有価証券届出書(新規公開時)

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2019/11/08 15:00
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当社(第10期)及び当社グループ(第11期)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社(第10期)及び当社グループ(第11期)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第10期事業年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当社の事業領域である医療ヘルスケア領域においては、少子高齢化という人口動態の変化により医療費及び介護費の増加が確実視される中で、医療や介護の提供体制を担う人材の不足や財源問題が深刻化し、より合理的な医療や介護の在り方が模索されています。また、スマートフォンやタブレット端末が普及し、場所を問わずインターネットを利用する人々が増えたことから、医療ヘルスケア領域においてインターネットをどう活用するのかが活発に議論されるようになっています。
その背景に基づき、厚生労働省から2015年8月にオンライン診療の適用に関する解釈を明示した通知が出されました。本通知を受けてから、当社では業界内でいち早くオンライン診療分野での事業を検討し、2016年2月には、オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」の提供を開始しました。そのような中、2018年4月には厚生労働省からの指針公布や診療報酬改定が行われ、「オンライン診療料」や「オンライン医学管理料」、「オンライン在宅管理料」等のオンライン診療に対する保険点数が新設されることとなりました。当社ではこのような規制環境下において、学会や行政等と連携しながら、CLINICSを用いたオンライン診療の拡大に取り組みました。
このような事業環境のもと、当事業年度において、人材プラットフォーム事業の売上高が堅調に推移したため、全体の売上高が増加いたしました。売上高が伸長する一方で、事業規模拡大にむけて人材プラットフォーム事業におけるシステムの機能開発や人員増強等の継続成長投資のみならず、医療プラットフォーム事業における開発人員の増強を始めとした先行投資を積極的に実施しました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高2,933,043千円(前期比71.3%増)、営業損失100,372千円(前期は営業利益30,897千円)、経常損失87,829千円(前期は経常利益38,012千円)、当期純損失153,562千円(前期は当期純利益35,651千円)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、以下の通りです。
a. 人材プラットフォーム事業
当事業年度においては、顧客事業所数が前事業年度末比25.4%増の148,000件を超え、掲載求人数は前事業年度末比29.1%増の162,000件を超えました。また、利便性向上のためにサービスサイトの機能改善を継続的に実施しております。
以上の結果、セグメント売上高は2,552,347千円、コーポレート費用配賦前のセグメント利益(営業利益)は981,668千円となりました。
b. 医療プラットフォーム事業
当事業年度においては、オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」は前事業年度に引き続き利用医療機関数が増加し、また利便性向上のための機能開発を実施しました。また、当事業年度よりサービス提供を開始しましたクラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」についても、順調に利用医療機関の獲得が進み、医療プラットフォーム事業全体における利用医療機関数は前事業年度末比45.7%増の970件を突破しました。また、「MEDLEY」においては、継続的なコンテンツ拡充を実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は352,145千円、コーポレート費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は348,388千円となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、新規利用医療機関の獲得のための成長投資や、「CLINICSオンライン診療」の機能開発及び「CLINICSカルテ」の新規開発のため、開発人員を増強するなどの成長投資を積極的に行ったこと等が挙げられますが、新規の利用医療機関数の増加については堅調に推移しております。また、「MEDLEY」において、コンテンツ拡充の成長投資を実施していることも要因として挙げられます。
なお、2018年4月の診療報酬改定に伴い医療プラットフォーム事業の環境が変化したこと等により、当事業年度において同事業のソフトウェア資産について固定資産の減損を実施し、特別損失として減損損失を63,195千円計上しております。
c. 新規開発サービス
当事業年度においては、「介護のほんね」はコンテンツ拡充とともにサイトリニューアルを実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は28,549千円、コーポレート費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は72,638千円となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、「介護のほんね」において成長投資として積極的な採用を実施していることが挙げられます。
なお、各セグメントに配賦されてないコーポレート費用の総額は661,014千円です。
第11期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
当社グループは、第11期事業年度の第1四半期会計期間において、株式会社NaClメディカルの全株式を取得したことに伴い、第11期第1四半期会計期間より四半期連結財務諸表を作成しております。また、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度については四半期連結財務諸表を作成していないため、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の経営成績との対比は行っておりません。
