有価証券報告書-第15期(平成30年2月1日-平成31年1月31日)

【提出】
2019/04/25 15:01
【資料】
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【項目】
74項目
1.業績等の概要
(1)業績
当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、一般消費者が持つ個々の才能をネットワークし、今まで存在しなかった新しい価値を創造し、世界をよりよく変えることを目的として、ソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA(バイマ)」を中心とした事業を展開しております。
当事業年度(2018年2月1日~2019年1月31日)における我が国経済は、企業の設備投資や輸出の増加、雇用・所得環境の改善を背景に、個人消費が持ち直しの動きを見せ、景気が緩やかに回復してきている一方で、米中貿易摩擦の影響や米国の利上げに対する懸念に加え、EU離脱交渉の難航等による為替変動等、世界経済の先行き不透明感が強まっております。
国内の個人消費においては、引き続き選別消費傾向が鮮明になりつつある中で、ファッションEC市場におきましては、小売店やブランド等の事業者側によるオムニチャネル化やファッション系スマートフォンアプリの増加等を背景に、順調に拡大を続けております。
このような環境のなか、当社は、当社の基幹事業であるソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA(バイマ)」において、新マーケティングミックスによる、「認知度向上」を起点とする「会員数向上」から「アクティブ数向上」への効率的な連携と、「取扱件数向上」関連施策を短期サイクルで展開することで取扱高の継続的な拡大を進めてまいりました。
また、機能面においてもSNSの活用等によるアプリ訴求施策及び、新規決済サービスの追加導入のほか、ほしいもの登録機能のリニューアル、下取り即時割引サービス「ソク割り」のリリース、リクエスト機能リニューアル等、各種周辺サービス・機能の運用強化を加速し、一層安全かつ手軽にBUYMAでショッピングをお楽しみいただけるよう積極的にサービスの拡充を進めてきております。
さらに、世界中の消費者にBUYMAサービスを提供できるよう、「英語版BUYMA(バイマ)」の拡大に向け、積極的に各種施策を展開してきております。
当事業年度におきましては、スマートフォン経由での新規会員獲得が好調に推移したことに加え、会員のアクティブ化およびコンバージョン向上のため、ターゲット別のセールへの取り組み、オウンドメディアによる購買意欲の喚起、SNSを活用したアプリ訴求など、各サービス・機能の拡充を図る各種施策の展開による効果を背景にアクティブ会員数も堅調に増加しました。また、パーソナルショッパー(出品者)との密な連携により国内トレンドにもリアルタイムで豊富な品揃えを実現し、ターゲット別の特集やセールを効果的に実施することで、レディースアイテム以外でも、メンズカテゴリを始めとして、ベビーキッズ、ビューティ、ホーム等各カテゴリで成長を加速させております。加えて、2018年7月31日より「BUYMA TRAVEL(バイマトラベル)」サービスの提供を開始し、従来のファッションアイテムだけでなく、世界152カ国に在住する12万人超のパーソナルショッパーから、海外旅行者へ“現地ならではの体験”の幅広いサービス提供に向けて出品商品の拡充を進めております。
以上の結果、会員数は6,139,853人(前年同期比23.1%増)、商品総取扱高は45,533百万円(前年同期比22.7%増)、と順調に拡大し、当事業年度における当社の売上高は5,283,572千円と拡大し、営業利益は2,143,820千円、経常利益は2,143,789千円、当期純利益は1,536,017千円となりました。
なお、当社は前期に実施した子会社の全株式の譲渡及び解散に伴い、2019年1月期より非連結決算に移行したことから、前事業年度との比較分析は行っておりません。また、当社の事業セグメントは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は6,456,014千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は2,611,335千円となりました。
この主な増加要因は、税引前当期純利益2,142,554千円等によるものであり、また、減少要因は、貸倒引当金の減少181,174千円および法人税等の納税83,475千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は11,586千円となりました。
この主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出9,215千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動による資金の増減はありません。
2.生産、受注及び販売の実績
当社は、ソーシャルコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。また、前事業年度は連結財務諸表を作成しているため、比較分析はおこなっておりません。なお、当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
事業部売上高(千円)前年同期比(%)
ソーシャルコマース事業5,283,572-
合計5,283,572-

