有価証券報告書-第21期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

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2020/05/29 14:32
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを、従来の「電子書籍流通事業」、「メディア・プロモーション事業」及び「その他事業」の3つのセグメントから、「電子書籍流通事業」及び「その他事業」の2つのセグメントに変更しております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。電子出版市場を拡大するべく、効率的な取次事業運営とブロックチェーン等の先端技術を活用した新たなプラットフォーム創出を目的とした「電子書籍流通事業」と、出版業界の活性化のための投資領域であるメディア事業や周辺事業を「その他事業」へと事業区分を見直すことで、今後の各事業の目的を明確にすることを狙いとしております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による各種経済政策を背景に、引き続き緩やかな回復基調となる一方で、年度後半には消費税増税により消費行動の一部に減退感が強まりました。また、米中貿易摩擦等、不安定な国際情勢の継続による成長率の鈍化に加えて、第4四半期以降には新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、世界経済の先行きはこれまでよりも一層、不透明な状況にあります。
当社グループの主力事業領域である電子書籍市場においては、引き続き、スマートフォンなど電子デバイス保有者の増加、コンテンツ提供形式の多様化、電子書店や出版社によるキャンペーンやプロモーションの拡大、ユーザーの電子書籍利用定着によって、一層の市場拡大が実現しました。
今後も紙の本から電子書籍への転換、ユーザーの認知度向上や電子書籍の利便性向上にともない、電子書籍市場は拡大の継続が見込まれております。2018年度における電子書籍市場規模は2,826億円となり、前年度の2,241億円から585億円増加いたしました。また、電子雑誌市場は296億円、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は3,122億円と推計されております。今後も堅調に拡大し、2023年度の国内電子書籍市場は2018年度の1.5倍となる4,330億円、電子雑誌市場280億円を合わせた電子出版市場は4,610億円になると予想されております。(出所:「電子書籍ビジネス調査報告書2019」インプレス総合研究所)
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。
a)経営成績
当連結会計年度における当社グループの電子書籍の流通総額は1,200億円と、前連結会計年度の950億円に対し、250億円(26.3%)の増加となりました。紙の書籍から電子書籍への移行が進展し、紙と電子書籍の合計に占める電子書籍の割合は、2018年の16.1%から2019年の19.9%へと3.8ポイント増加、特にマンガにおいては2018年の55.8%から2019年は60.9%へ5.1ポイント増加しており、電子マンガの普及が一層進みました。国内の電子書籍においては、マンガが8割を占めておりますが、今後は文字もの(小説や教養書など)の電子化も進展するものと考えられます。米国や中国は出版市場の3~4割を電子書籍が占めている一方で、日本で文字もの書籍に占める電子書籍の割合は未だ5.1%であり、潜在市場はまだ大きいと考えられます。(出所:出版科学研究所)
当連結会計年度においては、紙の書籍から電子書籍への移行に加え、大手海賊版サイトが2018年4月に閉鎖したことにより影響を受けていた取引先の売上が回復したことに加え、スマートフォンなど電子デバイス保有者の増加、コンテンツ提供形式の多様化、電子書店や出版社によるキャンペーンやプロモーションの拡大、ユーザーの電子書籍利用定着によって、一層の市場拡大が実現いたしました。
上記によって連結売上高が増加した一方で、当連結会計年度は更なる事業拡大に向けた先行投資を実施いたしました。具体的な各事業セグメントにおける投資及び費用増加の内容は下記の通りです。
・電子書籍流通事業
「LEGACYを作る」…2つに分かれていた電子書籍取次システムを1つに統合。さらに、シェア拡大に向けて統合後のシステムの追加開発を実施。また、自社電子書店「コミなび」の事業拡大に向けた広告宣伝費を計上。
「LEGACYを創りに行く」…ブロックチェーン技術を活用した新たな流通プラットフォーム構築のための開発を実施。
・その他事業
本の要約サービスflierの会員獲得のための広告宣伝費計上、MyAnimeListの広告売上獲得に向けた体制整備、インプリント事業の事業拡大に向けた体制整備等を実施。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、次のとおりです。
売上高 65,860百万円(前年同期比30.2%増)
営業利益 1,853百万円(前年同期比26.2%増)
経常利益 1,761百万円(前年同期比18.0%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 884百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,243百万円)
EBITDA 2,659百万円(前年同期比11.4%増)
1株当たり当期純利益 64.58円(前年同期は1株当たり当期純損失106.02円)
なお、営業利益の主な増減要因は下記のとおりです。
売上増加 15,291百万円
著作料等の売上原価の増加 △14,339百万円
販売費及び一般管理費増加 △567百万円
(電子書籍流通事業)
電子書籍流通事業につきましては、電子書籍市場の拡大を支援する「Legacyを作る」と、ブロックチェーン技術を用いた新市場創出を目的とする「Legacyを創りに行く」の2つの事業方針を掲げております。
「Legacyを作る」においては、引き続き「LINEマンガ」「Amazon Kindle」などの電子書店へのディストリビューションや電子書籍配信ソリューションの提供を行いました。2020年2月末時点で、取引先としての出版社は2,000社以上、電子書店は150店以上、取扱稼働コンテンツ数は200万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーンは1万件以上展開しており、当社グループは国内最大の電子書籍取次事業者として出版業界の発展に貢献しております。また、今後の業務効率化に向けて、新電子書籍取次システムへの移管・統合を進めるとともに、東京で担っているオペレーション業務について、株式会社メディアドゥテック徳島への移管を推進いたしました。
「Legacyを創りに行く」においては、電子書籍市場の更なる拡大を促すために、電子と紙の本それぞれの利点を生かした「安心・便利」を感じられる仕組みを提供するべく、ブロックチェーン技術を用いた新流通プラットフォームの実現に向けて研究開発を行いました。
その結果、売上高は64,529百万円(前年同期比28.6%増)、セグメント利益は1,861百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、収益拡大や成長促進に向けた積極的な投資を行いました。
ビジネス書の要約配信サービス「フライヤー」は、2019年5月よりグループ初となるテレビCMを実施、個人・法人ともにユーザー数が大きく増加いたしました。そのほか、買収したMyAnimeList, LLCやジャイブ株式会社の基盤整備を進めるべく、人員増強などを行いました。
また、株式会社徳島データサービスについては、当社グループの成長戦略を見直すなかで、当社の子会社として事業を継続するよりも、拠点を同じ徳島に置くテック情報株式会社の子会社として事業展開を行う方が効率的な経営や将来ビジョンを描くことが可能であるという判断のもと、2019年10月31日付で全株式をテック情報株式会社に譲渡いたしました。
その結果、売上高は1,329百万円(前年同期比229.7%増)、セグメント損失は286百万円(前年同期はセグメント損失148百万円)となりました。
b)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、34,062百万円(前年同期比10.0%増)となり、前連結会計年度末に比べ3,098百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,711百万円増加し、24,988百万円(前年同期比17.8%増)となりました。
主な要因は、売上増加に伴い売掛金が3,709百万円増加したことにもよるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ673百万円減少し、9,073百万円(前年同期比6.9%減少)となりました。
主な要因は、のれんが391百万円減少、有形固定資産が169百万円減少、貸倒引当金が160百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、28,224百万円(前年同期比6.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,721百万円増加しました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,833百万円増加し、21,396百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
主な要因は、売上増加に伴う仕入増加によって買掛金が3,766百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,111百万円減少し、6,828百万円(前年同期比23.6%減)となりました。
主な要因は、長期借入金が2,161百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、5,838百万円(前年同期比30.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ1,376百万円増加しました。
主な要因は、資本金が248百万円増加、資本剰余金が232百万円増加、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により884百万円増加した一方で、剰余金の配当により129百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、8,089百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は1,928百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
主な要因は、資金の増加要因としては、税金等調整前当期純利益1,599百万円、減価償却費344百万円、のれん償却額462百万円、仕入債務の増加額3,755百万円、投資有価証券評価損180百万円、貸倒引当金の増加額160百万円、法人税等の還付額505百万円によるものであり、減少要因としては、売上債権の増加額3,843百万円、預り金の減少額510百万円、法人税等の支払額556百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は77百万円(前年同期は481百万円の使用)となりました。
主な要因は、資金の減少要因としては、無形固定資産の取得による支出302百万円、投資有価証券の取得による支出85百万円によるものであり、増加要因としては投資有価証券の売却による収入333百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は1,506百万円(前年同期は364百万円の支出)となりました。
主な要因は、資金の減少要因としては長期借入金の返済による支出1,821百万円、配当金の支払額129百万円によるものであり、増加要因としては、新株予約権の行使による株式の発行による収入475百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b)受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
c)販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
金額(百万円)前年同期比(%)
電子書籍流通事業64,529百万円28.6%
その他事業1,329百万円229.7%
調整額0百万円-
合計65,860百万円30.2%

