有価証券報告書-第21期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における業績につきましては、売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)、営業利益は123,042千円(前年同期比837.1%増)、経常利益は124,015千円(前年同期比851.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は72,730千円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失3,478千円)となりました。 なお、当連結会計年度の当社グループの業績において、新型コロナウイルスの感染拡大による特筆すべき影響はありませんでした。
当社グループは、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくて
はならない情報インフラになる」というビジョンを掲げ、「情報テクノロジー×不動産」という新しい市場領域にお
いて、顧客である不動産会社の業務をテクノロジーで進化させ、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォ
ーメーション(DX)を支援する事業を展開しております。
以下のような不動産会社にとっての経営課題を解決するためのシステム・アプリケーションを企画・開発し、利用期間に応じて料金をお支払いいただく(サブスクリプション、継続課金モデル)クラウドサービス(SaaS)として提供しております。
・不動産取引のデジタル化(VR技術を活用した内覧、IT重要事項説明、電子契約等)による利便性向上
・不動産物件情報、契約情報、顧客情報の一元管理を通じた利活用と業務効率の向上
・自社ウェブサイト等を通じた消費者向けウェブマーケティング強化による収益機会の向上
・不動産オーナー向け資産運用管理サービスの強化
・情報セキュリティ、データ保全、事業継続計画への対応
・IT投資及びコストの最適化
・働き方改革推進に伴う業務見直しと省力化(不動産業における在宅勤務の実現)
当連結会計年度においては、引き続き以下のような当社のクラウド・SaaSの新規顧客の開拓活動及び既存顧客へのコンサルティング営業活動に注力してまいりました。
・「ESいい物件One」シリーズ
・「pocketpost(ポケットポスト)」シリーズ
・不動産取引キャッシュレス化を推進する決済ソリューション「pocketpost pay(ポケットポスト ペイ)」
・仲介会社及び管理会社間の空室物件情報確認業務の効率化を促進する「ES-B2B call」
・リソース不足等の課題を抱える顧客に対するシステム導入・運用支援サービス
新サービスへの取り組みとしては、2019年12月に、これまで入居希望者が手書きで記入していた「入居申込書」をデジタル化し、一般消費者の利便性向上と不動産会社の業務効率化を支援する「Sumai Entry(スマイ エントリー)」の販売を開始いたしました。入居希望者は「入居申込書」等への手書きの代わりに、スマホからわかりやすい
入力画面にアクセスし、入居申し込みを進めることができ、同じような書面に何度も手書きで記入する手間から解放
されます。また「ESいい物件One」「ES-B2B賃貸」の物件情報との連動により、不動産管理会社・賃貸仲介会社間で
発生する情報連絡の削減が可能となり、入居申込受付業務に関するFAX・電話等でのやり取りを減らし、不動産会社
の業務効率化を支援します。さらに、これまで多くの企業間でFAXによる情報伝達が主であった、入居者の審査業務
についても効率化を支援するため、大手家賃債務保証会社各社と提携協議を進めており、各社のデータベースとの連
携を順次計画してまいります。
また、不動産会社がエンドユーザーに対して行う「重要事項説明」のIT化対応(TV会議システム等の活用など。
「IT重説」といいます。)につきまして、国土交通省は個人を含む売買取引に対するIT重説に係る社会実験、並びに
賃貸取引における重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験を2019年10月より開始しております。当
社は従前よりこのような不動産市場における契約の電子化も見据えて、WEB完結型クラウド契約サービスを提供する
複数の企業と提携をしており、不動産市場における電子契約の加速化も含め、引き続き不動産取引におけるデジタル
化推進に向けて取り組んでまいります。
なお、当社グループの開示上の報告セグメントは「クラウドソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。
①売上高
売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)と、前年同期より139,711千円の増収になりました。
(注)1. 拡販サービス :拡販することを前提とした標準型システム・アプリケーションの月額利用料等。
2. 拡販サービス以外:拡販サービスをベースに、個々の顧客仕様に受託開発したシステム・アプリケーションの月額利用料等。
3. 従来区分開示していた「ネットワーク・ソリューション」売上と「アドヴァンスト・クラウドサービス」売上は、開示に係る重要性の観点から2020年3月期より「アドヴァンスト・クラウドその他」売上として合算開示しております。
クラウドサービスの主力サービスである「ESいい物件One」シリーズ及び新サービスである「pocketpost」シリー
