有価証券報告書-第44期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 9:59
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における我が国の経済は、海外における貿易問題、中国の成長率の鈍化、英国のEU離脱問題等、依然として国内景気の下押しリスクが懸念される状況にあります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社が属する市場及び顧客においては、社会インフラの更新、IoT(Internet of Things)化の進展、新サービスの創出、物流・生産性の向上、労働人口の減少対策、セキュリティ対策等をキーワードに、ICT投資需要は底堅いものとなっています。
市場ニーズとしては、日本の社会インフラは、2020年に開催が予定されている東京オリンピック・パラリンピックをひとつの契機として、エネルギー、自動車、道路、鉄道、航空、宇宙、情報通信、防災、医療等のあらゆる分野において、IoT、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、ビッグデータ、ロボット等の先進技術を活用した、新たな需要の創出と生産革命に向けた取組みが進展しております。
又、自動車、医療機器、産業機器、工場設備等の製造業のスマート化は更に加速し、制御・組込み分野において、ソフトウェアの重要性は高まっています。
加えて、情報セキュリティの領域では、「スマート工場の制御システム」等のIoT化が本格的に進展する中で、情報漏洩や標的型サイバー攻撃の脅威は高まっており、情報システム全体やIoT機器、産業機器に対するセキュリティ対策・サイバー攻撃対策による「データ保護」が、大手の製造メーカー様や公益企業様、インフラ関連企業様、医療をはじめとしたユーザー様を中心に急がれております。
日本政府が閣議決定した、「未来投資戦略」においては、経済社会のあらゆる場面で、
・大きな可能性とチャンスを生む「Society 5.0」の実現
・デジタル新時代の価値の源泉である「データ」の活用
・「AI」「ビッグデータ」「IoT」等を活用した新たな付加価値の創出
・深刻化するサイバーセキュリティの強化に向けたインフラ整備
・電力やガス等の社会インフラ、IoTシステムの制御等でのセキュリティ強化等が謳われています。
このような環境下において、当社は、2021年3月期を最終年度とする新・中期経営計画「Vision2021」を策定し、その達成に向けた事業活動を開始しました。
まず、事業セグメントを従来の「社会システム」「IoTシステム」から、「社会インフラ」「先進インダストリー」の2事業に再編し、加えてそれら両事業を横断する「IoX総合エンジニアリング事業」を新設しました。
社会インフラ事業においては、2020年に向けた電力会社の発送電分離対応やガス会社の分社化対応で安定した事業基盤を構築する一方で、宇宙、物流、次世代通信(5G)等の領域で、新サービス創出に向けた取組みを推進しております。
先進インダストリー事業においては、次世代自動車(先進EV、自動運転)、医療・介護、キャッシュレス化への取組みを推進しております。
IoX総合エンジニアリング事業では、「安心・安全な超スマート社会(Society 5.0)」の実現に向け、IoTサイバー・セキュリティ・ソリューションを中核に、AI・ビッグデータ・GIS(地理情報システム)・無線通信等の差別化技術と提携戦略で、新たな価値の創造・提供に挑戦し、利益成長型企業を目指して参ります。
この新・中期経営計画「Vision2021」に基づき、次の重点施策に取組みました。
事業領域の拡大としては、エネルギー(電力・ガス)の自由化後の保守対応や事業再編に伴うICTシステム改修需要等、社会インフラの更新需要に積極的に取組んだ他、次世代自動車(先進EV、自動運転)や、モノづくりのIoT化に向けた提案活動の推進、決済・カード・キャッシュレス関連での対応領域の拡大に取組みました。
新たな価値の創造・提供への挑戦としては、IoTセキュリティへ分野で、まず、米国Lynx Software Technologies社(以下「米Lynx社」)と、IoT機器に対するセキュリティの重要性から、機器に搭載するOSを含めたIoTセキュリティ・サービスを強化する為、米Lynx社が提供するセキュリティ・ソリューション:LynxSECUREをはじめ、産業機器やIoT機器向け組込みOSを含む、全てのIoTソリューションを、日本国内にて独占的に提供する包括契約を締結しました。
