有価証券報告書-第28期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されたことに伴い、社会経済活動の正常化が大幅に進み、また長らく続いてきたデフレーションから脱却しつつある一方で、物価上昇率の鈍化傾向は見られるものの引き続き名目可処分所得の伸び率を上回っている状況に加え、企業倒産件数の増加傾向が続いているなど先行きが不透明な状況でありました。
また、世界経済については、アメリカ経済は堅調に推移した一方でロシア・ウクライナ戦争の長期化、欧州経済の低迷、さらには、中東情勢の緊迫、中国経済の減速が懸念されるなど世界経済は依然として不透明な状況でありました。
そのような状況下、我が国人材サービス業界を取り巻く環境は、社会経済活動の正常化や政府の総合経済対策の進捗により、賃上げを始めとする所得改善や企業の有形固定資産投資のみならず人的投資等幅広い分野での投資も増加していることを背景に企業の雇用拡大意欲も旺盛であったことなどから、有効求人倍率は堅調に推移いたしました。
このような経営環境の中、当社グループは、引き続き、主力であるBPO関連事業を中心に各事業を積極的に推進してまいりました。
当連結会計年度におきましては、BPO関連事業について、マイナンバー交付施策案件や給付金支給案件等の総合経済対策関連案件の他、首都圏、京阪神、東北、九州地方を中心に未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組んでまいりました。しかし、期初に受注を見込んでいたマイナンバー交付施策案件について案件発注規模が想定を下回ったこと、一部の地方自治体BPO請負案件において「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことにより、受注を想定していた案件を落札できなかったことなどから、期初に想定していた受注高を達成できませんでした。一方、製造系人材サービス事業においては、社会経済活動正常化や所得改善などに因る個人消費の回復と企業の旺盛な設備投資を背景に食品加工部門を中心に受注高が好調に推移しました。
これらの結果、BPO関連事業において、前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことに加え、期初に想定していた地方自治体からの受注高が実現できなかったものの製造系人材サービス事業においては、特に食品加工部門における受注高が好調であったことなどから、当連結会計年度の売上高は、前期比8,745,651千円減(16.6%減)の43,791,209千円となりました。
また、利益面では、BPO関連事業において、前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことによる売上高減少に加え、「一般競争入札」(価格競争方式)などで受注した案件の収益率が想定を下回ったことの他、競争力強化を図るために業務構築、情報システムなどの分野で高い専門性を持つ人材を積極的に採用した一方で、BPO請負案件における業務処理運用面での効率化並びにスタッフ登録者募集費や業務委託費等経費の節減に努めたことなどから、当連結会計年度の営業利益は、前期比4,329,943千円減(56.9%減)の3,279,461千円、経常利益は、前期比4,364,799千円減(57.1%減)の3,280,944千円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比3,510,651千円減(61.5%減)の2,201,313千円となりました。
なお、従来、事務系人材サービス事業・製造系人材サービス事業・営業系人材サービス事業・その他で開示していましたセグメント情報につきましては、当連結会計年度期首より、営業系人材サービス事業を事務系人材サービス事業のBPO関連事業部門に統合することといたしましたので、事務系人材サービス事業・製造系人材サービス事業・その他で開示しております。この変更に伴い、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で記載・比較しております。
(事務系人材サービス事業)
当事業のうち、BPO関連事業部門では、未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組みましたものの、従来から取り組んでおりますマイナンバー交付施策案件については、受注は、前期比堅調に推移したものの案件の発注規模が期初想定を大きく下回りました。また、期初に受注を見込んでいました地方自治体BPO請負案件の一部において、想定していた「プロポーザル競争入札」(企画競争方式)ではなく、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに因り、想定した案件受注が実現できなかったことや落札した案件の受注価格の低廉化傾向が見られたことなどにより、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了を見越して期初に想定した受注高を達成することができませんでした。CRM関連事業部門は、首都圏における大型新規案件が受注できたことや仙台、福岡などにおいて既存取引先からの受注が堅調に推移した他、金融機関からの受注も堅調に推移したものの、前期に大手BPO事業者等から受注した案件について規模縮小や終了したことに対して挽回できず、期初に想定していた受注高を達成することができませんでした。一般事務事業部門は、地方自治体からの新規マイナンバー関連案件や独立行政法人などの新規取引開始及び地方支店において大手BPO事業者などからの受注が堅調に推移しましたが、地方自治体及び金融機関向け既存派遣案件が規模縮小や終了したことなどから、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比10,077,056千円減(21.6%減)の36,682,526千円となりました。また、利益面では、BPO関連事業において想定していた受注高が達成できなかったことや受注したBPO請負案件の収益率が想定を下回ったことに加え、今後の業務多様化やBPO関連事業の地方展開に対応する他、「一般競争入札」(価格競争方式)案件への競争力強化並びに体制強化を図るために人材の採用などを実施したことなどから、営業利益は、前期比4,398,878千円減(59.6%減)の2,980,637千円となりました。
