有価証券報告書-第56期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 9:41
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204項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、春季労使交渉における高水準の賃上げや雇用環境の改善、設備投資の底堅さなどを背景に、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しました。
一方で、エネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇の影響が続き、企業においてはコスト負担の増加や人手不足の深刻化が経営上の制約要因となりました。また、金融政策の正常化に伴う金利水準の上昇や為替相場の変動など、金融環境の変化にも留意が必要な状況となりました。
海外経済においては、米国経済の減速懸念や中国経済の回復鈍化、通商政策を巡る不確実性に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢における地政学リスクの顕在化などから、先行き不透明な状況が継続しました。
このような経営環境のもと、当社グループは外部環境の変化を注視しつつ、柔軟かつ機動的な事業運営を行い、収益力の強化と持続的な成長に努めてまいりました。
当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:2026年5月28日付公表 公益社団法人リース事業協会「リース統計」)
このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は、前期比22.6%増加、成約高は同28.9%増加となりました。増加の主な要因は、「GIGAスクール構想第2期」におけるICT機器案件の獲得に加え、官公庁を中心とした大型案件獲得が順調に推移したことによるものです。
ファイナンス事業においては、企業融資が前期比で増加したものの、ファクタリングの前期比減少等により、契約実行高、成約高共に前期比減少となりました。
インベストメント事業においては、債権投資や企業投資における収益拡大により売上高、売上総利益ともに前期比増加となりました。販売費及び一般管理費等の負担増を吸収し、営業利益についても前期比増加を確保しました。
その他の事業においては、販売用不動産や太陽光売電設備の売却益計上が主な要因となり、営業利益は前期比で大幅な増加となりました。
当期の売上高は、リース事業における取引拡大に加え、その他の事業での販売用不動産や太陽光発電設備売却等により、前期比で増加となりました。
営業利益は、ファイナンス事業において個別の引当金計上等があったものの、リース事業およびその他の事業の増益が寄与した結果、全体としては前期比で増加となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益、経常利益の前期比増加を主な要因として、過去最高益を更新しました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,061億55百万円(前期比20.1%増)、営業利益106億17百万円(同36.4%増)、経常利益114億27百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億80百万円(同38.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. リース事業
売上高は、前期比5.4%増の2,416億18百万円となりました。また、営業利益についても資金原価の増加を吸収して売上総利益が増加したこと等により、前期比18億64百万円増加の62億31百万円となりました。
b. ファイナンス事業
売上高は、金利収入やフィー収入の増加等により前期比14.4%増の87億1百万円となったものの、営業利益は貸倒引当金繰入額の増加等により、前期比9億76百万円減少の19億7百万円となりました。
c. インベストメント事業
売上高は、大型販売用不動産の売却や営業投資有価証券の売却の増加等により、前期比76.4%増の243億71百万円となりました。営業利益は、資金原価や販売費及び一般管理費の増加等を吸収し、前期比1億73百万円増加の23億67百万円となりました。
d. その他の事業
売上高は、販売用不動産の売却や太陽光発電設備の売却の増加等から、前期比621.2%増の315億78百万円となり、営業利益についても前期比18億78百万円増加の24億2百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,169億54百万円増加し、1兆3,417億52百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金が414億11百万円減少したものの、リース債権及びリース投資資産が779億75百万円、買取債権が224億24百万円、営業貸付金が212億20百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,057億35百万円増加し、1兆1,881億47百万円となりました。主な要因としては、短期借入金が279億42百万円減少したものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が732億12百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて112億19百万円増加し、1,536億4百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により59億15百万円、非支配株主持分が19億4百万円、繰延ヘッジ損益が17億47百万円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は688億86百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は3,245億38百万円となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、688億86百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は660億70百万円(前期は340億5百万円の支出)となりました。これは主に減価償却費227億46百万円の計上があったものの、リース債権及びリース投資資産の増加額764億53百万円並びに賃貸資産の取得による支出277億19百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は295億2百万円(前期は150億10百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入119億85百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出320億72百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出154億79百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は555億12百万円(前期は1,056億41百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,591億14百万円があったものの、長期借入れによる収入2,239億47百万円があったことによります。
(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2026年3月31日現在
貸付種別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)平均約定金利
(%)
消費者向
無担保(住宅向を除く)
有担保(住宅向を除く)
住宅向
事業者向
7,632100.00130,747100.004.27
合計7,632100.00130,747100.004.27

