれませんでした。加えて、クシムの全株式を売却したことにより、当連結会計年度におけるHRテクノロジー事業の業績は2020年4月までの6ヵ月分の反映となっております。
利益面では、各事業会社において販売費及び一般管理費の削減を行ったものの売上高の減少を補うには至らず、営業損失679百万円(前連結会計年度は営業損失615百万円)となりました。また、営業損失の計上に加え持分法による投資損失等の営業外費用を254百万円計上したことから、経常損失903百万円(前連結会計年度は経常損失1,111百万円)となりました。また、暗号資産関連事業においてソフトウェア資産の減損処理を行ったこと等から特別損失116百万円を計上いたしました。一方、クシム株式の売却による関係会社株式売却益等、特別利益498百万円を計上いたしました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は557百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,753百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
1)情報サービス事業
前連結会計年度にネクス・ソリューションズの全株式を譲渡し、連結から除外したこと等により、前連結会計年度比では、売上、利益ともに減少いたしました。
金融機関向けのシステム開発分野は、保険及び銀行向けで堅調に推移していたものの、新型コロナウイルスの影響により顧客のIT投資が抑制傾向となったことから新規案件の受注が減少いたしました。一方で既存の継続案件は堅調に推移いたしました。非金融向けのシステム開発分野においては、コロナ禍においても、顧客の事業拡大意欲は引き続き旺盛であり、IT投資も継続されていることから、新規案件を複数獲得し、受注が拡大しております。また、リモートワークの広がりを受け、「セキュリティコンサルティング・サービス」の引き合いが増加しております。「セキュリティコンサルティング・サービス」は、世界大手のシステムインテグレーターのコアパートナーとして積み上げたインフラ関連全般(設計・導入・運用・保守等)の基盤インフラ業務の実績に加え、暗号資産交換所におけるサイバーセキュリティの知見が評価されています。当該サービスをコアソリューションと位置付け、今後マーケティングを強化することで売上の拡大を図ってまいります。
これらの結果、情報サービス事業の売上高は、4,852百万円(前連結会計年度比33.2%減)、営業利益は177百万円となりました。
なお、持株会社体制への移行に伴い、当社(持株会社)に係る全社費用を各報告セグメントに配分しない方法に変更しております。このため、セグメント損益(営業損益)の対前連結会計年度比は記載しておりません。
2)暗号資産関連事業
当社グループは、暗号資産に関するシステムの研究、開発、販売、コンサルティング、暗号資産の投融資及び運用事業を行っております。なお、2020年3月、当社はクシムにクシムインサイト株式の一部を譲渡しておりますが、譲渡前にクシムインサイトが保有するソフトウェア及び投資有価証券等の資産の一部を当社の連結子会社であるCAICAテクノロジーズに譲渡しており、クシムインサイトで行っていた暗号資産関連のシステム開発はCAICAテクノロジーズで行っております。また、クシムインサイトは第1四半期連結会計期間まで暗号資産関連事業セグメントに区分しておりましたが、株式の一部譲渡に伴い3月、4月分の業績は、HRテクノロジー事業セグメントに区分しております。暗号資産関連のシステム開発については、暗号資産交換所「Zaif Exchange」のカスタマイズ案件や業務支援案件を多数受注したことから、売上・利益ともに好調であります。外部向けの自社開発製品であり、システム構築から運用体制をワンストップで提供可能な暗号資産交換所システム「crypto base C(クリプトベースシー)」のパッケージ販売については、コロナ禍による営業先の投資の見合わせもあり、受注獲得には至りませんでした。暗号資産の投融資運用は、暗号資産に関するシステム構築のノウハウ獲得のために行っているものであり、当連結会計年度は、前連結会計年度に引き続き運用を抑制しております。また、第1四半期連結会計期間において、活発な市場が存在しない暗号資産の評価損として26百万円を売上高から減額しておりましたが、当該暗号資産のすべてを2020年2月に売却したことから、暗号資産の譲渡損として追加で1百万円を売上高から減額いたしました。
これらの結果、暗号資産関連事業の売上高は、310百万円(前連結会計年度は12百万円)、営業損失は125百万円(前連結会計年度は営業損失310百万円)となりました。
3)金融商品取引事業
金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業であるeワラント証券は、カバードワラントの商品設計、システム開発、安定運用等について、高度な専門知識と経験を持つスタッフを擁し、日本における代表的な小口の投資家向け店頭カバードワラント※1である「eワラント」(eワラント証券の登録商標)を提供しております。
2019年9月より開始した、eワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」については、口座数は着実に増加しております。2020年10月期は、新商品として、今後の株式相場の下落にレバレッジ投資ができる「野村日経225ダブルインバースETF(リンク債)レバレッジトラッカー」や世界的な低金利下で注目が高まる銀相場を対象とした「銀(リンク債)レバレッジトラッカー」の取り扱いを開始しています。さらに、トヨタやソフトバンクGなど、日本を代表する国内個別株を対象とするeワラントの取り扱いを開始し、順調に取扱高を拡大しております。
また、eワラント証券では、2020年4月よりCFD(Contract for Difference:差金決済取引)のサービスの提供を開始いたしました。CFDは少額で、国内外の相場に、レバレッジをかけた投資を、ほぼ24時間行うことができるという特徴があります。eワラント証券のCFDは数千円程度の少額の資金から取引ができ、自動売買にも対応した取引ツールを採用している点に特色があります。また、eワラントとCFDを組み合わせることで、より相場局面にあった多彩な投資戦略を取ることが可能となりました。
一方、新型コロナウイルスの影響により株式市場が急変したことに伴い、想定を超える商品価格の変動等によりトレーディング収益が悪化いたしました。第2四半期の金融市場の大きな変動による損失を受け、リスク管理及び管理体制等の見直しを行った結果、5月及び6月は2ヵ月連続の黒字となりましたが、7月以降、第2四半期の落ち込み分を補うまでには至りませんでした。
