有価証券報告書-第22期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/28 15:31
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(自2025年3月1日至2026年2月28日)における日本経済は、企業の設備投資が堅調に推移するとともに、個人消費が7四半期連続でプラス成長となるなど内需が牽引し、2025年暦年の実質GDPは前年比1.2%増と2年ぶりのプラス成長となりました。今後については、中東地域での緊張状態が世界経済および国内経済に与える影響は極めて不透明な状況にあるものの、国内経済の基本トレンドは、企業収益や雇用・所得環境の改善によりデフレ脱却に向けた動きと成長基調への回復が緩やかに進んでいることから、中東情勢が落ち着き堅調な経済成長が持続していくことが期待されます。
法人企業統計によると、2025年の設備投資は各四半期とも前年同期比を上回って推移しており、大企業から中小企業まで設備投資意欲は引き続き堅調な状況にあります。IoTについては、国内におけるIoTサービス需要の増加を背景に、関連デバイスの需要も活況です。また、DX関連等のソフトウェア投資についても、企業の競争力強化や生産性向上に向けた戦略的投資が今後も続くことが見込まれます。生成AIについては、個人レベルでの活用が急速に普及する一方で、生成AIの急速な進化による短期間での陳腐化リスクを背景に、企業のAIソリューションへの大型投資については依然として慎重姿勢が続いている状況です。他方、ハードウェアを組み合わせた「フィジカルAI」の製造・医療・介護・物流をはじめとする様々な現場での活用拡大が期待されており、AIの活用は今後も一層拡大していくものと見込まれます。
こうした状況の下、当社グループでは、収益の主体であった受託型事業が漸減傾向にある中、その影響を最小限に留めつつ、自社事業全体の強化・底上げを図り、とりわけ先行投資事業の収益化をテーマとして事業を推進いたしました。
まず、受託型事業のODM事業については、米国関税政策の影響を回避するため前期にAI翻訳機の前倒し出荷を行ったことの反動を受けましたが、売上高は減少したものの、生産体制のグローバル化への移行による生産効率の向上等の収益体質の改善が進んだことにより、利益は増加いたしました。一方、ソリューション事業については、AIソリューション市場の立ち上がりを見込んでいましたが、前述の市場環境の下で案件の活発化には至らず、AI分野へのリソースシフトも影響し、減益となりました。これらの結果、受託事業全体としては減収減益という結果となりました。
一方、自社事業については、AIチャットサービスやクラウドアドレス帳サービスなどのSaaS事業が、当連結会計年度において第1四半期から黒字化し、その後も増収を継続しながら、前期比で大幅な増収増益となりました。また、自社製品aiwa事業についても、増収を確保し当期は黒字に転換いたしました。これ以外の先行投資事業であるHealthTech、FinTech、HRTechについても利益改善は進んでおり、先行投資事業全体としては昨年度の大幅な赤字から黒字化を実現しております。
また、自社事業として最も規模が大きいコンシューマ&コンテンツ事業については、当期は新作ゲームの投入がなく旧作ゲームの販売に注力しましたが、「Crunchyroll Game Vault」を通じたスマートフォン向け展開、年末商戦に向けた「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』&『炭の町のシロ』2in1パック」の導入など好調な販売が続きました。また、2026年7月に発売を予定している新作ゲーム「カルドセプト ビギンズ」の開発も順調に進んでおります。
以上の展開の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、10,405,091千円(前期比6.8%減)となりました。また、営業利益は73,376千円(前期比19.7%減)、経常利益については93,112千円(前期比9.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、コスト効率の向上に向けて事業会社本社拠点を集約することを決定したため、これに係る概算費用の引当を特別損失として計上した結果、58,785千円の純損失(前期は親会社株主に帰属する当期純損失140,530千円)となりました。