a.BPO関連事業部門
当事業部門は、地方自治体からのマイナンバー交付施策案件や給付金支給関連案件を始め、大手BPO事業者から中央官庁などを事業主とする大型案件を受注したことや未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大についても積極的に取り組んだ結果、新たに46地方自治体との取引が始まり、既存取引先の地方自治体と合わせて158の地方自治体との取引まで拡大した他、総務関連業務などへの業務領域拡大が実現したものの、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了、地方自治体BPO請負案件の一部において、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに伴う失注や落札した案件の受注価格の低廉化などから、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比9,802,738千円減(26.6%減)の27,009,150千円となりました。
b.CRM関連事業部門
当事業部門は、首都圏と関西圏において既存取引先から大型コールセンター業務派遣案件を受注した他、首都圏では、大手BPO事業者から大型公共関連業務派遣案件が受注できたことや金融機関からの受注が堅調に推移したこと及び札幌、仙台、福岡各地方支店においてインターネット関連サービス企業などからの金融関連案件などの案件受注が堅調に推移したものの前期に大手BPO事業者等から受注した案件が規模縮小や終了したことなどから、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比185,777千円減(4.2%減)の4,271,374千円となりました。
c. 一般事務事業部門
当事業部門は、首都圏では地方自治体からの新規マイナンバー関連案件や独立行政法人などの新規取引開拓及び地方支店において大手BPO事業者などからの官公庁案件受注などにより受注が堅調に推移したものの前期に受注した地方自治体等官公庁からのスポット案件や金融機関からの既存案件について規模縮小や終了したことなどにより、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比88,539千円減(1.6%減)の5,402,001千円となりました。
(製造系人材サービス事業)
当事業は、食品加工部門において食肉加工、水産加工、菓子製造、総菜製造などの業種を中心に既存取引先からの受注量が好調に推移したことに加え、製造加工部門については、住宅設備製造、機械製造などの業種で受注量が増加したことなどから、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比1,335,459千円増(24.4%増)の6,818,635千円となりました。また、利益面では、今後の基盤増強を図るため、人材の採用などを積極的に行いましたが、経費の効率的運用に努めたことから、営業利益は前期比52,552千円増(26.0%増)の254,769千円となりました。
(その他)
当事業は、株式会社ジャパン・ビジネス・サービスの子会社である東京自動車管理株式会社における「自動車管理事業」であり、従業員の退職などの影響により、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比4,054千円減(1.4%減)の290,048千円となりました。利益面では、人件費の削減と経費の効率的運用に努めたことから、営業利益は、前期比16,381千円増(59.2%増)の44,055千円となりました。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は21,209,946千円となり、前連結会計年度末に比べ599,743千円の減少となりました。その主な要因は、現金及び預金が4,830,574千円、前払費用を含むその他が339,574千円それぞれ増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が6,048,298千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は6,734,193千円となり、前連結会計年度末に比べ1,548,818千円の減少となりました。その主な要因は、預り金が1,007,222千円増加したものの、未払法人税等が1,280,814千円、未払金が717,956千円、未払消費税等が468,633千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は14,475,753千円となり、前連結会計年度末に比べ949,075千円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が896,504千円(親会社株主に帰属する当期純利益により2,201,313千円増加し、配当金の支払により1,304,809千円減少)増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,830,574千円増加して9,928,521千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は6,765,882千円(前年同期は1,209,361千円の使用)となりました。