当第3四半期連結累計期間においては、医療や介護の提供体制を担う人材の不足や財源問題が引き続き継続し、有効求人倍率も全産業平均と比較して数倍高い水準で推移いたしました。また2019年6月には、「成長戦略フォローアップ」が政府により閣議決定され、オンライン服薬指導を可能とすることを含む法律案を検討する旨や、有効性・安全性に関するデータ・事例の収集を踏まえ、オンライン診療のガイドラインを定期的に見直し、これを推進していく旨が言及されました。
このような事業環境のもと、当第3四半期連結累計期間において、人材プラットフォーム事業の売上高は堅調に推移したため、全体の売上高が増加いたしました。売上高が伸長する一方で、事業規模拡大にむけて人材プラットフォーム事業におけるシステムの機能開発や人員増強等の継続成長投資のみならず、医療プラットフォーム事業における開発人員の増強を始めとした先行投資を積極的に実施しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,675,444千円、営業利益428,267千円、経常利益458,108千円となりました。
また、第1四半期連結会計期間に株式会社NaClメディカルの全株式を取得し連結子会社(完全子会社)としておりますが、同社の将来キャッシュ・フロー計画の新規事業性が高いことから、将来キャッシュ・フローに不確実性があると判断し、同会計期間中に同社に係るのれんの減損損失494,489千円を計上しております。これにより、当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純損失は38,100千円となりました。
なお、人材プラットフォーム事業においては、当社グループのサービスを利用して入職した求職者が求人事業所に入職した日付を基準として売上高を計上しているため、一般的に年度の始まりとされている4月に入職が増え、同月に売上高が偏重する傾向があります。そのため、当社グループの業績は、第2四半期連結会計期間に売上高が偏重する傾向があります。
セグメントごとの業績を示すと、以下の通りです。
a. 人材プラットフォーム事業
当第3四半期連結累計期間においては、顧客事業所数が前事業年度末比17.8%増の174,000件を超え、掲載求人数は前事業年度末比17.6%増の191,000件を超えました。また、利便性向上のためにサービスサイトの機能改善を継続的に実施しております。
以上の結果、セグメント売上高は3,188,268千円、コーポレート費用配賦前のセグメント利益(営業利益)は1,512,542千円となりました。
b. 医療プラットフォーム事業
当第3四半期連結累計期間においては、オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」は前事業年度に引き続き利用医療機関数が増加し、また利便性向上のための機能開発を実施しました。また、前事業年度よりサービス提供を開始しましたクラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」についても、順調に利用医療機関の獲得が進み、医療プラットフォーム事業全体における利用医療機関数は前事業年度末比21.0%増の1,170件を突破しました。また、「MEDLEY」においては、継続的なコンテンツ拡充を実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は403,684千円、コーポレート費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は369,179千円となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、新規利用医療機関の獲得のための成長投資や、「CLINICSオンライン診療」の機能開発及び「CLINICSカルテ」の新規開発のため、開発人員を増強するなどの成長投資を積極的に行ったこと等が挙げられますが、新規の利用医療機関数の増加については堅調に推移しております。また、「MEDLEY」において、コンテンツ拡充の成長投資を実施していることも要因として挙げられます。
c. 新規開発サービス
当第3四半期連結累計期間においては、「介護のほんね」は継続的なコンテンツ拡充を実施しました。
以上の結果、セグメント売上高は83,492千円、コーポレート費用配賦前のセグメント損失(営業損失)は73,198千円となりました。
なお、当該営業損失が発生している要因としては、「介護のほんね」において成長投資として積極的な採用を実施していることが挙げられます。
なお、セグメント間取引消去額及び各セグメントに配賦されてないコーポレート費用の総額は641,896千円です。
② 財政状態及びその分析
第10期事業年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当事業年度末の総資産は、2,310,889千円となり、前事業年度末と比較して547,923千円の増加となりました。
(流動資産)
当事業年度末の流動資産は、1,843,993千円となり、前事業年度末と比較して259,282千円の増加となりました。これは主に現金及び預金が増加(前事業年度末比233,824千円)、及び売掛金が増加(前事業年度末比38,195千円)したこと等によるものです。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産は、465,022千円となり、前事業年度末と比較して290,046千円の増加となりました。これは主に敷金が増加(前事業年度末比210,610千円)、建物が増加(前事業年度末比38,985千円)、及びソフトウェアが増加(前事業年度末比35,657千円)したこと等によるものです。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債は、852,071千円となり、前事業年度末と比較して419,205千円の増加となりました。これは主に1年以内返済予定長期借入金が増加(前事業年度比170,264千円)、未払金が増加(前事業年度末比180,703千円)、未払費用が増加(前事業年度末比39,543千円)、預り金が増加(前事業年度末比22,528千円)、及び前受金が増加(前事業年度末比6,610千円)したこと等によるものです。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債は、368,349千円となり、前事業年度末と比較して268,349千円の増加となりました。これは長期借入金が増加(前事業年度比268,349千円)したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、1,090,468千円となり、前事業年度末と比較して139,630千円の減少となりました。これは主に、当期純損失の計上により繰越利益剰余金が減少(前事業年度末比153,562千円)したこと等によるものです。
