有価証券報告書-第43期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 10:08
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における我が国の経済は、回復基調が続いておりますが、世界の経済や諸情勢の先行き不透明感による国内景気の下押しリスクが懸念される状況にあります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社が属する市場及び顧客においては、企業のICT投資需要は底堅いものとなっております。
市場ニーズとしては、日本の社会インフラは、2020年に開催が予定されている東京オリンピック・パラリンピックをひとつの契機として、エネルギー、自動車、道路、鉄道、航空、宇宙、情報通信、防災、医療等のあらゆる分野において、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、ビッグデータ、ロボット等の先進技術を活用した、新たな需要の創出と生産革命に向けた取組みが進展しております。
又、情報セキュリティの領域では、IoTが本格的に進展する中で、情報漏洩や標的型サイバー攻撃の脅威は高まっており、情報システム全体やIoT機器に対するセキュリティ対策・サイバー攻撃対策が、製造業の生産現場を中心に急がれております。
日本政府が閣議決定した、「未来投資戦略2017」では、「あらゆる場面で快適で豊かに生活できる超スマート社会、『 Society5.0 』を掲げ、その中で、安全なサイバー空間の確保が経済・社会活動の重要な基盤であり、サイバーセキュリティ対策は未来への投資」であるとして、その重要性と、官民挙げた取組みの強化、セキュリティ人材の不足への対応が謳われております。
このような環境下において、当社は、中期経営計画において「IoTで未来を拓く総合エンジニアリング企業」を中長期的に目指す姿(ビジョン)として掲げ、次世代型へと移行する社会の発展への貢献と、2020年以降も持続的成長を遂げる為の変革期としての、企業価値向上と、利益成長型企業を目指した、事業活動を推進してまいりました。
その結果、中期経営計画の、最終年度(平成31年3月期)における業績目標(営業利益:8億円)を1年前倒しで達成しました。
中期経営計画に基づく、重点施策の取組み状況は次の通りです。
次世代社会システム領域の拡大としては、社会インフラの更新需要の取込みと、ベースロードの骨太化として、電力・ガスのエネルギー領域や、旅行関連、宇宙領域等を中心に、対応を強化しました。
新たな価値の創造への挑戦としては、頻発するサイバー攻撃への対応として、当社が国内独占・総代理店となる米国Lynx Software Technologies社(以下「米Lynx社」)のIoT機器向けセキュリティ・ソリューション「LynxSECURE」の顧客提案と「LynxSECURE」を活用したサービス・メニューの拡充に取組み、工場向けでは、「SECURE FACTORY(セキュア・ファクトリー)」、オフィス向けでは、「SECURE RESCUE(セキュア・レスキュー)」等、「セキュア・シリーズ」としての提供に取組みました。「LynxSECURE」の適用範囲拡大として、植物工場や、介護システム等での実証実験を開始しました。又、「セキュア・シリーズ」を活用した、ネットワークの脆弱性対策ソリューションの開発や、ニューテック社と「大容量パソコン」の開発に共同で取組みました。セキュリティ・コンサルティングとして、大手企業とそのグループ会社向けの情報セキュリティ・コンサルティング・サービスに継続して取組んだことに加え、日本の各種ISO認証ビジネスの先駆的存在である日本検査キューエイ社と、より高度なセキュリティ・コンサルティング・サービスの提供を目指した協業を開始しました。IoTソリューションの拡充として、AIやIoTを活用した、先進的なセキュリティ・プラットフォームの開発と、ソリューション・サービスの提供に向け、菱洋エレクトロ社、及びリョーヨーセミコン社と、業務提携を行いました。提案活動の強化として、平成29年10月13日に、3年連続となる「IoT時代のセキュリティ・フォーラム2017」を開催しました。このフォーラムでは、400名を超えるお客様をご招待し、米国、及び日本国内での最先端のIoTセキュリティの動向や、対策事例をご紹介しました。この他、「IoT 時代の『経営者向けサイバーセキュリティ対策』」、「ワイヤレスIoT EXPO 2017」、「第13回GISコミュニティフォーラム」、及び「ビジネスシヨウ&エコフェア2017 Next Stage in KYUSHU」等の各展示会に出展しました。