ズ等のマーケティング及び営業活動に注力してまいりました。ストック収益である月額利用料金部分(サブスクリプション売上)が堅調に積み上がり、拡販サービス全体での売上高は1,874,641千円(前年同期比3.5%増)と、前年同期より63,165千円の増収となりました。内訳としては、拡販サービス初期売上高は81,237千円(前年同期比17.8%減)と前年同期より17,615千円の減収、拡販サービス月次売上高(サブスクリプション売上)は1,793,404千円(前年同期比4.7%増)と前年同期より80,781千円の増収となりました。
なお、拡販サービス以外のクラウドサービス売上高については36,991千円(前年同期比20.5%減)と、前年同期より9,522千円の減収となりました。
上記の結果、クラウドサービスの売上高は1,911,633千円(前年同期比2.9%増)と、前年同期より53,643千円の増収となりました。
また、クラウドサービスの顧客数は当連結会計年度末時点で1,449法人となり、前連結会計年度末(1,415法人)より34法人増加いたしました。クラウドサービス顧客平均月額単価(※)については、当第4四半期連結会計期間において、1月実績約113,000円/法人、2月実績約113,700円/法人、3月実績約112,400円/法人となりました。
(※)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。
アドヴァンスト・クラウドその他につきましては、システム導入・運用支援サービスの販売等が拡大し、売上高は212,180千円(前年同期比68.3%増)と、前年同期より86,068千円の増収になりました。
2020年3月期におけるクラウドサービスの顧客数の推移は以下のとおりであります。
(単位:法人数)
2020年3月期におけるクラウドサービスの1法人あたり顧客平均月額単価の推移は以下のとおりであります。
(単位:円)
(注)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。
②売上原価
当社クラウドサービス提供に伴うシステム関連費用が増加いたしました。また、前述したアドヴァンスド・クラウ
ドその他売上の増収に伴い、売上原価に算入される開発コスト等が増加いたしました。また、継続的に推進している業務効率化の効果に加え、サーバ設備、当社サービスのシステム基盤に係る保守費用やサーバ・システム基盤・自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)に係る償却費等が減少いたしました。その結果、売上原価は802,065千円(前年同期比2.2%増)となりました。
なお、当連結会計年度に自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)については、製造原価からソフトウェア仮勘定(資産科目)へ振替をしており(完成・リリース時点でソフトウェア勘定に計上)、その振替額は438,849千円(前年同期比8.7%増)となっております。
③販売費及び一般管理費
業務効率化に伴うシステム費用や支店におけるオフィス賃料の増額等により、販売費及び一般管理費は、1,198,705千円(前年同期比1.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)、売上総利益は1,321,748千円(前年同期比10.2%増)、売上総利益率(粗利率)は62.2%(前年同期60.4%)、営業利益は123,042千円(前年同期比837.1%増)となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び客観的な指標の達成、進捗状況について
当社グループの経営成績は、様々な要因から影響を受けております。中でも経営成績に特に重要な影響を与える要因は、クラウドサービス(拡販サービス)における「顧客数」及び「平均月額単価」であります。「顧客数」及び「平均月額単価」が計画どおりに達成できない場合や新サービスの開始時期等が計画通りに進捗しなかった場合は、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」及び「2.事業等のリスク」に記載している事項も、経営成績に影響を与えるものとして考えられる、と見ております。
また、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している中長期的な経営目標である指標としての「①顧客数:5,000社、並びに②顧客単価(月額):100,000円以上及び③クラウドサービス粗利(売上総利益率)70%超」の達成、進捗状況につきましては、前述の「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての経営者の視点による分析・検討内容
①財政状態の分析
(ⅰ)資産
当連結会計年度末における資産合計は、2,041,228千円となり、前連結会計年度末から36,606千円の増加となりました。
流動資産の残高は669,313千円となり、前連結会計年度末から300千円の減少となりました。これは、受託開発・導入支援サービス売上等の増収によって売掛金が22,581千円増加した一方、現金及び預金の減少18,057千円、貸倒引当金の増加3,766千円等によるものであります。