第11期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、2,384,008千円となりました。
(流動資産)
第3四半期連結会計期間末の流動資産は、1,760,070千円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,413,254千円及び売掛金325,297千円等であります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、623,118千円となりました。主な内訳は、無形固定資産206,734千円及び敷金361,347千円等であります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、1,488,782千円となりました。主な内訳は、短期借入金500,000千円、未払金368,927千円、1年内返済予定の長期借入金190,256千円、前受金161,170千円等であります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、317,859千円となりました。内訳は、長期借入金317,859千円であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、577,367千円となりました。主な内訳は、資本金50,000千円、資本剰余金1,144,447千円、自己株式475,000千円等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
第10期事業年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、233,824千円増加し、1,656,092千円
となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は192,389千円(前年同期は153,609千円の収入)となりました。主な要因は未払金の増加184,586千円及び減損損失63,195千円があった一方で、税引前当期純損失151,270千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は411,110千円(前年同期は142,770千円の支出)となりました。主な要因は無形固定資産の取得による支出148,505千円及び敷金の差入による支出261,462千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は452,545千円(前年同期は1,157,904千円の収入)となりました。主な要因は長期借入れによる収入550,000千円があった一方で、長期借入れの返済による支出111,387千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第10期事業年度及び第11期第3四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称第10期事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
第11期第3四半期
連結累計期間
(自 2019年1月1日
至 2019年9月30日)
売上高(千円)前年同期比(%)売上高(千円)
人材プラットフォーム事業2,552,347194.83,188,268
医療プラットフォーム事業352,14592.7403,684
新規開発サービス28,549126.083,492
合計2,933,043171.33,675,444

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的と考えられる金額を計上しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、見積もった数値と実際の結果は異なる場合があります。
② 経営成績の分析
第10期事業年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
(売上高)
当事業年度において、売上高は2,933,043千円(前期は1,712,491千円)となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業において顧客事業所数及び掲載求人数が順調に推移し、セグメント売上高が2,552,347千円(前期は1,310,024千円)と伸長した一方で、医療プラットフォーム事業において、診療報酬改定等に伴い事業環境が変化したことにより、売上高の伸長が伸び悩み、セグメント売上高が352,145千円(前期は379,805千円)となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度において、売上原価は1,074,237千円(前期は542,217千円)となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業の事業拡大に伴い、売上原価として計上している労務費及び支払手数料が増加したことによるものです。この結果、売上総利益は1,858,806千円(前期は1,170,273千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度において、販売費及び一般管理費は1,959,178千円(前期は1,139,376千円)となりました。主な要因は、事業拡大に伴う人件費等の増加及び成長投資、並びにマーケティング活動のための広告宣伝費の増加によるものです。この結果、営業損失は100,372千円(前期は営業利益30,897千円)となりました。
(経常損失)
当事業年度において、営業外収益が17,287千円(前期は11,466千円)及び営業外費用が4,744千円(前期は4,351千円)となりました。この結果、経常損失は87,829千円(前期は経常利益38,012千円)となりました。
(税引前当期純損失)