競争優位の発揮としては、研究開発活動として、AI分野で注目されるエヌビディア社の先進的な画像解析技術や、Deep Learning(深層学習・機械学習)に関する先進的研究に取り組みました。加えて、米国サンノゼ・シリコンバレーの100%子会社「Adsol-Nissin San Jose R&D Center, Inc.(アドソル日進サンノゼR&Dセンタ)」を通じて、米Lynx社と先進的なセキュリティ技術の調査・研究に継続して取組みました。産学連携への取組みとして、名古屋工業大学でのサイバー攻撃への防御に関する共同研究に参加したことに加え、慶應義塾大学と「GIS と IoT の融合」に関する共同研究と、「GIS×IoT プラット フォーム」の共同開発に着手しました。品質力やプロジェクト・マネジメント力の強化として、プロジェクト管理の国際標準資格であるPMP(Project Management Professional)人材の育成に継続して取組みました。生産性向上への取組みとして、先端IT技術研究所を中心に、先進技術の研究やソフトウェア開発における生産技術の革新(賢く価値を生み出す開発モデルの実現)に継続して取組みました。加えて、「超上流領域」「セキュリティ」「IoT」等をキーワードに、事業体制の強化に繋がる人材育成に継続して取組みました。海外オフショア開発への対応として、中国2社、ベトナム3社の海外オフショア開発における対応案件の拡充と、更なる開発体制強化に向けた準備を開始したことに加え、グローバル多拠点分散開発強化に向けた顧客提案を推進しました。開発環境基盤の整備として、東京本社オフィスをリニューアルし、開発ルームの大幅増設と、当社ソリューションを紹介するセミナールームを新たに開設しました。
その他には、資本効率の向上を図ると共に、株主還元の充実と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的として、12万株の、自己株式の取得を行いました。
以上の結果、当事業年度は、IoTシステム事業における次世代EV自動車関連、セキュリティ関連や、当社独自のスマート・ソリューション関連が堅調に推移しましたが、社会システム事業において前事業年度にピークを迎えた電力自由化関連や、戦略的シフトによるファイナンシャル関連の減少により、売上高は10,997百万円と前年同期比5.5%の減収となりました。
利益面では、東京本社オフィスリニューアル費用や、セキュリティに関する研究開発費用等があったものの、収益性が見込まれる案件への選択と集中等により、営業利益は832百万円(前年同期は767百万円)、経常利益は857百万円(前年同期は777百万円)、当期純利益は553百万円(前年同期は531百万円)と、過去最高益を更新しました。
(社会システム事業)
社会システム事業における分野別の状況は次の通りであります。
ビジネス分野では、ガス関連、旅行関連やメディカル関連等が堅調に推移しておりますが、電力の自由化関連は前事業年度にピークを迎え、保守フェーズに移行したことから減少しました。
通信分野では、5G(第5世代移動通信システム)の本格開発に備え、既存対応領域の強化により、拡大しました。
制御分野では、電力の系統制御関連や、道路関連、防災関連等が計画通り推移しました。航空関連の新たな領域として、宇宙関連に参画し、体制拡大に取組みました。
ファイナンシャル分野では、信販向けクレジット・カード関連を中心とした次世代基盤領域が計画通りに推移しましたが、地銀向けシステムの戦略的シフトにより減少しました。
その結果、当事業年度の売上高は、8,571百万円と前年同期比11.2%の減収となりました。
(IoTシステム事業)
IoTシステム事業における分野別の状況は次の通りであります。
組込み分野では、オフィス機器(複合機)が減少しましたが、次世代自動車(先進EV・自動運転等)関連が拡大し、メディカル関連が堅調に推移しました。
スマート・ソリューション分野では、位置情報等が堅調に推移しました。セキュリティ領域では、コンサルティング・サービスが拡大しました。又、セキュリティ・ソリューション「LynxSECURE」関連で、公共ネットワーク向けでの本格採用に向けた検証がスタートした他、セキュリティ研修サービスが継続し、加えて、セキュリティ・ソリューション「SECURE RESCUE」が大手公益企業にて採用されました。
その結果、当事業年度の売上高は、2,425百万円と前年同期比22.7%の増収となりました。
事 業平成29年3月期平成30年3月期
分 野売上高(百万円)売上高(百万円)
実績構成比(%)前期比(%)実績構成比(%)前期比(%)
社会システム9,65783.09.88,57177.9△11.2
ビジネス5,78549.721.05,50850.1△4.8
通信1881.624.72782.547.9
制御1,97217.03.81,58314.4△19.7
ファイナンシャル1,71114.7△12.71,20210.9△29.7
IoTシステム1,97617.018.52,42522.122.7
組込み1,42012.20.11,61214.713.5
スマート5564.8123.68127.446.2
全社合計11,634100.011.210,997100.0△5.5

