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有価証券報告書-第37期(2025/06/01-2026/05/31)

【提出】
2026/08/28 16:55
【資料】
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【項目】
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年6月1日~2026年5月31日)におけるわが国経済は、輸出のマイナス幅が縮小し、内需(民間消費、住宅投資、設備投資)が増加したことから、前期比実質GDP成長率はプラスとなりました。今後もガソリン暫定税率廃止やエネルギー関係補助金による物価高対策、17の戦略分野への投資などが経済成長を後押しすることが予想されます。一方、米国では、米政府機関閉鎖が米国史上最長期間に及んだ影響により景気は一時減速したものの、AI関連投資や底堅い雇用を背景に持ち直しました。もっとも、中東情勢に起因するエネルギー価格の上昇などからインフレが再加速しており、金融政策を巡る不確実性が高まっております。また、欧州においても、エネルギー価格の上昇を受けてインフレが再加速し、ECB(欧州中央銀行)は2023年以来となる利上げに転じました。加えて、日中関係の悪化による中国からのインバウンド需要の低下、米中関係の不安定さによるサプライチェーンへの影響リスク、ウクライナ戦争による穀物生産量の激減に伴う食糧価格の高止まり傾向など、わが国の景気を下押しするリスクもあり、依然として不透明な状況が続いております。
また、ガソリン暫定税率の廃止をはじめとする政府の物価高対策等により消費者物価の伸びは鈍化したものの、中東情勢による原油価格の上昇や人件費増加によるサービス面からのインフレ圧力は根強く残っております。日銀は、2025年12月に続き本年6月の金融政策決定会合において政策金利を1.00%(1995年以来の水準)へ引き上げましたが、歴史的な円安の進行と物価上昇が続く中、インフレによる現金資産の実質的な目減りが意識されやすい状況に変わりはなく、その対策として実物資産への需要は引き続き一定レベルを保っております。これに伴い、潜在需要が供給を上回る金の価格と、都内の中古マンションへの投資などによる不動産価格指数は、堅調に上昇基調を維持しております。
このような環境のもと当社グループは、高額美術品を中心とした優良作品、ワイン・リカー及び宝飾品などについても、オークションへの出品誘致を質量ともに充実させるべく、富裕層を中心とした新規顧客の開拓、オークションへの参加促進に努めてまいりました。しかしながら、アートオークション市場では、価格の上昇をにらみ、良品の出し渋り傾向が引き続きみられ、以前に比べ低調に推移いたしました。
このような厳しい状況の中、アート関連事業においては、取扱高5,541,219千円(前期比5.5%減)、売上高1,554,119千円(前期比23.7%減)と減収となりました。中でも、プライベートセールの売上高は、前期比50.8%減の567,283千円となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比219,172千円増の3,532,198千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比456,449千円増の1,421,641千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比237,277千円減の2,110,557千円となりました。
b.経営成績
セグメント別の業績は次のとおりであります。
1.アート関連事業
アート関連事業は、取扱高5,541,219千円(前期比5.5%減)、売上高1,554,119千円(前期比23.7%減)、セグメント利益29,262千円(前期比84.9%減)となりました。
種別の業績は次のとおりであります。
第37期
2026年5月期
取扱高前期比
増減
売上高前期比
増減
オークションオークションオークション落札率
(千円)(%)(千円)(%)開催数出品数落札数(%)
近代美術オークション1,474,48027.9344,93747.9630726787.0
近代陶芸オークション263,9404.445,5012.2460152687.5
近代美術PartⅡオークション97,175△27.221,690△29.1650648796.2
コンテンポラリーアートオークション133,48511.529,47219.16856778.8
ワイン・リカーオークション221,215△51.353,313△44.8294975479.5
ジュエリー&ウォッチオークション289,040△26.654,672△32.6253243281.2
その他オークション
(注)2
666,720850.6102,605588.1368066197.2
アイアートオークション1,622,0600.5324,337△5.961,8551,59185.8
オークション事業合計
(注)1
4,768,11513.8976,52912.2355,5154,78586.8
プライベートセール
(注)3
773,104△53.1567,283△50.8
その他--10,305△23.1
プライベートセール・
その他事業合計
773,104△53.8577,589△50.5
アート関連事業合計5,541,219△5.51,554,119△23.7

(注)1.取扱高の前期比増減率と売上高の前期比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