また、固定資産の残高は1,371,915千円となり、前連結会計年度末から36,907千円の増加となりました。主な増加要因は、自社開発クラウドサービス(拡販サービス)に関する機能強化等の追加投資に伴うソフトウェア仮勘定の増加193,444千円等であります。当社は、クラウドソリューション事業における主力サービス「ESいい物件One」シリーズ及び新サービスである「pocketpost」シリーズ等に対する各種機能改善や強化等の追加開発を行っております。このうち翌連結会計年度以降に完成・リリースが見込まれる当該クラウドサービス(拡販サービス)の追加開発部分につきましてはソフトウェア仮勘定として処理しており、完成・リリースした部分につきましてはソフトウェア仮勘定からソフトウェアへ振替処理を行っております。主な減少要因としては、償却が進んだことによるソフトウェアの減少115,369千円及びリース資産(有形・無形)の減少43,007千円等であります。
(ⅱ)負債
当連結会計年度末における負債合計は388,052千円となり、前連結会計年度末から1,593千円の減少となりました。
流動負債の残高は361,724千円となり、前連結会計年度末から34,305千円の増加となりました。主な増加要因としては、増益に伴う未払法人税等の増加46,441千円等であります。
また、固定負債の残高は26,328千円となり、前連結会計年度末から35,899千円の減少となりました。これは、リース取引に係るリース債務の減少30,299千円等によるものであります。
(ⅲ)純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は1,653,175千円となり、前連結会計年度末から38,200千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加72,730千円及び配当実施に伴う利益剰余金の減少34,507千円等によるものであります。
②キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて18,057千円減少し、595,687千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、524,288千円の増加(前年同期484,645千円の増加)となりました。主な収入の要因は、減価償却費429,418千円及び税金等調整前当期純利益123,995千円等であります。主な支出の要因は、売上債権の増加額22,581千円及び未払金の減少額17,453千円等であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、464,501千円の減少(前年同期432,325千円の減少)となりました。支出の要因は、有形・無形固定資産の取得による支出462,460千円、敷金及び保証金等の差入による支出2,368千円等であります。また、収入の要因は、敷金及び保証金の回収による収入328千円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、77,845千円の減少(前年同83,380千円の減少)となりました。支出の要因は、配当金の支払額34,589千円及びファイナンス・リース債務の返済による支出43,233千円等であります。
(ⅳ)資本の財源、資金の流動性等その他キャッシュ・フロー関連分析
当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしましては、拡販サービスを始めとするクラウドサービスの開発に必要な資金であり、当該開発投資額につきましては原則として営業活動によるキャッシュ・フローから調達することを基本としており、これが資本の財源であります。
その他、資金の流動性等キャッシュ・フローに関連する指標は、次のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)をベースに計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
(注)4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループのクラウドソリューション事業におけるアドヴァンスト・クラウドサービス及びシステム導入・運用支援サービスは、受注生産であるため、当該品目に係る生産実績はその販売実績と一致しております。従って、当該品目に係る生産実績に関しては販売実績の欄を参照してください。
② 受注実績
当連結会計年度のクラウドソリューション事業における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売金額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.「アドヴァンスト・クラウドサービス」及び「システム導入・運用支援サービス」の受注実績を合算して記載しております。
③ 販売実績
当連結会計年度のクラウドソリューション事業における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
3. 従来区分開示していた「ネットワーク・ソリューション」販売実績と「アドヴァンスト・クラウドサービス」販売実績は、開示に係る重要性の観点から2020年3月期より「アドヴァンスト・クラウドその他」販売実績として合算開示しております。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、当社は、主要なサービスの一つであるクラウドサービスの提供にあたり、サービス提供用のシステムを開発しており、収益獲得効果が確実なものについて資産計上しておりますが、マーケット状況の急激な変化等によりその効果が実現しない可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループが主たる事業領域としている不動産業界全般の景況感は依然として不透明でありますが、現時点では当社グループの2021年3月期の業績に重要な影響を与えるものではないとの仮定を置いた上で、会計上の見積りを行っております。
