有価証券報告書-第30期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

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2021/09/29 14:03
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129項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症により社会活動が大きく制限され、旅行、飲食小売、エンタメ業界に深刻な影響を及ぼしました。先進主要国に比べワクチン接種の遅れや、変異ウイルスの発生により感染拡大に歯止めがかからず、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
当社グループが属する情報サービス業界におきましては、顧客企業の属する業界によっては、事業環境の一時的な悪化により、予定していた投資額を抑制する動きがみられるものの、感染症予防を契機としたリモートワークの拡大に加え、パラダイムシフトとも言うべき働き方の変化により、中長期的にはデジタル技術を活用した課題解決や新たな事業創出などデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速していくと見込まれます。
当社グループはICTソリューション事業を柱とし、先端技術を基盤とした高付加価値ソリューションや業界特化型プラットフォームのサービスの提案設計から開発、運用保守まで、ワンストップの支援体制を整え、顧客企業におけるDX推進の共創パートナーとして事業成長に取り組んでおります。また、創業以来、独立系のソフトウエア会社として様々な業種で蓄積したICTの知見とノウハウを活用し、農水産物輸出ソリューション事業を始めとした、デジタル化が遅れている産業にイノベーションを起こすことでITを通した社会貢献に努め、グループの事業基盤、収益力の強化を目指しております。
なお、2021年1月29日開催の取締役会において、グループ経営資源の最適配分による経営効率化の観点から、自動車アフターマーケット事業の連結子会社であるEBE株式の大半を譲渡することを決議し、第3四半期連結会計期間より連結の範囲から除外しております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は6,003,504千円(前年同期比4.9%減)、営業利益は177,723千円(同19.0%減)、経常利益は214,636千円(同5.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は538,739千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失492,615千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
(ICTソリューション事業)
ICTソリューション事業においては、前連結会計年度に伸長したエンタメ、通信キャリア向け開発案件の反動減を、Webメディア企業、小売業向けの新規開発案件が吸収し増収を確保しましたが、その他一部案件の追加開発による工数増の影響もあり減益となりました。受注動向は、全体的には収束後を見据えたDX投資の動きは活発化しており、引き合い、取引社数は増加しました。かかる需要を取り込み利益率向上につなげるため、上流工程であるITコンサルからAI、IoTを活用したシステム設計、そして開発に至るまで幅広いニーズに対応可能な人材の採用と教育を重点課題として強化しております。また、各業界をリードする大手企業と、5G、AI、IoTの先端技術や、ドローン等のスマートデバイスを活用した共同実証実験は継続推進し、顧客の新規事業創出支援や自社サービスへの応用を目指してまいります。
上記により、当連結会計年度のICTソリューション事業の売上高は4,769,822千円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益は872,201千円(同16.9%減)となりました。
(自動車アフターマーケット事業)
自動車アフターマーケット事業においては、全国の中小整備鈑金工場を主な顧客とし、業務効率化を支援するソフトウエアを提供しております。
当連結会計年度の自動車アフターマーケット事業の売上高は625,471千円(前年同期比54.4%減)、セグメント損失は108,893千円(前年同期はセグメント損失13,346千円)となりました。
なお、前述のとおり当社グループは、EBE株式の大半を譲渡し、第3四半期連結会計期間より同社を連結の範囲から除外しております。
(農水産物輸出ソリューション事業)
農水産物輸出ソリューション事業においては、上半期は新型コロナウイルス感染拡大による航空貨物便の減便の影響や飲食店需要の消失があったものの、下半期は主要輸出先であるシンガポール及び香港への出荷の再開や業務提携先である青果仲卸最大手ベジテック社との取引拡充が寄与し、売上高は前年同期を上回り流通量は順調に拡大しております。利益面では、のれんの償却負担がなくなり損失幅は縮小しております。
また、コロナ禍の消費行動の変化に合わせ、直販ECサイトとして日本国内の消費者向けに「大田市場直送.com」、シンガポールの消費者向けに「Tokyo Fresh Direct」を開設し堅調な伸びを見せております。さらに2021年3月には、シンガポールのレストラン・中小規模小売店向けに「Tokyo Fresh Direct Biz」を加えることで、単独では日本産食材を輸入できない現地事業者でも、数量をまとめることで輸送コストを下げ、必要な数量を自由に購入することを可能にしました。それらサイトの認知度向上にSNS等を活用し、さらなる流通量の拡大を目指してまいります。
上記により、当連結会計年度の農水産物輸出ソリューション事業の売上高は662,469千円(前年同期比85.8%増)、セグメント損失は87,258千円(前年同期はセグメント損失224,876千円)となりました。
なお、当連結会計年度より、当事業に属するWe Agriの決算期を変更しております。この決算期変更に伴い、当連結会計年度において、2020年4月1日から2021年6月30日までの15ヶ月間を連結しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ88,083千円減少し、1,915,570千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、33,221千円(前連結会計年度は65,791千円の支出)となりました。
この主な内訳は、関係会社整理損377,124千円による資金の増加、売上債権の増加額288,481千円、法人税等の支払額179,952千円による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、19,237千円(前連結会計年度は143,753千円の支出)となりました。
この主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入39,145千円による資金の増加、無形固定資産の取得による支出34,736千円、投資有価証券の取得による支出7,803千円、その他13,135千円による資金の減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、39,351千円(前連結会計年度は419,207千円の支出)となりました。
この主な内訳は、配当金の支払額34,860千円による資金の減少であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
ICTソリューション3,312,480110.8
自動車アフターマーケット254,33644.1
農水産物輸出ソリューション635,172185.9
合計4,201,989107.5