3.販売委託契約などによる手数料収入のみを売上高の構成要素としている取引が、取扱高と売上高との大きな乖離の一因となっております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、オークションの開催回数は35回(前期開催回数35回)でした。内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション、コンテンポラリーアートオークション及びアイアートオークションを各6回、近代陶芸オークションを4回、ワイン・リカーオークション、ジュエリー&ウォッチオークション及び西洋美術オークションを各2回、北大路魯山人特別オークションを1回で、取扱高は前期比13.8%増となりました。
近代美術オークションは、出品点数18.1%減、落札点数12.7%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で257.6%と高水準で推移しました。取扱高は、1,474,480千円となり、前期比27.9%増加しました。
近代陶芸オークションは、出品点数16.2%減、落札点数17.2%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で123.0%という水準で推移しました。取扱高は、263,940千円となり、前期比4.4%増加しました。
近代美術PartⅡオークションは、出品点数11.2%減、落札点数7.9%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で219.4%と高水準で推移しました。取扱高は、97,175千円となり、前期比27.2%減少しました。
コンテンポラリーアートオークションは、出品点数32.0%減、落札点数35.6%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で151.5%という水準で推移しました。取扱高は、133,485千円となり、前期比11.5%増加しました。
ワイン・リカーオークションは、出品点数46.5%減、落札点数49.0%減でした。取扱高は221,215千円となり、前期比51.3%減少しました。
ジュエリー&ウォッチオークションは、出品点数13.6%減、落札点数16.8%増でした。取扱高は289,040千円と前期比26.6%減少しました。
アイアートオークションは、出品点数12.6%増、落札点数22.7%増でした。取扱高は1,622,060千円と前期比0.5%増加しました。
ⅱ)プライベートセール・その他事業
プライベートセール・その他事業では、当連結会計年度は、売上高577,589千円(前期比50.5%減)となりました。
2.その他事業
子会社保有の太陽光発電施設による売電事業については、当連結会計年度のその他事業のセグメント売上高は23,766千円(前期比22.2%減)、セグメント損失747千円(前期はセグメント損失15,326千円)となりました。
なお、当連結会計年度においては、期末の決算手続における個別の査定により、長期滞留品等に係る棚卸資産評価損58,230千円を売上原価に計上しております。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高1,577,885千円(前期比23.7%減、対前期減少額489,703千円)、営業損失144,380千円(前期は営業利益12,323千円)、経常損失161,352千円(前期は経常損失17,749千円)、親会社株主に帰属する当期純損失237,007千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失142,340千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前期末比212,566千円減少(前期は120,555千円減少)し、1,008,874千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、161,126千円(前期は210,878千円減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失による資金減少206,983千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、13,557千円(前期は22,888千円獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による資金減少13,261千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は、37,883千円(前期は67,740千円獲得)となりました。これは主に長期借入金返済による資金減少35,882千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営を行っており、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年6月1日
至 2026年5月31日)
前期比(%)
アート関連事業(千円)1,554,11976.3
その他事業(千円)23,76677.8
合計(千円)1,577,88576.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上になる相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末比219,172千円増の3,532,198千円となりました。内訳は流動資産が285,828千円増の2,929,345千円、固定資産は66,656千円減の602,853千円となりました。
流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金1,008,874千円(前期末比212,566千円減少)、オークション未収入金804,158千円(前期末比536,343千円増加)であります。固定資産の主な内訳と増減は、のれん197,355千円(前期末比27,221千円減少)、建物及び構築物22,439千円(前期末比20,070千円減少)であります。
