有価証券報告書-第62期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/23 15:40
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が見られるものの、物価上昇継続やアメリカの関税措置影響による不透明感等により、景気の下振れが懸念される状況となっております。
情報サービス産業におきましては、企業の収益性向上や人手不足対策等のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)及びAIそれぞれへの投資が増加し続けており、今後市場規模がさらに拡大することが予測されています。
こうした環境下、当社グループでは、中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の基本方針に「ODKグループ拡大」を掲げ、「新事業ポートフォリオの推進」「グループシナジーの具体化」「M&A・アライアンスの推進」を本年度の重点課題として様々な施策に取組んでまいりました。
その方策として、2024年10月2日に上位層の学生向け就活塾『Abuild®就活』を展開するNINJAPAN株式会社(以下「NINJAPAN」という。)の全株式を取得し、当社の子会社といたしました。当社グループは、受験生の半数以上が利用する大学受験ポータルサイト『UCARO®』を軸に、将来を担う若年層との接点を強みとした事業創出を目指しております。NINJAPANが有する就活塾としての豊富な支援実績と、連結子会社の株式会社ポトスにおいて提供している、採用広報支援サービス『キャリポート®』が有する大学低年次の学生との関係性を活かし、大学受験から就職活動までシームレスなキャリア形成支援サービスの展開を目指してまいります。
こうしたサービス展開を支える基礎研究として、当社『アプデミー®』において、分散型台帳を用いたNFT(※1)等のデジタルバッジやDAO(分散型自立組織)(※2)、生成AI等といったWeb3.0技術の研究開発を継続しております。デジタルバッジにおいてはサービスへの転用がすすんでおり、基礎研究技術を活かした自己証明型の身分証等へと応用されています。前述のキャリア形成支援サービスに活用し、就職活動における「学生時代に力を入れたこと(学チカ)」の証明や、企業と学生を結びつけるアクセスキーとして利用がすすみつつあります。
また、当社は、「専門性の強化による新たな価値の創造」を基本方針に、「個別収益管理の深化」「ターゲット市場の拡大」「個人の価値最大化に向けた研究開発成果の活用」を本年度の重点課題として取組んでまいりました。
主力の教育業務においては個別収益管理の徹底を基本に、近年のコスト増等を踏まえた価格の適正化に継続して取組んでおります。また、公益財団法人日本英語検定協会(通称「英検」)と大学入試の出願手続きに関し、『UCARO®出願(Web出願システム)』と英検のデジタル証明書の連携に向けた基本合意を締結いたしました。これにより、志願者と大学双方のさらなる利便性向上に取組んでまいります。
証券業務においては、豊富な実績と信頼、高い技術力を有する株式会社東証コンピュータシステムと協業に関する基本合意に至りました。フロントからバックオフィスまでの業務全体のトータルソリューションの商品化を目指し、両社の強みを活かして、証券会社他金融機関業務全般の効率化・最適化に貢献してまいります。
人材育成サポート事業においては、2025年4月に「ナレッジプロダクト課」を新設し、人的リソースの最適化と専門性の強化を図っております。新たな体制により、顧客及びコンテンツ提供企業が保有する「ナレッジ」を最大限に活用した新サービスへの刷新を行い、早期の収益拡大を目指してまいります。
業績面では、当連結会計年度から新たに連結子会社となったNINJAPANの売上のほか、教育業務における価格適正化等による既存大学向け入試業務の売上増加、医療関連サービスにおける機械販売や臨床検査基幹システム開発、証券業務において前期に発生した制度改正対応開発案件にともなう『WITH-X®』関連の売上が当期に寄与したこと等により、売上高は過去最高の6,472,393千円(前年同期比 10.3%増)となりました。前期に発生した一時的な特殊要因(証券業務における制度改正対応開発原価のソフトウエア資産化)の剥落等にともなう売上原価の増加や新事業におけるマーケティング費用増加等により、営業利益は516,119千円(同 9.8%減)、経常利益は576,724千円(同 4.6%減)となりました。また、前期に発生した無形固定資産の減損損失の剥落があったものの、人材育成サポート事業に係る資産の減損損失計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は263,367千円(同 1.3%減)となりました。
売上高の内訳は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント毎の記載に代えてサービス別の内訳を記載しております。
内訳当連結会計年度売上高内訳
教育業務
(千円)
前年同期比
(%)
証券・ほふり
業務(千円)
前年同期比
(%)
一般業務
(千円)
前年同期比
(%)
システム運用3,909,2906.61,008,5560.4647,3090.3
システム開発及び
保守
--155,80253.8120,102256.5
機械販売----190,699222.4
合計3,909,2906.51,164,3595.2958,11129.8

内訳当連結会計年度売上高内訳
その他
(千円)
前年同期比
(%)
合計
(千円)
前年同期比
(%)
システム運用307,19139.85,872,3486.0
システム開発及び
保守
133,4401.5409,34552.2
機械販売--190,699222.4
合計440,63225.56,472,39310.3