プロモーション活動として、4年連続となる「IoT時代のセキュリティ・フォーラム2018」を開催しました。このフォーラムでは、400名を超えるお客様をご招待し、欧米や国内での最先端のIoTへの取組みと、IoTに必要不可欠なサイバー攻撃対策、セキュリティ対策の最新動向や、導入事例をご紹介しました。又、世界最大のセキュリティ専門カンファレンス「RSAカンファレンス(米国・サンフランシスコ)」に3年連続で出展したことに加え、国内では、顧客等と連携し各種展示会に出展しました。
提携戦略として、ストレージ専業メーカーであるニューテック社と協業し、LynxSECUREを搭載した大容量パソコン(セキュア・サバコン)の販売を開始しました。情報システム監査社とは、グローバル展開する大手企業・グループ会社や官公庁向けにコンサルティング・サービスを開発し提供を開始しました。TOP OUT HUMAN CAPITAL社、及びGKI社とは「サイバーセキュリティ」・「IoTセキュリティ」をテーマとした人材育成サービスを開始しました。ヒューマンテクノシステムホールディングス社とは、2020年以降を見据えた開発体制の更なる強化・拡充を図ることを目的とした資本・業務提携契約を締結し、2019年4月に同社の第三者割当増資を引受け、当社の関連会社となりました。
オリジナル・ソリューションの展開として、近距離無線通信技術を活用したIoTシステムに不可欠な、無線通信の状況確認等をモニタリングする国内初の「LoRaパケットキャプチャー」の販売を開始しました。
競争優位の発揮としては、研究開発活動として、先端IT研究所を中心に、当社独自のGIS(地理情報システム)及び近距離無線通信技術を活用したクラウド型のAI・IoTプラットフォームの研究・開発に取組みました。又、「LynxSECURE」に関する技術研究を、米国サンノゼ・シリコンバレーの100%子会社「Adsol-Nissin San Jose R&D Center, Inc.(アドソル日進サンノゼR&Dセンタ)」及び米Lynx社と継続して取組みました。
産学連携への取組みとして、立命館大学と、「次世代IoT機器向け、組み込み『マルチコア制御システム』」に関する共同研究を開始したことに加え、2019年4月に行った「IoTセキュリティ分野を主とする科学技術の発展」を目指す「産学連携協定」締結に向けた諸準備を進めました。この他、慶應義塾大学(GIS:地理情報システム)や名古屋工業大学(IoT・セキュリティ)、早稲田大学(EMS:エネルギー・マネジメント・システム)等との共同研究に継続して取組みました。
品質力やプロジェクト・マネジメント力の強化として、プロジェクト管理の国際標準資格であるPMP(Project Management Professional)人材の育成に継続して取組みました。
増加する開発需要への対応として、国内では大阪・福岡、海外では中国・大連、ベトナム・ダナンの各開発拠点を整備・拡充し、加えて、東京本社では「メディカルIoT開発センター」の2019年5月の開設準備を進めました。
以上の結果、当事業年度は、社会インフラ事業におけるエネルギー分野、先進インダストリー事業における制御システム分野やソリューション分野が堅調に推移したことから、売上高は12,194百万円と前年同期比10.9%の増収、営業利益は1,012百万円(前年同期は832百万円)、経常利益は1,012百万円(前年同期は857百万円)、当期純利益は687百万円(前年同期は553百万円)といずれも増益を達成し、過去最高の売上・利益を更新しました。
各セグメントの状況は次の通りであります。
当社は、2018年2月に策定した新・中期経営計画の重点施策を鑑み、下記の通りセグメント区分を変更しております。尚、各セグメントにおける前年同期比は、前期の数値をセグメント変更後の数値に組替えた上で比較を行っております。
<2018年3月期まで><2019年3月期以降>・社会システム事業 ・社会インフラ事業
(ビジネス、通信、制御、ファイナンシャル) (エネルギー、交通・運輸、公共、通信・ネットワーク)
・IoTシステム事業 ・先進インダストリー事業
(組込み、スマート・ソリューション) (制御システム、基盤システム、ソリューション)
(社会インフラ事業)
社会インフラ事業における分野別の状況は次の通りであります。
エネルギー分野では、電力・ガス関連が、分社化・新サービス等の案件により増加しました。
交通・運輸分野(宇宙、航空、鉄道、輸送、旅行等)では、宇宙関連が計画通りに推移しました。公共分野(防災等、官公庁向け)では、前期あった気象関連システムが終了しました。通信・ネットワーク分野(次世代通信等)では、5G関連に継続して取り組んだ他、基地局関連が計画通り推移しました。これら分野では、前期あった大型案件が終了し端境期となったこと等により減少しました。
その結果、当事業年度の売上高は、7,435百万円と前年同期比8.6%の増収となりました。
(先進インダストリー事業)
先進インダストリー事業における分野別の状況は次の通りであります。
