有価証券報告書-第27期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/28 15:10
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
なお、当社グループでは展開する事業を『電子書籍流通事業』と『戦略投資事業』の2つのセグメントに区分しております。2026年2月期を初年度とする新たな中期経営計画の策定を契機として、当連結会計年度よりSC(Sustainability Creation)事業を「戦略投資事業」の区分に含める報告セグメントの変更を行っております。そのため、前年同期比較においては、当該変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した前年同期の数値を用いております。
『電子書籍流通事業』は、電子書籍の流通拡大に貢献する役割を担い、当社の中核事業となっている取次事業に加え、株式会社クレディセゾンと運営する“まんがセゾン”等の事業によって構成されています。『戦略投資事業』は、国際事業、IP・ソリューション事業及びSC(Sustainability Creation)事業の3事業によって構成され、電子書籍流通事業に比肩する第二の収益軸の確立に向けて、出版バリューチェーン及び地域社会に貢献する多様なサービス・ソリューションを提供しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下の通りとなりました。
a)経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、2025年7月に獲得した新規商流の業績寄与並びに既存商流の売上成長により電子書籍流通事業の売上高が好調に推移し、主にIP・ソリューション事業において利益改善が進んだ戦略投資事業での営業損失が縮小したものの、電子書籍流通事業における利益率の高いサービスが終了したこと、戦略投資事業における改善が想定より遅れていることにより、営業利益は前年同期比で微減となりました。
また、当連結会計年度においては、戦略投資事業に属する連結子会社に係るのれん等の減損損失328百万円や投資有価証券評価損528百万円を特別損失として計上した一方、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を特別利益として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期を大きく上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、次の通りとなりました。
売上高 108,537百万円(前年同期比6.5%増)
営業利益 2,453百万円(前年同期比0.9%減)
経常利益 2,548百万円(前年同期比8.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 1,818百万円(前年同期比33.3%増)
EBITDA 3,667百万円(前年同期比3.2%減)
1株当たり当期純利益 119.85円(前年同期は90.08円)
なお、営業利益の主な増減要因は下記の通りであります。
売上高の増加 6,623百万円
著作料等の売上原価の増加 △7,052百万円
販売費及び一般管理費の減少 407百万円
(電子書籍流通事業)
電子書籍流通事業については、国内最大の電子書籍取次事業者として引き続き「コミックシーモア」「Amazon Kindle」等の電子書店への電子書籍の取次や電子書籍配信ソリューションの提供を行いました。2026年2月末時点で、取引先としての出版社は2,200社以上、電子書店は150店以上、取扱コンテンツ数は326万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーン管理数は年間2.0万件以上にのぼっております。近年、電子書籍市場が拡大するなかで出版社と電子書店が取り扱うコンテンツ数とキャンペーン数は増大し続けており、電子書籍の流通にかかる運用コストは年々増加しております。電子書籍取次の存在意義が高まるなか、当社は取引先各社との基幹システムの連携に加え、話配信管理システム等、取引先のニーズに合わせた新規システムの開発を行うほか、取次に関して蓄積されたノウハウに基づくきめ細やかなサポートを通じて、電子書籍の円滑な流通及び出版社と電子書店の業務の効率化、配信事故率の低減に貢献することで、電子書籍市場の拡大と、流通シェアの拡大を目指しております。
当連結会計年度においては、大手書店を中心とした既存商流の好調、及び2025年7月より取引を開始した「めちゃコミック」の貢献により、増収となりました。一方で、利益率の高いサービスの終了による影響を受け減益となりましたが、増収効果により減益幅は期初想定より小幅となりました。
その結果、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(戦略投資事業)
戦略投資事業においては、中長期における注力事業として国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3事業を展開しております。
国際事業については、主に海外子会社によるSaaS型ビジネスモデルによる出版社向けDXサービスの提供が堅調に推移したことにより増収となった一方で、国際事業全体の体制強化に係る販管費の増加により減益となりました。
IP・ソリューション事業については、日本文芸社におけるコンテンツ創出とそのマルチメディア化推進、フライヤーにおける本の要約サービス提供、そのほかオーディオブックの制作や電子図書館サービスの運営を通じて、出版コンテンツ市場拡大への貢献を目指しております。日本文芸社においては、実用書の改善が売上利益に貢献する一方で、コミックスにおける改善に注力しております。前年同期比で損益は改善しているものの、引き続き筋肉質な収益構造化に向けた取り組みを進めてまいります。書籍の要約サービスを提供するフライヤーは、法人契約数が着実に増加したことで前年同期比では増収、引き続き営業黒字となりました。2025年9月に株式会社AIStepを、2026年2月に株式会社Zealoxをそれぞれ子会社化し、グループ収益力の強化に取り組んでおります。
SC事業については、行政や金融機関等との連携を通じて、地域活性化に繋がる事業を手掛けることで新たな価値を生み出し、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しております。がんばろう徳島が運営する男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」は、B3リーグ参入2年目の2024-2025シーズンにおいて営業黒字を達成しております。2025年9月から始まった2025-2026シーズンにおいても増収増益となり、着実な成長を続けております。
その他、小説投稿サイトを運営するエブリスタについて、2025年2月の株式譲渡に伴い連結対象外となったことが売上高の減少要因となったものの、特にIP・ソリューション事業における改善施策の進捗等が損益改善に寄与し、前年同期比で営業損失が縮小しました。
その結果、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。
b)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、56,926百万円(前年同期比7.1%増)となり、前連結会計年度末に比べ3,765百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,041百万円増加し、44,001百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
主な要因は、現金及び預金が422百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が3,730百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ275百万円減少し、12,924百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
これは主に、無形固定資産に含まれるのれんが168百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、37,704百万円(前年同期比6.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ2,252百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,466百万円増加し、35,686百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金が2,749百万円、未払法人税等が669百万円、それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少し、2,017百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
これは主に、長期借入金が1,129百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、19,221百万円(前年同期比8.5%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,513百万円増加しました。
これは主に、利益剰余金が1,271百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、14,014百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は2,454百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益2,502百万円、減価償却費749百万円、減損損失328百万円、のれん償却額464百万円、仕入債務の増加額2,730百万円が資金の増加要因となった一方、売上債権の増加額3,832百万円が減少要因となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は426百万円(前年同期は137百万円の収入)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入640百万円、関係会社株式の売却による収入774百万円が増加要因となった一方、無形固定資産の取得による支出513百万円、投資有価証券の取得による支出1,053百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出368百万円が減少要因となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,596百万円(前年同期は1,534百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入350百万円が資金の増加要因となった一方、長期借入金の返済による支出 1,542百万円、配当金の支払額546百万円が減少要因となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
c)販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(百万円)前年同期比(%)
電子書籍流通事業101,107107.8%
戦略投資事業8,71692.6%
調整額△1,286-
合計108,537106.5%