(1)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における業績につきましては、売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)、営業利益は123,042千円(前年同期比837.1%増)、経常利益は124,015千円(前年同期比851.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は72,730千円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失3,478千円)となりました。 なお、当連結会計年度の当社グループの業績において、新型コロナウイルスの感染拡大による特筆すべき影響はありませんでした。
| 連結業績概要 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 対前年同期 | |
| (千円) | (千円) | 差額 (千円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 1,984,102 | 2,123,813 | 139,711 | 7.0 |
| 営業利益 | 13,130 | 123,042 | 109,911 | 837.1 |
| 経常利益 | 13,028 | 124,015 | 110,987 | 851.9 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | △3,478 | 72,730 | 76,208 | - |
当社グループは、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくて
はならない情報インフラになる」というビジョンを掲げ、「情報テクノロジー×不動産」という新しい市場領域にお
いて、顧客である不動産会社の業務をテクノロジーで進化させ、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォ
ーメーション(DX)を支援する事業を展開しております。
以下のような不動産会社にとっての経営課題を解決するためのシステム・アプリケーションを企画・開発し、利用期間に応じて料金をお支払いいただく(サブスクリプション、継続課金モデル)クラウドサービス(SaaS)として提供しております。
・不動産取引のデジタル化(VR技術を活用した内覧、IT重要事項説明、電子契約等)による利便性向上
・不動産物件情報、契約情報、顧客情報の一元管理を通じた利活用と業務効率の向上
・自社ウェブサイト等を通じた消費者向けウェブマーケティング強化による収益機会の向上
・不動産オーナー向け資産運用管理サービスの強化
・情報セキュリティ、データ保全、事業継続計画への対応
・IT投資及びコストの最適化
・働き方改革推進に伴う業務見直しと省力化(不動産業における在宅勤務の実現)
当連結会計年度においては、引き続き以下のような当社のクラウド・SaaSの新規顧客の開拓活動及び既存顧客へのコンサルティング営業活動に注力してまいりました。
・「ESいい物件One」シリーズ
・「pocketpost(ポケットポスト)」シリーズ
・不動産取引キャッシュレス化を推進する決済ソリューション「pocketpost pay(ポケットポスト ペイ)」
・仲介会社及び管理会社間の空室物件情報確認業務の効率化を促進する「ES-B2B call」
・リソース不足等の課題を抱える顧客に対するシステム導入・運用支援サービス
新サービスへの取り組みとしては、2019年12月に、これまで入居希望者が手書きで記入していた「入居申込書」をデジタル化し、一般消費者の利便性向上と不動産会社の業務効率化を支援する「Sumai Entry(スマイ エントリー)」の販売を開始いたしました。入居希望者は「入居申込書」等への手書きの代わりに、スマホからわかりやすい
入力画面にアクセスし、入居申し込みを進めることができ、同じような書面に何度も手書きで記入する手間から解放
されます。また「ESいい物件One」「ES-B2B賃貸」の物件情報との連動により、不動産管理会社・賃貸仲介会社間で
発生する情報連絡の削減が可能となり、入居申込受付業務に関するFAX・電話等でのやり取りを減らし、不動産会社
の業務効率化を支援します。さらに、これまで多くの企業間でFAXによる情報伝達が主であった、入居者の審査業務
についても効率化を支援するため、大手家賃債務保証会社各社と提携協議を進めており、各社のデータベースとの連
携を順次計画してまいります。
また、不動産会社がエンドユーザーに対して行う「重要事項説明」のIT化対応(TV会議システム等の活用など。
「IT重説」といいます。)につきまして、国土交通省は個人を含む売買取引に対するIT重説に係る社会実験、並びに
賃貸取引における重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験を2019年10月より開始しております。当
社は従前よりこのような不動産市場における契約の電子化も見据えて、WEB完結型クラウド契約サービスを提供する
複数の企業と提携をしており、不動産市場における電子契約の加速化も含め、引き続き不動産取引におけるデジタル
化推進に向けて取り組んでまいります。
