有価証券報告書-第12期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/26 17:00
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、COVID-19の影響を受けつつも、医療や介護の提供体制を担う人材の不足や財源問題が継続したため、有効求人倍率は全産業平均と比較して数倍高い水準で推移いたしました。また、2020年4月10日付で初診患者にもオンライン診療を時限的に認める事務連絡が発出されましたが、同年9月に菅政権が発足し、デジタル化推進策の1つとして、オンライン診療に関する時限的措置の恒久化も検討されております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度において、人材プラットフォーム事業は、緊急事態宣言が発令された第2四半期に一時的な売上高成長率の鈍化が見られたものの、第3四半期以降は高水準に回復し、増収となりました。また、医療プラットフォーム事業においても、第2四半期以降のオンライン診療システムの需要の高まりに加え、第3四半期にリリースした調剤薬局向け窓口支援システムの順調な立ち上がりを受け、増収となりました。売上高が伸長する一方で、事業規模拡大にむけて人材プラットフォーム事業におけるシステムの機能開発や人員増強等の継続成長投資を実施しました。さらに、医療プラットフォーム事業における開発人員の増強や調剤薬局向け窓口支援システムの立ち上げに伴う提供体制の増強を始めとした先行投資を積極的に実施しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,830,791千円(前年同期比43.3%増)、EBITDA542,679千円(前年同期比117.5%増)、営業利益396,094千円(前年同期比158.6%増)、経常利益422,687千円(前年同期比137.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は455,986千円(前年同期は381,226千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、人材プラットフォーム事業においては、当社グループのサービスを利用して入職した求職者が求人事業所に入職した日付を基準として売上高を計上しているため、一般的に年度の始まりとされている4月に入職が増え、同月に売上高が偏重する傾向があります。そのため、当社グループの業績は、第2四半期連結会計期間に売上高が偏重する傾向があります。
セグメントごとの業績を示すと、以下のとおりです。
なお、セグメント間取引消去額及び各セグメントに配賦されてない全社共通費用の総額は1,432,877千円(前年同期比41.7%増)です。
a. 人材プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、第2四半期以降、COVID-19の感染拡大を背景とした緊急事態宣言の発令の影響を受けましたが、同宣言解除以降に復調し、顧客事業所数が前連結会計年度末比18.6%増の216,000件を超えました。その一方で、掲載求人数は前連結会計年度末比6.1%増の215,000件強に留まりました。また、2020年10月にWeb面接・動画選考の機能を追加する等、利便性の向上に向けたサービスサイトの継続的な機能改善を行った他、従事者会員基盤のさらなる拡大に向けたTVCMを第1四半期会計期間に実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は5,650,569千円(前年同期比37.4%増)、全社共通費用配賦前のセグメント利益(営業利益)は2,371,070千円(前年同期比34.1%増)となりました。
b. 医療プラットフォーム事業
当連結会計年度においては、COVID-19感染拡大の防止策としてのオンライン診療への関心の高まりを背景に、第2四半期以降、クラウド診療支援システムCLINICSの利用医療機関数が急速に増加したことに加え、2020年9月より提供を開始した調剤薬局向け窓口支援システムPharmsの順調な立ち上がりを受け、利用医療機関数は前連結会計年度末比373.0%増の5,600件を突破しました。2019年3月に連結子会社化(完全子会社化)した株式会社NaClメディカルは、従前と同様に、医事会計ソフトウェア「ORCA」の受託開発を担いました。医療情報提供サービスMEDLEYにおいては、2020年7月より専門家グループ、グーグル合同会社、及び株式会社メディカルノートと、COVID-19に関する情報発信において連携を開始した他、継続的なコンテンツの更新及び拡充を実施しました。また、同年12月には、調剤薬局向け窓口支援システムの機能拡張や新たなプロダクトの開発を目的とした実証実験拠点として、株式会社オーティーオーを連結子会社化(完全子会社化)しました。
以上の結果、セグメント売上高は1,072,005千円(前年同期比99.7%増)、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は461,415千円(前年同期は515,748千円の営業損失)となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、クラウド診療支援システムCLINICSの新規利用医療機関の獲得や機能拡充に向けた成長投資に加え、調剤薬局向け窓口支援システムに関する先行投資の実施や他社電子カルテ資産等の取得費用を一括計上したこと等が挙げられます。
c. 新規開発サービス
当連結会計年度においては、介護施設検索サイト介護のほんねはCOVID-19の影響により、第2四半期以降、施設見学の延期や施設側の受入制限等が継続しましたが、サイトリニューアルを含めたコンテンツ拡充及び紹介可能施設数の拡充のための積極的な営業活動を実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は108,216千円(前年同期比7.5%減)、全社共通費用配賦前のセグメント損失(営業
損失)は80,682千円(前年同期は88,715千円の営業損失)となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、介護のほんねにおいて最適な収益構造の確立に向けた投資を実施していることが挙げられます。
② 財政状態及びその分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は14,545,664千円となり、前連結会計年度末に比べ9,790,087千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9,574,638千円、売掛金が58,774千円及び前払費用が34,771千円増加したことによるものであります。固定資産は933,470千円となり、前連結会計年度末に比べ295,288千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が11,512千円、無形固定資産が140,922千円及び投資その他の資産が142,853千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は15,519,992千円となり、前連結会計年度末に比べ10,119,504千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,943,829千円となり、前連結会計年度末に比べ1,176,225千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が635,570千円、前受金が272,106千円及び未払消費税等が88,564千円増加したことによるものであります。固定負債は2,858,569千円となり、前連結会計年度末に比べ2,585,474千円増加いたしました。これは長期借入金が2,585,474千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,802,398千円となり、前連結会計年度末に比べ3,761,699千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は9,717,594千円となり、前連結会計年度末に比べ6,357,805千円増加いたしました。これは海外募集による株式発行や新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ2,956,909千円、利益剰余金が455,986千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,574,638千円増加し、当連結会計年度末には14,052,034千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、805,762千円(前連結会計年度は513,982千円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益422,632千円に、減価償却費146,584千円、売上債権の増加額58,774千円、前受金の増加額272,106千円を調整し、また法人税等の支払額126,122千円及び和解金の受取額19,066千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、283,149千円(前連結会計年度は767,964千円の支出)となりました。これは主として、ソフトウェア開発のための支出191,717千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得55,122千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による獲得した資金は、9,052,025千円(前連結会計年度は3,075,285千円の獲得)となりました。これは主として、株式の発行による収入5,860,481千円、長期借入れによる収入3,500,000千円及び長期借入金の返済による支出308,456千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
人材プラットフォーム事業5,650,56937.4
医療プラットフォーム事業1,072,00599.7
新規開発サービス108,216△7.5
合計6,830,79143.3

