有価証券報告書-第17期(2022/09/01-2023/08/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
総務省・経済産業省の「情報通信業基本調査」によると、当社グループの属する情報サービス産業における売上高も増加傾向が続いており、ビッグデータの活用、AIやIoTの発展等、業界を取り巻く環境変化がより加速してきているものと考えられます。なかでも当社グループが注力する国内IoT市場におけるユーザー支出額は、2022年実績で5兆8,177億円となり、その後2027年までの年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.5%、2026年には8兆7,461億円に達すると予測されています(IDC Japan株式会社「国内IoT市場産業分野別/テクノロジー別市場予測」より引用)。
このような環境のもと、当社グループは2021年8月期から「新・中期経営ビジョン」に基づく事業展開を開始しました。KDDI株式会社との連携強化による「KDDI IoTクラウドStandard」の案件増や大型案件の共同受注、株式会社ユアスタンドとの業務・資本提携によるEV充電スタンドの拡販、株式会社プレステージ・インターナショナルのグループ企業である株式会社プレミア・エイドとの合弁会社「株式会社プレミア・ブライトコネクト」におけるモビリティサービスの協業、太陽光発電EPC事業を行う子会社の株式会社パワーでんきイノベーション設立により、新たなマーケットの展開にも注力し、各ソリューションにおける市場シェア拡大を図ってまいります。
また、当社は「専門メーカーとエコモットで実現する新しい未来常識」の創出を目指し、2023年3月27日に積水樹脂株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。積水樹脂株式会社の交通・景観分野における技術力・提案力と当社のAI/IoT分野でこれまで培ってきた強みを生かし、よりスピーディーに製品・サービスを創出していく体制を構築して事業を展開してまいります。
コンストラクションソリューションの属する建設DX市場規模は依然として拡大傾向となっており、更に政府が発表した2021年度からの「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」において、激甚化する災害への対策、予防保全に向けた老朽化対策並びにデジタル化の推進にかかる対策が三つの柱として掲げられております。
報告セグメントにつきましてはIoTインテグレーション事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
ソリューション区分体系につきましては、前連結会計年度までは「インテグレーションソリューション」、「コンストラクションソリューション」、「モニタリングソリューション」、「モビリティサービス」の4ソリューション区分に分類しておりましたが、当連結会計年度より、以下の通り「IoTビジネスイノベーション」、「コンストラクションソリューション」、「IoTパワード」の3ソリューション区分に変更しております。
| 事業セグメント | 当連結会計年度におけるソリューション区分 | 前連結会計年度までのソリューション区分、または子会社 | ソリューション区分の位置付け |
| IoTインテグレーション事業 | IoTビジネスイノベーション | インテグレーションソリューション | 中核事業である、IoTインテグレーションを中心に、DXを支援。また、「ゆりもっと」等、IoTプロダクト販売等を行う。 |
| モニタリングソリューション | |||
| モビリティサービス | |||
| 株式会社フィット(*1) | |||
| コンストラクションソリューション | コンストラクションソリューション | 建設現場の安全性、生産性、施工品質水準をデジタルテクノロジーによって向上させ、これを以て日本国土の発展ならびに防災に貢献する。 | |
| IoTパワード | 株式会社ゴモジー (旧商号:株式会社ストーク) (*1) | IoT技術を駆使し差別化できる既存産業に自らが参入し、自社の強みを発揮する。 | |
| 株式会社パワーでんきイノベーション(*2) |
(*1)前連結会計年度において株式会社フィット及び株式会社ゴモジー(旧商号:株式会社ストーク)は当社連結子会社であり、株式会社フィットはインテグレーションソリューションに、株式会社ゴモジーはモニタリングソリューションに区分しておりました。なお、株式会社ゴモジーは2023年1月1日付で株式会社ストークから株式会社ゴモジーへ商号変更しております。
また、株式会社フィット及び株式会社ゴモジーは2023年8月31日付で株式譲渡により連結の範囲から除外しております。
(*2)株式会社パワーでんきイノベーションは当連結会計年度より当社連結子会社としております。
なお、前連結会計年度の各ソリューション区分の情報につきましては、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
(IoTビジネスイノベーション)
インテグレーションソリューションはシステム開発や端末提供に伴うフロー売上と導入後の通信料やアプリケーション利用料、保守料からなるストック売上で構成されます。モニタリングソリューションは「ゆりもっと」が主力サービスであり、端末提供に伴うフロー売上と導入後の遠隔監視サービス提供料で構成されます。また、EV充電スタンド関連における端末提供もフロー売上に含まれます。モビリティサービスにおいては株式会社プレミア・ブライトコネクトへの製品及び業務提供がフロー売上に含まれます。当連結会計年度において、注力チャネルであるKDDI株式会社との営業活動、主力ソリューションゆりもっと導入、EV充電スタンドの端末販売が順調に推移し、売上高は1,232,259千円(前年比6.0%増)となりました。
(コンストラクションソリューション)
国土交通省が生産性向上の一環として推進している遠隔臨場向け商材が前年実績を大きく上回り、またAI関連案件も堅調に推移し、売上が拡大したものの、昨年度からのNETIS登録品の登録期限切れの影響が依然として払拭されず、既存レンタル商品の受注率が低下したことにより、売上高は949,245千円(前年比3.0%減)となりました。
(IoTパワード)
IoTパワードは当社子会社の株式会社ゴモジー、及び株式会社パワーでんきイノベーションにより構成されます。当連結会計年度において、株式会社ゴモジーは空調・暖房設備関連、及び当期より開始となったリモートモニタリング分野の開発案件の事業を行っております。
また株式会社パワーでんきイノベーションは、有限会社パワーでんきカンパニーから2022年12月16日付で譲受した太陽光設備に係る造成・販売施工、電気工事の事業を開始しております。
これらの結果、売上高は533,907千円(前年比598.4%増)となりました。
また、当社保有の非上場有価証券の売却により、28,535千円の投資有価証券売却益(特別利益)を、当社子会社の株式会社フィットの株式売却により、7,707千円の子会社株式売却益(特別利益)を、株式会社ゴモジーの株式売却により、3,176千円の子会社株式売却損(特別損失)を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,715,412千円(前年比22.5%増)、営業損失93,397千円(前年は営業利益19,547千円)、経常損失83,318千円(前年は経常利益34,311千円)、親会社株主に帰属する当期純損失174,864千円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益27,770千円)となりました。
