有価証券報告書-第28期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(業績等の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の連結業績の概要
当連結会計年度におけるわが国の景気は、期中は緩やかな回復基調が継続したものの、3月に新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされ厳しい状況となりました。先行きにつきましては、感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに注意し、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループが係わる法人ICT関連市場では、そのような景気環境下においても、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、企業活動におけるIoT等のICT利活用の進展、情報漏洩等に対応するセキュリティ需要や働き方改革他に関連するリモートアクセス需要の高まり等を背景に、信頼性の高いネットワークサービスへの需要は継続すると想定しております。一方、一時売上であるシステム構築等につきましては、景気影響による企業の支出抑制等で短期的な需要減退もあろうと想定しております。
このような市場環境のなか、当社グループは、当連結会計年度において、インターネットに係わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、信頼性及び付加価値の高いサービスを開発のうえ提供し、企業の情報ネットワークシステムに関連するアウトソーシング需要を取り込むとの従来からの戦略を推進いたしました。主として、インターネット接続サービス、セキュリティ関連サービスを含むアウトソーシングサービス及びクラウドコンピューティング関連サービス等のストック売上(*)が好調に推移し、売上高総額は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となり、営業利益は、ネットワークサービス及びシステムインテグレーション各々の粗利増加が販売管理費の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
当連結会計年度の事業概況につきましては、ネットワークサービスにおいて、法人向けインターネット接続サービスは、ネットワークインフラストラクチャーを継続拡張しながら増加する通信トラフィックを取り込み、安定的に増収しました。モバイル関連サービスは、主として監視カメラやセンサー接続等の法人向け案件が順調で、モバイル関連総売上高は前年の419.6億円から460.9億円へと増加いたしました。MVNE戦略等による個人向け回線の獲得も進め、モバイル提供回線総数は302.9万回線(前年同期末より28.5万回線増加)となりました。そのうち、フルMVNO関連サービスの売上高は、公共施設や工場等での様々な端末やデバイス等のIoT接続に加え組み込み型チップSIMの提供も開始し、14.1億円(前年同期6.6億円)へと伸長しました。IoT関連では多様な商談が活況で、製造業や農業でのセンサーによる遠隔監視やリモートメンテナンス等の案件も積み上げました。セキュリティ関連では、ゲートウェイ型セキュリティサービス(*)やSOCサービス(*)等の既存サービス群が高増収を牽引し、「IIJマネージドWAFサービス」(*)等の新たなサービスも追加し、セキュリティ関連月額サービスの売上高は163.5億円(前年同期141.1億円)、システム構築を含めたセキュリティ関連総売上高は191.8億円(前年同期167.7億円)となりました。 システムインテグレーションにおいては、企業のシステム需要は旺盛で、システム構築売上高は前年同期比14.7%増、システム運用保守売上高は前年同期比11.1%増となりました。システム運用保守に一部含まれるクラウドコンピューティング関連サービスは、企業内システムの継続的なクラウド移行需要に対応しながら他社クラウド連携とのマルチクラウド戦略を進め、クラウド関連サービス売上高は235.8億円(前年同期201.3億円)へと増加いたしました。設備面では、増大するデジタルデータ需要に備え、期初にシステムモジュール型の「白井データセンターキャンパス」の稼働を開始しサーバーラックを順次拡大いたしました。分散する東日本地区のデータセンター及びサービス設備基盤の集約を順次進めてまいります。国際事業は、米国及び欧州拠点が利益を牽引し、立ち上げ途上のアジア各拠点の伸長もあり、売上高85.5億円、営業利益2.5億円(前年同期各々77.2億円及び0.9億円)となりました。新規事業においては、デジタル通貨を扱う持分法適用関連会社㈱ディーカレットが、4月に暗号資産現物取引サービス、8月に証拠金取引サービスを開始いたしました。配信事業では、民放各局との合弁の持分法適用関連会社JOCDN㈱が、㈱WOWOW及び日本放送協会(NHK)への第三者割当増資を実施し事業基盤を強化いたしました。ヘルスケア事業では、医療介護情報共有プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」(*)を愛知県中心に61自治体へ導入し、全国への展開を推進しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)、システムインテグレーション売上高(機器販売を含む)は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)、ATM運営事業売上高は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となりました。売上原価につきまして、ネットワークサービス売上原価は、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257 百万円)、システムインテグレーション売上原価(機器販売を含む)は、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)、ATM運営事業売上原価は、前年同期比5.3%減の2,204百万円(前年同期 2,326百万円)となり、売上原価総額は前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。売上総利益につきまして、ネットワークサービス売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369 百万円)、機器販売を含むシステムインテグレーション売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)、ATM運営事業売上総利益は、前年同期比2.9%増の1,877百万円(前年同期 1,825百万円)となり、売上総利益総額は前年同期比12.5%増の32,594百万円(前年同期 28,974百万円)となりました。売上総利益率は15.9%(前年同期 15.1%)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益及びその他の費用)は、前年同期比6.2%増の24,369百万円(前年同期 22,952百万円)となりました。