なお、当社グループの開示上の報告セグメントは「クラウドソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。
①売上高
売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)と、前年同期より139,711千円の増収になりました。
| 品目詳細 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 対前年同期 | |||||
| 売上高(千円) | 構成割合(%) | 売上高(千円) | 構成割合(%) | 差額(千円) | 増減率(%) | |||
| クラウドサービス | 1,857,990 | 93.6 | 1,911,633 | 90.0 | 53,643 | 2.9 | ||
| 拡販サービス(注)1 | 1,811,475 | 91.3 | 1,874,641 | 88.3 | 63,165 | 3.5 | ||
| 初期 | 98,853 | 5.0 | 81,237 | 3.8 | △17,615 | △17.8 | ||
| 月次 | 1,712,622 | 86.3 | 1,793,404 | 84.5 | 80,781 | 4.7 | ||
| 拡販サービス以外(注)2 | 46,514 | 2.3 | 36,991 | 1.7 | △9,522 | △20.5 | ||
| アドヴァンスト・クラウドその他 (注)3 | 126,111 | 6.4 | 212,180 | 10.0 | 86,068 | 68.3 | ||
| 合計 | 1,984,102 | 100.0 | 2,123,813 | 100.0 | 139,711 | 7.0 | ||
(注)1. 拡販サービス :拡販することを前提とした標準型システム・アプリケーションの月額利用料等。
2. 拡販サービス以外:拡販サービスをベースに、個々の顧客仕様に受託開発したシステム・アプリケーションの月額利用料等。
3. 従来区分開示していた「ネットワーク・ソリューション」売上と「アドヴァンスト・クラウドサービス」売上は、開示に係る重要性の観点から2020年3月期より「アドヴァンスト・クラウドその他」売上として合算開示しております。
クラウドサービスの主力サービスである「ESいい物件One」シリーズ及び新サービスである「pocketpost」シリー
ズ等のマーケティング及び営業活動に注力してまいりました。ストック収益である月額利用料金部分(サブスクリプション売上)が堅調に積み上がり、拡販サービス全体での売上高は1,874,641千円(前年同期比3.5%増)と、前年同期より63,165千円の増収となりました。内訳としては、拡販サービス初期売上高は81,237千円(前年同期比17.8%減)と前年同期より17,615千円の減収、拡販サービス月次売上高(サブスクリプション売上)は1,793,404千円(前年同期比4.7%増)と前年同期より80,781千円の増収となりました。
なお、拡販サービス以外のクラウドサービス売上高については36,991千円(前年同期比20.5%減)と、前年同期より9,522千円の減収となりました。
上記の結果、クラウドサービスの売上高は1,911,633千円(前年同期比2.9%増)と、前年同期より53,643千円の増収となりました。
また、クラウドサービスの顧客数は当連結会計年度末時点で1,449法人となり、前連結会計年度末(1,415法人)より34法人増加いたしました。クラウドサービス顧客平均月額単価(※)については、当第4四半期連結会計期間において、1月実績約113,000円/法人、2月実績約113,700円/法人、3月実績約112,400円/法人となりました。
(※)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。
アドヴァンスト・クラウドその他につきましては、システム導入・運用支援サービスの販売等が拡大し、売上高は212,180千円(前年同期比68.3%増)と、前年同期より86,068千円の増収になりました。
2020年3月期におけるクラウドサービスの顧客数の推移は以下のとおりであります。
(単位:法人数)
| 2019年 | ||||||
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
| 顧客数 | 1,415 | 1,414 | 1,416 | 1,416 | 1,422 | 1,425 |
| 2019年 | 2020年 | |||||
| 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
| 顧客数 | 1,440 | 1,449 | 1,454 | 1,447 | 1,450 | 1,449 |
2020年3月期におけるクラウドサービスの1法人あたり顧客平均月額単価の推移は以下のとおりであります。
(単位:円)
| 2019年 | ||||||
| 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
| 平均月額単価 | 107,000 | 108,100 | 107,900 | 107,700 | 112,500 | 112,900 |
| 2019年 | 2020年 | |||||
| 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
| 平均月額単価 | 113,500 | 113,500 | 110,800 | 113,000 | 113,700 | 112,400 |
