有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しておりました。しかしながら、消費税率引上げや自然災害などの影響をはじめ、米中貿易摩擦などの海外経済の不確実性が懸念されるなか、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内における消費活動が一気に冷え込み、景気は後退局面に入りました。
外食業界におきましては、お客様の節約志向、異業種を含めた企業間競争の激化、消費税率引上げなど、厳しい経営環境が続いているなか、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、臨時休業や営業時間の短縮を余儀なくされることとなりました。
このような環境のもと、当社グループはお客様に当社店舗を選んでご来店いただき、お客様から「ありがとう」をいただくために行動してまいりましたが、第3四半期までの期間においては自然災害、お客様の嗜好・行動パターンの変化への対応の遅れ、サービス力の低下により厳しい状況が続きました。第4四半期になると新型コロナウイルスの感染が深刻化し、さらに厳しい状況となり、2月から3月にかけて売上高の急激な減少に見舞われました。
この状況に対応するため、飲食事業におきましては、従業員満足がお客様満足につながるとの思いのもと、従業員満足を重視するとともに、新規出店を抑え、既存店舗のサービス力の向上、人財教育に努めてまいりました。また、外国籍人財を積極的に採用するとともに、研修センター店を中心とした教育訓練の場を充実させることにより、「目の前のお客様を大切に」「お客様に喜んで帰っていただく」ための人財育成に努めております。新型コロナウイルスによる影響の軽減策としては、お客様や従業員の安全を第一に考え、衛生管理や感染拡大防止に取り組んで営業するとともに、テイクアウトやデリバリーの拡充を進めてまいりました。
アライアンスの展開としましては、お客様の嗜好・行動パターンの変化への対応として、食事業態を強化するため、東京関東圏を中心に焼肉店10店舗、居酒屋1店舗を運営する株式会社シーズライフの全株式を取得致しました。また、株式会社つぼ八とのシナジーにつきましても引き続き追求しております。
コントラクト事業におきましては、固定客が継続的にご来店される事業形態の特性に対応し、店舗独自の日替わりメニューを充実させることはもちろん、「ステーキフェア」「ご宴会キャンペーン」の実施など、「また行きたくなる」店舗作りを心掛け、各種行事、記念イベント等のケータリング事業の拡大強化にも努めました。
店舗数につきましては、当社におきまして直営店の新規出店が6店舗(18店舗の退店)、フランチャイズへの建売が4店舗(フランチャイズ店から直営店への切り替えが8店舗)あったことにより、当連結会計年度末の飲食事業直営店の店舗数は338店舗(前期末346店舗)となりました。コントラクト店につきましては、退店が2店舗あったことにより、当連結会計年度末のコントラクト店の店舗数は91店舗(前期末93店舗)となりました。また、フランチャイズ店は新規出店が2店舗(24店舗の退店)、直営店からの転換が4店舗(直営店への切り替えが8店舗)あったことにより、当連結会計年度末のフランチャイズ店の店舗数は248店舗(前期末274店舗)となりました。さらに連結子会社におきましては、当連結会計年度末における株式会社紅フーズコーポレーションの店舗は20店舗、めっちゃ魚が好き株式会社は11店舗、株式会社シーズライフは12店舗であり、当連結会計年度末の当社グループの店舗数は720店舗、当社の店舗数は677店舗となっております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、サービスレベルの向上に努めてきたものの新型コロナウイルスの影響等により、41,107百万円(前年同期比10.0%減)となりました。利益面におきましては、食材価格の上昇を極力抑えるため、メニューの絞り込みやアイテム数削減により、生産性の向上を図るとともに、スポット商品の機動的な調達を行い、メニュー粗利ミックスをコントロールしてまいりました。これにより、営業利益は283百万円(前年同期比88.5%減)、経常利益は、持分法による投資損失371百万円の計上等により、36百万円(前年同期比98.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、補償金の受取り207百万円があった一方で、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、閉店の意思決定を行った72店舗及び収益性の低下した店舗を対象に減損損失2,571百万円を計上したことや、店舗閉鎖損失引当金繰入額206百万円の計上、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる影響621百万円等により、2,812百万円(前年同期は1,205百万円の純利益)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて7,616百万円減少し、20,530百万円となりました。流動資産、固定資産それぞれの状況は次のとおりです。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,028百万円減少し、5,580百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度末が金融機関休業日であったこと等により現金及び預金が3,759百万円、売掛金が467百万円減少したこと等によります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,588百万円減少し、14,950百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が2,655百万円、投資有価証券が578百万円、差入保証金が408百万円減少したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,227百万円減少し、6,523百万円となりました。流動負債、固定負債それぞれの状況は次のとおりです。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,468百万円減少し、3,857百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度末が金融機関休業日であったこと等により買掛金が2,016百万円、未払金が853百万円減少したこと等によります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて759百万円減少し、2,665百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が351百万円、預り保証金が337百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて3,388百万円減少し、14,007百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払いが441百万円、親会社株主に帰属する当期純損失を2,812百万円計上したこと等によります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は、営業活動により1,786百万円減少、投資活動により851百万円減少、財務活動により1,121百万円減少した結果、前連結会計年度末より3,759百万円減少し、3,434百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果減少した資金は、1,786百万円となりました。主な内訳は、減価償却費が972百万円、減損損失2,571百万円、のれん償却額504百万円による増加があった一方で、税金等調整前当期純損失が2,668百万円、仕入債務2,050百万円、未払金894百万円による減少があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果減少した資金は、851百万円となりました。主な内訳は、新規出店や改装のための固定資産の取得による支出が515百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が426百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果減少した資金は、1,121百万円となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出が465百万円、配当金の支払額が441百万円あったこと等によるものです。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 58.7 | 57.0 | 61.8 | 68.2 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 195.3 | 192.8 | 179.2 | 152.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.7 | 0.3 | 0.6 | △0.4 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 37.9 | 373.0 | 359.7 | △838.9 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