今後はカバードワラント事業、株価指数を原資産とした証券CFDに加えて、暗号資産を原資産とした暗号資産CFDの開発・販売により収益の拡大を図ってまいります。
これらの結果、金融商品取引事業の売上高は155百万円(前連結会計年度比66.0%減)、営業損失は426百万円(前連結会計年度は営業損失266百万円)となりました。
※1 カバードワラントとは、金融商品取引法上の有価証券であり、オプション取引に係る権利を表示する証券のことです。「オプション取引」と同様に、投資家はオプションの買い手として、株式等のコール型ワラント(買う権利)やプット型ワラント(売る権利)を購入することができます。
4)HRテクノロジー事業
主な事業内容は、Eラーニング事業、アカデミー事業、インキュベーション事業となります。
HRテクノロジー事業の売上高は881百万円、営業損失は18百万円であります。なお、のれん償却額を88百万円計上しております。
連結対象期間が異なるため、前連結会計年度比は記載しておりません。また、上述のとおり当社は3月~6月にかけてクシムの全株式を売却したことから、当連結会計年度におけるHRテクノロジー事業の業績は2020年4月までの6ヵ月分の反映となっております。
財政状態は、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会年度末に比べ802百万円増加し、11,297百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,392百万円減少し、2,057百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,195百万円増加し、9,239百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,396百万円増加し、4,960百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、591百万円(前連結会計年度は232百万円の資金の減少)となりました。主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失521百万円、関係会社株式売却益488百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、446百万円(前連結会計年度は1,203百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因としては、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入1,794百万円などによるものであり、主な減少要因としては、投資有価証券の取得による支出1,442百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、2,540百万円(前連結会計年度は1,173百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因としては、株式の発行による収入4,344百万円などによるものであり、主な減少要因としては長期借入金の返済による支出1,684百万円などによるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | |
| 金額 | 前年同期比(%) | |
| 情報サービス事業 | 4,367,374 | 74.0 |
| 暗号資産関連事業 | 285,719 | 729.8 |
| 合計 | 4,653,094 | 78.3 |
(注) 1 金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
2 「金融商品取引事業」及び「HRテクノロジー事業」につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の生産実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したため、生産が増加したことによるものであります。
(2) 仕入実績
当社グループの仕入実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | |||
| 受注金額 | 前年同期比(%) | 受注残高 | 前年同期比(%) | |
| 情報サービス事業 | 4,697,679 | 78.2 | 1,064,058 | 98.4 |
| 暗号資産関連事業 | 520,463 | 510.1 | 198,116 | 1,217.4 |
| 合計 | 5,218,142 | 85.4 | 1,262,174 | 115.0 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「金融商品取引事業」及び「HRテクノロジー事業」につきましては、受注生産形態をとっていないため記載を省略しております。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の受注実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したことによるものであります。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | |
| 金額 | 前年同期比(%) | |
| 情報サービス事業 | 4,696,631 | 70.8 |
| 暗号資産関連事業 | 338,621 | 224.7 |
| 金融商品取引事業 | 155,456 | 34.0 |
| HRテクノロジー事業 | 842,389 | 167.9 |
| 合計 | 6,033,099 | 77.9 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 「暗号資産関連事業」につきましては、暗号資産関連等のシステム開発・保守運用の販売実績を記載しており、暗号資産の運用損益は上記表には含めておりません。
3 当連結会計年度において、暗号資産関連事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、暗号資産関連のシステム開発案件を多数受注したため、販売が増加したことによるものであります。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結売上高の10%以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高、営業利益
