有価証券報告書-第11期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/23 13:34
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134項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。))の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢の改善や個人消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動等の影響により先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの業界におきましては、「ファミ通ゲーム白書2019」によると、国内ゲームアプリ市場は、2018年に前年比10.2%増の1兆1,660億円まで成長いたしました。また、2020年には1兆3,000億円に達し、安定成長を続けることが予想されております。また、The Goldman Sachs Group, Inc.の調査によると、VR(仮想現実:Virtual Reality)のハードウエア及びソフトウエアの世界市場規模は、2025年までに590億ドルに達すると予測されております。
このような環境の中、当社グループは、スマートフォン向けの既存ゲームについてはユーザとのエンゲージメントを高めることを意識し、新規ゲームについてはその投入に向けて注力してまいりました。また、VR端末向けコンテンツへの注力も進めており、様々な開発実験を行ってまいりました。売上の多くを占めるスマートフォン向けゲームでは、当連結会計年度において、台湾・香港・マカオ向けに「アリス・ギア・アイギス」「ディズニー ツムツムランド」の配信を開始いたしました。また、国内向けに「バクレツモンスター」「最果てのバベル」及び株式会社スクウェア・エニックスとの共同開発タイトル「ドラゴンクエストウォーク」の配信を開始いたしました。「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」や「白猫プロジェクト」といった既存ゲームにおいては、TVCMやオンライン動画プラットフォームのプロモーションに加え、グッズの製作、リアルイベント等を実施することでユーザとのエンゲージメントを高めるサービス運用をしてまいりました。また、「アリス・ギア・アイギス」PC版の配信を開始し、スマートフォン以外のデバイスへの展開を進めました。 VR端末向けコンテンツでは、Oculus Rift及びHTC Vive向けに「TITAN SLAYER Ⅱ」パッケージ版の配信を開始いたしました。また、全社的な取り組みとして創業10周年を記念した「コロプラフェス2018」を開催しました。「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」や「白猫プロジェクト」といった人気タイトルをはじめ、創業時からのサービスである「コロニーな生活」や最新のVRゲームなど、さまざまなタイトルのステージやブースを展開し、たくさんの方々にご来場いただきました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は38,920百万円(前連結会計年度比15.0%減)、営業利益2,952百万円(同57.5%減)、経常利益1,655百万円(同72.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,070百万円(同74.5%減)となりました。
なお、当社グループにおける報告セグメントはモバイルサービス事業のみであり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ4,578百万円減少し、当連結会計年度末には55,822百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は53百万円(前連結会計年度は9,421百万円の収入)となりました。主な収入要因は税金等調整前当期純利益1,318百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は2,768百万円(前連結会計年度は1,979百万円の収入)となりました。主な支出要因は投資有価証券の取得による支出2,914百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は2,118百万円(前連結会計年度2,518百万円の支出)となりました。主な支出要因は配当金の支払額2,155百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
金額(百万円)前年同期比(%)
連結売上高38,920△15.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社グループにおける報告セグメントはモバイルサービス事業のみであり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Apple Inc.24,74054.119,26449.5
Google Inc.14,81632.411,93730.7

4.相手先は決済代行事業者であり、ユーザからの代金回収を代行しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ2,503百万円減少し、74,740百万円(前連結会計年度末は77,244百万円)となりました。
流動資産は64,851百万円(前連結会計年度末67,792百万円から当連結会計年度末64,851百万円)となりました。これは主に、現金及び預金が4,926百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は9,889百万円(前連結会計年度末9,451百万円から当連結会計年度末9,889百万円)となりました。これは主に、投資有価証券が1,912百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べ1,311百万円減少し、5,307百万円(前連結会計年度末は6,619百万円)となりました。
流動負債は4,783百万円(前連結会計年度末6,096百万円から当連結会計年度末4,783百万円)となりました。これは主に、未払金が957百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は523百万円(前連結会計年度末522百万円から当連結会計年度末523百万円)となりました。これは主に、資産除去債務が4百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,191百万円減少し、69,433百万円(前連結会計年度末は70,625百万円)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払いに伴い利益剰余金が1,097百万円減少したこと等によるものであります。
2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、「白猫プロジェクト」や「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」といった既存ゲームの減収により、前連結会計年度に比べ15.0%減の38,920百万円となりました。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の減少によるPF手数料減少等により、前連結会計年度に比べ6.9%減の26,409百万円となりました。また、売上総利益は前連結会計年度に比べ28.2%減の12,511百万円となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、広告宣伝費をはじめとする各種費用の適正化に努めたことから、前連結会計年度に比べ8.7%減の9,558百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ57.5%減の2,952百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券売却益が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ82.0%減の200百万円となりました。営業外費用は、投資有価証券評価損が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ23.9%減の1,497百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ72.9%減の1,655百万円となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損失は前連結会計年度に比べ3.6%減の336百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ74.5%減の1,070百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
なお、当社グループの運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は55,822百万円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、収益性と資本効率性の向上を図るため、ROE(自己資本当期純利益率)を経営指標として意識した経営を行っておりますが、当社グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しく、適正かつ合理的な業績見通しの算出が困難であることから、具体的な数値目標は設定しておりません。当連結会計年度のROEは1.5%(前連結会計年度比4.5ポイント減)となりました。 当社グループは、継続的なROE向上のために、本業の収益力強化が重要な課題だと考えております。新規ゲームの継続したリリースと既存ゲームの長期的な運用により、リリース年度ごとの売上高を積み上げていくことで、売上高の安定的な成長を達成するとともに、余剰資金については、健全なバランスシートをもとに、連結業績、DOE(純資産配当率)、キャッシュ・フローおよび資本の効率性を総合的に勘案してより安定的かつ継続的な配当を実施することで、収益性と資本効率性を高め、ROEの継続的な向上を目指します。
新規ゲームについては、自社IPタイトルと他社IPタイトルをバランスよくリリースすることで、自社IPで中長期的な競争力を育てつつ、他社IPの持つ集客力や収益性も積極的に活用してまいります。既存ゲームについては、TVCMやオンライン動画プラットフォームのプロモーションに加え、グッズの製作、リアルイベント等を実施することでユーザとのエンゲージメントを高めるサービス運用を行ってまいります。
決算年月2017年9月期2018年9月期2019年9月期
売上高(百万円)52,24645,77638,920
営業利益(百万円)12,9326,9522,952
ROE(自己資本当期純利益率)(%)13.26.01.5

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の成長速度、他社との競争力、技術革新への対応度合い、コンテンツの健全性の確保、ネットワーク災害、コンプライアンスと内部管理体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは、優秀な人材の採用、新規事業の開拓、魅力あるサービスの開発、有力企業との提携、海外への展開、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのために、当社グループでは、戦略面及び組織面の課題を整理し、各課題に対し、適切かつ効果的な対応を行ってまいります。