制御システム分野(自動車、オフィス機器、設備機器等)では、次世代自動車関連(先進EVや、自動運転)が拡大し、AI・IoT基盤関連等が堅調に推移しました。又、メディカル関連での多拠点・分散開発に向けた準備を行いました。
基盤システム分野(決済やクレジットカード・システムを中心とした、基盤系)では、前事業年度に新たに参画した決済基盤システム関連が拡大しました。
ソリューション分野(セキュリティや、近距離無線通信、GIS(地理情報システム)等、当社独自のソリューションの提供)では、セキュリティ・コンサルティング・サービスが堅調に推移した他、セキュリティ・ソリューション:LynxSECUREが、前期あった公共ネットワーク系に加え、IoT介護システムで採用されました。
その結果、当事業年度の売上高は、4,758百万円と前年同期比14.6%の増収となりました。
尚、当事業年度より、「安心・安全につなぐ」をキーワードに、先進IoTテクノロジーを活用したシステム・インテグレーション、及びソリューション提供を展開し、社会インフラ事業及び先進インダストリー事業の成長ドライバーとして、「IoX総合エンジニアリング事業」を新設しました。
当事業の状況は次の通りであります。
AIを活用したIoTプラットフォーム関連や、次世代自動車に代表される先進的なIoTデバイス制御関連が堅調に推移したことに加えて、セキュリティ・ソリューションが堅調に推移したことから、当事業年度の売上高は、3,917百万円と全売上高の32.1%を占め、前年同期比9.0%の増収となりました。
※当事業の売上高は、社会インフラ事業、又は先進インダストリー事業に含まれております。
事 業2018年3月期2019年3月期
分 野売上高(百万円)売上高(百万円)
実績構成比(%)前期比(%)実績構成比(%)前期比(%)
社会インフラ6,84562.22.87,43561.08.6
エネルギー4,76343.3-5,68046.619.3
交通・運輸1,21411.0-9357.7△22.9
公共2412.2-1981.6△17.8
通信・ネットワーク6255.7-6215.1△0.7
先進インダストリー4,15137.87.54,75839.014.6
制御システム1,65015.0-2,04716.824.0
基盤システム1,87917.1-1,93915.93.2
ソリューション6225.7-7726.324.2
(IoX総合エンジニアリング)3,59232.610.03,91732.19.0
全社合計10,997100.0△5.512,194100.010.9

(注) 上記金額は販売金額であり、消費税等は含まれておりません。
IoX総合エンジニアリング事業の売上高は、社会インフラ事業、又は先進インダストリー事業に含まれております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度中における「現金及び現金同等物」の残高は、前事業年度末と比較して421百万円減少し、1,372百万円(前期は1,793百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前当期純利益は1,013百万円となりました。減価償却費の計上により98百万円、退職給付引当金の増加により31百万円増加した一方で、売上債権の増加により413百万円、法人税等の支払額により330百万円減少したこと等により、436百万円(前期は814百万円)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得により32百万円減少、無形固定資産の取得により540百万円減少、敷金・保証金の契約による支出35百万円減少したこと等により、611百万円(前期は103百万円)の支出となりました。
以上により、フリー・キャッシュ・フローは、175百万円の支出(前期は710百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いにより198百万円減少したこと等により、245百万円(前期は235百万円)の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
分 野生産高(百万円)前年同期比(%)
社会インフラ5,72110.1
エネルギー4,32822.3
交通・運輸730△24.0
公共156△16.0
通信・ネットワーク506△1.4
先進インダストリー3,68017.4
制御システム1,59127.2
基盤システム1,5565.3
ソリューション53230.8
合 計9,40212.8

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
分 野受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
