有価証券報告書-第32期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社は「空室のない元気な街を創る」という企業理念の下、入居率や賃料水準の低下等により、収益の改善が必要となった中古不動産を取得し、リノベーションやリーシング(賃貸募集活動)を実施し、収益改善による収益不動産としての資産価値を高めた上で不動産投資家へ販売するという不動産販売事業を中心に事業を展開しております。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が長期化・深刻化し、悪化したまま推移しました。2020年4月の緊急事態宣言発出以降、感染対策と経済活動の両立を目指した各種政策により一時的に持ち直しが期待された一方で、感染は第2波、第3波と広がり、結果、2度目の緊急事態宣言が発出され、さらに延長されるなど、社会と経済の混乱は続いています。ワクチンの接種が段階的に始まってはいるものの、混乱した社会と経済の先行きは依然として不透明な状況です。
当社の属する不動産業界におきましては、2020年4月の緊急事態宣言の発出前後で不動産売買に係る活動が大幅に制約され、さらに不動産投資家の様子見姿勢が高まるなど、一時的に大きく停滞しました。しかし後半以降は、主に1棟レジデンスの不動産価格が値崩れしなかったこともあり、活発な動きを取り戻しつつあります。但し、今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大によっては経済が大きな制約を受けることとなり、先行きの不安感が高まり、不動産取引が停滞するなどの可能性もあり、依然として注視する必要があります。
このような事業環境下におきまして当社は、主力事業である不動産販売事業において、前事業年度から力を入れている取扱商品の多様化や高価格化など、営業機会の拡大に努めてきました。不動産販売事業においては、高価格物件の販売が次々と進み売上が過去最高となるも、上半期に緊急事態宣言下で一部仕入計画に遅れが生じた分が下半期の売上に影響しました。さらに不動産賃貸事業ついては、東北ホテルや民泊が新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大きな影響を受けたことで、セグメントで営業損失を計上しました。
この結果、当事業年度の業績として、売上高は7,544,669千円(前年同期比36.9%増)、営業利益は43,764千円(同49.5%減)、経常利益は1,037千円(同97.9%減)、当期純利益は10,386千円(同21.5%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(不動産販売事業)
不動産販売事業におきましては、主に中古物件を購入しリノベーションやリーシング(賃貸募集業務)を行い、付加価値を高めたうえで不動産投資家への販売を手掛けてまいりました。当事業年度は、レジデンス8棟、ビル4棟、区分店舗・事務所2件、店舗付きレジデンス1棟、開発分譲地1件を売却いたしました。その結果、当事業年度における売上高は6,809,943千円(前年同期比46.2%増)、セグメント利益は331,156千円(同31.4%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業におきましては、従来より安定的に収益を上げていた貸しコンテナ、事業用・居住用サブリース、コインパーキング、シェアオフィス、東北での復興工事従事者向け宿泊施設運営、インバウンド向け民泊施設運営に加え、不動産販売事業において取得した販売用不動産賃料収入等の獲得にも努めてまいりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、事業用サブリース、コインパーキング、東北ホテル、民泊などの稼働が大きく低下いたしました。その結果、当事業年度における売上高は575,632千円(前年同期比19.8%減)、セグメント損失は99,229千円(前年同期はセグメント利益58,244千円)となりました。
(不動産管理事業)
不動産管理事業におきましては、既存顧客に対する管理サービスの向上に努めるとともに、安定収入を増やすべく、新たに販売した投資用不動産の管理受託にも取り組んでまいりました。その結果、当事業年度における売上高は159,093千円(前年同期比18.5%増)、セグメント利益は39,852千円(同8.5%減)となりました。
②財政状態の状況
当事業年度末における財政状態は、総資産5,471,634千円(前年同期比19.3%減)、負債3,964,482千円(前年同期比25.0%減)、純資産1,507,152千円(前年同期比0.7%増)となりました。また、自己資本比率は27.5%(前事業年度末は22.1%)となっております。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は4,273,134千円となり、前事業年度末に比べ1,204,347千円減少いたしました。これは主に、販売用不動産が1,284,823千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,198,500千円となり、前事業年度末に比べ105,696千円減少いたしました。これは主に、減価償却費を70,455千円、減損損失を35,376千円計上したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,029,607千円となり、前事業年度末に比べ238,094千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が108,758千円、1年内返済予定の長期借入金が165,056千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は2,934,874千円となり、前事業年度末に比べ1,082,449千円減少いたしました。これは主に、社債が182,500千円、長期借入金が850,832千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,507,152千円となり、前事業年度末に比べ10,499千円増加いたしました。これは主に、当期純利益を10,386千円計上したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ99,092千円増加し、2,078,166千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,584,002千円となりました(前年同期は9,927千円の獲得)。
これは主に、税引前当期純利益35,878千円、減価償却費70,455千円、減損損失35,376千円、たな卸資産の減少額1,284,608千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は155,929千円となりました(前年同期は39,219千円の使用)。
これは主に、定期預金の預入による支出137,500千円、長期前払費用の取得による支出19,143千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,328,980千円となりました(前年同期は257,268千円の獲得)。
これは主に、長期借入れによる収入4,069,500千円が生じた一方、短期借入金の純減少額108,758千円、長期借入金の返済による支出5,085,388千円、社債の償還による支出199,000千円が生じたこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 不動産販売事業(千円) | 6,809,943 | 146.2 |