これらより、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、前払費用及びその他の金融資産の増加、営業債権及び棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円となりました。非流動資産は、IFRS第16号の適用により認識した使用権資産の増加及びその他の投資の売却による減少等により、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、借入金及び未払法人所得税の増加、営業債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円となりました。非流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、1年以内返済予定の借入金の流動負債への振替等により、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、営業債務の減少、契約負債の増加等で営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前連結会計年度 25,152百万円の収入)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出、その他の投資の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前連結会計年度 8,688百万円の支出)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払い20,556百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等により、19,354百万円の支出(前連結会計年度5,890百万円の支出)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(3) 販売実績
当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。
(2) 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の経営成績の分析
①連結経営成績サマリー
<主要な連結経営指標>
(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報>
②概要
当連結会計年度における当社グループの売上収益(売上高)は、法人向けストック売上高の積み上げ、MVNE等によるモバイル関連サービス売上高の伸長、システムインテグレーションの継続増収等により、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
営業利益につきましては、各サービスの粗利増加が販売管理費等の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となり、税引前利益は前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
③経営成績の分析
当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。
ⅰ)売上収益
当連結会計年度における売上収益は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>法人向けインターネット接続サービスの売上高は、MVNE及びフルMVNO設備を活用したIoT関連等のモバイル関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.4%増の36,635百万円(前年同期 33,186百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス売上高の増加等により、前年同期比3.3%増の26,055百万円(前年同期 25,234百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、多拠点専用線接続の法人大口顧客のモバイル接続への移行等があり、前年同期比13.0%減の26,972百万円(前年同期 30,991百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.7%増の32,337百万円(前年同期 29,215百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、各々以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>
(注)1.IPサービスには、データセンター接続サービスを含めております。
2.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJ提供分」は回線数を表示しており、それ以外は契約件数を表示しております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
4.当社グループは、2019年3月期の有価証券報告書からIFRSを適用しており、連結財務諸表における海外子会社の財務数値の報告期間が、従来採用していた米国基準における期間と異なっております。これに伴い、上記に含まれる、海外子会社における契約数及び契約帯域数につきましても、従前の開示数値と異なる数値となっております。
<システムインテグレーション売上高>システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、システム構築案件の継続獲得等により、前年同期比14.7%増の31,976百万円(前年同期 27,882百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、案件の継続積み上げ及びプライベートクラウドサービスの売上増加等があり、前年同期比11.1%増の46,418百万円(前年同期 41,770百万円)となりました。これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)となりました。
当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比11.9%増の83,143百万円(前年同期 74,302百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比9.3%増の31,643百万円(前年同期 28,955百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比13.6%増の51,500百万円(前年同期 45,347百万円)でありました。
