有価証券報告書-第19期(2022/02/01-2023/01/31)
1.業績等の概要
(1)業績
当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根を壊し、誰もが多様な専門性を生かすことで今まで存在しなかった新しい価値を創造する、“Specialty” Marketplace(スペシャルティマーケットプレイス)「BUYMA(バイマ)」を中心とした事業を展開しております。
当事業年度(2022年2月1日~2023年1月31日)における世界経済は、緩やかな持ち直しの兆しがみられるものの、変異を繰り返す新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響に加え、世界的な金融引き締めが進み、引き続き不確実かつ不透明な状況で推移しております。日本経済においては、ワクチン接種率の高まりに応じウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、長引くロシア・ウクライナ情勢の影響による原油価格の高騰を背景としたインフレ圧力の上昇、急激な金利上昇や円安進行に加え、飛行空域制限による国際物流への影響もあり、経済を支えるサプライチェーンに混乱が続くことが予想される等、多様化する地政学的リスクへの対応は企業収益を圧迫しております。一方で、各業界においては、新しい生活様式の構築に向けた取り組みにより、社会経済活動のレベル引上げが進められてきており、人と人との接触機会を減らしつつ、商品を購入、サービスを享受することができるインターネットサービスを提供する事業会社が果たすべき社会的役割は、あらゆる消費者にとって重要かつ不可欠なものとなってきております。
このような環境の中、当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。継続的な各機能向上施策に加え、ビッグデータ分析との連携によるマーケティング施策を展開し、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。
当事業年度におきましては、ファッション関連のEC&ラグジュアリー市場は、急速な円安の進行と海外でのインフレによる出品価格上昇の影響により、ライトユーザーにおける消費マインドの低下傾向が続いており、当事業年度の総取扱高は苦戦が続きましたが、BUYMA studioを活用したオリジナルコンテンツの充実によるSNS運用強化、3Dセキュア(クレジットカード本人認証サービス)Ver2.0導入による決済安全性の向上、データ活用による休眠会員復活施策、ロイヤル顧客向けのコンシェルジュサービスの対象範囲拡大、海外セレクトショップとの連携拡大、提携配送サービスの追加、その他出品促進に繋がるオペレーションの強化等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進め始めており、当事業年度の重点施策の一つである認知度向上施策においては、TVCM放映を開始し、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、Twitter等)と連動して夏・冬2回のキャンペーンを継続的に展開することで、認知度の向上と“純粋想起”の定着を進めました。また、GLOBAL BUYMAにおいては、上半期インフレや広告投下量の影響により一時成長率が鈍化したものの、専属出品者の増強、SEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR上昇もあり成長が回復し、当第4四半期は過去最高の総取扱高となりました。また、利益面では、当事業年度以降の数年は、確かな価値に基づく高い成長を目指すための転換点と位置づけ、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、営業利益は黒字を前提としながらも、短期的には減益を許容し、さまざまな投資を事業環境や事業進捗に応じ、機動的かつ柔軟に実行していく方針としており、当該方針に基づくヒトとモノの両面からの投資強化、課題としている良質な認知の獲得を目的としたマスキャンペーン等の広告投資を、継続的かつ戦略的に進めていることにより、減益となりました。
以上の結果、会員数は10,590,507人(前期比9.3%増)、商品総取扱高は63,277,410千円(前期比6.5%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,868,805千円(前期は7,616,747千円)、営業利益は1,136,808千円(前期は2,971,217千円)、経常利益は1,143,091千円(前期は2,979,078千円)、当期純利益は712,574千円(前期は2,055,198千円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。これにより、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 会計方針の変更」をご参照下さい。
また、当社の事業セグメントはソーシャルコマース事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は10,315,637千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は322,765千円(前期は1,509,247千円の獲得)となりました。
この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益993,865千円等によるものであり、また、減少要因は、法人税等の支払額845,106千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は785,261千円(前期は56,417千円の使用)となりました。