②資金調達内訳
2026年3月31日現在
借入先等残高(百万円)平均調達金利(%)
金融機関等からの借入667,9491.85
その他401,6001.00
社債・CP401,6001.00
合計1,069,5491.53
自己資本111,378
資本金・出資額3,803

③業種別貸付金残高内訳
2026年3月31日現在
業種別先数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)
農業、林業、漁業、鉱業340.738650.66
建設業1,16124.963,8802.97
製造業51811.1337,65928.81
電気、ガス、熱供給、水道業80.174,2133.22
情報通信業611.314,3203.30
運輸業2294.923,6372.78
卸売・小売業70215.097,5845.80
金融・保険業581.2511,4928.79
不動産業1884.047,5795.80
飲食店、宿泊業791.705030.39
医療、福祉56312.102,3511.80
教育、学習支援業661.422,4311.86
サービス業96820.8129,21322.34
個人
その他170.3715,01411.48
合計4,652100.00130,747100.00


④担保別貸付金残高内訳
2026年3月31日現在
受入担保の種類残高(百万円)構成割合(%)
有価証券8,6806.64
うち株式8,6806.64
債権3,6692.81
うち預金
商品
不動産12,5889.63
財団
その他17,66613.51
42,60432.59
保証2,5821.98
無担保85,56065.43
合計130,747100.00

⑤期間別貸付金残高内訳
2026年3月31日現在
期間別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)
1年以下1,99826.1847,52636.35
1年超 5年以下1,59420.8946,77835.78
5年超 10年以下3,97752.1031,62524.19
10年超 15年以下420.552,6802.05
15年超 20年以下210.282,1371.63
20年超 25年以下
25年超
合計7,632100.00130,747100.00
一件当たり平均期間55.15月


(3) 営業取引の状況
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社と同子会社であるNCSアールイーキャピタル株式会社の取引が大半を占めているため、両社の状況について合算して記載しております。
セグメントの名称前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
契約実行高
(百万円)
前期比(%)契約実行高
(百万円)
前期比(%)
リース事業ファイナンス・リース197,09134.0260,54532.2
オペレーティング・リース28,7693.421,427△25.5
割賦14,205△20.410,981△22.7
リース事業計240,06624.6292,95322.0
ファイナンス事業342,9111.3297,736△13.2
その他の事業14,725669.018,86328.1
合計597,70312.1609,5532.0

(注)リース事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度
期末残高
(百万円)
構成比
(%)
期末残高
(百万円)
構成比
(%)
リース事業615,38558.8690,42258.6
ファイナンス事業231,53722.1251,37021.3
インベストメント事業152,03814.5194,82016.5
その他の事業48,0874.642,0653.6
合計1,047,048100.01,178,678100.0

(注)当連結会計年度におけるインベストメント事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が43,818百万円、買取
債権が33,134百万円、営業投資有価証券が31,438百万円、販売用不動産が16,844百万円、賃貸資産が
33,001百万円、投資有価証券が36,583百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
セグメントの名称売上高
(百万円)
売上原価
(百万円)
差引利益
(百万円)
資金原価
(百万円)
売上総利益
(百万円)
リース事業229,195207,91721,2785,28215,995
ファイナンス事業7,603277,5762,7904,785
インベストメント事業13,8185,2048,6131,6986,915
その他の事業4,3782,0652,3132582,055
調整△116△25△90-△90
合計254,879215,18839,69010,02929,660

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
セグメントの名称売上高
(百万円)
売上原価
(百万円)
差引利益
(百万円)
資金原価
(百万円)
売上総利益
(百万円)
リース事業241,618216,41525,2027,05618,146
ファイナンス事業8,7012508,4503,3705,080
インベストメント事業24,37113,34411,0262,3728,654
その他の事業31,57826,2295,3485574,791
調整△113△29△83-△83
合計306,155256,21049,94513,35636,589