(注)1 金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、連結子会社であったEBEの株式の大半を譲渡し、連結の範囲から除外したため、自動車アフターマーケット事業の生産実績が著しく減少しております。
4 当連結会計年度において、連結子会社のWe Agriの決算期を変更したため、農水産物輸出ソリューション事業の生産実績は、2020年4月1日から2021年6月30日までの15ヶ月間の業績を反映しております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
ICTソリューション4,963,720111.61,234,840123.2
自動車アフターマーケット----
農水産物輸出ソリューション----
合計4,963,720111.61,234,840123.2

(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 自社プロダクト等のサービス提供及び自動車業界向けソフトウエア開発、販売及び保守並びに農水産物の輸出販売等については、受注生産を行っていないため、受注実績の記載をしておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
ICTソリューション4,731,027102.4
自動車アフターマーケット602,50645.1
農水産物輸出ソリューション662,469185.8
報告セグメント 計5,996,00495.0
調整額7,500-
合計6,003,50495.1

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、連結子会社であったEBEの株式の大半を譲渡し、連結の範囲から除外したため、自動車アフターマーケット事業の販売実績が著しく減少しております。
3 当連結会計年度において、連結子会社のWe Agriの決算期を変更したため、農水産物輸出ソリューション事業の販売実績は、2020年4月1日から2021年6月30日までの15ヶ月間の業績を反映しております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
㈱NTTドコモ1,071,26717.0861,92314.4
㈱サプライズクルー81,4371.3693,71911.6

5 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に対して308,001千円減少し、6,003,504千円となりました。
この主な要因は、連結子会社であったEBEの連結除外により自動車アフターマーケット事業の売上高が上期のみの反映に留まった影響であります。詳細については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損益)
売上原価は、前連結会計年度に対して293,840千円増加し、4,201,989千円となりました。この主な要因は、農水産物輸出ソリューション事業において、We Agriの決算期変更の影響や下半期における航空貨物便の正常化及び提携先仲卸との連携による流通量拡大のため、仕入高が増加したことによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に対して560,187千円減少し、1,623,791千円となりました。この主な要因は、連結子会社であったEBEの連結除外により自動車アフターマーケット事業の販売費及び一般管理費が上期のみの反映に留まったことや、農水産物輸出ソリューション事業ののれんの償却負担がなくなったためであります。この結果、営業利益は、前連結会計年度に対して41,654千円減少し、177,723千円となり、売上高に対する営業利益率は3.0%(前連結会計年度は3.5%)となりました。
(営業外損益、経常損益)
営業外収益は、前連結会計年度に対して20,727千円増加し、43,034千円となりました。この主な要因は、農水産物輸出ソリューション事業における助成金収入によるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に対して9,542千円減少し、6,121千円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に対して11,383千円減少し、214,636千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
税金等調整前当期純損失は174,262千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失368,399千円)となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は538,739千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失492,615千円)となりました。
b. 財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ485,564千円減少し、3,249,111千円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が499,070千円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ172,036千円減少し、396,028千円となりました。この主な要因は、投資その他の資産が77,618千円減少したことによるものであります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べ1,107千円減少し、3,231千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ658,708千円減少し、3,648,371千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ17,306千円減少し、693,283千円となりました。この主な要因は、製品保証引当金が80,300千円増加したものの、流動負債その他が122,496千円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,270千円減少し、532,635千円となりました。この主な要因は、資産除去債務が3,483千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ19,577千円減少し、1,225,918千円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ639,131千円減少し、2,422,453千円となりました。この主な要因は、配当金の支払により資本剰余金が35,255千円、親会社株主に帰属する当期純損失計上等により利益剰余金が520,438千円、EBE連結除外により非支配株主持分が63,787千円減少したことによるものであります。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入やソフトウエア開発に係る人件費支出、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、設備投資及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応していく予定でありますが、M&A等の自己資金のみでは賄えない資金需要については、新株の発行や金融機関からの借入等の資金調達方法を検討する方針です。
e. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性と継続的成長を実現することを経営目標と認識し、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しております。また、事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討する方針であり、その場合、のれんの償却額が増加する可能性があるためEBITDA(※)を経営指標としております。
区分前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
売上高成長率(%)△4.3△4.9
売上高営業利益率(%)3.53.0
EBITDA(千円)※473,577227,439

※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

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