セグメント別の事業動向については以下の通りです。
<ライフデザイン事業>当連結会計年度におけるライフデザイン事業の売上高は2,609,466千円(前期比17.1%減)、セグメント利益は36,218千円(前期比53.1%減)となりました。
コンシューマ&コンテンツ事業においては、当期は新作ゲームの投入がなかったため、旧作ゲームの販売に注力いたしました。特に、「Crunchyroll Game Vault」におけるスマートフォン向け移植配信や、年末商戦に向けた「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』&『炭の町のシロ』2in1パック」の導入が好調に推移しました。また、2026年7月に発売予定の新作ゲーム「カルドセプト ビギンズ」の開発も順調に進みました。
ウェルネス事業を担当する㈱Wellmiraについては、AI健康アプリ「カロママプラス」の健康経営法人向け販売に加えて、カロママプラスの機能を外部のサービス事業者に提供する新ソリューションを展開しており、複数事業者への提供に向けて開発を推進しました。また、「カロママプラス」についてはAI機能の強化も進めており、食物画像解析の機能強化等を行いました。さらに、医療・介護向けDXプラットフォーム「KarteConnect」では、複数病院への展開に向けたマーケティング施策の充実に取り組みました。
FinTech事業では小売・流通業へのアプリ提供の拡大に取り組むと共に、今後のデジタル化の動向を見据えてステーブルコイン決済の活用なども研究しています。また、前連結会計年度より連結対象に加わった㈱Retoolについては、従来の主力製品である人材スカウトツール「HABUKU」に加えて、マネジメントDXサービス「Retool」のフリーミアム版の提供を開始しており、売上高の拡大を推進しています。
当連結会計年度におけるAI&クラウド事業の売上高は2,692,963千円(前期比0.8%減)、セグメント利益は222,701千円(前期比19.0%増)となりました。
SaaS事業については、大幅な増収増益となり、黒字化を達成いたしました。AIチャットサービス「OfficeBot」では、継続的な品質向上への取組みと、展示会への積極出展などマーケティング活動を行い、引き続きサービス導入企業の拡大が続いております。これらの点が評価され、国内最大級のAIポータルメディア「AIsmiley」が主催する「AIsmiley AI PRODUCTS NEXT AI TREND 2026」チャットボット部門でグランプリを受賞しております。また、進化するAIの高度化に対応するため、AIエージェントサービス「OfficeAI社員」のベータ版をリリースしました。もう一つの柱であるクラウドアドレス帳サービス「SMARTアドレス帳」についても、前期に実施したフルリニューアルに加え、当期にはセキュリティを強化したフルクラウド版を投入しており、好調に推移しています。
ソリューション事業では、AIソリューションへの取組み強化を進めましたが、個人レベルでは業務への活用も含めた生成AIの普及が急速に進んでいるものの、AIへの大型投資には技術陳腐化の怖れから企業側の慎重な姿勢が続いている面もあり、活況という状況には至っていません。但し、個々の業務の合理化等に対応した中小規模のAI導入への投資は徐々に増えていくものとみられ、短期間・低価格でAI導入を構築可能な、AIフレームワーク「AIdeaSuite」を用いたソリューション提供に引き続き取り組んで参ります。
当連結会計年度におけるIoT&デバイス事業の売上高は5,326,422千円(前期比3.2%減)、セグメント利益は293,399千円(前期比29.5%増)、為替差益を含めた実質セグメント利益は347,399千円(前期比41.7%増)となりました。
ODM事業については、コロナ期以降のIoTサービスへの社会的な需要拡大を背景に、関連デバイスへの受注は引き続き堅調に推移しています。売上高については、前期に米国関税政策の影響を回避するためAI翻訳機の前倒し出荷を行ったことの反動がありましたが、見守りサービス向けデバイスや様々な顧客からの新規受注が増加し、若干の減収に留まりました。また、これまで中国深圳自社工場のみで開発・生産を行ってきましたが、当期は、ベトナムやインドを含む複数拠点でのグローバルな開発・生産体制への移行という大きな体制変革に取り組みました。この結果、生産効率の向上・収益体質の改善が進み、利益面では大きく増益となりました。また、開発体制強化を目的に、2025年9月に、中国湖南省長沙市に新開発拠点を設立しました。IoT事業の拡大には開発体制の強化が不可欠であり、今後もIoT領域に特化した開発製造企業としての進化を模索してまいります。
自社製品aiwa事業については、主力のタブレット製品やコンパクト・デジタルカメラなどの販売が順調に推移しました。主力であるタブレット製品やコンパクト・デジタルカメラについて、積極的に新製品を投入しラインナップ拡充に努めており、4年目の当期についても増収を継続しました。この結果、当期は初の黒字を計上しました。
また、セグメント別の事業動向に記載の各セグメントの売上高については、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加えた金額を記載しております。詳細は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,883,045千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、354,030千円(前期は1,369,618千円の収入)となりました。これは主に前渡金の増加352,450千円、売上債権及び契約資産の増加240,529千円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益が35,798千円となったことに加え、棚卸資産の減少620,585千円などの増加要因が減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は633,050千円(前期は1,184,157千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出766,080千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、185,332千円(前期は79,697千円の収入)となりました。これは長期借入金による収入1,450,000千円などが主な要因であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
前年同期比(%)
ライフデザイン事業(千円)1,205,54467.0
AI&クラウド事業(千円)1,370,32597.8
IoT&デバイス事業(千円)4,016,09696.2
合計(千円)6,591,96789.4