(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①リース事業
情報通信機器、事務用機器及びその他各種設備機器等のリース・レンタル・割賦販売
リースに関連する物品売買、満了・中途解約に伴う物件売却及びリース機器の保守サービス等
②ファイナンス事業
金銭の貸付、ファクタリング及び配当収益の収受を目的とする有価証券投資等
③インベストメント事業
有価証券の売却益の収受を目的とするベンチャー企業向け投資等
株式会社リサ・パートナーズが行っているアセット、不動産及びアドバイザリーの各ビジネス
④その他の事業
賃貸レジデンス・ヘルスケアウェアハウジング事業、再生可能エネルギー発電・売電事業、PFI・PPP事業、観光事業及びその他各種サービス等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおり、営業債権の貸倒損失に備えるため、顧客の信用リスクの度合いに応じて債務者区分を決定し、債務者区分に基づき債権を一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に分類しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により計上しております。貸倒懸念債権のうち、今後の債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができ、与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、キャッシュ・フロー見積法により計上しております。上記以外の貸倒懸念債権及び破産更生債権等については、保全による回収見込額に加え債務者の財政状態及び経営成績を考慮して個別に回収可能性を検討することにより、回収不能見込額を計上しております。
債務者区分の判定は、予め定めている債務者区分別引当基準に基づき、延滞情報を含む返済状況及び顧客の財務指標等の定量的要因並びに将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を勘案して行っております。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化や顧客の経営成績・財政状態の悪化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を被り、翌連結会計年度に追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高3,061億55百万円(前期比20.1%増)、営業利益106億17百万円(同36.4%増)、経常利益114億27百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億80百万円(同38.9%増)となりました。売上高は、リース事業における取引拡大に加え、その他の事業での販売用不動産や太陽光発電設備売却等により、前期比で増加となりました。営業利益は、ファイナンス事業において個別の引当金計上等があったものの、リース事業およびその他の事業の増益が寄与した結果、全体としては前期比で増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益、経常利益の前期比増加を主な要因として、過去最高益を更新しました。
当連結会計年度における「中期計画2025」の3つの事業戦略、経営基盤強化戦略、並びに非財務目標の進捗は以下の通りです。
事業戦略① サービス事業の拡大、新たな循環型サービスを創出
非金融サービス領域はパートナーとの連携強化等により着実に拡大しました。当社のアセットソリューション事業は、主にヘルスケア施設関連の不動産投資を行ってきましたが、投資対象をレジデンス分野にも拡大し、マンションディベロッパーと共同した新規物件の開発等の取り組みを進めています。具体的には賃貸レジデンスシリーズ「CLARITIA/クラリティア」の開発に取り組み、すでに複数の物件が竣工しています。これらの取り組みによりアセットタイプの多様化、回転型ビジネスによるキャピタルゲインの創出など収益が拡大しました。これは、私たちが従来のリース会社の枠を超え、新しい価値を生み出せることを示した成果と考えています。
また、太陽光発電事業においては、パートナー拡大により、電源開発及びセカンダリー案件取得機会が増加、アドバイザリーやPFI等フィービジネスにおいては収益向上策を展開しました。加えて、ICT領域におけるサブスクリプションモデルや付加機能の拡充に向けて、新たな循環型サービス「メーカー保証付き再生PC」の提供を開始し、本取り組みは「21世紀金融行動原則運営委員長賞」を受賞しました。一方で、新たな循環型サービスの本格収益化は、まだこれからのテーマであると考えています。
事業戦略② 注力事業への戦略的投資による成長加速
ICT関連サービス事業は着実に伸長、PC-LCMサービス顧客を拡大するとともに、IT資産管理など付加価値の提供が進みました。更に、Windows11の更新需要を着実に取り込み、大型案件の受注拡大により営業成績は伸長しております。加えて金融プロダクトの領域拡大、LBOファイナンスやエクイティ等共同投資の取り組みを推進し、キャピタルゲインの実現を伴いながら、収益性向上に向けた資産の入れ替えを継続した結果、営業収益(売上総利益+営業外収益(SPC))を大幅に増加させることができました。SBI新生銀行との新たなパートナーシップを活用したシナジー案件も増加しており、今後の成長ドライバーにつながっていくものと考えています。また、リサ・パートナーズにおける収益安定化と持続的な成長投資に向けて大型のインカムゲインアセットの取得が計画を上回る進捗となったことも成果と考えています。