この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出749,143千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は1,422,185千円(前期は416,419千円の使用)となりました。
この主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,011,267千円及び配当金の支払額による支出416,419千円等によるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
当社は、ソーシャルコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注)最近2事業年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度における資産合計は12,684,755千円(前期比7.2%減)となりました。
流動資産は11,665,398千円(前期比12.4%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金10,315,637千円であります。
固定資産は1,019,356千円(前期比180.7%増)となりました。主な内訳は、投資有価証券547,865千円及び関係会社株式285,896千円であります。
(負債)
当事業年度における負債合計は2,539,279千円(前期比9.9%減)となりました。
流動負債は2,530,929千円(前期比9.9%減)となりました。主な内訳は、預り金2,080,522千円であります。
固定負債は8,349千円(前期比15.5%増)となりました。内訳は、資産除去債務8,349千円であります。
(純資産)
当事業年度における純資産は10,145,475千円(前期比6.6%減)となりました。主な内訳は、資本金381,903千円、利益剰余金10,746,507千円であります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。継続的な各機能向上施策に加え、ビッグデータ分析との連携によるマーケティング施策を展開し、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。
当事業年度におきましては、ファッション関連のEC&ラグジュアリー市場は、急速な円安の進行と海外でのインフレによる出品価格上昇の影響により、ライトユーザーにおける消費マインドの低下傾向が続いており、当事業年度の総取扱高は苦戦が続きましたが、BUYMA studioを活用したオリジナルコンテンツの充実によるSNS運用強化、3Dセキュア(クレジットカード本人認証サービス)Ver2.0導入による決済安全性の向上、データ活用による休眠会員復活施策、ロイヤル顧客向けのコンシェルジュサービスの対象範囲拡大、海外セレクトショップとの連携拡大、提携配送サービスの追加、その他出品促進に繋がるオペレーションの強化等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進め始めており、当事業年度の重点施策の一つである認知度向上施策においては、TVCM放映を開始し、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、Twitter等)と連動して夏・冬2回のキャンペーンを継続的に展開することで、認知度の向上と“純粋想起”の定着を進めました。また、GLOBAL BUYMAにおいては、上半期インフレや広告投下量の影響により一時成長率が鈍化したものの、専属出品者の増強、SEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR上昇もあり成長が回復し、当第4四半期は過去最高の総取扱高となりました。
以上の結果、会員数は10,590,507人(前期比9.3%増)、商品総取扱高は63,277,410千円(前期比6.5%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,868,805千円(前期は7,616,747千円)となりました。
(売上原価)
当事業年度における売上原価は1,416,916千円(前期は1,472,946千円)となりました。これは主として、商品購入者に対する取引代金の回収業務委託先へ支払う決済手数料となります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、4,315,079千円(前期は3,172,582千円)となりました。これは主として、広告宣伝費、販売促進費及び人件費となります。
以上の結果、当事業年度における営業利益は、1,136,808千円(前期は2,971,217千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益は、16,250千円(前期は27,191千円)となりました。これは主として、未払成約代金受入益及び助成金収入となります。
一方、営業外費用は、9,967千円(前期は19,329千円)となりました。これは主として、投資事業組合運用損及び雑損失となります。
以上の結果、当事業年度における経常利益は、1,143,091千円(前期は2,979,078千円)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度における特別利益は、4,084千円となりました。これは主として、新株予約権戻入益となります。
一方、特別損失は、153,310千円(前期は32,595千円)となりました。これは主として、投資有価証券評価損となります。