③ 仕入及び販売の状況
a. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 飲食事業 | 12,931,224 | 90.7 |
| コントラクト事業 | 687,879 | 98.7 |
| 合計 | 13,619,103 | 91.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 飲食事業 | 39,118,003 | 89.7 |
| コントラクト事業 | 1,989,270 | 95.6 |
| 合計 | 41,107,273 | 90.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
飲食事業を主要な部門ごとに分けると以下のとおりになります。
| 飲食事業 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 直営店部門 | 32,214,983 | 89.6 |
| 食材等販売部門 | 5,087,723 | 90.1 |
| その他 | 1,815,296 | 89.8 |
| 合計 | 39,118,003 | 89.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.その他の主な内容としては、ロイヤリティ収入、設備貸与収入等があります。
飲食事業におけるフランチャイズ店の店舗における売上は以下のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| フランチャイズ店舗の売上 | 19,662,795 | 87.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかしながら、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
重要な会計方針は「第5 経理の状況、1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表、注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、サービスレベルの向上に努めてきたもの
の、自然災害、お客様の嗜好、行動パターンの変化への対応の遅れ、新型コロナウイルスによる影響などにより、当社の既存店売上高前年比が90.5%であったこと等により、41,107百万円となりました。売上総利益につきましては、食材価格の上昇を極力抑えるため、メニューの絞り込みやアイテム数削減、スポット商品の機動的な調達を行うことにより、メニュー粗利ミックスをコントロールした結果、27,457百万円となりました。営業利益につきましては、貸倒引当金繰入額の増加があった一方で、人件費、消耗品費、減価償却費をはじめとして販売費及び一般管理費が減少した結果、283百万円となりました。また、経常利益は受取手数料56百万円の計上等がありましたが、持分法による投資損失371百万円の計上により、36百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、特別利益に補償金の受取り207百万円の計上がありましたが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、減損損失2,571百万円、関係会社出資金評価損50百万円、関係会社事業損失引当金繰入額20百万円、店舗閉鎖損失引当金繰入額206百万円の計上等により、2,812百万円となりました。
資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて7,616百万円減少し、20,530百万円となりました。また、負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて4,227百万円減少し、6,523百万円となりました。当社グループの資産のうち、主なものは、現金及び預金3,434百万円、有形固定資産2,554百万円、無形固定資産5,157百万円、差入保証金5,468百万円となっております。また、負債のうち、主なものは、買掛金865百万円、未払金998百万円、預り保証金1,324百万円となっております。当連結会計年度末の資産が減少している主な要因は、現金及び預金、有形固定資産及び無形固定資産が減少していることによります。また、負債の金額が減少している主な要因は、買掛金、未払金、有利子負債及び預り保証金が減少していることによります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて3,388百万円減少し、14,007百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払いが441百万円、親会社株主に帰属する当期純損失を2,812百万円計上したこと等によります。
以上の結果、目標とする経営指標につきましては、ROE(自己資本利益率)が△17.9%(目標8.0%以上)、売上高営業利益率は0.7%(目標6.5%以上)となりました。当面は営業利益、当期純利益の改善が最優先であると認識しております。そのうえで、これらの指標について改善されるよう取り組んでまいります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、「2 事業等のリスク (19) 継続企業の前提に関する重要事象について」に記載のとおり、当社は、継続企業の前提に関する重要事象が存在しております。当社では当該状況を解消すべく、2020年4月下旬に既存の当座貸越契約に基づく資金の借入を実行するとともに、5月に取引金融機関と新たな当座貸越契約を締結しており、必要な運転資金を確保しております。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
③ 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績は、経済情勢、お客様の嗜好・行動パターンの変化、自然災害、天候不順、異業種を含む企業間競争、原材料価格・人件費・家賃・水道光熱費などの上昇により影響を受けます。さらに現状におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化によっても影響を受けます。これらの要因に適時適切に対応することが重要であると認識しております。また、サービス産業の中心は人であり、人財採用と教育訓練体制の強化によってサービスレベルを向上し、お客様からありがとうをいただき続けることが、売上高及び利益の増加につながっていくものと考えております。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入資金のほか、人件費、設備費及び一般管理費等の営業費用であります。固定資金需要のうち主なものは、新規出店店舗への設備投資及び既存店の改装等、差入保証金の差入れ、有利子負債の返済、配当金の支払い等であります。当社グループは、主として、営業活動により調達した資金を新規出店店舗への設備投資及び既存店の改装等の投資活動に支出するとともに、有利子負債の返済や配当金の支払いである財務活動への支出に充てております。なお、当連結会計年度におきましては、投資活動によるキャッシュ・フローとして、子会社株式の取得426百万円を支出しております。