また、財政状態の概況は以下の通りです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べ463,264千円増加し、1,832,768千円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が145,077千円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べ97,460千円減少し、404,658千円となりました。これは主に減損損失として108,615千円を計上したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べ398,670千円増加し、868,373千円となりました。これは主に契約負債が160,579千円増加、及び短期借入金を117,660千円計上したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べ137,227千円増加し、436,146千円となりました。これは主に、長期借入金が130,441千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ170,093千円減少し、932,907千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失174,864千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ40,077千円増加し、586,195千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果減少した資金は179,960千円となりました。
これは主に、契約負債の増加額163,882千円、減価償却費134,923千円、減損損失108,615千円があった一方で、税金等調整前当期純損失163,043千円、売上債権の増加額197,924千円、棚卸資産の増加額168,729千円、前渡金の増加額112,583千円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は104,870千円となりました。
支出の主な内訳は、連結子会社の株式会社パワーでんきイノベーションにおける事業譲受による支出98,636千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は324,908千円となりました。
これは長期借入金の返済による支出197,284千円があった一方、長期借入れによる収入400,000千円、短期借入れによる収入117,660千円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当社は、IoTインテグレーション事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売実績はソリューション別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
| ソリューションの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | 前年同期比(%) |
| IoTビジネスイノベーション(千円) *1 | 353,788 | 173.8 |
| コンストラクションソリューション(千円) *1 | 195,076 | 119.7 |
| IoTパワード(千円) *2 | 379,164 | 1,329.9 |
| 合計(千円) | 928,030 | 234.9 |
(注)1.上記の金額は、製造原価の金額となっております。製造原価は材料仕入高、直接労務費及び外注費の金額によっております。製造原価とは製品及びソフトウエアの製造に係る原価であり、機器の設置工事委託費、融雪装置遠隔監視業務委託費等の製造以外の原価は含まれておりません。
2.工事原価及び製品の製造原価の金額となっております。製造原価は材料仕入高、直接労務費及び外注費の金額によっております。設備の維持管理等の原価は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| ソリューションの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| IoTビジネスイノベーション | 1,387,868 | 124.5 | 267,475 | 239.1 |
| コンストラクション ソリューション | 934,439 | 90.8 | 41,311 | 73.6 |
| IoTパワード | 810,615 | 970.5 | 177,893 | 784.8 |
| 合計 | 3,011,442 | 135.2 | 486,680 | 255.3 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| ソリューションの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | 前年同期比(%) |
| IoTビジネスイノベーション(千円) | 1,232,259 | 106.0 |
| コンストラクションソリューション(千円) | 949,245 | 97.0 |
| IoTパワード(千円) | 533,907 | 698.4 |
| 合計(千円) | 2,715,412 | 122.5 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社仙台銘板 | 447,733 | 20.2 | 445,722 | 16.4 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は、以下のとおりであります。
a.経営成績等の状況
(売上高)
前連結会計年度と比較し、IoTビジネスイノベーション及びIoTパワードの売上高増大により、売上高は2,715,412千円(22.5%増)となりました。
(売上原価・売上総利益)
前連結会計年度と比較し、売上の増大、及び仕入コストの上昇により売上原価および売上原価率が上昇したことで、売上原価は1,757,363千円(46.1%増)売上総利益は958,049千円(5.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損益)
前連結会計年度と比較し、給料及び手当や役員報酬など、主に組織強化のための人件費の増加により、販売費及び一般管理費が1,051,447千円(5.7%増)となりました。その結果、営業損失は93,397千円となりました。
(営業外損益、経常損益)
当連結会計年度における営業外収益は、16,347千円(7.9%減)となりました。また、営業外費用は6,267千円(110.0%増)となりました。この結果、経常損失は83,318千円となりました。
(税金等調整前当期純損益、親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券及び子会社株式の売却により36,243千円となりました。また、特別損失は、減損損失の計上等により115,968千円となりました。この結果、税金等調整前当期純損失は、163,043千円、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、174,864千円となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、人件費(売上原価やソフトウエアに計上されるものを含む)、仕入(通信費を含む)等であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的確保を図る趣旨の下、短期運転資金を自己資金で、設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からの長期借入で賄うことを基本原則としております。当連結会計年度末現在、有利子負債残高は704,790千円、総資産に対する借入金の割合は31.5%となっております。
主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、流動性確保のため、900,000千円の当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末現在、借入実行残高は117,660千円であります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。