当事業年度において、2018年4月の診療報酬改定に伴い事業環境が変化したこと等により、医療プラットフォーム事業におけるソフトウェア資産についての固定資産の減損を実施したため、特別損失が63,705千円(前期は48千円)発生いたしました。この結果として、税引前当期純損失は151,270千円(前期は税引前当期純利益37,964千円)となりました。
(当期純損失)
当事業年度において、法人税等が2,292千円(前期は2,312千円)となりました。この結果、当期純損失は153,562千円(前期は当期純利益35,651千円)となりました。
第11期第3四半期連結累計期間(自 2019年1月1日 至 2019年9月30日)
なお、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度については四半期連結財務諸表を作成していないため、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度との対比は行っておりません。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間において、売上高は3,675,444千円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業において顧客事業所数及び掲載求人数が順調に推移し、セグメント売上高が3,188,268千円となったこと、及び医療プラットフォーム事業において、利用医療機関数の増加が順調に推移し、セグメント売上高が403,684千円となったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間において、売上原価は1,139,334千円となりました。主な要因は、人材プラットフォーム事業の事業拡大に伴い、売上原価として計上している労務費及び支払手数料が増加したことによるものです。この結果、売上総利益は2,536,110千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間において、販売費及び一般管理費は2,107,842千円となりました。主な要因は、事業拡大に伴う人件費等の増加、及びマーケティング活動のための広告宣伝費の増加、並びに医療プラットフォーム事業におけるプロダクトラインナップ強化のための成長投資を行ったことによるものです。この結果、営業利益は428,267千円となりました。
(経常利益)
当第3四半期連結累計期間において、営業外収益が36,887千円及び営業外費用が7,046千円となりました。この結果、経常利益は458,108千円となりました。
(税引前当期純損失)
当第3四半期連結累計期間においては、上記の通り第1四半期連結会計期間において株式会社NaClメディカルに係るのれんの減損を実施したことにより、特別損失が494,489千円となりました。この結果、税引前当期純損失は36,381千円となりました。
(当期純損失)
当第3四半期連結累計期間において、法人税等が1,719千円となりました。この結果、当期純損失は38,100千円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、組織体制の整備、リスク管理体制の強化、情報管理体制の強化、成長事業領域への継続投資等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業におけるシステム開発及び事業拡大のための人件費、ソフトウェア開発のための設備投資、並びに認知度の向上及びユーザー数の拡大のための広告費及び販促費等となっております。当社グループの資金需要については、自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティ・ファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
また、資金の流動性については、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,656,092千円であり、それに加え、複数の取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結し、資金調達手段を確保することにより、四半期ごとに変動する資金需要に対応し、流動性リスクをコントロールしております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針です。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高を重要な経営指標と位置づけております。具体的には、売上高を「顧客事業所数」×「ARPU(注1)」と捉えて高い売上高成長率の継続に向けた事業展開を行っております。
当該指標の進捗について、2019年12月期連結会計期間における通期売上高目標が4,677,486千円であるところ、当第3四半期連結累計期間の売上高実績は3,675,444千円、その進捗率は78.6%となっており、順調な進捗となっております。また、顧客事業所数及びARPUについても、下表の通り継続的に増加しており、2019年第3四半期末時点における顧客事業所数は前年同期比24.0%増、ARPUは前年同期比で33.8%増となっており、売上高成長率の継続に向けた事業展開も順調に推移しているものと認識しております。
該当四半期顧客事業所数(注2)ARPU(円)(注3)
2017年12月期第1四半期末93,7853,131
2017年12月期第2四半期末99,7885,398
2017年12月期第3四半期末103,9744,105
2017年12月期期末118,8264,173
2018年12月期第1四半期末125,0414,235
2018年12月期第2四半期末133,6607,994
2018年12月期第3四半期末141,8264,995
2018年12月期期末149,2354,577
2019年12月期第1四半期末157,1545,517
2019年12月期第2四半期末166,3399,912
2019年12月期第3四半期末175,8386,684

(注) 1.ARPU(Average Revenue Per User)とは、当社グループの顧客事業所当たりの売上額を指します。
2.人材プラットフォーム事業及び医療プラットフォーム事業の顧客事業所数の合計であり、新規開発サービスの顧客事業所数は含んでおりません。
3. 当社グループでは、人材プラットフォーム事業の売上高が第2四半期に偏重するため、ARPUも第2四半期に偏重しております。