その主な要因は、法人税等の支払で2,292,471千円減となったものの、売上債権及び契約資産の減少で6,048,298千円、税金等調整前当期純利益が3,280,944千円それぞれ増加となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は614,741千円(前年同期は319,318千円の使用)となりました。
その主な要因は、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が511,088千円、投資有価証券の取得による支出が102,975千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,320,566千円(前年同期は405,000千円の使用)となりました。
その主な要因は、長期借入れによる収入が300,000千円あったものの、配当金の支払が1,303,440千円、長期借入金の返済による支出が286,704千円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント(事業部門含む)ごとに示しますと、以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度の販売実績を契約形態別に示しますと、以下のとおりであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
3.前連結会計年度について、当該割合が100分の10未満の相手先は記載を省略しております。
4.当連結会計年度において、事務系人材サービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了、地方自治体BPO請負案件の一部において、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに伴う失注や落札した案件の受注価格の低廉化などによるものです。
5. 当連結会計年度において、製造系人材サービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、食品加工部門において食肉加工、水産加工、菓子製造、総菜製造などの業種を中心に既存取引先からの受注量が好調に推移したことに加え、製造加工部門については、住宅設備製造、機械製造などの業種で受注量が増加したことなどによるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
事務系人材サービス事業においては、BPO関連事業にてマイナンバー交付施策案件や給付金支給案件等の総合経済対策関連案件の他、未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組んでまいりました。しかし、期初に受注を見込んでいたマイナンバー交付施策案件について案件発注規模が想定を下回ったこと、一部の地方自治体BPO請負案件において「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことにより、受注を想定していた案件を落札できなかったことなどから、期初に想定していた受注高を達成できませんでした。一方、製造系人材サービス事業においては、社会経済活動正常化や所得改善などに因る個人消費の回復と企業の旺盛な設備投資を背景に食品加工部門を中心に受注高が好調に推移したことなどから、当連結会計年度の売上高は43,791,209千円となりました。
(売上総利益)
前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことによる売上高減少に加え、「一般競争入札」(価格競争方式)などで受注した案件の収益率が想定を下回ったものの、BPO請負案件における業務処理運用面での効率化に取り組んだことなどから、当連結会計年度の売上総利益は9,128,949千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
競争力強化を図るために業務構築、情報システムなどの分野で高い専門性を持つ人材を積極的に採用した一方で、スタッフ登録者募集費や業務委託費等経費の節減に努めたことなどから、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,849,487千円となりました。
(営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、営業利益は3,279,461千円、経常利益は3,280,944千円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,201,313千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、給与等の人件費及び人材確保のための就業スタッフ及び社員の募集・採用費等を主とする運転資金並びに業務効率化のための社内基幹システムの整備・向上等を目的とする設備投資資金につきましては、事業収益から得られる自己資金で賄っておりますが、借入金及び社債につきましては、必要に応じて短期借入金・長期借入金や社債の発行により調達しております。