以上の結果、税引前当期純利益は993,865千円(前期は2,946,483千円)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、281,291千円(前期は891,284千円)であります。
以上の結果、当事業年度における当期純利益は712,574千円(前期は2,055,198千円)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
(次期の見通し)
今後の我が国経済は、政府が主導する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における感染症法上の分類引き下げを受け、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中で、新たな感染機会の拡大リスクや、患者の治療費負担増への懸念が高まってきており、これに加えて、長引くロシア・ウクライナ情勢の影響による原油価格の高騰を背景としたインフレ圧力の上昇、世界的な金融引き締めが進むなど、引き続き先行き不透明な状況で推移すると予測しております。
このような環境と経済状況が急激に変化を繰り返す中で、当社は、利益額の達成を優先目標とした数年単位での中期計画は、本質的な企業価値向上を目指すには不向きであると判断し、短期的な売上や利益目標を最優先とした視点から離れ、長期の視点で経営を改めて進めるため、当社が創業時から実現を目指してきた信念(パーパス)である「世界を変える、新しい流れを。」をより強く意識するとともに、これを基軸においた長期的な企業価値の創造と向上のための投資を、短期的な利益成長を追わずに直近数年をかけて行うことで、一過性ではなく、時代を超えて価値を提供する会社を目指す方針としております。
当社は、確かな価値に基づく高い成長を目指すため、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、2023年1月期に引き続き、2024年1月期も営業利益は黒字を前提としながら、短期的には減益を許容することで、新収益の柱を複数構築すべく長期視点での投資を事業環境や事業進捗に応じ、機動的かつ柔軟に実行していく方針といたします。
以上の方針から、2024年1月期における業績予想につきましては、売上高については前期比増収、営業利益、経常利益及び当期純利益については、黒字を見込んでおりますが、具体的な予想数値は合理的に算定することが困難であるため、非開示とさせていただきます。
基幹事業である国内外の「BUYMA」を柱としつつ、新収益の柱となる“Specialty” Marketplace を複数構築するべく、新領域でも企業価値の向上に寄与できるよう、営業収益を再投資に継続的かつ戦略的に投下し、長期視点で企業価値の向上から売上高の成長加速へと繋げていくことを実現してまいります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(1)業績
当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根を壊し、誰もが多様な専門性を生かすことで今まで存在しなかった新しい価値を創造する、“Specialty” Marketplace(スペシャルティマーケットプレイス)「BUYMA(バイマ)」を中心とした事業を展開しております。
当事業年度(2022年2月1日~2023年1月31日)における世界経済は、緩やかな持ち直しの兆しがみられるものの、変異を繰り返す新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響に加え、世界的な金融引き締めが進み、引き続き不確実かつ不透明な状況で推移しております。日本経済においては、ワクチン接種率の高まりに応じウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、長引くロシア・ウクライナ情勢の影響による原油価格の高騰を背景としたインフレ圧力の上昇、急激な金利上昇や円安進行に加え、飛行空域制限による国際物流への影響もあり、経済を支えるサプライチェーンに混乱が続くことが予想される等、多様化する地政学的リスクへの対応は企業収益を圧迫しております。一方で、各業界においては、新しい生活様式の構築に向けた取り組みにより、社会経済活動のレベル引上げが進められてきており、人と人との接触機会を減らしつつ、商品を購入、サービスを享受することができるインターネットサービスを提供する事業会社が果たすべき社会的役割は、あらゆる消費者にとって重要かつ不可欠なものとなってきております。
このような環境の中、当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。継続的な各機能向上施策に加え、ビッグデータ分析との連携によるマーケティング施策を展開し、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。
当事業年度におきましては、ファッション関連のEC&ラグジュアリー市場は、急速な円安の進行と海外でのインフレによる出品価格上昇の影響により、ライトユーザーにおける消費マインドの低下傾向が続いており、当事業年度の総取扱高は苦戦が続きましたが、BUYMA studioを活用したオリジナルコンテンツの充実によるSNS運用強化、3Dセキュア(クレジットカード本人認証サービス)Ver2.0導入による決済安全性の向上、データ活用による休眠会員復活施策、ロイヤル顧客向けのコンシェルジュサービスの対象範囲拡大、海外セレクトショップとの連携拡大、提携配送サービスの追加、その他出品促進に繋がるオペレーションの強化等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進め始めており、当事業年度の重点施策の一つである認知度向上施策においては、TVCM放映を開始し、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、Twitter等)と連動して夏・冬2回のキャンペーンを継続的に展開することで、認知度の向上と“純粋想起”の定着を進めました。