当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比9.3%増の55,864百万円(前年同期末 51,115百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は、前年同期末比4.2%減の7,507百万円(前年同期末 7,840百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比11.7%増の48,357百万円(前年同期末 43,275百万円)でありました。
ATM運営事業売上高は、銀行ATM利用件数に応じた利用料金とATM設置に関わる月額収入があり、利用件数の変動等で前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となりました。
ⅱ)売上原価
当連結会計年度における売上原価は、前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>ネットワークサービスの売上原価は、モバイル関連サービス売上高の増加等に伴う外注関連費用の増加等及びWANサービス売上高の減少等に伴う回線関連費用の減少等があり、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257百万円)となりました。㈱NTTドコモ他のモバイルインフラストラクチャーの利用に関するモバイル接続料につきましては、総務省の定める接続料見直しのルールにより毎年帯域当たり単価が低減しており、2018年度及び2019年度の利用帯域に係わる㈱NTTドコモの接続料単価は、2020年3月に前年単価比6.0%低減との通知を受け確定いたしました。当社は、当第3四半期まで8%低減との合理的算定による想定値で費用計上していたところ、当第4四半期に当該差分等による3.5億円の追加費用の計上がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369百万円)となりました。ネットワークサービスの売上総利益率は16.3%(前年同期 14.6%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、売上増加に伴う設備関連費用の増加及び仕入の増加等があり、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)となり、売上総利益率は13.8%(前年同期 14.0%)となりました。
ATM運営事業売上原価は、前年同期比5.3%減の2,204百万円(前年同期 2,326百万円)となりました。売上総利益は、1,877百万円(前年同期 1,825百万円)となり、売上総利益率は46.0%(前年同期 44.0%)となりました。
ⅲ)販売管理費等
当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件費及び外注関連費用の増加等があり、前年同期比6.3%増の24,076百万円(前年同期 22,652百万円)となりました。
その他の収益は223百万円(前年同期 47百万円)となりました。その他の費用は主として固定資産除却損により516百万円(前年同期 347百万円)となりました。
ⅳ)営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当連結会計年度における金融収益は、ファンド等の金融資産評価益128百万円(前年同期 399百万円)及び受取配当金95百万円(前年同期 87百万円)等により、350百万円(前年同期 570百万円)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、支払利息583百万円(前年同期 430百万円)等により、610百万円(前年同期 432百万円)となりました。
当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットの持分法投資損失1,005百万円等があり、806百万円の損失(前年同期 318百万円の損失)となりました。
ⅵ)税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。
ⅶ)当期利益
当連結会計年度における法人所得税費用は、2,965百万円の費用(前年同期 2,144百万円の費用)となりました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比13.4%増の4,194百万円(前年同期 3,699百万円)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により187百万円(前年同期 178百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属す当期利益は、前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
(3) 当連結会計年度末(2020年3月31日現在)の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円(前連結会計年度末 78,971百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、現金及び現金同等物6,714百万円増加の38,672百万円、営業債権393百万円減少の32,982百万円、棚卸資産927百万円減少の2,476百万円、前払費用1,174百万円増加の9,697百万円及びその他の金融資産1,090百万円増加の2,671百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円(前連結会計年度末 88,318百万円)となりました。IFRS第16号の適用により新規に認識した使用権資産は事務所及びデータセンター等の賃借契約に係るオペレーティング・リースに関する34,477百万円(増加)及びファイナンス・リースに関する16,084百万円(主として前期末の有形固定資産及び無形資産からの振替)でありました。その他の投資は上場株式の売却等による2,216百万円の減少により9,187百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円(前連結会計年度末 52,904百万円)となりました。主な増減及び残高の内訳は、営業債務及びその他の債務3,675百万円減少の18,288百万円、借入金2,830百万円の増加(うち短期借入金による調達2,500百万円、1年内返済予定の長期借入金の返済1,500百万円及び非流動負債からの振替1,830百万円)の15,580百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加10,008百万円等により10,814百万円増加の17,845百万円となりました。
当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円(前連結会計年度末 37,265百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、 借入金1,830百万円の流動負債への振替にて12,170百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加24,584百万円等により24,154百万円増加の36,306百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末 76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