当社グループでは、現状、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高から、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しておりますが、不測の事態に備え、金融機関との間で合計790,000千円の当座貸越契約を締結しております。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけ、これらの指標を経営上の目標として持続的な企業価値の向上に努めており、それぞれの指標の計画及び達成状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における業績は、売上高が43,791,209千円、営業利益が3,279,461千円、自己資本当期純利益率15.9%となりました。
当社グループの2025年3月期を1年目とする中期経営方針は、事務系人材サービス事業の主力であるBPO関連事業部門においての地方自治体取引については、2024年3月期に引き続き、地域及び業務領域のダブル広域化に積極的に取り組む他、製造系人材サービス事業では、食品加工部門、製造加工部門双方において、新規取引先開拓を積極的に取り組むなどして業容の拡大を図り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「対処すべき課題」を着実に実行することにより、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上並びに企業としての社会的責任及び社会的貢献に努めるとしており、2025年3月期は売上高48,000,000千円をめざしてまいります。
なお、利益面では、売上高増加見通しに伴い、スタッフ登録者募集費の増加や中途採用による社員の増強が見込まれること、また、業務効率化、品質向上の観点から、DX化を推進するためシステム開発費の増加などが見込まれますが、当連結会計年度において推進しました業務改善・業務効率化の効果もあり、営業利益は当期実績を上回る見通しであります。
これらの結果、2025年3月期は、営業利益3,495,000千円、自己資本当期純利益率16.1%と予想しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されたことに伴い、社会経済活動の正常化が大幅に進み、また長らく続いてきたデフレーションから脱却しつつある一方で、物価上昇率の鈍化傾向は見られるものの引き続き名目可処分所得の伸び率を上回っている状況に加え、企業倒産件数の増加傾向が続いているなど先行きが不透明な状況でありました。
また、世界経済については、アメリカ経済は堅調に推移した一方でロシア・ウクライナ戦争の長期化、欧州経済の低迷、さらには、中東情勢の緊迫、中国経済の減速が懸念されるなど世界経済は依然として不透明な状況でありました。
そのような状況下、我が国人材サービス業界を取り巻く環境は、社会経済活動の正常化や政府の総合経済対策の進捗により、賃上げを始めとする所得改善や企業の有形固定資産投資のみならず人的投資等幅広い分野での投資も増加していることを背景に企業の雇用拡大意欲も旺盛であったことなどから、有効求人倍率は堅調に推移いたしました。
このような経営環境の中、当社グループは、引き続き、主力であるBPO関連事業を中心に各事業を積極的に推進してまいりました。
当連結会計年度におきましては、BPO関連事業について、マイナンバー交付施策案件や給付金支給案件等の総合経済対策関連案件の他、首都圏、京阪神、東北、九州地方を中心に未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組んでまいりました。しかし、期初に受注を見込んでいたマイナンバー交付施策案件について案件発注規模が想定を下回ったこと、一部の地方自治体BPO請負案件において「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことにより、受注を想定していた案件を落札できなかったことなどから、期初に想定していた受注高を達成できませんでした。一方、製造系人材サービス事業においては、社会経済活動正常化や所得改善などに因る個人消費の回復と企業の旺盛な設備投資を背景に食品加工部門を中心に受注高が好調に推移しました。
これらの結果、BPO関連事業において、前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことに加え、期初に想定していた地方自治体からの受注高が実現できなかったものの製造系人材サービス事業においては、特に食品加工部門における受注高が好調であったことなどから、当連結会計年度の売上高は、前期比8,745,651千円減(16.6%減)の43,791,209千円となりました。
また、利益面では、BPO関連事業において、前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことによる売上高減少に加え、「一般競争入札」(価格競争方式)などで受注した案件の収益率が想定を下回ったことの他、競争力強化を図るために業務構築、情報システムなどの分野で高い専門性を持つ人材を積極的に採用した一方で、BPO請負案件における業務処理運用面での効率化並びにスタッフ登録者募集費や業務委託費等経費の節減に努めたことなどから、当連結会計年度の営業利益は、前期比4,329,943千円減(56.9%減)の3,279,461千円、経常利益は、前期比4,364,799千円減(57.1%減)の3,280,944千円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比3,510,651千円減(61.5%減)の2,201,313千円となりました。