| 不動産賃貸事業(千円) | 575,632 | 80.2 |
| 不動産管理事業(千円) | 159,093 | 118.5 |
| 合計(千円) | 7,544,669 | 136.9 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社アイミング | 864,658 | 15.7 | - | - |
| 株式会社KRパートナーズ | 602,622 | 10.9 | - | - |
| 株式会社ボルテックス | - | - | 1,511,054 | 20.0 |
| 株式会社ロイヤルコーポレーション | - | - | 938,967 | 12.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。
(販売用不動産の評価)
販売用不動産については、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。そのため、販売計画や市況環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、追加で収益性の低下に基づく簿価の切り下げが生じる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
固定資産について、減損の兆候があり、その資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合は、その回収可能価額まで減損処理が行われます。減損の兆候の判定及び回収可能価額の見積における重要な仮定は、将来キャッシュフローの見積もりであります。当該資産グループに属する事業の経営環境の著しい変化や収益の悪化等により、見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性を検討したうえで回収可能見込額を計上しております。回収可能見込額は、将来の課税所得の見積もりや一定の仮定のもとに行っているため、その見積もりの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の状況
当社の当事業年度の財政状態に関する認識及び分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
経営成績の状況
(売上高)
当事業年度の売上高は、7,544,669千円(前年同期比36.9%増)となりました。これは不動産販売事業の売上高が2,152,470千円増加の6,809,943千円(前年同期比46.2%増)、不動産賃貸事業の売上高が142,128千円減少の575,632千円(前年同期比19.8%減)となったものの、不動産管理事業の売上高が24,846千円増加の159,093千円(前年同期比18.5%増)となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、6,738,018千円(前年同期比42.5%増)となりました。これは不動産販売事業の売上原価が1,958,624千円増加の6,103,338千円(前年同期比47.3%増)、不動産賃貸事業の売上原価が31,653千円増加の549,917千円(前年同期比6.1%増)、不動産管理事業の売上原価が20,683千円増加の84,762千円(前年同期比32.3%増)となったことによるものであります。
その結果、当事業年度の売上総利益は、806,651千円(前年同期比3.1%増)となり、売上高に対する売上総利益の比率は前事業年度から3.5ポイント減少し10.7%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、762,886千円(前年同期比9.7%増)となりました。これは主として、人件費の増加と、通常の控除対象外消費税の増加に加えて、消費税法改正に伴う控除対象外消費税の増加分が重なったことによるものであります。
その結果、当事業年度の営業利益は43,764千円(前年同期比49.5%減)となり、売上高に対する営業利益の比率は前事業年度から1.0ポイント減少し0.6%となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、7,329千円(前年同期比56.6%減)となりました。これは主として、保険金収入の減少によるものであります。また、営業外費用は50,055千円(前年同期比8.8%減)となりました。これは主として、社債発行費の減少によるものであります。
その結果、当事業年度の経常利益は1,037千円(前年同期比97.9%減)となり、売上高に対する経常利益の比率は前事業年度から0.9ポイント減少し、0.0%となっております。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、70,217千円(前事業年度は発生なし)となりました。また、当事業年度の特別損失は、35,376千円(前年同期比484.2%増)となりました。これは主として、複数の固定資産に関して減損損失が発生したものによるものであります。また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額をあわせた税金費用は、25,492千円(前年同期比13.4%減)となりました。
その結果、当事業年度の当期純利益は10,386千円(前年同期比21.5%減)となり、売上高に対する当期純利益の比率は前事業年度から0.1ポイント減少し、0.1%となっております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおり様々なリスク要因が考えられます。
当社は、それらのリスクに対しての対応策を講じ、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び課題等」に記載した事項を推進し、主力事業である不動産販売事業を更に成長させるとともに、不動産賃貸事業、不動産管理事業においては安定収益の獲得に努め、成長性を取りつつ安定性も兼ね備えたバランスのよい事業構成を目指してまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当社の当事業年度のキャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社の資金需要のうち主なものは、運転資金、販売用不動産購入資金、設備資金であります。
運転資金は、原則として手許資金で賄っておりますが、金融機関からの総合的提案があった場合は調達を行い、手元流動性を高め緊急な販売用不動産の取得にも対応できる体制を整えております。
販売用不動産購入資金は、主に金融機関からの借入れにより調達しており、物件毎の販売計画に基づいて長期借入金または短期借入金で調達しております。
設備資金は、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持ち資金で賄えるか、不足するかの検討を行います。不足が生じる場合は、長期借入金にて調達を行っております。
なお、当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は3,520,997千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,078,166千円となっております。