負債は、前期末比456,449千円増の1,421,641千円となりました。内訳は流動負債が1,216,816千円(前期末比503,936千円増加)、固定負債が204,825千円(前期末比47,486千円減少)となりました。
流動負債の主な内訳と増減は、オークション未払金849,340千円(前期末比542,489千円増加)、短期借入金90,000千円(前期末比-千円増減)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金127,135千円(前期末比39,556千円減少)であります。
純資産は、前期末比237,277千円減の2,110,557千円となりました。これは、資本金220,086千円(前期末比-千円増減)、資本剰余金2,999,234千円(前期末比-千円増減)、利益剰余金△1,113,412千円(前期末比237,007千円減少)となったことによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は191.19円、自己資本比率は59.6%となりました。
2.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、公開オークションという商形態にて美術品や高級品の換金やコレクションを円滑に実現し、美術品を中心とした高額品の価値付けに寄与することを自らのミッションとして事業を展開しております。グローバルにおける金利高止まりの継続によって、安全資産及び代替資産への分散投資需要が促進され、アートや宝飾品、時計、リカーといった高額商品への投資的なニーズや経済的関心が顕在化しています。このような環境のなかで、当社グループが展開する公開オークションは、単なる流通手段にとどまらず、現代におけるアートや高額資産の経済的価値付けの一翼を担う機能としての社会的意義を有するものと認識しております。
一方、当連結会計年度は、アートオークション市場における良品の出し渋り傾向及びプライベートセールの取扱高の減少により減収となり、期末の決算手続における個別の査定に基づく棚卸資産評価損の計上も加わって、営業損失を計上いたしました。なお、四半期別の営業損益は期を追って改善し、第4四半期においては黒字に転換しております。当社グループは、過年度に生じた会計処理に係る事案を踏まえ、取引審査、会計判定及び開示に係るプロセスの整備を順次進めており、信頼の回復を経営の起点と位置付けております。
こうした認識のもと、当社は、「中期経営Vision FY2027-FY2029」を策定し、2026年7月15日に公表いたしました。同Visionにおいては、①既存事業(オークション及びプライベートセール)の立て直しとコレクティブ分野への横展開、②美術品等を担保とする動産担保ローン事業(アート×金融)の立ち上げ、③グローバル展開並びにAI査定及び真贋証明等のテクノロジーの実装、の3点を柱とし、2027年5月期を構造改革の完了年度、2028年5月期以降を成長フェーズと位置付けております。詳細につきましては、2026年7月15日公表の「中期経営Vision FY2027-FY2029」をご参照ください。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、各事業の販売費及び一般管理費があります。
財務政策
当社は持株会社体制への移行を行い、運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金運用を推進しておりますが、前々事業年度に発覚した不正会計問題により、新規の金融機関借入による資金調達には依然として制約がある状況にありますが、当面の所要資金については自己資金により対応可能と判断しております。
当社は、会計不正に係る一連の訂正作業が終わり、再発防止策の整備も着実に進みつつある状況下において、「信頼回復」から「成長軌道」へと舵を切る新たなフェーズに入るべきと認識しております。そのため、今後は、これまで事業活動の停滞を余儀なくされていた分の遅れを取り戻し、また、近年シュリンクしている国内のアート流通マーケットにおける当社の存在感や新たなポジショニングを確立させるべく、「ガバナンス・内部統制等の管理体制の強化」、「アート関連事業への成長投資」及び「丸の内エリア再開発に伴う事務所の移転」に取り組み、日本国内のみならず、世界へ通用するアートを中心とした文化資産の価値流通企業を目指した戦略的経営を行ってまいります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「中期経営Vision FY2027-FY2029」において、2029年5月期に売上高4,000百万円、営業利益500百万円、営業利益率12.5%を目標として掲げております。同Visionの対象期間は2027年5月期からであり、当連結会計年度はその策定の前提となる年度に当たります。当連結会計年度の実績は、売上高1,577,885千円、営業損失144,380千円となりました。その要因は「b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。今後は収益力の強化を最重要課題とし、核心事業への経営資源を集中的に投下することで、軸足をしっかりと据える方針です。一方で、中核事業との相乗効果(シナジー)が見込める分野については、成長の糸口として積極的に取り組むことで、全体の企業価値向上を図ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成のために当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社が行った見積りのうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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