[システム運用]
教育業務における価格適正化等による既存大学向け入試業務の売上増加、証券業務『WITH-X®』や『KIZUNA-X®』の売上増加等により、5,872,348千円(前年同期比 6.0%増)となりました。
[システム開発及び保守]
医療関連サービスにおける臨床検査基幹システム開発や証券業務における制度改正対応等開発案件にともなう『WITH-X®』関連の売上等により、409,345千円(同 52.2%増)となりました。
[機械販売]
医療システム基盤更改や医療システム用プリンタの機器更新等により、190,699千円(同 222.4%増)となりました。
(※1)NFT:
Non-Fungible Token の略語。ブロックチェーン上でその唯一性が保証されているトークンであり、暗号学的にその保有や来歴を証明することが可能です。
(※2)DAO(分散型自立組織):
運営会社や取締役会等の中央管理者を置かずに、参加者全員で意思決定を行う組織を指します。組織管理の観点ではガバナンスの透明性や組織・財産の管理や執行コストの低減につながること、また経営の観点ではトークンによる経済圏の生成を通じて持続的な成長へつながることが期待されています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ417,802千円増加し3,123,321千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、1,000,702千円の収入(前年同期は1,077,908千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、704,272千円の支出(同 575,440千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、121,372千円の収入(同 458,207千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しておりますが、その特性上、サービス別に生産規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。
b.受注実績
当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しておりますが、その特性上、サービス別に受注規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、下表のとおりであります。
なお、当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント毎の記載に代えてサービス別の内訳を記載しております。
内訳当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
システム運用(千円)5,872,3486.0
システム開発及び保守(千円)409,34552.2
機械販売(千円)190,699222.4
合計(千円)6,472,39310.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて559,358千円増の9,253,834千円となりました。これは主に現金及び預金の増加によるものであります。
(負債)
前連結会計年度末と比べて309,923千円増の2,949,153千円となりました。これは主に長期借入金の増加によるものであります。
(純資産)
前連結会計年度末と比べて249,435千円増の6,304,681千円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、新たに連結子会社となったNINJAPANの売上のほか、教育業務における価格適正化等による既存大学向け入試業務の売上増加、医療関連サービスにおける機械販売や臨床検査基幹システム開発、証券業務において前期に発生した制度改正対応開発案件にともなう『WITH-X®』関連の売上が当期に寄与したこと等により、売上高は過去最高の6,472,393千円(前年同期比 10.3%増)となりました。
教育業務につきましては、価格適正化等による既存大学向け入試業務の売上増加等により、売上高は3,909,290千円(同 6.5%増)となりました。
証券会社向けの証券・ほふり業務につきましては、前期に発生した制度改正対応開発案件にともなう『WITH-X®』関連の売上が当期に寄与したこと等により、売上高は1,164,359千円(同 5.2%増)となりました。
一般業務につきましては、医療関連サービスにおける機械販売や臨床検査基幹システム開発等により、売上高は958,111千円(同 29.8%増)となりました。
その他の業務につきましては、当連結会計年度から新たに連結子会社となったNINJAPANの売上等により、売上高は440,632千円(同 25.5%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価につきましては、前連結会計年度に比べ487,638千円増の4,501,275千円(同 12.1%増)となりました。これは、前期に発生した一時的な特殊要因(証券業務における制度改正対応開発原価のソフトウエア資産化)の剥落等によるものであります。
販売費及び一般管理費につきましては、新規事業におけるマーケティング費用の増加等により、前連結会計年度に比べ174,095千円増の1,454,997千円(同 13.6%増)となりました。
その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ56,391千円減の516,119千円(同 9.8%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
投資事業組合運用益の発生等により営業外損益は60,604千円となり、経常利益は前連結会計年度に比べ27,762千円減の576,724千円(同 4.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、無形固定資産の減損損失の計上等により、前連結会計年度に比べ3,429千円減の263,367千円(同 1.3%減)となりました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、コアコンピタンスを活用できる新たな領域への進出も視野に入れてさらなる事業拡大を目指し、収益のトップラインを高めていく時期だと認識しております。そのため営業収益及び経常利益を重要指標と位置付けております。
指標2025年3月期(計画)
(千円)
2025年3月期(実績)
(千円)
増減(千円)計画比(%)
営業収益6,700,0006,472,393△227,606△3.4
経常利益500,000576,72476,72415.3

また新たに、2026年3月期~2028年3月期中期経営計画の業績目標を踏まえ、投下資本利益率(ROIC)7.0%以上を目標値とし、新規投資及び収益性改善をすすめてまいります。なお、中期経営計画は毎年度改定するローリング方式であることから、ROIC目標値も必要に応じて見直します。
2025年3月期のROICは、5.0%となっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、システム開発・運用費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、有価証券の取得等によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は営業活動から得られるキャッシュ・フローにより賄っており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、需要が発生した時点で自己資金及び金融機関からの借入等、その時点でのコストバランスを検討し対応しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,144,132千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,123,321千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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