また、GLOBAL BUYMAにおいては、上半期インフレや広告投下量の影響により一時成長率が鈍化したものの、専属出品者の増強、SEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR上昇もあり成長が回復し、当第4四半期は過去最高の総取扱高となりました。また、利益面では、当事業年度以降の数年は、確かな価値に基づく高い成長を目指すための転換点と位置づけ、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、営業利益は黒字を前提としながらも、短期的には減益を許容し、さまざまな投資を事業環境や事業進捗に応じ、機動的かつ柔軟に実行していく方針としており、当該方針に基づくヒトとモノの両面からの投資強化、課題としている良質な認知の獲得を目的としたマスキャンペーン等の広告投資を、継続的かつ戦略的に進めていることにより、減益となりました。
以上の結果、会員数は10,590,507人(前期比9.3%増)、商品総取扱高は63,277,410千円(前期比6.5%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,868,805千円(前期は7,616,747千円)、営業利益は1,136,808千円(前期は2,971,217千円)、経常利益は1,143,091千円(前期は2,979,078千円)、当期純利益は712,574千円(前期は2,055,198千円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。これにより、前事業年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 会計方針の変更」をご参照下さい。
また、当社の事業セグメントはソーシャルコマース事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は10,315,637千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により使用した資金は322,765千円(前期は1,509,247千円の獲得)となりました。
この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益993,865千円等によるものであり、また、減少要因は、法人税等の支払額845,106千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は785,261千円(前期は56,417千円の使用)となりました。
この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出749,143千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は1,422,185千円(前期は416,419千円の使用)となりました。
この主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,011,267千円及び配当金の支払額による支出416,419千円等によるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
当社は、ソーシャルコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
事業部 | 売上高(千円) | 前期比(%) |
ソーシャルコマース事業 | 6,868,805 | - |
合計 | 6,868,805 | - |
(注)最近2事業年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度における資産合計は12,684,755千円(前期比7.2%減)となりました。
流動資産は11,665,398千円(前期比12.4%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金10,315,637千円であります。
固定資産は1,019,356千円(前期比180.7%増)となりました。主な内訳は、投資有価証券547,865千円及び関係会社株式285,896千円であります。
(負債)
当事業年度における負債合計は2,539,279千円(前期比9.9%減)となりました。
流動負債は2,530,929千円(前期比9.9%減)となりました。主な内訳は、預り金2,080,522千円であります。
固定負債は8,349千円(前期比15.5%増)となりました。内訳は、資産除去債務8,349千円であります。
(純資産)
当事業年度における純資産は10,145,475千円(前期比6.6%減)となりました。主な内訳は、資本金381,903千円、利益剰余金10,746,507千円であります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当社は基幹事業である“Specialty” Marketplace「BUYMA」において、BUYMAが提供するSpecialtyの本質的強化に向けた中長期的な取り組みを積極的に進めております。継続的な各機能向上施策に加え、ビッグデータ分析との連携によるマーケティング施策を展開し、一層安全かつ満足度の高い購入体験をBUYMAでお楽しみいただけるよう、サービスを拡充してきております。