(4) 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析
①概要
当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円(前年同期末 31,958百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、前期に計上した営業債務等の当期における支払、ソフトウェアライセンスや機器等保守費の一括前払い等による前払費用等の支払が営業債権・繰延収益等の収入を上回り、営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、また、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前年同期 25,152百万円の収入)となりました。
前期比較においては、IFRS第16号の適用によりオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円が財務活動の支出となったことによる改善が、営業資産及び負債の増減影響による7,752百万円の支出の増加(主として営業債務等の支払増加)を上回り、キャッシュ・フローを伴う損益の改善等の影響もあり8,241百万円の収入の増加となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出(前年同期 7,080百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出(前年同期 5,400百万円の支出)、その他の投資(株式等)の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前年同期 8,688百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払20,556百万円(前年同期 7,322百万円の支払。支出の増加のうちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等があり、19,354百万円の支出(前年同期 5,890百万円の支出)となりました。
③借入金
当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。
当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は13,750百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は7,900百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は14,000百万円でありました。
④ファイナンス・リース
当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の現在価値は18,063百万円であります。
(5) 新型コロナウイルス感染症の影響について
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローへの影響は軽微でありましたが、2021年3月期において短期的に新型コロナウイルス感染症の影響が生じようと想定しております。詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 対処すべき課題」をご参照下さい。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の連結業績の概要
当連結会計年度におけるわが国の景気は、期中は緩やかな回復基調が継続したものの、3月に新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされ厳しい状況となりました。先行きにつきましては、感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに注意し、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループが係わる法人ICT関連市場では、そのような景気環境下においても、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、企業活動におけるIoT等のICT利活用の進展、情報漏洩等に対応するセキュリティ需要や働き方改革他に関連するリモートアクセス需要の高まり等を背景に、信頼性の高いネットワークサービスへの需要は継続すると想定しております。一方、一時売上であるシステム構築等につきましては、景気影響による企業の支出抑制等で短期的な需要減退もあろうと想定しております。
このような市場環境のなか、当社グループは、当連結会計年度において、インターネットに係わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、信頼性及び付加価値の高いサービスを開発のうえ提供し、企業の情報ネットワークシステムに関連するアウトソーシング需要を取り込むとの従来からの戦略を推進いたしました。主として、インターネット接続サービス、セキュリティ関連サービスを含むアウトソーシングサービス及びクラウドコンピューティング関連サービス等のストック売上(*)が好調に推移し、売上高総額は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となり、営業利益は、ネットワークサービス及びシステムインテグレーション各々の粗利増加が販売管理費の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
当連結会計年度の事業概況につきましては、ネットワークサービスにおいて、法人向けインターネット接続サービスは、ネットワークインフラストラクチャーを継続拡張しながら増加する通信トラフィックを取り込み、安定的に増収しました。モバイル関連サービスは、主として監視カメラやセンサー接続等の法人向け案件が順調で、モバイル関連総売上高は前年の419.6億円から460.9億円へと増加いたしました。MVNE戦略等による個人向け回線の獲得も進め、モバイル提供回線総数は302.9万回線(前年同期末より28.5万回線増加)となりました。そのうち、フルMVNO関連サービスの売上高は、公共施設や工場等での様々な端末やデバイス等のIoT接続に加え組み込み型チップSIMの提供も開始し、14.1億円(前年同期6.6億円)へと伸長しました。IoT関連では多様な商談が活況で、製造業や農業でのセンサーによる遠隔監視やリモートメンテナンス等の案件も積み上げました。セキュリティ関連では、ゲートウェイ型セキュリティサービス(*)やSOCサービス(*)等の既存サービス群が高増収を牽引し、「IIJマネージドWAFサービス」(*)等の新たなサービスも追加し、セキュリティ関連月額サービスの売上高は163.5億円(前年同期141.1億円)、システム構築を含めたセキュリティ関連総売上高は191.8億円(前年同期167.7億円)となりました。 