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、人材プラットフォーム事業において顧客事業所数及び従事者会員数が順調に推移したことや、医療プラットフォーム事業においてクラウド診療支援システムCLINICSの利用医療機関数の増加及び調剤薬局向け窓口支援システムPharmsの順調な立ち上がりにより伸長したことによるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、COVID-19の影響の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りです。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は6,830,791千円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業において顧客事業所数及び従事者会員数が順調に推移し、セグメント売上高が5,650,569千円と伸長したことに加え、医療プラットフォーム事業において、クラウド診療支援システムCLINICSの利用医療機関数の増加及び調剤薬局向け窓口支援システムPharmsの順調な立ち上がりを受け、セグメント売上高が1,072,005千円となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度において、売上原価は2,159,623千円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業の売上原価として計上している従事者会員獲得のための広告宣伝費が増加したことによるものです。この結果、売上総利益は4,671,167千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度において、販売費及び一般管理費は4,275,072千円となりました。主な要因は、事業拡大に伴う人件費等の増加及び成長投資、並びにマーケティング活動のための広告宣伝費の増加によるものです。この結果、営業利益は396,094千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益が46,514千円及び営業外費用が19,921千円となりました。この結果、経常利益は422,687千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において、特別損失として固定資産廃棄損55千円を計上しました。この結果、税金等調整前当期純利益は422,632千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税が92,293千円となりました。また、当連結会計年度及び今後の業績見通し等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上することとし、当連結会計年度において、法人税等調整額△125,648千円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は455,986千円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、情報管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業におけるシステム開発及び事業拡大のための人件費、ソフトウェア開発のための設備投資、並びに認知度の向上及びユーザー数の拡大のための広告宣伝費及び販促費等となっております。当社グループの資金需要については、自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティ・ファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
また、資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,052,034千円であり、それに加え、複数の取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結し、資金調達手段を確保することにより、四半期ごとに変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針です。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略及び経営上の目標達成状況を判断するための経営指標等」に記載のとおり、売上高を重要な経営指標と位置づけ、売上高を「顧客事業所数」×「ARPU(注1)」と捉えて高い売上高成長率の継続に向けた事業展開を行っております。
顧客事業所数及びARPUの進捗については、下表のとおり継続的に増加しており、当連結会計年度末時点における顧客事業所数は前年同期比19.2%増、ARPUは前年同期比で25.6%増となっており、売上高成長率の継続に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
該当四半期顧客事業所数(件)(注2)ARPU(円)(注3)
2018年12月期第1四半期末125,0414,235
2018年12月期第2四半期末133,6607,994
2018年12月期第3四半期末141,8264,995
2018年12月期期末149,2354,577
2019年12月期第1四半期末157,1545,517
2019年12月期第2四半期末166,3399,912
2019年12月期第3四半期末175,8386,684
2019年12月期期末182,9615,889
2020年12月期第1四半期末193,2036,481
2020年12月期第2四半期末199,12411,695
2020年12月期第3四半期末208,6378,005
2020年12月期期末218,0317,395

(注) 1.ARPU(Average Revenue Per User)とは、当社グループの顧客事業所当たりの売上額を指します。
2.人材プラットフォーム事業及び医療プラットフォーム事業の顧客事業所数の合計であり、新規開発サービスの顧客事業所数は含んでおりません。ただし、2019年12月期期末より、両プラットフォーム事業における重複顧客事業所は、1事業所として算出しております。
3. 当社グループでは、人材プラットフォーム事業の売上高が第2四半期に偏重するため、ARPUも第2四半期に偏重しております。

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