当連結会計年度の売上高は6,003百万円となりました。売上原価は5,145百万円で、販売費及び一般管理費は1,537百万円となりました。この結果、営業損失は679百万円(前連結会計年度 営業損失615百万円)となりました。詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
② 営業外収益(費用)
営業外収益は30百万円となりました。これは主に受取利息12百万円によるものであります。
営業外費用は254百万円となりました。これは主に持分法による投資損失143百万円によるものであります。
③ 特別利益(損失)
特別利益は498万円を計上しております。これは主に関係会社株式売却益488百万円によるものであります。
特別損失は116百万円を計上しております。これは主に減損損失108百万円によるものであります。
④ 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純損失は521百万円(前連結会計年度 税金等調整前当期純損失1,733百万円)となりました。
⑤ 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)
法人税等は28百万円を計上しております。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は557百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失1,753百万円)となりました。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、43.9%増加し、6,139百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,396百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、17.2%減少し、5,157百万円となりました。これはのれんが1,394百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末と比べて7.6%増加し、11,297百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて39.6%減少し、1,128百万円となりました。これは主に一年以内返済予定長期借入金が322百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、64.0%減少し、929百万円となりました。これは主に長期借入金が1,536百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債は前連結会計年度末に比べて53.8%減少し、2,057百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べて、52.9%増加し、9,239百万円となりました。これは主にノンコミットメント型ライツ・オファリングの実施による資本金が2,193百万円及び資本剰余金が2,193百万円増加したことなどによるものであります。
以上により、当連結会計年度末においては、自己資本比率が81.8%(前連結会計年度末51.8%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて2,396百万円増加し、4,960百万円となりました。
これは、営業活動の結果使用した資金が591百万円、投資活動の結果得られた資金が446百万円、財務活動の結果得られた資金が2,540百万円となったことによるものであります。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、システム開発開始から顧客による検収後現金回収までのプロジェクト関連経費の支払いにかかるものであります。その主なものは、システム開発にかかる労務費、外注費であります。
③ 資金の財源及び資金の流動性
当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、または借入、増資、社債の発行といった資金調達方法の中から諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。当連結会計年度におきましては、ノンコミットメント型ライツ・オファリングの実施により、4,387百万円の資金を調達致しました。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達していく方針であります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日現在における財政状態並びに連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断した上で、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 仕掛品
当社グループは、情報サービス事業におけるシステム開発事業において、開発の正式スタート時点から開発にかかる費用を仕掛品として資産計上することを開始しますが、注文の取り消し等が発生した場合、仕掛品の評価減が必要となる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態等が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積もっています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来において当社グループをとりまく環境に大きな変化があった場合など、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
④ 有価証券
当社グループは時価を把握することが極めて困難と認められる投資有価証券を保有しております。これらの投資有価証券につきましては、実質価額が著しく低下し、かつ回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(6) 戦略的現状と見通し及び今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。