当事業年度におきましては、ファッション関連のEC&ラグジュアリー市場は、急速な円安の進行と海外でのインフレによる出品価格上昇の影響により、ライトユーザーにおける消費マインドの低下傾向が続いており、当事業年度の総取扱高は苦戦が続きましたが、BUYMA studioを活用したオリジナルコンテンツの充実によるSNS運用強化、3Dセキュア(クレジットカード本人認証サービス)Ver2.0導入による決済安全性の向上、データ活用による休眠会員復活施策、ロイヤル顧客向けのコンシェルジュサービスの対象範囲拡大、海外セレクトショップとの連携拡大、提携配送サービスの追加、その他出品促進に繋がるオペレーションの強化等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進め始めており、当事業年度の重点施策の一つである認知度向上施策においては、TVCM放映を開始し、オウンドメディアであるSTYLE HAUS(スタイルハウス)やデジタルメディア(YouTube、Instagram、Twitter等)と連動して夏・冬2回のキャンペーンを継続的に展開することで、認知度の向上と“純粋想起”の定着を進めました。また、GLOBAL BUYMAにおいては、上半期インフレや広告投下量の影響により一時成長率が鈍化したものの、専属出品者の増強、SEO強化施策による流入増に加え、キャンセル率低減施策等によるCVR上昇もあり成長が回復し、当第4四半期は過去最高の総取扱高となりました。
以上の結果、会員数は10,590,507人(前期比9.3%増)、商品総取扱高は63,277,410千円(前期比6.5%減)となり、当事業年度における当社の売上高は6,868,805千円(前期は7,616,747千円)となりました。
(売上原価)
当事業年度における売上原価は1,416,916千円(前期は1,472,946千円)となりました。これは主として、商品購入者に対する取引代金の回収業務委託先へ支払う決済手数料となります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、4,315,079千円(前期は3,172,582千円)となりました。これは主として、広告宣伝費、販売促進費及び人件費となります。
以上の結果、当事業年度における営業利益は、1,136,808千円(前期は2,971,217千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益は、16,250千円(前期は27,191千円)となりました。これは主として、未払成約代金受入益及び助成金収入となります。
一方、営業外費用は、9,967千円(前期は19,329千円)となりました。これは主として、投資事業組合運用損及び雑損失となります。
以上の結果、当事業年度における経常利益は、1,143,091千円(前期は2,979,078千円)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度における特別利益は、4,084千円となりました。これは主として、新株予約権戻入益となります。
一方、特別損失は、153,310千円(前期は32,595千円)となりました。これは主として、投資有価証券評価損となります。
以上の結果、税引前当期純利益は993,865千円(前期は2,946,483千円)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、281,291千円(前期は891,284千円)であります。
以上の結果、当事業年度における当期純利益は712,574千円(前期は2,055,198千円)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
(次期の見通し)
今後の我が国経済は、政府が主導する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における感染症法上の分類引き下げを受け、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中で、新たな感染機会の拡大リスクや、患者の治療費負担増への懸念が高まってきており、これに加えて、長引くロシア・ウクライナ情勢の影響による原油価格の高騰を背景としたインフレ圧力の上昇、世界的な金融引き締めが進むなど、引き続き先行き不透明な状況で推移すると予測しております。
このような環境と経済状況が急激に変化を繰り返す中で、当社は、利益額の達成を優先目標とした数年単位での中期計画は、本質的な企業価値向上を目指すには不向きであると判断し、短期的な売上や利益目標を最優先とした視点から離れ、長期の視点で経営を改めて進めるため、当社が創業時から実現を目指してきた信念(パーパス)である「世界を変える、新しい流れを。」をより強く意識するとともに、これを基軸においた長期的な企業価値の創造と向上のための投資を、短期的な利益成長を追わずに直近数年をかけて行うことで、一過性ではなく、時代を超えて価値を提供する会社を目指す方針としております。
当社は、確かな価値に基づく高い成長を目指すため、当社の強みである強固な財務基盤と安定した収益基盤を生かし、2023年1月期に引き続き、2024年1月期も営業利益は黒字を前提としながら、短期的には減益を許容することで、新収益の柱を複数構築すべく長期視点での投資を事業環境や事業進捗に応じ、機動的かつ柔軟に実行していく方針といたします。
以上の方針から、2024年1月期における業績予想につきましては、売上高については前期比増収、営業利益、経常利益及び当期純利益については、黒字を見込んでおりますが、具体的な予想数値は合理的に算定することが困難であるため、非開示とさせていただきます。
基幹事業である国内外の「BUYMA」を柱としつつ、新収益の柱となる“Specialty” Marketplace を複数構築するべく、新領域でも企業価値の向上に寄与できるよう、営業収益を再投資に継続的かつ戦略的に投下し、長期視点で企業価値の向上から売上高の成長加速へと繋げていくことを実現してまいります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。