なお、従来、事務系人材サービス事業・製造系人材サービス事業・営業系人材サービス事業・その他で開示していましたセグメント情報につきましては、当連結会計年度期首より、営業系人材サービス事業を事務系人材サービス事業のBPO関連事業部門に統合することといたしましたので、事務系人材サービス事業・製造系人材サービス事業・その他で開示しております。この変更に伴い、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で記載・比較しております。
(事務系人材サービス事業)
当事業のうち、BPO関連事業部門では、未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組みましたものの、従来から取り組んでおりますマイナンバー交付施策案件については、受注は、前期比堅調に推移したものの案件の発注規模が期初想定を大きく下回りました。また、期初に受注を見込んでいました地方自治体BPO請負案件の一部において、想定していた「プロポーザル競争入札」(企画競争方式)ではなく、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに因り、想定した案件受注が実現できなかったことや落札した案件の受注価格の低廉化傾向が見られたことなどにより、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了を見越して期初に想定した受注高を達成することができませんでした。CRM関連事業部門は、首都圏における大型新規案件が受注できたことや仙台、福岡などにおいて既存取引先からの受注が堅調に推移した他、金融機関からの受注も堅調に推移したものの、前期に大手BPO事業者等から受注した案件について規模縮小や終了したことに対して挽回できず、期初に想定していた受注高を達成することができませんでした。一般事務事業部門は、地方自治体からの新規マイナンバー関連案件や独立行政法人などの新規取引開始及び地方支店において大手BPO事業者などからの受注が堅調に推移しましたが、地方自治体及び金融機関向け既存派遣案件が規模縮小や終了したことなどから、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比10,077,056千円減(21.6%減)の36,682,526千円となりました。また、利益面では、BPO関連事業において想定していた受注高が達成できなかったことや受注したBPO請負案件の収益率が想定を下回ったことに加え、今後の業務多様化やBPO関連事業の地方展開に対応する他、「一般競争入札」(価格競争方式)案件への競争力強化並びに体制強化を図るために人材の採用などを実施したことなどから、営業利益は、前期比4,398,878千円減(59.6%減)の2,980,637千円となりました。
a.BPO関連事業部門
当事業部門は、地方自治体からのマイナンバー交付施策案件や給付金支給関連案件を始め、大手BPO事業者から中央官庁などを事業主とする大型案件を受注したことや未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大についても積極的に取り組んだ結果、新たに46地方自治体との取引が始まり、既存取引先の地方自治体と合わせて158の地方自治体との取引まで拡大した他、総務関連業務などへの業務領域拡大が実現したものの、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了、地方自治体BPO請負案件の一部において、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに伴う失注や落札した案件の受注価格の低廉化などから、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比9,802,738千円減(26.6%減)の27,009,150千円となりました。
b.CRM関連事業部門
当事業部門は、首都圏と関西圏において既存取引先から大型コールセンター業務派遣案件を受注した他、首都圏では、大手BPO事業者から大型公共関連業務派遣案件が受注できたことや金融機関からの受注が堅調に推移したこと及び札幌、仙台、福岡各地方支店においてインターネット関連サービス企業などからの金融関連案件などの案件受注が堅調に推移したものの前期に大手BPO事業者等から受注した案件が規模縮小や終了したことなどから、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比185,777千円減(4.2%減)の4,271,374千円となりました。
c. 一般事務事業部門
当事業部門は、首都圏では地方自治体からの新規マイナンバー関連案件や独立行政法人などの新規取引開拓及び地方支店において大手BPO事業者などからの官公庁案件受注などにより受注が堅調に推移したものの前期に受注した地方自治体等官公庁からのスポット案件や金融機関からの既存案件について規模縮小や終了したことなどにより、当連結会計年度における当事業部門の売上高は、前期比88,539千円減(1.6%減)の5,402,001千円となりました。
(製造系人材サービス事業)
当事業は、食品加工部門において食肉加工、水産加工、菓子製造、総菜製造などの業種を中心に既存取引先からの受注量が好調に推移したことに加え、製造加工部門については、住宅設備製造、機械製造などの業種で受注量が増加したことなどから、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比1,335,459千円増(24.4%増)の6,818,635千円となりました。また、利益面では、今後の基盤増強を図るため、人材の採用などを積極的に行いましたが、経費の効率的運用に努めたことから、営業利益は前期比52,552千円増(26.0%増)の254,769千円となりました。
(その他)