(注)1.セグメント間取引については「調整額」にて相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年3月1日
至 2025年2月28日)
当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
NTTソルマーレ㈱ (注)26,82526.329,90727.6
Amazon Services International LLC16,03115.717,48316.1

(注)2025年7月1日付でエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ㈱から社名変更がなされております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a)経営成績等に関する分析
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
b)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
c)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループでは、中長期にわたり持続的な成長を図るべく、運転資金においてコンテンツ制作費のほか、優秀な人材確保のための採用費用及び人件費等の販売費及び一般管理費等への資金需要があります。加えて、M&Aや資本業務提携、新規事業開発といった戦略投資に係る資金需要があります。
また、設備資金需要といたしましては、基幹システムの追加機能開発及び新規サービスのためのソフトウエアへの投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の中長期的な拡大と高度化に必要な資金を安定的に確保するとともに、財務・財政状態の健全性及び機動性に配慮しながら資本コストの最適化を図るべく、運転資金については内部資金の活用及び金融機関からの借入を中心として賄い、戦略投資に係る資金については、内部資金に加えて、金融機関からの借入やエクイティファイナンスといった多様な資金調達手段から調達時の状況に応じた最適な手段を選択し、資金調達を行ってまいります。
d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度においては、電子書籍市場の年間成長率の堅調な推移と、当社グループの電子書籍流通事業における新規商流の獲得や既存商流の売上成長が業績に寄与し、連結売上高について期初予想を上回った一方、戦略投資事業における赤字幅の縮小や黒字化に向けた改善に遅れが生じたことなどから、連結営業利益については期初予想を下回る着地となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、関連会社であるMyAnimeListの株式売却益を計上したものの、戦略投資事業に関連する特別損失として減損損失328百万円、投資有価証券評価損528百万円を計上したことなどから、期初予想を下回る着地となりました。
当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、及び各々の指標等に関する業績予想の達成状況については下表の通りであります。
2026年2月期
計画
2026年2月期
実績
計画比
売上高1,060億円1,085億円102.4%
営業利益27.2億円24.5億円90.2%
EBITDA39.3億円36.6億円93.3%
親会社株主に帰属する当期純利益20.0億円18.1億円90.9%
ROE10.9%9.9%-1.0pt

e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(電子書籍流通事業)
「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は101,107百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は4,919百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(戦略投資事業)
「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載した要因により、売上高は8,716百万円(前年同期比7.4%減)、セグメント損失は631百万円(前年同期はセグメント損失953百万円)となりました。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により、会計基準の範囲内で一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの会計上の見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

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