(注)1.当事業年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度における資産合計は7,151,352千円(前期比52.5%増)となりました。
流動資産7,010,192千円(前期比54.3%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金6,456,014千円であります。
固定資産は141,159千円(前期比3.3%減)となりました。主な内訳は、敷金保証金58,751千円、建物47,478千円であります。
(負債)
当事業年度における負債合計は1,639,877千円(前期比129.7%増)となりました。
流動負債は1,624,290千円(前期比132.6%増)となりました。主な内訳は、預り金676,584千円であります。
固定負債15,587千円(前期比1.1%増)となりました。主な内訳は、資産除去債務15,587千円であります。
(純資産)
当事業年度における純資産は5,511,474千円(前期比38.7%増)となりました。主な内訳は、資本金381,903千円、利益剰余金5,153,702千円であります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当社は、当社の基幹事業であるソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA(バイマ)」において、新マーケティングミックスによる、「認知度向上」を起点とする「会員数向上」から「アクティブ数向上」への効率的な連携と、「取扱件数向上」関連施策を短期サイクルで展開することで取扱高の継続的な拡大を進めてまいりました。
また、機能面においてもSNSの活用等によるアプリ訴求施策及び、新規決済サービスの追加導入のほか、ほしい もの登録機能のリニューアル、下取り即時割引サービス「ソク割り」のリリース、リクエスト機能リニューアル 等、各種周辺サービス・機能の運用強化を加速し、一層安全かつ手軽にBUYMAでショッピングをお楽しみいただけ るよう積極的にサービスの拡充を進めてきております。
さらに、世界中の消費者にBUYMAサービスを提供できるよう、「英語版BUYMA(バイマ)」の拡大に向け、積極 的に各種施策を展開してきております。
当事業年度におきましては、スマートフォン経由での新規会員獲得が好調に推移したことに加え、会員のアク ティブ化およびコンバージョン向上のため、ターゲット別のセールへの取り組み、オウンドメディアによる購買意 欲の喚起、SNSを活用したアプリ訴求など、各サービス・機能の拡充を図る各種施策の展開による効果を背景にア クティブ会員数も堅調に増加しました。また、パーソナルショッパー(出品者)との密な連携により国内トレンド にもリアルタイムで豊富な品揃えを実現し、ターゲット別の特集やセールを効果的に実施することで、レディース アイテム以外でも、メンズカテゴリを始めとして、ベビーキッズ、ビューティ、ホーム等各カテゴリで成長を加速 させております。加えて、2018年7月31日より「BUYMA TRAVEL(バイマトラベル)」サービスの提供を開始し、従 来のファッションアイテムだけでなく、世界152カ国に在住する12万人超のパーソナルショッパーから、海外旅行 者へ“現地ならではの体験”の幅広いサービス提供に向けて出品商品の拡充を進めております。
以上の結果、会員数は6,139,853人(前期比23.1%増)、商品総取扱高は45,533百万円(前期比22.7%増)、売上高は5,283,572千円(前期比23.9%増)と順調に拡大しました。
(売上原価)
当事業年度における売上原価は915,323千円(前期比25.9%増)となりました。これは主として、商品購入者に対する取引代金の回収業務委託先へ支払う決済手数料となります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、2,224,428千円(前期比21.8%増)となりました。これは主として、広告宣伝費、販売促進費及び人件費となります。
以上の結果、当事業年度における営業利益は、2,143,820千円(前期比25.4%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益は、606千円(前期比89.9%減)となりました。これは主として、還付加算金となります。
一方、営業外費用は、636千円(前期比2942.5%増)となりました。これは主として、為替差損となります。以上の結果、当事業年度における経常利益は、2,143,789千円(前期比24.9%増)となりました。
(特別損失、当期純利益)
当事業年度における特別損失は、1,235千円(前期比99.8%減)となりました。これは主として、貸倒引当金繰入額によるものです。以上の結果、税引前当期純利益は2,142,554千円(前期比123.9%増)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、606,537千円(前期比101.6%増)であります。
以上の結果、当事業年度における当期純利益は1,536,017千円(前期比134.1%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
「業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
(次期の見通し)
(単位:百万円)

翌事業年度
(業績予想)
当事業年度
(実績)
当期実績比
(%)
売上高6,1565,283116.5
営業利益2,4672,143115.1
経常利益2,4512,143114.4
当期純利益1,7001,536110.7

2020年1月期の業績予想につきましては、売上高6,156百万円(当期実績比116.5%)、営業利益2,467百万円(当期実績比115.1%)、経常利益2,451百万円(当期実績比114.4%)、当期純利益1,700百万円(当期実績比110.7%)を見込んでおります。
当社は、「BUYMA」が持つ本質的な価値を高めることで確実に事業成長を継続してきております。
当期は、2018年1月期下半期より実施したマーケティングミックスによる効果もあり、新規会員数、アクティブ会員数等、各種KPIが好調に推移し、過去最高の総取扱高、営業利益を達成したことで、増収増益で着地いたしました。
次期はBUYMAの中長期に渡り継続成長できる体制を目指し、マーケティングミックスを進化させ、2019年1月期に飛躍したメンズカテゴリを強化することで成長率の底上げにつなげ、出品機能向上施策やアプリのユーザビリティ向上を図り、安心で安全なサービスの提供に努めてまいります。
また、グローバルBUYMAにおいては2019年1月期よりシフトした、米国圏を中心とする流入、CVR向上施策を推進し、海外ユーザーの利便性向上を図ってまいります。
更に、2018年7月にリリースした「BUYMA TRAVEL」においては、独立サイトをリリースしエリア別出品を強化してまいります。
これらの取り組み等を背景に、当社は組織とサービスを次のステージへ進化させ、この成長トレンドを維持し安定的な成長を続けるために、次期以降も引き続きサービス品質および機能向上施策を推し進めるとともに、各種基盤整備や新規事業の成長に向け適切な投資をおこなってまいります。
安定的な成長を維持する国内BUYMAを核として、密に連携し相乗的に成長する周辺サービスと、国内の恩恵を最大限活用できるグローバルBUYMA、BUYMA TRAVELを加え、特定分野に特化した「Specialty Market Place」を実現することで、世界中の人々に多様な選択肢と特別な体験を提供し、「世界を変える、新しい流れ」をつくってまいります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 1.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。