事業戦略③ ベンダーファイナンスの強化および顧客基盤拡充
官公庁自治体の大口案件を複数獲得したことや「GIGAスクール構想第2期」の着実な取込みにより、当期のリース事業の契約実行高、成約高が共に前期比20%以上の伸長となるなど、ベンダーファイナンスの強みを活かした成果につなげることができました。これらの成果により資産の拡大と共に収益性の向上も実現しています。またベンダーと連携したクラウドサービス等の月額提供モデルの取り組み、ベンダー支援強化に加え、お客様の課題解決に向けた様々なサービス提供のため体制見直しを実施、人材育成、社内協業体制を強化しました。
一方で、費用増加や競争激化、小口リースビジネスの再構築、業務プロセス改善など、課題も明確になりました。事業としての強みは確認できたものの、今後の更なる成長のためには、オペレーションやビジネスモデル自体の進化が必要であり、次期中期計画において進化に向けた諸施策を実行してまいりたいと考えています。
経営基盤強化戦略及び非財務目標の進捗
経営基盤強化戦略としては、グループビジョン・中期計画浸透に向けた対話会を全社で継続実施すると共に、働き方、カルチャー変革に向けた各種制度の見直しを行い、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを進めました。業務プロセスの標準化、デジタル化、DX推進、人事制度改革、リスク管理高度化など、経営基盤強化に向けた土台づくりも着実に進展したと考えています。また、大株主の異動に伴うシステムインフラ、制度変更等についても遅滞なく対応することができました。次のステップにおいては、制度や仕組みを導入するだけでなく、現場に定着させ、成果につなげることが課題であり、特に、マネジメント力、エンゲージメント、間接機能の最適化、カルチャー変革は、今後の成長に直結するテーマと捉えています。次期中期計画においては、この経営基盤強化を、事業戦略と同じ重みで進めていきます。
なお、CDP気候変動レポートにおいては「A-」スコアから最高ランクの「A」スコアにステップアップするなど、気候変動対応に関する取り組みの継続強化が外部評価につながる結果となりました。
「中期計画2025」においては、財務目標と共に非財務目標も公表いたしました。環境・社会課題と人的資本の観点から7項目を抜粋して対外的にも目標をコミットすると共に、これら7項目は常勤取締役の成果目標としてKPIに採用しています。中期計画2025の目標7項目のうち6項目について目標を達成しました。エンゲージメントスコアについては目標未達となるものの、全社規模・職場単位の取組み強化により2024年度から2025年度にかけて一年で7ポイントも改善しており、次期中期計画期間中に改めて目標達成を目指してまいります。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フローは共に、問題ない状態と考えております。円貨調達に関しては、会計年度を通じて安定した調達を行うことができましたが、2024年3月の日銀金融政策決定会合におけるマイナス金利解除以降、日銀は段階的な利上げを実施しており、今後の動向に注視が必要と考えております。市場金利も上昇傾向にありますが、金利リスクについては高いヘッジ比率を維持しており、問題ないものと考えております。外貨調達に関しては米国政策金利が段階的な利下げ局面にある中でトランプ政権の施策により米国市場の長期金利は上昇する場面もあり、今後も引き続き動向を注視する必要があると考えておりますが、当社の外貨建営業資産については、原則固定金利営業資産に対して固定金利調達を行うことにより金利変動リスクをヘッジしております。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべき資本的支出はありません。
b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
リース事業
当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース統計」)
このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は前期比22.6%増、成約高は同28.9%増となりました。契約実行高、成約高共に、官公庁を中心に案件計上が順調に推移した結果、前期比増となりました。GIGA第二期の着実な取込み(成約高728億円、契約実行高568億円)も寄与しています。なお当連結会計年度のセグメント損益については、基本リース、再リースが好調に推移したことに加え、与信コストの減少もあり、売上総利益、営業利益共に前期比増加となりました。営業資産残高につきましては6,904億22百万円(前期末比750億37百万円増)となっております。
今後の見通しについては、既存契約の利回り向上によるGP増加やGIGAスクールの更新需要取り込み、与信コストの減少などを前提に、順調に推移するものと考えています。また、SBIグループの昭和リースとの協業によるビジネス機会の拡大等についても協業を進めてまいります。
ファイナンス事業
ファイナンス事業においては、企業融資の伸長はあるものの、ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期比減少となりました。セグメント損益については、金利収益やエクイティ収益の増加に加え、企業融資手数料の拡大などから、売上高、売上総利益ともに前期を上回りました。一方で、与信コストの増加により、営業利益については前期比減少となりました。営業資産残高につきましては2,513億70百万円(前期末比198億33百万円増)となっております。
なお、今後の見通しについては、企業融資の積み上げを図りながら金利収益を伸ばすと共に、資産の入れ替えによるキャピタルゲイン獲得により持続的なGP確保を目指していきます。加えてSBI新生銀行との協調も踏まえ、中長期的な持続的成長を描けるものと考えています。