システムインテグレーションにおいては、企業のシステム需要は旺盛で、システム構築売上高は前年同期比14.7%増、システム運用保守売上高は前年同期比11.1%増となりました。システム運用保守に一部含まれるクラウドコンピューティング関連サービスは、企業内システムの継続的なクラウド移行需要に対応しながら他社クラウド連携とのマルチクラウド戦略を進め、クラウド関連サービス売上高は235.8億円(前年同期201.3億円)へと増加いたしました。設備面では、増大するデジタルデータ需要に備え、期初にシステムモジュール型の「白井データセンターキャンパス」の稼働を開始しサーバーラックを順次拡大いたしました。分散する東日本地区のデータセンター及びサービス設備基盤の集約を順次進めてまいります。国際事業は、米国及び欧州拠点が利益を牽引し、立ち上げ途上のアジア各拠点の伸長もあり、売上高85.5億円、営業利益2.5億円(前年同期各々77.2億円及び0.9億円)となりました。新規事業においては、デジタル通貨を扱う持分法適用関連会社㈱ディーカレットが、4月に暗号資産現物取引サービス、8月に証拠金取引サービスを開始いたしました。配信事業では、民放各局との合弁の持分法適用関連会社JOCDN㈱が、㈱WOWOW及び日本放送協会(NHK)への第三者割当増資を実施し事業基盤を強化いたしました。ヘルスケア事業では、医療介護情報共有プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」(*)を愛知県中心に61自治体へ導入し、全国への展開を推進しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)、システムインテグレーション売上高(機器販売を含む)は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)、ATM運営事業売上高は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となりました。売上原価につきまして、ネットワークサービス売上原価は、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257 百万円)、システムインテグレーション売上原価(機器販売を含む)は、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)、ATM運営事業売上原価は、前年同期比5.3%減の2,204百万円(前年同期 2,326百万円)となり、売上原価総額は前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。売上総利益につきまして、ネットワークサービス売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369 百万円)、機器販売を含むシステムインテグレーション売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)、ATM運営事業売上総利益は、前年同期比2.9%増の1,877百万円(前年同期 1,825百万円)となり、売上総利益総額は前年同期比12.5%増の32,594百万円(前年同期 28,974百万円)となりました。売上総利益率は15.9%(前年同期 15.1%)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益及びその他の費用)は、前年同期比6.2%増の24,369百万円(前年同期 22,952百万円)となりました。これらより、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、前払費用及びその他の金融資産の増加、営業債権及び棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円となりました。非流動資産は、IFRS第16号の適用により認識した使用権資産の増加及びその他の投資の売却による減少等により、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、借入金及び未払法人所得税の増加、営業債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円となりました。非流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、1年以内返済予定の借入金の流動負債への振替等により、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、営業債務の減少、契約負債の増加等で営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前連結会計年度 25,152百万円の収入)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出、その他の投資の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前連結会計年度 8,688百万円の支出)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払い20,556百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等により、19,354百万円の支出(前連結会計年度5,890百万円の支出)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
役務区分 | 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
システムインテグレーション(含む機器販売) | 66,655,408 | 9.3 |
合計 | 66,655,408 | 9.3 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。
役務区分 | 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
システムインテグレーション (構築及び機器販売) | 31,642,859 | 9.3 | 7,506,791 | △4.2 |
システムインテグレーション(運用保守) | 51,499,691 | 13.6 | 48,356,876 | 11.7 |
合計 | 83,142,550 | 11.9 | 55,863,667 | 9.3 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(3) 販売実績
当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。
役務区分 | 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
販売高(千円) | 前年同期比(%) | ||