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
LINE Digital Frontier株式会社7,77715.413,78520.9
Amazon Services International Inc.6,09912.18,44912.8
株式会社BookLive6,21112.37,54111.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a)経営成績等
1)経営成績等に関する分析
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
2)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
3)資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、営業債権、優秀な人材確保のための採用費用及び販売費及び一般管理費であります。
また、設備資金需要といたしましては、新規基幹システム開発のための資金及び新技術開発のための研究開発への投資等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、当連結会計年度の経営方針に則った業績目標について2019年4月10日に公表いたしましたが、電子書籍市場の堅調な成長にともない、本業である電子書籍流通事業の売上高が好調に推移したことを受け、各経営指標の予想値を修正し、2020年1月14日に改めて公表いたしました。
なお、予想値の修正後も想定以上に売上が伸長したことから、連結売上高、連結営業利益、連結経常利益、連結EBITDAは修正後の予想値を上回って着地いたしました。一方で、投資有価証券評価損として180百万円、関連会社株式評価損による持分法投資損失として114百万円(本損失とその他の持分法による投資損失38百万円との合計額152百万円と持分法による投資利益84百万円を相殺し、持分法による投資損失67百万円を損益計算書に計上)を計上しております。
当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、及び各々の指標等に関する業績予想の達成状況については下表のとおりです。
2019年4月公表時
業績予想(百万円)
2020年1月公表時
業績予想(百万円)
実績(百万円)2019年4月公表時予想との比較(%)
連結売上高60,00065,00065,860109.8
連結営業利益1,5001,8001,853123.5
連結経常利益1,5001,7001,761117.4
親会社株主に帰属する当期純利益7501,100884117.9

5)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(電子書籍流通事業)
売上高は64,529百万円(前年同期比28.6%増)、セグメント利益は1,861百万円(前年同期比15.0%増)となりました。売上高は電子書籍市場の拡大に伴い増加、一方で、投資及び費用増加に伴い、セグメント利益は売上に比べて微増となりました。
(その他事業)
売上高は1,329百万円(前年同期比229.7%増)、セグメント損失は286百万円(前年同期はセグメント損失148百万円)となりました。売上高は各グループ会社の事業拡大並びに株式会社徳島データサービス及びMyAnimeList, LLCのといった子会社により増加いたしました。一方で、会員獲得等のための広告宣伝費や体制整備のための人件費計上により費用が増加し、赤字幅が拡大いたしました。

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