(注)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。
②売上原価
当社クラウドサービス提供に伴うシステム関連費用が増加いたしました。また、前述したアドヴァンスド・クラウ
ドその他売上の増収に伴い、売上原価に算入される開発コスト等が増加いたしました。また、継続的に推進している業務効率化の効果に加え、サーバ設備、当社サービスのシステム基盤に係る保守費用やサーバ・システム基盤・自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)に係る償却費等が減少いたしました。その結果、売上原価は802,065千円(前年同期比2.2%増)となりました。
なお、当連結会計年度に自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)については、製造原価からソフトウェア仮勘定(資産科目)へ振替をしており(完成・リリース時点でソフトウェア勘定に計上)、その振替額は438,849千円(前年同期比8.7%増)となっております。
③販売費及び一般管理費
業務効率化に伴うシステム費用や支店におけるオフィス賃料の増額等により、販売費及び一般管理費は、1,198,705千円(前年同期比1.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,123,813千円(前年同期比7.0%増)、売上総利益は1,321,748千円(前年同期比10.2%増)、売上総利益率(粗利率)は62.2%(前年同期60.4%)、営業利益は123,042千円(前年同期比837.1%増)となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因及び客観的な指標の達成、進捗状況について
当社グループの経営成績は、様々な要因から影響を受けております。中でも経営成績に特に重要な影響を与える要因は、クラウドサービス(拡販サービス)における「顧客数」及び「平均月額単価」であります。「顧客数」及び「平均月額単価」が計画どおりに達成できない場合や新サービスの開始時期等が計画通りに進捗しなかった場合は、経営成績に悪影響を与える可能性があります。
なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」及び「2.事業等のリスク」に記載している事項も、経営成績に影響を与えるものとして考えられる、と見ております。
また、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載している中長期的な経営目標である指標としての「①顧客数:5,000社、並びに②顧客単価(月額):100,000円以上及び③クラウドサービス粗利(売上総利益率)70%超」の達成、進捗状況につきましては、前述の「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)当連結会計年度における経営成績の状況及び経営者の視点による分析・検討内容」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての経営者の視点による分析・検討内容
①財政状態の分析
(ⅰ)資産
当連結会計年度末における資産合計は、2,041,228千円となり、前連結会計年度末から36,606千円の増加となりました。
流動資産の残高は669,313千円となり、前連結会計年度末から300千円の減少となりました。これは、受託開発・導入支援サービス売上等の増収によって売掛金が22,581千円増加した一方、現金及び預金の減少18,057千円、貸倒引当金の増加3,766千円等によるものであります。
また、固定資産の残高は1,371,915千円となり、前連結会計年度末から36,907千円の増加となりました。主な増加要因は、自社開発クラウドサービス(拡販サービス)に関する機能強化等の追加投資に伴うソフトウェア仮勘定の増加193,444千円等であります。当社は、クラウドソリューション事業における主力サービス「ESいい物件One」シリーズ及び新サービスである「pocketpost」シリーズ等に対する各種機能改善や強化等の追加開発を行っております。このうち翌連結会計年度以降に完成・リリースが見込まれる当該クラウドサービス(拡販サービス)の追加開発部分につきましてはソフトウェア仮勘定として処理しており、完成・リリースした部分につきましてはソフトウェア仮勘定からソフトウェアへ振替処理を行っております。主な減少要因としては、償却が進んだことによるソフトウェアの減少115,369千円及びリース資産(有形・無形)の減少43,007千円等であります。
(ⅱ)負債
当連結会計年度末における負債合計は388,052千円となり、前連結会計年度末から1,593千円の減少となりました。
流動負債の残高は361,724千円となり、前連結会計年度末から34,305千円の増加となりました。主な増加要因としては、増益に伴う未払法人税等の増加46,441千円等であります。
また、固定負債の残高は26,328千円となり、前連結会計年度末から35,899千円の減少となりました。これは、リース取引に係るリース債務の減少30,299千円等によるものであります。
(ⅲ)純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は1,653,175千円となり、前連結会計年度末から38,200千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加72,730千円及び配当実施に伴う利益剰余金の減少34,507千円等によるものであります。
②キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて18,057千円減少し、595,687千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、524,288千円の増加(前年同期484,645千円の増加)となりました。主な収入の要因は、減価償却費429,418千円及び税金等調整前当期純利益123,995千円等であります。主な支出の要因は、売上債権の増加額22,581千円及び未払金の減少額17,453千円等であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、464,501千円の減少(前年同期432,325千円の減少)となりました。支出の要因は、有形・無形固定資産の取得による支出462,460千円、敷金及び保証金等の差入による支出2,368千円等であります。また、収入の要因は、敷金及び保証金の回収による収入328千円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、77,845千円の減少(前年同83,380千円の減少)となりました。支出の要因は、配当金の支払額34,589千円及びファイナンス・リース債務の返済による支出43,233千円等であります。
(ⅳ)資本の財源、資金の流動性等その他キャッシュ・フロー関連分析
当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしましては、拡販サービスを始めとするクラウドサービスの開発に必要な資金であり、当該開発投資額につきましては原則として営業活動によるキャッシュ・フローから調達することを基本としており、これが資本の財源であります。
その他、資金の流動性等キャッシュ・フローに関連する指標は、次のとおりです。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 79.9 | 77.7 | 80.6 | 80.6 | 81.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 118.5 | 130.9 | 130.9 | 118.8 | 115.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.3 | 0.3 | 0.3 | 0.2 | 0.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 769.7 | 796.4 | 635.6 | 1,045.6 | 2,002.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)をベースに計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。
(注)4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループのクラウドソリューション事業におけるアドヴァンスト・クラウドサービス及びシステム導入・運用支援サービスは、受注生産であるため、当該品目に係る生産実績はその販売実績と一致しております。従って、当該品目に係る生産実績に関しては販売実績の欄を参照してください。
② 受注実績
当連結会計年度のクラウドソリューション事業における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| アドヴァンスト・クラウドサービス及び システム導入・運用支援サービス(千円) | 188,102 | 191.8 | 21,096 | 205.4 |
(注)1.金額は販売金額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2.「アドヴァンスト・クラウドサービス」及び「システム導入・運用支援サービス」の受注実績を合算して記載しております。
③ 販売実績
当連結会計年度のクラウドソリューション事業における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クラウドサービス (千円) | 1,911,633 | 102.9 |
| アドヴァンスト・クラウドその他 (千円) | 212,180 | 168.3 |
| 合計(千円) | 2,123,813 | 107.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
3. 従来区分開示していた「ネットワーク・ソリューション」販売実績と「アドヴァンスト・クラウドサービス」販売実績は、開示に係る重要性の観点から2020年3月期より「アドヴァンスト・クラウドその他」販売実績として合算開示しております。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、当社は、主要なサービスの一つであるクラウドサービスの提供にあたり、サービス提供用のシステムを開発しており、収益獲得効果が確実なものについて資産計上しておりますが、マーケット状況の急激な変化等によりその効果が実現しない可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループが主たる事業領域としている不動産業界全般の景況感は依然として不透明でありますが、現時点では当社グループの2021年3月期の業績に重要な影響を与えるものではないとの仮定を置いた上で、会計上の見積りを行っております。