ネットワークサービス売上高合計 | 121,998,722 | 2.8 | |
うち、法人向けインターネット接続サービス | 36,634,972 | 10.4 | |
うち、個人向けインターネット接続サービス | 26,054,986 | 3.3 | |
うち、WANサービス | 26,971,521 | △13.0 | |
うち、アウトソーシングサービス | 32,337,243 | 10.7 | |
システムインテグレーション売上高合計 | 78,393,435 | 12.5 | |
うち、構築及び機器販売 | 31,975,911 | 14.7 | |
うち、運用保守 | 46,417,524 | 11.1 | |
ATM運営事業売上高 | 4,081,358 | △1.7 | |
合計 | 204,473,515 | 6.3 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。
(2) 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の経営成績の分析
①連結経営成績サマリー
<主要な連結経営指標>
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 | ||
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
売上収益合計 | 192,430 | 204,474 | 6.3 | |
ネットワークサービス売上高 | 118,626 | 121,999 | 2.8 | |
システムインテグレーション売上高(注1) | 69,652 | 78,394 | 12.5 | |
ATM運営事業売上高 | 4,152 | 4,081 | △1.7 | |
売上原価合計 | △163,455 | △171,880 | 5.2 | |
ネットワークサービス売上原価 | △101,257 | △102,092 | 0.8 | |
システムインテグレーション売上原価(注1) | △59,872 | △67,584 | 12.9 | |
ATM運営事業売上原価 | △2,326 | △2,204 | △5.3 | |
売上総利益合計 | 28,974 | 32,594 | 12.5 | |
ネットワークサービス売上総利益 | 17,369 | 19,907 | 14.6 | |
システムインテグレーション売上総利益(注1) | 9,780 | 10,810 | 10.5 | |
ATM運営事業売上総利益 | 1,825 | 1,877 | 2.9 | |
販売管理費等(注2) | △22,952 | △24,369 | 6.2 | |
営業利益 | 6,023 | 8,225 | 36.6 | |
税引前利益 | 5,843 | 7,159 | 22.5 | |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,521 | 4,007 | 13.8 |
(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報>
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
売上収益合計 | 192,430 | 204,474 | |
ネットワークサービス及びSI事業 | 188,634 | 200,679 | |
ATM運営事業 | 4,152 | 4,081 | |
セグメント間取引消去 | △356 | △286 | |
営業利益合計 | 6,023 | 8,225 | |
ネットワークサービス及びSI事業 | 4,599 | 6,729 | |
ATM運営事業 | 1,623 | 1,645 | |
セグメント間取引消去 | △199 | △149 |
②概要
当連結会計年度における当社グループの売上収益(売上高)は、法人向けストック売上高の積み上げ、MVNE等によるモバイル関連サービス売上高の伸長、システムインテグレーションの継続増収等により、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
営業利益につきましては、各サービスの粗利増加が販売管理費等の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となり、税引前利益は前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
③経営成績の分析
当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。
ⅰ)売上収益
当連結会計年度における売上収益は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>法人向けインターネット接続サービスの売上高は、MVNE及びフルMVNO設備を活用したIoT関連等のモバイル関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.4%増の36,635百万円(前年同期 33,186百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス売上高の増加等により、前年同期比3.3%増の26,055百万円(前年同期 25,234百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、多拠点専用線接続の法人大口顧客のモバイル接続への移行等があり、前年同期比13.0%減の26,972百万円(前年同期 30,991百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.7%増の32,337百万円(前年同期 29,215百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、各々以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率 | ||||
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||||
ネットワークサービス売上高合計 | 118,626 | 121,999 | 2.8 | |||
法人向けインターネット接続サービス | 33,186 | 36,635 | 10.4 | |||
IPサービス(注)1 | 10,572 | 10,701 | 1.2 | |||
IIJモバイルサービス(法人向け) | 19,420 | 22,598 | 16.4 | |||
MVNOプラットフォームサービス | 14,555 | 16,574 | 13.9 | |||
その他 | 3,194 | 3,336 | 4.5 | |||
個人向けインターネット接続サービス | 25,234 | 26,055 | 3.3 | |||
IIJmioモバイルサービス | 22,538 | 23,487 | 4.2 | |||
その他 | 2,696 | 2,568 | △4.8 | |||
WANサービス | 30,991 | 26,972 | △13.0 | |||
