有価証券報告書-第46期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
134項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴い社会経済活動が正常化したことにより、景気動向は緩やかに回復基調となっております。しかしながら、原材料や輸入物価の上昇による家計負担の増加から、個人の消費需要減退の懸念など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
この様な状況の中、当社グループは、中低所得者層を主な顧客層として「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第四の選択肢」を提供することを目指し、商品化が難しい築古の戸建物件を取扱い、そのままでは住むことが出来ない状態の物件にリフォームで価値を足して販売しております。
販売面においては、賃貸住宅にお住まいのファミリー層を中心に「低価格で高品質の住宅に住みたい」というニーズは底堅く、低価格帯の住宅を提供するなどの販売方針により、お客様のニーズに合った住宅を提供することで販売件数は前連結会計年度と比較して増加しました。また、原材料価格の上昇等のコスト負担の増加に伴い販売価格を見直した結果、 売上高は前連結会計年度と比較して増加いたしました。
仕入面においては、販売が堅調に進捗したことに加えて、在庫水準を適正水準に保つべく厳選した仕入れを行った結果、販売用不動産及び仕掛販売用不動産は、前連結会計年度末から減少しております。
利益面においては、都市郊外を中心に新築分譲の戸建住宅が値下げ販売されたことにより連動した値下げ・値引きを行った結果、売上総利益率は前連結会計年度比0.2ポイント低下いたしました。また、販売費及び一般管理費は、国税当局に対する裁判の第1審判決での敗訴に伴い、当社グループ従来の会計処理と国税当局が主張する計算方法との乖離する金額を算定し、消費税等差額として販売費及び一般管理費に2,085百万円を計上した結果、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比18.3%増加いたしました。なお、当該消費税等差額の影響を除いた調整後販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.0%の増加となりました。
(財政状態)
当連結会計年度の資産合計は、77,366百万円となり、前連結会計年度末の66,304百万円から11,062百万円増加、負債合計は、37,025百万円となり、前連結会計年度末の30,535百万円から6,489百万円増加、純資産合計は、40,341百万円となり、前連結会計年度末の35,768百万円から4,573百万円増加となりました。
(経営成績)
当連結会計年度の業績については、販売件数は7,169件(前連結会計年度比3.5%増)、売上高は126,718百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は12,672百万円(前連結会計年度比9.9%減)、経常利益は12,321百万円(前連結会計年度比10.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,497百万円(前連結会計年度比39.5%増)となりました。
なお、当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて13,299百万円増加して22,027百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は9,502百万円(前年同連結会計年度は1,467百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を12,305百万円計上し、仕入債務の増加額が376百万円、棚卸資産の減少額が1,891百万円あった一方、未払消費税等の減少額2,270百万円及び法人税等の支払額3,100百万円がそれぞれあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は192百万円(前連結会計年度比125.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出71百万円、無形固定資産の取得による支出120百万円がそれぞれあったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により得られた資金は3,989百万円(前連結会計年度3,128百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入8,000百万円があった一方、配当金の支払額が4,041百万円あったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、買取仕入と競売仕入の仕入方法別に記載を行っております。
セグメントの名称仕入方法当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
仕入件数(件)仕入高(百万円)
中古住宅再生事業買取仕入6,91057,21792.4
競売仕入981,40468.0
合計7,00858,62291.6

(注)1.上記金額には、外注加工費は含まれておりません。
2.前年同期比は、仕入高の金額で比較を行っております。
c.受注実績
当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、地域別の販売実績に分けて記載を行っております。
地域別当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
販売件数(件)販売高(百万円)
東京圏93321,23698.2
名古屋圏70212,80293.7
大阪圏4109,358114.3
北海道4306,870114.4
東北95815,204103.0
関東5968,85893.3
中部1,15218,734120.2
関西1461,968109.0
中国5629,004100.6
四国3535,49795.5
九州92716,017108.3
その他-1,163162.5
合計7,169126,718104.4

(注)1.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。
2.上記は、総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っており、当社グループの店舗別販売実績とは異なります。
3.前年同期比は、販売高の金額で比較を行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、次のとおりであります。
(経営成績)
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上高は、126,718百万円となり、前連結会計年度の121,341百万円から5,377百万円の増加(前連結会計年度比4.4%増)となりました。その主な要因は、堅調な需要を背景に、営業人員の増加によって供給件数を増やせたことと、市況の変動や高付加価値化により販売単価が上昇したことによります。
当連結会計年度の売上原価は、98,904百万円となり、前連結会計年度の94,485百万円から4,418百万円の増加(前連結会計年度比4.7%増)となりました。その主な要因は、上記の通り市況の変動、特に三大都市圏の物件に関して仕入単価が上昇したことによります。
以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、27,814百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。
b.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、15,141百万円となり、前連結会計年度の12,795百万円から2,346百万円の増加(前連結会計年度比18.3%増)となりました。その主な要因は、給料手当及び賞与が441百万円、仕入拡大を目的としたWEB広告を中心に行い広告宣伝費が57百万円、並びに消費税等差額として租税公課が2,108百万円増加したことによります。
以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、12,672百万円(前連結会計年度比9.9%減)となりました。
c.営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、受取手数料5百万円、受取保険金2百万円、受取賠償金6百万円及び受取割引料9百万円等の計上により、41百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息228百万円及びシンジケートローン手数料98百万円等の計上により、392百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、12,321百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
d.特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、消費税等差額12百万円の計上により12百万円となりました。また、特別損失は、固定資産除却損8百万円、令和6年能登半島地震に伴う災害による損失7百万円及び災害復旧工事の支出に備えるため災害損失引当金繰入額13百万円を計上したことにより、28百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、12,305百万円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、8,497百万円(前連結会計年度比39.5%増)となりました。
(財政状態)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、75,334百万円となり、前連結会計年度末の64,505百万円から10,829百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が13,299百万円増加した一方、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が1,890百万円減少したことによります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、2,031百万円となり、前連結会計年度末の1,798百万円から233百万円の増加となりました。これは主に、無形固定資産が100百万円、繰延税金資産が51百万円それぞれ増加したことによります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、10,441百万円となり、前連結会計年度末の11,944百万円から1,503百万円の減少となりました。これは主に、買掛金が382百万円、未払法人税等が306百万円それぞれ増加した一方、未払消費税等が2,270百万円減少したことによります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、26,583百万円となり、前連結会計年度末の18,590百万円から7,992百万円の増加となりました。これは主に、長期借入金が8,000百万円増加したことによります。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産は、40,341百万円となり、前連結会計年度末の35,768百万円から4,573百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を8,497百万円計上した一方、剰余金の配当を4,043百万円行ったことによります。この結果、自己資本比率は52.1%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況)
当連結会計年度の事業計画に対する達成状況は以下のとおりであります。
売上高は、当社グループが展開するエリアの中でも比較的販売単価の高い三大都市圏において販売件数が減少したことにより、計画比5,746百万円減(達成率95.7%)となりました。
営業利益は、三大都市圏を中心とした新築住宅各社の在庫処分に対応するための値引きにより売上総利益は減少し、高いコスト意識を持ち運営を行いましたが、計画比544百万円減(達成率95.9%)となりました。
指標2024年3月期
計画実績計画比(達成率(%))
売上高132,464百万円126,718百万円△5,746百万円(95.7%)
営業利益13,216百万円12,672百万円△544百万円(95.9%)

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達しております。このうち、借入による資金調達は、限度額8,000百万円のコミットメントラインを含む総額34,500百万円のシンジケートローンを組成して調達しております。
当連結会計年度末における長期借入金の残高は26,500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22,027百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。