(注) 上記金額は販売金額であり、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度中における「現金及び現金同等物」の残高は、前事業年度末と比較して474百万円増加し、1,793百万円(前期は1,318百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前当期純利益が851百万円となりました。たな卸資産の減少により149百万円増加した一方で、前受金の減
少により40百万円減少、売上債権の増加により18百万円減少したこと等により、814百万円(前期は353百万円)の
収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
東京本社オフィスのリニューアル等に伴う有形固定資産の取得により92百万円減少、無形固定資産の取得により
7百万円減少したこと等により、103百万円(前期は63百万円)の支出となりました。
以上により、フリー・キャッシュ・フローは、710百万円(前期は289百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
金融機関からの資金調達により短期借入が140百万円増加した一方で、配当金の支払いにより189百万円減少、自
己株式の取得により149百万円減少したこと等により、235百万円(前期は190百万円)の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
分 野生産高(百万円)前年同期比(%)
社会システム6,541△16.6
ビジネス4,215△8.7
通信138△10.9
制御1,244△25.0
ファイナンシャル941△33.4
IoTシステム1,79433.3
組込み1,24614.8
スマート547110.0
合 計8,335△9.3

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
分 野受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
社会システム8,637△9.41,4464.8
ビジネス5,668△0.983423.8
通信27054.481△8.6
制御1,520△22.9277△18.5
ファイナンシャル1,178△29.1252△8.6
IoTシステム2,71059.358894.1
組込み1,86939.8439142.0
スマート84026.814922.9
合 計11,3484.12,03520.9

(注)上記金額は実際受注額であり、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
事 業当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
分 野売上高(百万円)前年同期比(%)
社会システム8,571△11.2
ビジネス5,508△4.8
通信27847.9
制御1,583△19.7
ファイナンシャル1,202△29.7
IoTシステム2,42522.7
組込み1,61213.5
スマート81246.2
合 計10,997△5.5

(注)1.上記金額は販売金額であり、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額
(百万円)
割合
(%)
金額
(百万円)
割合
(%)
三菱電機(株)3,63831.33,06627.9
東京ガスiネット(株)1,1069.51,30611.9

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、この財務諸表の作成に当たっては、経営者より一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴う為に、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当事業年度の経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要
運転資金、借入の返済及び利息の支払い、並びに配当金及び法人税の支払等に資金を充当しております。
b.資金の源泉
金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。
c.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
d.長期借入金及び短期借入金
当事業年度末の有利子負債は、250百万円であります。
この内訳は、金融機関からの借入が250百万円であります。
又、運転資金の調達手段の利便性確保を目的として総額700百万円の「コミットメントライン契約」を締結して
おります。
尚、この契約に基づく当事業年度末の借入残高はありません。
⑤ 当事業年度末の財政状態の分析
「流動資産」は、4,507百万円と前事業年度末に比べ338百万円増加しました。
主な変動要因としては、仕掛品が142百万円と137百万円減少した一方で、当座預金が1,745百万円と472百万円増加したこと等によります。
「固定資産」は、1,649百万円と前事業年度末に比べ139百万円増加しました。
主な変動要因としては、その他(販売権)が68百万円と45百万円減少した一方で、投資有価証券が557百万円と
159百万円増加したこと等によります。
これにより、資産合計は、6,156百万円と前事業年度末に比べ477百万円増加しました。
一方、「流動負債」は、1,725百万円と前事業年度末に比べ73百万円増加しました。
主な変動要因としては、工事損失引当金が54百万円減少した一方で、短期借入金が140百万円と140百万円増加
したこと等によります。
「固定負債」は、932百万円と前事業年度末に比べ36百万円増加しました。
主な変動要因としては、長期借入金が70百万円と40百万円減少した一方で、退職給付引当金が848百万円と76百万円増加したこと等によります。
これにより、負債合計は、2,658百万円と前事業年度末に比べ110百万円増加しました。
「純資産」は、3,497百万円と前事業年度末に比べ367百万円増加しました。
主な変動要因としては、利益剰余金が2,514百万円と363百万円増加したことによります。
以上の結果、「自己資本比率」は、55.0%と前事業年度末に対して、1.2ポイント増加しております。

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