社会インフラ7,085-1,35637.4
エネルギー6,085-1,03864.0
交通・運輸941-1833.7
公共199-321.3
通信・ネットワーク578-102△29.5
先進インダストリー4,577-866△17.3
制御システム1,965-309△20.9
基盤システム1,933-490△1.1
ソリューション678-67△58.2
合 計12,3829.12,2239.2

(注1)上記金額は実際受注額であり、消費税等は含まれておりません。
(注2)2019年3月期より事業区分を変更したことから、社会インフラ、及び先進インダストリーの各事業、並びに各分野の受注高における前年同期比は、公表しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
分 野売上高(百万円)前年同期比(%)
社会インフラ7,4358.6
エネルギー5,68019.3
交通・運輸935△22.9
公共198△17.8
通信・ネットワーク621△0.7
先進インダストリー4,75814.6
制御システム2,04724.0
基盤システム1,9393.2
ソリューション77224.2
合 計12,19410.9

(注)1.上記金額は販売金額であり、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先前事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額
(百万円)
割合
(%)
金額
(百万円)
割合
(%)
三菱電機(株)3,06627.92,51120.6
東京ガスiネット(株)1,30611.91,79714.7

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、この財務諸表の作成に当たっては、経営者より一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴う為に、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当事業年度の経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要
運転資金、借入の返済及び利息の支払い、並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
b.資金の源泉
金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。
c.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
d.長期借入金及び短期借入金
当事業年度末の有利子負債は、170百万円であります。
この内訳は、金融機関からの借入が170百万円であります。
又、運転資金の調達手段の利便性確保を目的として総額700百万円の「コミットメントライン契約」を締結して
おります。
尚、この契約に基づく当事業年度末の借入残高はありません。
⑤ 当事業年度末の財政状態の分析
「流動資産」は、4,398百万円と前事業年度末に比べ20百万円増加しました。
主な変動要因としては、現金及び預金が1,372百万円と421百万円減少した一方で、売掛金が2,577百万円と462百
万円増加したこと等によります。
「固定資産」は、2,250百万円と前事業年度末に比べ472百万円増加しました。
主な変動要因としては、販売権が545百万円と477百万円増加したこと等によります。
これにより、資産合計は、6,649百万円と前事業年度末に比べ493百万円増加しました。
一方、「流動負債」は、1,726百万円と前事業年度末に比べ0百万円増加しました。
主な変動要因としては、短期借入金が100百万円と40百万円減少した一方で、前受金が27百万円と17百万円増加
し、買掛金が549百万円と18百万円増加、また賞与引当金が313百万円と2百万円増加したこと等によります。
「固定負債」は、921百万円と前事業年度末に比べ10百万円減少しました。
主な変動要因としては、退職給付引当金が880百万円と31百万円増加した一方で、長期借入金が30百万円と40百
万円減少したこと等によります。
これにより、負債合計は、2,648百万円と前事業年度末に比べ10百万円減少しました。
「純資産」は、4,001百万円と前事業年度末に比べ503百万円増加しました。
主な変動要因としては、利益剰余金が3,003百万円と488百万円増加したことによります。
以上の結果、「自己資本比率」は、58.7%と前事業年度末に対して、3.7ポイント増加しております。

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