当事業は、株式会社ジャパン・ビジネス・サービスの子会社である東京自動車管理株式会社における「自動車管理事業」であり、従業員の退職などの影響により、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比4,054千円減(1.4%減)の290,048千円となりました。利益面では、人件費の削減と経費の効率的運用に努めたことから、営業利益は、前期比16,381千円増(59.2%増)の44,055千円となりました。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は21,209,946千円となり、前連結会計年度末に比べ599,743千円の減少となりました。その主な要因は、現金及び預金が4,830,574千円、前払費用を含むその他が339,574千円それぞれ増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が6,048,298千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は6,734,193千円となり、前連結会計年度末に比べ1,548,818千円の減少となりました。その主な要因は、預り金が1,007,222千円増加したものの、未払法人税等が1,280,814千円、未払金が717,956千円、未払消費税等が468,633千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は14,475,753千円となり、前連結会計年度末に比べ949,075千円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が896,504千円(親会社株主に帰属する当期純利益により2,201,313千円増加し、配当金の支払により1,304,809千円減少)増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,830,574千円増加して9,928,521千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は6,765,882千円(前年同期は1,209,361千円の使用)となりました。
その主な要因は、法人税等の支払で2,292,471千円減となったものの、売上債権及び契約資産の減少で6,048,298千円、税金等調整前当期純利益が3,280,944千円それぞれ増加となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は614,741千円(前年同期は319,318千円の使用)となりました。
その主な要因は、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出が511,088千円、投資有価証券の取得による支出が102,975千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,320,566千円(前年同期は405,000千円の使用)となりました。
その主な要因は、長期借入れによる収入が300,000千円あったものの、配当金の支払が1,303,440千円、長期借入金の返済による支出が286,704千円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、事務系人材サービス事業及び製造系人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの関係上、受注実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント(事業部門含む)ごとに示しますと、以下のとおりであります。
| セグメント(事業部門を含む)の名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 事務系人材サービス事業 | 36,682,526 | 78.4 |
| BPO関連事業部門 | 27,009,150 | 73.4 |
| CRM関連事業部門 | 4,271,374 | 95.8 |
| 一般事務事業部門 | 5,402,001 | 98.4 |
| 製造系人材サービス事業 | 6,818,635 | 124.4 |
| その他 | 290,048 | 98.6 |
| 合計 | 43,791,209 | 83.4 |
(注)1.当連結会計年度の販売実績を契約形態別に示しますと、以下のとおりであります。
| 契約形態の名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 人材派遣 | 23,735,572 | 89.7 |
| 請負 | 19,941,867 | 76.6 |
| 紹介予定派遣 | 29,334 | 653.3 |
| 人材紹介 | 84,435 | 144.4 |
| 合計 | 43,791,209 | 83.4 |
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱DNPコアライズ | - | - | 4,532,019 | 10.35 |
3.前連結会計年度について、当該割合が100分の10未満の相手先は記載を省略しております。
4.当連結会計年度において、事務系人材サービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、前期に受注した大型案件の規模縮小や終了、地方自治体BPO請負案件の一部において、「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことに伴う失注や落札した案件の受注価格の低廉化などによるものです。