(注) 金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ライフデザイン事業2,473,82378.229,39920.7
AI&クラウド事業2,629,683107.5277,319161.6
IoT&デバイス事業5,450,68087.81,698,241110.1
合計10,554,18889.32,004,959108.0

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
前年同期比(%)
ライフデザイン事業(千円)2,586,33882.6
AI&クラウド事業(千円)2,523,95898.2
IoT&デバイス事業(千円)5,294,79496.9
合計(千円)10,405,09193.2

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年3月1日
至 2025年2月28日)
当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ダイワボウ情報システム株式会社--1,182,90811.4
株式会社ソラコム--1,158,50711.1
ポケトーク株式会社1,918,09917.2--

(注) 3.前連結会計年度におけるダイワボウ情報システム株式会社及び株式会社ソラコム並びに当連結会計年度のポケトーク株式会社の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は10,611,626千円となり、前連結会計年度末と比べて38,739千円増加いたしました。この増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が240,815千円、前渡金が354,082千円、ソフトウェア仮勘定が508,457千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債については、4,565,467千円となり、前連結会計年度末と比べ、116,801千円増加しておりますが、この増加の主たる要因は、金融機関からの借入金によるものであります。
当連結会計年度末の純資産については、6,046,159千円となり、前連結会計年度末と比べて78,061千円減少いたしました。この減少の主な要因は、利益剰余金が120,489千円減少したことなどによるものであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載をしましたとおり、当社グループを取り巻く様々なリスク要因が当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があるものと認識しております。
このため、当社グループは、様々なリスクに対し可能な限りの対策を講じることで、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与えるリスク要因を低減させ、リスク要因に対して適切に対応していく所存であります。
⑤ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、IoT、ICTデバイスの製造やソフトウェア開発に係る人件費のほか、原材料を含む部材調達費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、主に設備投資、業務提携先への出資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や業務提携先への出資、M&A等の資金は、自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入や新株予約権等の発行を行うなど、資金調達の多様化を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は2,883,045千円であり、有利子負債の残高は3,013,930千円となっております。
⑦ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業規模拡大と利益の増大、および効率的な株主資本の運用による継続的な企業価値向上を目指しております。このような観点から、当社グループの重視する経営指標は、調整後EBITDA(営業利益と減価償却費(のれんに係る償却費などを含む)及び為替差損益の合計額)、経常利益、純利益、及び自己資本利益率(ROE)と考えており、これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。

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