アウトソーシングサービス | 29,215 | 32,337 | 10.7 |
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>
前連結会計年度末 (2019年3月31日現在) | 当連結会計年度末 (2020年3月31日現在) | 増減数 | |||
契約数(件) | 契約数(件) | (件) | |||
法人向けインターネット接続サービス契約数合計 | 1,757,761 | 2,038,687 | 280,926 | ||
IPサービス(1Gbps以上)(注)1 | 743 | 769 | 26 | ||
IPサービス(1Gbps未満)(注)1 | 1,265 | 1,245 | △20 | ||
IIJモバイルサービス(法人向け) | 1,675,123 | 1,949,927 | 274,804 | ||
MVNOプラットフォームサービス | 1,047,856 | 1,107,116 | 59,260 | ||
その他 | 80,630 | 86,746 | 6,116 | ||
個人向けインターネット接続サービス回線数合計 | 1,400,928 | 1,410,006 | 9,078 | ||
IIJmioモバイルサービス | 1,062,921 | 1,075,083 | 12,162 | ||
その他 | 338,007 | 334,923 | △3,084 | ||
帯域(Gbps) | 帯域(Gbps) | 増減 | |||
法人向けインターネット接続サービス契約総帯域(注)3 | 3,897.2 | 5,115.9 | 1,218.7 |
(注)1.IPサービスには、データセンター接続サービスを含めております。
2.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJ提供分」は回線数を表示しており、それ以外は契約件数を表示しております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
4.当社グループは、2019年3月期の有価証券報告書からIFRSを適用しており、連結財務諸表における海外子会社の財務数値の報告期間が、従来採用していた米国基準における期間と異なっております。これに伴い、上記に含まれる、海外子会社における契約数及び契約帯域数につきましても、従前の開示数値と異なる数値となっております。
<システムインテグレーション売上高>システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、システム構築案件の継続獲得等により、前年同期比14.7%増の31,976百万円(前年同期 27,882百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、案件の継続積み上げ及びプライベートクラウドサービスの売上増加等があり、前年同期比11.1%増の46,418百万円(前年同期 41,770百万円)となりました。これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)となりました。
当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比11.9%増の83,143百万円(前年同期 74,302百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比9.3%増の31,643百万円(前年同期 28,955百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比13.6%増の51,500百万円(前年同期 45,347百万円)でありました。
当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比9.3%増の55,864百万円(前年同期末 51,115百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は、前年同期末比4.2%減の7,507百万円(前年同期末 7,840百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比11.7%増の48,357百万円(前年同期末 43,275百万円)でありました。
ⅱ)売上原価
当連結会計年度における売上原価は、前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>ネットワークサービスの売上原価は、モバイル関連サービス売上高の増加等に伴う外注関連費用の増加等及びWANサービス売上高の減少等に伴う回線関連費用の減少等があり、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257百万円)となりました。㈱NTTドコモ他のモバイルインフラストラクチャーの利用に関するモバイル接続料につきましては、総務省の定める接続料見直しのルールにより毎年帯域当たり単価が低減しており、2018年度及び2019年度の利用帯域に係わる㈱NTTドコモの接続料単価は、2020年3月に前年単価比6.0%低減との通知を受け確定いたしました。当社は、当第3四半期まで8%低減との合理的算定による想定値で費用計上していたところ、当第4四半期に当該差分等による3.5億円の追加費用の計上がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369百万円)となりました。ネットワークサービスの売上総利益率は16.3%(前年同期 14.6%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、売上増加に伴う設備関連費用の増加及び仕入の増加等があり、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)となり、売上総利益率は13.8%(前年同期 14.0%)となりました。
ⅲ)販売管理費等
当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件費及び外注関連費用の増加等があり、前年同期比6.3%増の24,076百万円(前年同期 22,652百万円)となりました。
その他の収益は223百万円(前年同期 47百万円)となりました。その他の費用は主として固定資産除却損により516百万円(前年同期 347百万円)となりました。
ⅳ)営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当連結会計年度における金融収益は、ファンド等の金融資産評価益128百万円(前年同期 399百万円)及び受取配当金95百万円(前年同期 87百万円)等により、350百万円(前年同期 570百万円)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、支払利息583百万円(前年同期 430百万円)等により、610百万円(前年同期 432百万円)となりました。
当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットの持分法投資損失1,005百万円等があり、806百万円の損失(前年同期 318百万円の損失)となりました。