インベストメント事業
インベストメント事業においては、大型の不動産売却や債権投資売却収入の増加等により、売上高、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。今後の見通しについては、リサ・パートナーズを中心に持続的な収益拡大を図り、ベンチャーファンドにおいては、EXIT案件の精度を高め収益確保を目指します。また、SBI新生銀行との協業などを通して持続的な成長を図っていく予定です。
その他の事業
その他の事業においては、販売用不動産の売却や不動産賃料収入の増加等により、売上高、売上総利益、営業利益ともに前期比増加となりました。今後の見通しについては、前期からの期ずれ案件の着実な取込みを図ると共に、資産の入れ替えを行いながらキャピタルゲインを獲得していくことで、引き続き安定的な収益確保が可能と考えています。またSBI新生銀行との協業案件も出始めており、今後もSBIグループとの協業を進めながら収益機会の拡大を図ってまいります。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2025」において、連結ROA(連結当期純利益÷連結営業資産残高平残)を公表いたしました。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3か年における収益性の向上を図るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAの実績は、リース事業を中心に期末に営業資産が積みあがった影響もあり、0.8%と目標未達となりましたが、収益性の高いアセットの積み上げは出来ており、各種施策の着実な実行を通して次期中期経営計画「中期計画2028」で掲げた目標達成を目指してまいります。
d. 気候変動への対応について
事業等のリスクにおいても記載した通り、地球規模の気候変動に係るリスクが、中長期的な将来のものではなく、今そこにある危機として認識されるようになってきました。昨今の異常気象がもたらすビジネス上の損失は、個別企業によっては事業継続上無視できないレベルに達しており、日々の経営判断においても気候変動に係るリスクを意識することが必要になってきたと認識しております。
工場等の製造設備を持たない当社にとって、気候変動への対応は自社の環境負荷軽減活動以上に、事業活動を通した環境負荷軽減活動が重要になってくると考えております。当社はこれまでも「リースは循環型産業である」という考え方のもと、各種取り組みを進めてまいりましたが、こうした状況を踏まえTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同すると共に、その枠組みに準拠したPDCA体制を構築し、気候変動に係るリスクへの対応を推進しております。
e. 今後の見通し
2026年度のわが国経済は、米国の関税政策や中東情勢の不安定化などの外部環境に大きく左右される可能性が出てきました。米国の関税維持・再強化は日本の輸出にマイナス影響を与え、国内設備投資の停滞などにつながる可能性があります。また、中東情勢の緊張は原油価格や物価上昇を引き起こし、実質賃金の回復ペースを鈍らせる結果、個人消費の勢いを弱める要因になると考えられます。
賃上げの定着や金融正常化の進展、内需中心の経済構造などから、景気後退に陥るリスクは限定的とみられますが、米国の通商政策と中東情勢という二つの外部ショックが同時に作用した場合、日本経済の成長率は大きく押し下げられる可能性があると考えられます。
このような状況において、当社グループは、2030年に向けたグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向けた第2段階として、中期経営計画(以下「中期計画2028」)を策定いたしました。グループビジョン実現に向けた第二のステップとなる「中期計画2028」では、世界経済や金融市場の先行きに不透明感が残る一方、ICT投資やDX需要の拡大が見込まれる事業環境を踏まえ、サステナビリティ経営を深化させると共に、事業基盤の進化・経営基盤の強化を推進し、第一段階で創出した循環型サービスを発展させ、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
また、開示セグメントについては商品軸から事業軸へのセグメントへ変更、社内のマネジメントアプローチと統一し、「公共・ICTインフラ事業」、「コーポレートファイナンス事業」、「不動産・エネルギー事業」、「グローバル事業」、「インベストメント事業」の5つの事業別に損益管理を強化してまいります。
上記方針のもと、2027年3月期の通期連結業績予想は、新たな事業セグメントごとの損益管理の強化による収益拡大を図るとともに、SBI新生銀行グループとの事業シナジーを創出することにより、売上高は当期比1.3%増の3,100億円、営業利益は当期比55.4%増の165億円、経常利益は当期比48.8%増の170億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比8.9%増の100億円といたしました。
なお、配当予想につきましては、国内外の事業環境の不安定化への対応として内部留保の蓄積を図りながら、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策を維持し、当期と同様の1株当たり年間150円の配当(うち中間配当75円)を実施する予想とさせていただきました。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

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