四半期報告書-第36期第1四半期(2023/11/01-2024/01/31)

【提出】
2024/03/15 15:01
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年11月1日~2024年1月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い、社会経済活動の正常化が進み、個人消費の回復や非製造業を中心とした設備投資の増加に支えられ緩やかに回復を続けてきました。一方でウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化、中国の景気後退懸念等、依然として先行きは不透明状況が続いております。
当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、今後更なるDX化が進むことが予想されます。
このような状況の下、ITサービス事業においては、大手SIer等の既存顧客からの受注の拡大と一次請け比率の向上に努めました。金融サービス事業においては、EWJの第一種金融商品取引業と投資運用業を廃止いたしました。
当社グループは、前連結会計年度に実施した暗号資産関連事業の子会社売却も含め、赤字が継続していた金融サービス事業の一部から撤退し、安定的なキャッシュ・フローを産むグループ体制への移行を図っております。今後は、従前から黒字事業が継続しているITサービス事業を軸に、金融サービス事業におけるWeb3分野でのビジネスを拡大することで収益力の向上を図ってまいります。
当第1四半期連結累計期間における連結売上高は1,354百万円(前年同四半期比14.1%増)となりました。
金融サービス事業において暗号資産評価損を売上高にマイナス計上した影響があったものの、ITサービス事業である株式会社CAICAテクノロジーズ(以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)における売上高が好調に推移した結果、増収となりました。
利益面につきましては、EWJにおいて事業廃止後に残存する業務等に係る一時的な費用の計上はあるものの、前連結会計年度に売却した暗号資産関連子会社及び事業を廃止したEWJの販売費及び一般管理費が削減された結果、連結営業損失は77百万円(前年同四半期は営業損失728百万円)と大きく改善いたしました。なお、EWJにおける費用は一過性のものであります。経常損失は、投資事業組合運用損39百万円等、営業外費用47百万円を計上したことにより121百万円(前年同四半期は経常損失741百万円)となりました。また、投資有価証券評価損108百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は228百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失743百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。
1)ITサービス事業
システム開発を担うCAICAテクノロジーズは売上高、営業利益ともに前年同四半期を上回って推移しております。
金融機関向けのシステム開発分野は、総じて好調でありますが、とりわけ、一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大しており、銀行向け案件においても、一次ベンダからのメガバンク案件を中心に売上が拡大しております。また、消費税インボイス制度対応の案件が増加したことで、売上高に寄与いたしました。
非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も依然継続されており、大手SIer等の既存顧客からの受注が好調に推移いたしました。
また、当社顧客の多くが新事業年度を迎える4月に向け、DXコンサルティングによるSI事業サービスとスクラム体制によるシステム開発への引き合いが増加しております。DXコンサルティングによるSI事業サービスにおいては、2024年1月に米国のPegasystems Inc.とパートナーシップ契約を締結いたしました。本契約は、AIを活用した「Pega Platform」で顧客のDXソリューションサービスを強化するとともに、CAICAテクノロジーズのビジネス課題を解決するコンサルティングとを組み合わせることで、顧客のコアビジネスに直接効果のあるソリューションを提供するものです。
また、CAICAテクノロジーズのスクラム体制によるシステム開発とは、上流工程の案件を獲得するために従来のウォーターフォール型の受注体制に加えて、アジャイル型の受注体制を構築したもので、スクラムマスター、アーキテクト、フルスタックエンジニアなどの専門人員が揃った開発チームにて編成された体制です。このスクラム体制で、顧客ニーズにマッチした品質の高いシステム開発を短期間で提供してまいります。
フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得いたしました。
これらの結果、ITサービス事業の売上高は、1,431百万円(前年同四半期比12.9%増)、営業利益は161百万円(前年同四半期比288.2%増)となりました。
2)金融サービス事業
当第1四半期連結累計期間における売上高は、当社においてカイカコインを売却したことによる売上高のプラス計上があった一方で子会社で保有するカイカコインの暗号資産評価損を売上高にマイナス計上しております。
株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下、「カイカフィナンシャルホールディングス」)が運営する審査制NFTローンチパッド「Zaif INO」(一次販売)の売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としております。当第1四半期連結累計期間から高収益である自社オリジナルのNFT販売や、ゲーム領域以外のイラストレーターによるNFTの販売を開始いたしました。又、クレジットカードやカイカコインでの決済にも対応が可能となったことに加え、カードをかざすだけで購入したNFTの確認ができるNFTカード形式での販売を実施し、ユーティリティーの向上を図っております。しかしながら、NFT販売市場の冷え込みもあり、NFT販売は軟調に推移しております。
これらの結果、金融サービス事業の売上高は△75百万円(前年同四半期は△82百万円)、営業損失は143百万円(前年同四半期は営業損失671百万円)となりました。
3)その他
その他につきましては、暗号資産コンテンツの提供を行うメディア事業で構成されており、売上高は0百万円(前年同四半期比78.9%減)、営業利益は0百万円(前年同四半期比78.9%減)となりました。
② 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は2,726百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。これは主に、預託金108百万円、暗号資産75百万円が減少したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における負債は667百万円(前連結会計年度比13.7%減)となりました。これは主に、預り金39百万円、賞与引当金66百万円が減少したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における純資産は2,059百万円(前連結会計年度比6.3%減)となりました。これは主に、当第1四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純損失により利益剰余金が減少したことなどによるものであります。
以上のとおり、当第1四半期連結会計期間末においては、自己資本比率が74.8%(前連結会計年度末は73.2%)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。