ⅵ)税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。
ⅶ)当期利益
当連結会計年度における法人所得税費用は、2,965百万円の費用(前年同期 2,144百万円の費用)となりました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比13.4%増の4,194百万円(前年同期 3,699百万円)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により187百万円(前年同期 178百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属す当期利益は、前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
(3) 当連結会計年度末(2020年3月31日現在)の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円(前連結会計年度末 78,971百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、現金及び現金同等物6,714百万円増加の38,672百万円、営業債権393百万円減少の32,982百万円、棚卸資産927百万円減少の2,476百万円、前払費用1,174百万円増加の9,697百万円及びその他の金融資産1,090百万円増加の2,671百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円(前連結会計年度末 88,318百万円)となりました。IFRS第16号の適用により新規に認識した使用権資産は事務所及びデータセンター等の賃借契約に係るオペレーティング・リースに関する34,477百万円(増加)及びファイナンス・リースに関する16,084百万円(主として前期末の有形固定資産及び無形資産からの振替)でありました。その他の投資は上場株式の売却等による2,216百万円の減少により9,187百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円(前連結会計年度末 52,904百万円)となりました。主な増減及び残高の内訳は、営業債務及びその他の債務3,675百万円減少の18,288百万円、借入金2,830百万円の増加(うち短期借入金による調達2,500百万円、1年内返済予定の長期借入金の返済1,500百万円及び非流動負債からの振替1,830百万円)の15,580百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加10,008百万円等により10,814百万円増加の17,845百万円となりました。
当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円(前連結会計年度末 37,265百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、 借入金1,830百万円の流動負債への振替にて12,170百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加24,584百万円等により24,154百万円増加の36,306百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末 76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
(4) 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析
①概要
当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円(前年同期末 31,958百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、前期に計上した営業債務等の当期における支払、ソフトウェアライセンスや機器等保守費の一括前払い等による前払費用等の支払が営業債権・繰延収益等の収入を上回り、営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、また、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前年同期 25,152百万円の収入)となりました。
前期比較においては、IFRS第16号の適用によりオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円が財務活動の支出となったことによる改善が、営業資産及び負債の増減影響による7,752百万円の支出の増加(主として営業債務等の支払増加)を上回り、キャッシュ・フローを伴う損益の改善等の影響もあり8,241百万円の収入の増加となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出(前年同期 7,080百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出(前年同期 5,400百万円の支出)、その他の投資(株式等)の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前年同期 8,688百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払20,556百万円(前年同期 7,322百万円の支払。支出の増加のうちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等があり、19,354百万円の支出(前年同期 5,890百万円の支出)となりました。
③借入金
当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。
当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は13,750百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は7,900百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は14,000百万円でありました。
④ファイナンス・リース
当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の現在価値は18,063百万円であります。
(5) 新型コロナウイルス感染症の影響について
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローへの影響は軽微でありましたが、2021年3月期において短期的に新型コロナウイルス感染症の影響が生じようと想定しております。詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 対処すべき課題」をご参照下さい。