5. 当連結会計年度において、製造系人材サービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、食品加工部門において食肉加工、水産加工、菓子製造、総菜製造などの業種を中心に既存取引先からの受注量が好調に推移したことに加え、製造加工部門については、住宅設備製造、機械製造などの業種で受注量が増加したことなどによるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
事務系人材サービス事業においては、BPO関連事業にてマイナンバー交付施策案件や給付金支給案件等の総合経済対策関連案件の他、未取引地方自治体との取引開拓と地方自治体BPO業務の領域拡大について積極的に取り組んでまいりました。しかし、期初に受注を見込んでいたマイナンバー交付施策案件について案件発注規模が想定を下回ったこと、一部の地方自治体BPO請負案件において「一般競争入札」(価格競争方式)が採用されたことにより、受注を想定していた案件を落札できなかったことなどから、期初に想定していた受注高を達成できませんでした。一方、製造系人材サービス事業においては、社会経済活動正常化や所得改善などに因る個人消費の回復と企業の旺盛な設備投資を背景に食品加工部門を中心に受注高が好調に推移したことなどから、当連結会計年度の売上高は43,791,209千円となりました。
(売上総利益)
前期に受注した大型案件が規模縮小や終了したことによる売上高減少に加え、「一般競争入札」(価格競争方式)などで受注した案件の収益率が想定を下回ったものの、BPO請負案件における業務処理運用面での効率化に取り組んだことなどから、当連結会計年度の売上総利益は9,128,949千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
競争力強化を図るために業務構築、情報システムなどの分野で高い専門性を持つ人材を積極的に採用した一方で、スタッフ登録者募集費や業務委託費等経費の節減に努めたことなどから、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は5,849,487千円となりました。
(営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、営業利益は3,279,461千円、経常利益は3,280,944千円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,201,313千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、給与等の人件費及び人材確保のための就業スタッフ及び社員の募集・採用費等を主とする運転資金並びに業務効率化のための社内基幹システムの整備・向上等を目的とする設備投資資金につきましては、事業収益から得られる自己資金で賄っておりますが、借入金及び社債につきましては、必要に応じて短期借入金・長期借入金や社債の発行により調達しております。
当社グループでは、現状、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高から、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しておりますが、不測の事態に備え、金融機関との間で合計790,000千円の当座貸越契約を締結しております。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけ、これらの指標を経営上の目標として持続的な企業価値の向上に努めており、それぞれの指標の計画及び達成状況は以下のとおりであります。
| 指 標 | 2024年3月期期初計画 | 2024年3月期実績 | 2025年3月期計画 |
| 売上高 | 62,365,000千円 | 43,791,209千円 | 48,000,000千円 |
| 営業利益 | 7,010,000千円 | 3,279,461千円 | 3,495,000千円 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 4,799,000千円 | 2,201,313千円 | 2,389,000千円 |
| 自己資本当期純利益率 | 31.6% | 15.9% | 16.1% |
当連結会計年度における業績は、売上高が43,791,209千円、営業利益が3,279,461千円、自己資本当期純利益率15.9%となりました。
当社グループの2025年3月期を1年目とする中期経営方針は、事務系人材サービス事業の主力であるBPO関連事業部門においての地方自治体取引については、2024年3月期に引き続き、地域及び業務領域のダブル広域化に積極的に取り組む他、製造系人材サービス事業では、食品加工部門、製造加工部門双方において、新規取引先開拓を積極的に取り組むなどして業容の拡大を図り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「対処すべき課題」を着実に実行することにより、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上並びに企業としての社会的責任及び社会的貢献に努めるとしており、2025年3月期は売上高48,000,000千円をめざしてまいります。
なお、利益面では、売上高増加見通しに伴い、スタッフ登録者募集費の増加や中途採用による社員の増強が見込まれること、また、業務効率化、品質向上の観点から、DX化を推進するためシステム開発費の増加などが見込まれますが、当連結会計年度において推進しました業務改善・業務効率化の効果もあり、営業利益は当期実績を上回る見通しであります。
これらの結果、2025年3月期は、営業利益3,495,000千円、自己資本当期純利益率16.1%と予想しております。